JPS6354189B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電子写真式複写（または記録）装置に
用いられている磁気ブラシ現像装置に関する。

従来から、表面に絶縁処理をされた円筒状スリ
ーブの内部の感光体と対向する側に複数の磁石を
設け、磁性キヤリアとトナーとからなる現像剤を
収容した現像槽の現像剤中に上記スリーブを接触
させ、上記スリーブを一定方向へ回転させること
によりスリーブ表面の磁気ブラシを一定方向へ移
動させて、その磁気ブラシを静電潜像が形成され
た感光体に接触させることにより静電潜像を現像
し、感光体の残留電位と同極性のバイアス電圧を
スリーブに印加して感光体の残留電位によつて生
ずる地汚れを防止し、現像後の磁気ブラシをスリ
ーブに接触している現像剤掻落板で現像槽内に掻
き落とし、その掻き落とした現像剤と現像槽に補
給されるトナーを撹拌部材で撹拌し、その撹拌後
の現像剤をスリーブの下部に供給する磁気ブラシ
現像装置が知られているが、この磁気ブラシ現像
装置は、現像剤掻落板からスリーブの下部までの
間のスリーブの表面には、磁石を配設していない
ので磁界が弱く、現像剤の磁性キヤリアはあまり
付いていないがトナーは磁性キヤリアより多く残
つている。その結果、現像剤がスリーブに供給さ
れると共にその現像剤を現像に供した後に現像剤
掻落板で掻き落とすという作用の繰り返しによつ
てスリーブの表面にトナーが徐々に付着してその
厚さを増すこととなり、スリーブの表面のトナー
が厚くなると、感光体の残留電位によつて生ずる
地汚れを防止するためにスリーブに印加するバイ
アス電圧の効果が減少して、出来上つたコピーに
地汚れが生ずるという欠点がある。

これらの欠点を除去したものとしては例えば特
開昭53−89443（特願昭52−3782）号公報に開示さ
れた技術がある。これによれば、スリーブの周辺
に現像を終了した後の磁気ブラシの表層部のみを
取り除く磁気ブラシ分離板を設けると共に、その
磁気ブラシ分離板からスリーブの下部までにスリ
ーブと一定間隙を設けてトナー付着防御カバーを
配設することによつて、スリーブに付着するトナ
ーの量を少なくして感光体の残留電位によつて生
ずる地汚れを防止するためにスリーブに印加する
バイアス電圧の効果を減少させないものである。

しかしながら、この技術においては、スリーブ
の表面に常に現像剤が付着した状態になつている
ので、現像装置が永い間使用されるうちに、スリ
ーブの表面にトナーが堆積してスリーブ表面のト
ナー層が次第に厚くなりバイアス電圧の効果が低
下して地汚れを生じてしまうという問題点があ
る。

また、現像剤掻落板によつてスリーブから除去
されなかつたスリーブ上の残留現像剤をさらに除
去すべく現像スリーブに第２の現像剤除去手段を
設けた技術が特開昭53−89745号公報に記載され
ている。この技術においては、現像剤掻き落し板
によつて現像剤を除去された現像スリーブの表面
に、現像剤除去ローラやブレードを接触させ、あ
るいは磁力を利用した現像剤吸引ローラを近接さ
せることによつてスリーブ上から残留現像剤を除
去しようとするものである。スリーブの表面は、
通常、現像剤の保持を良好ならしめるために、ロ
ーレツト加工あるいはサンドブラスト加工が施さ
れて凹凸面となつているので、スリーブにローラ
やブレードを圧接させても、スリーブ表面からト
ナーを除去することは困難であり、また磁力を利
用した現像剤吸引ローラによつては非磁性トナー
をスリーブから除去することはできず、スリーブ
表面に付着したトナーにさらにトナーが付着して
スリーブ上にトナー層が形成されてしまい、その
結果バイアス電圧の効果が低下するという問題点
がある。

本発明は上記の問題点を解決しようとするもの
であり、現像剤掻落板によつてスリーブから掻き
落された現像剤の一部を、現像槽内の現像剤に接
触する前のスリーブ表面の一部に戻し、その戻さ
れた現像剤とスリーブ表面に残留しているトナー
とを結合させることにより、スリーブ上からトナ
ーを除去するようにしたものである。

本発明によれば、スリーズに現像剤が供給され
る前にスリーブの表面からトナーが良好に除去さ
れるので、スリーブ上にトナー層が形成されるこ
とがなく、従つてスリーブに印加されるバイアス
電圧の低下をきたすことがない、地汚れのないき
れいなコピーを得ることができる。

以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。

第１図において、静電潜像が形成されたドラム
状の感光体１は図示しない駆動機構によつて矢印
Ｐ方向へ回動される。この感光体１は一部が開口
した現像槽２の開口近くに位置しており、この現
像槽２内には磁性キヤリアとトナーとからなる２
成分系の現像剤３が収容されている。現像槽２の
内部には一部が現像槽２の開口に位置して上記感
光体１と対向すると共に下部が現像剤３に埋もれ
るようにアルミニウムなどからなる円筒状のスリ
ーブ４が配設されている。このスリーブ４の表面
には絶縁処理が施されている。スリーブ４の内部
には感光体１と対向する側に複数の磁石５が上記
スリーブ４の軸方向に一定間隔を隔てて配設され
磁気スリーブを構成している。上記スリーブ４は
図示しない駆動機構によつて矢印Ｑ方向へ回転さ
れて、磁石５の磁力によりスリーブ４の表面に形
成される現像剤３の磁性ブラシを矢印Ｒ方向に移
動させる。スリーブ４には、感光体１の残留電位
と同極性のバイアス電圧が電源６により印加され
る。例えば、感光体１の残留電位が約50Vである
場合にはスリーブ４には約250Vの電位が印加さ
れる。上記現像槽２の開口部にはスリーブ４に形
成された磁気ブラシの穂の高さを調整するための
ドクター７が固設されている。スリーブ４上の磁
性ブラシはスリーブ４の回転に伴なつて矢印Ｒ方
向へ移動しながら静電潜像が形成された感光体１
に接触して静電潜像にトナーを与えて静電潜像を
現像する。現像を終えた後の磁気ブラシを掻き落
すようにスリーブ４の上部に接触して現像剤掻落
板８が設けられている。この現像剤掻落板８によ
り磁気ブラシが掻き落される。また、現像剤掻落
板８によつて掻き落された現像剤３は現像剤掻落
板上を流下するとともにその一部が分岐板９に導
かれてスリーブ４の表面に戻される。そして、こ
の戻された現像剤３はスリーブ４内に設けられた
再結合用の磁石１０によつて、現像剤掻落板８に
よつて除去されなかつたスリーブ表面に付着して
いるトナーと再結合が行なわれ、現像槽２内の底
部に収容された現像剤３内に入り込む。符号１１
は現像剤３を撹拌する回転ブラシである。したが
つて、現像剤掻落板８によつて除去できなかつた
現像スリーブ上に残つているトナーが磁石１０の
位置で強制的に再結合されるのでスリーブ４にそ
のトナーが残留蓄積することを防止できる。

なおこの実施例においては、スリーブ４が回転
して磁石５が静止的に配置されているが、スリー
ブ４が静止し磁石５が回転する形式であつても良
い。また、現像剤掻落板８を流下する現像剤３の
総てを分枝板９上に導びいても良い。

第２図は本発明の他の実施例を示す。図におい
て、この実施例は第１図における実施例の分岐板
９の形状を現像剤掻落板８の上面に並行して位置
させ、分岐部１２の下方に現像剤３を流下するよ
うにし、この分岐部１２の下部に第２の磁性スリ
ーブ１３（以下スリーブ１３とする）を設け、こ
のスリーブ１３の内部に磁石１４を２個配設した
ものである。この作用はスリーブ４に残置してい
る現像後の磁気ブラシの下層部を現像剤掻落板８
によつて除去し、これを現像槽内に戻し、分岐板
９によつて、この磁気ブラシの上層部を除去し分
岐部１２より下方に流下される。磁気ブラシの現
像剤層は一般に５mm程度であり、そのうちの上層
部２mm程度が現像に携わるのでそれらを別々に分
配するように現像剤掻落板８と分岐板９との段差
が決定されている。

分枝部１２より下方に流下した現像剤３は矢印
Ｓ方向に回転するスリーブ１３の表面を伝つてス
リーブ４の外周面との接触点において、スリーブ
４に残置したトナーとともに再結合され現像槽２
内に戻される。なお、符号１５は分枝板９に導か
れてきた現像剤３を収容する容器である。したが
つてこの実施例においては現像剤掻落板８によつ
て除去できなかつたスリーブ４周面に残置してい
るトナーがスリーブ１３との接触点において、強
制的に再結合されるのでスリーブ４上に蓄積する
残留トナーを除くことができる。

第３図は本発明の更に他の実施例を示し、第２
図を用いて説明した実施例と異なる点は分岐部１
２を流下する現像剤をローラー１６でスリーブ４
の周面に導びき、このローラー１６と対向するス
リーブ４の内部に磁石１７を設けたものである。
この作用は分岐部１２以下に流下する現像剤３は
矢印Ｔ方向に回転するローラー１６によつてスリ
ーブ４の周面に導びかれ、ローラー１６とスリー
ブ４との対向部において、現像剤掻落板８によつ
て除去できなかつたスリーブ４上のトナーと再結
合され現像槽２内の現像剤３に入り込む。この実
施例においても、スリーブ４上に残置したトナー
を除くことができる。

なお、以上説明したスリーブはスリーブ回転形
式であるが磁石回転形式にも本発明を適用できる
ことは明らかであり、第２図に示す第２のスリー
ブ１３、または、第３図に示すローラー１６にク
リーニングバイアス電圧を印加すれば、更にクリ
ーニング性能が向上するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す概略図、第２
図及び第３図はそれぞれ本発明の他の実施例を示
す概略図。 １……感光体、２……現像槽、３……現像剤、
４，１３……スリーブ、５，１０，１４，１７…
…磁石、６……電源、８……現像剤掻落板、９…
…分岐板、１２……分枝部、１５……容器、１６
……ローラー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 磁性キヤリアとトナーとからなる現像剤を収
   容した現像槽と、 軸方向に配置された複数の磁石を内蔵してお
   り、上記現像槽内において上記現像剤と接触する
   ことにより現像剤による磁気ブラシを形成し、こ
   の磁気ブラシを感光体に接触させるスリーブと、 上記感光体と接触したのちの上記スリーブ上の
   現像剤を掻き落す現像剤掻落板と を有し、感光体の残留電位と同極性のバイアス電
   圧を上記スリーブに印加して感光体上の静電潜像
   を現像する磁気ブラシ現像装置において、 上記現像剤掻落板によつて上記スリーブ上から
   掻落された現像剤の一部を、上記現像槽内の現像
   剤に接触する前の上記スリーブの周面の一部に戻
   す手段を具備する磁気ブラシ現像装置。