JPH09319278A

JPH09319278A - 画像形成装置

Info

Publication number: JPH09319278A
Application number: JP15307396A
Authority: JP
Inventors: Yasufumi Nakazato; 保史中里; Hidetoshi Yano; 英俊矢野; Naoyuki Kimura; 尚之木村; Masako Yoshii; 雅子吉井
Original assignee: Ricoh Co Ltd
Current assignee: Ricoh Co Ltd
Priority date: 1996-05-25
Filing date: 1996-05-25
Publication date: 1997-12-12
Anticipated expiration: 2016-05-25
Also published as: JP3434413B2

Abstract

(57)【要約】【課題】転写残トナーをクリーニングローラに静電的
に回収し、その回収トナーを感光体に静電的に再付着さ
せ、さらにその再付着トナーを現像装置に静電的に回収
する画像形成装置において、クリーニングローラを大型
化しないでも、回収トナーの保持量の増加を可能にす
る。【解決手段】クリーニングローラ１２と共に、感光体
１上の転写残トナーＴ₂を周面に保持させるトナー保持
ローラ１９を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、回転駆動される像
担持体上に、潜像形成手段によって静電潜像を形成し、
その静電潜像を現像装置によってトナー像として可視像
化すると共に、像担持体上のトナー像を転写装置によっ
て記録媒体に転写し、トナー像転写後の像担持体上の転
写残トナーをクリーニング部材に回収して当該像担持体
の表面を清掃する画像形成装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は
その複合機などとして構成される上記形式の画像形成装
置においては、像担持体が繰返し使用されるので、トナ
ー像転写後の像担持体表面に残留付着する転写残トナー
をクリーニング部材によって除去回収し、像担持体表面
を清掃する必要がある。このため、従来より像担持体を
清掃する各種のクリーニング装置が提案され、かつ実用
化されているが、従来のクリーニング装置は、一般に像
担持体から回収したトナーを廃トナータンクなどに収容
し、これを廃棄するように構成されている。

【０００３】ところで、近年、電子写真プロセスを採用
したこの種の画像形成装置においては、一段の低コスト
化と、環境問題対策の一環として、廃棄されるトナー量
の一層の低減化を図ることが要望されている。

【０００４】このような点に鑑み、像担持体から記録媒
体へのトナー像の転写率を１００％にして、トナー像転
写後の残留トナーを無くすようにすると、所謂、クリー
ナーレス方式を採用することができる。これにより、廃
棄するトナーをなくすことができるばかりでなく、クリ
ーニング装置を省略でき、画像形成システムの単純化
と、画像形成装置のコストの引き下げを達成できる。し
かしながら、現状では、トナー像の転写率を１００％に
することは難しく、また信頼性の上からも問題がある。

【０００５】そこで、次善の策として、トナー像の転写
後に像担持体表面に残留付着する転写残トナーをクリー
ニング部材に静電的に付着させて一時的に回収し、次い
でこの回収トナーを、像担持体上の静電潜像の形成に影
響のない表面部分に静電的に再付着させ、さらに像担持
体表面に再付着させたトナーを、現像装置で静電的に回
収し、これを現像装置において再使用する方法が提案さ
れている（例えば、特公昭６１−３０２７４号公報参
照）。これによるものでは、回収したトナーを収容する
廃トナータンクや、回収トナーを現像装置に移送する専
用の手段が不要になるので、画像形成装置のコストを下
げることができ、しかもトナーをリサイクル使用できる
ので、廃棄トナーをなくすことができる。

【０００６】ところで、従来提案されているこの種の画
像形成装置においては、像担持体に対置されるクリーニ
ング部材を有するクリーニング装置が、他の要素、特に
像担持体周りの隣接要素と干渉することを防止し、また
クリーニング部材の設置位置の自由度を増すために、ク
リーニング部材をできるだけ小型化する必要がある。と
ころが、クリーニング部材をこのように小型化すると、
その周面のトナー保持面積が小さくなり、像担持体から
転写残トナーをクリーニング部材に回収したとき、クリ
ーニング部材表面の単位面積当りのトナー量（トナー密
度）が増え、かかるクリーニング部材によって像担持体
上の転写残トナーを回収すると、その回収効率が低下す
る。すなわち、像担持体表面のクリーニング効率が低下
して、トナー像の地汚れが発生し易くなるのである。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、転写
残トナーをクリーニング部材に静電的に回収し、この回
収したトナーを像担持体に静電的に再付着させ、次い
で、再付着したトナーを現像装置にて静電的に回収する
形式の画像形成装置における上述の問題点を解決し、ク
リーニング部材を小型化しても、像担持体から回収した
トナーの保持面積を増やすことができ、クリーニング部
材によって効率よく像担持体上の転写残トナーを回収で
きる画像形成装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、回転駆動される像担持体と、該担持体上に
静電潜像を形成する潜像形成手段と、その静電潜像をト
ナー像として可視像化する現像装置と、像担持体上のト
ナー像を記録媒体に転写する転写装置と、トナー像転写
後の像担持体上の転写残トナーを静電的に一時的に回収
し、次いでその回収したトナーを、像担持体上の静電潜
像の形成に影響のない表面部分に静電的に再付着させる
クリーニング部材とを具備し、像担持体表面に再付着さ
せたトナーを現像装置に静電的に回収する画像形成装置
において、像担持体からクリーニング部材上に回収した
トナーを受け入れて保持し、クリーニング部材上のトナ
ーを像担持体表面に再付着させるとき、受け入れたトナ
ーをクリーニング部材に戻すトナー保持部材を設けたこ
とを特徴とする画像形成装置を提案する（請求項１）。

【０００９】その際、上記請求項１に記載の画像形成装
置において、トナー保持部材がクリーニング部材に当接
する回転体より成ると有利である（請求項２）。

【００１０】また、上記回転体がブラシローラより成る
と特に有利である（請求項３）。

【００１１】さらに、上記請求項１乃至３のいずれかに
記載の画像形成装置において、像担持体からトナーを回
収するとき、クリーニング部材からトナー保持部材へト
ナーが静電的に移行する向きの電界が、クリーニング部
材とトナー保持部材との間に作用するように、トナー保
持部材に電圧を印加する電圧印加手段を設けると有利で
ある（請求項４）。

【００１２】さらに、請求項１乃至４のいずれかに記載
の画像形成装置において、クリーニング部材上のトナー
を像担持体表面に再付着させるとき、トナー保持部材か
らクリーニング部材へトナーが静電的に移行する向きの
電界が、トナー保持部材とクリーニング部材との間に作
用するように、トナー保持部材に電圧を印加する電圧印
加手段を設けると有利である（請求項５）。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態例を図面
に従って詳細に説明する。先ず、画像形成装置の基本構
成とその作用を明らかにする。

【００１４】図１は、本発明に係る画像形成装置の一例
を示す概略構成図である。同図において、像担持体の一
構成例であるドラム状の感光体１は、図示されない駆動
装置によって一定の方向、本例では図１における時計方
向に回転駆動され、この回転時に、除電装置の一例であ
る除電ランプ１３によって除電作用を受けて初期化さ
れ、次いで帯電装置の一例である帯電ローラ２の作用に
より、感光体１の表面が所定の極性に均一に帯電され
る。本例では、帯電ローラ２は電圧電源Ｅ₁₀に接続さ
れ、感光体１と接触回転する間で、感光体１の表面を、
例えば−８５０Ｖの負極性に帯電する。感光体１を均一
帯電させる帯電装置として、感光体から離間して配置さ
れる帯電装置、例えばコロナ放電器などを用いることも
できる。

【００１５】次いで、露光部３において、図示していな
い露光走査装置によって、例えば光変調されたレーザ光
１１による光書き込み走査が行われることにより、感光
体１の表面には所定の静電潜像が形成される。感光体１
上のレーザ光１１の照射された部分Ａ、すなわち静電潜
像の表面電位は、例えば−１５０Ｖ程度となり、レーザ
光１１が照射されない部分Ｂ、すなわち静電潜像の地肌
部の表面電位はほぼ−８５０Ｖに維持される。このよう
に、本例では帯電ローラ２より成る帯電装置と、上述の
露光走査装置が、感光体１より成る像担持体上に静電潜
像を形成する潜像形成手段を構成している。

【００１６】現像装置４は、感光体１に対向配置された
現像剤担持搬送部材の一例である現像ローラ５と、一対
の撹拌パドル１０Ａ，１０Ｂとを具備し、これらは現像
ケーシング９内にそれぞれ設けられ、そのケーシング９
に回転自在に支持されている。このうちの現像ローラ５
には、電圧電源Ｅ₁により、例えば−６００Ｖ程度の電
圧が印加される。現像ローラ５には、感光体１の帯電極
性と同極性の電圧が印加されるのである。

【００１７】ここに示した現像装置４では、トナーと磁
性キャリアを有する二成分系現像剤Ｄが使用され、この
現像剤Ｄは現像ケーシング９内に収容されている。そし
て、撹拌パドル１０Ａ，１０Ｂの回転により、そのトナ
ーはキャリアとの摩擦により所定の極性、本例では感光
体１の帯電極性と同極性、すなわち負極性に帯電され
る。このように、本例の画像形成装置においては、次に
説明するように静電潜像を可視像化する現像時のトナー
の帯電極性が負極性となっている。キャリアを有さない
一成分系現像剤を使用する現像装置を採用してもよい。

【００１８】現像ローラ５は図示反時計方向に回転駆動
されるようになっていて、その現像ローラ５に内設され
た図示していないマグネットの磁力の作用により、現像
ローラ５の周面上に担持された現像剤は、現像ローラ５
の回転方向に搬送され、該ローラ５に対して所定のギャ
ップをあけて対置された現像剤規制部材１５によって掻
き取り作用を受ける。現像剤規制部材１５によって搬送
量を規制された現像剤は、現像ローラ５と感光体１とが
互いに対向した現像部６に向けて運ばれ、その現像部６
において現像剤中のトナーが感光体１上の静電潜像に静
電的に引き寄せられ、その部分に付着する。すなわち、
感光体の帯電極性と同じ負極性に帯電されたトナーがレ
ーザ光の照射された感光体表面部分Ａに付着し、その静
電潜像がトナー像として可視像化されるのである。この
ように、本例の画像形成装置においては反転現像方式
（ネガ・ポジ現像方式）が採用されている。

【００１９】感光体１の下位には、転写装置の一例であ
る転写ローラ７が配設されている。転写ローラ７は、感
光体１との対向部で感光体と同方向に移動する順方向に
回転し、この転写ローラ７と、これが対向する感光体１
との間の転写部８に向けて、転写紙１６より成る記録媒
体が矢印方向Ｐに送られる。転写ローラ７が、転写部８
に送られた転写紙１６を介して感光体１の表面に圧接
し、このとき転写ローラ７の機能により、感光体１上に
形成されているトナー像が転写紙１６上に転写される。
すなわち、電源Ｅ₃により、転写ローラ７に対して、感
光体１上のトナーの帯電極性と反対の正極性電圧、例え
ば＋９５０Ｖの電圧が印加され、このとき、感光体１上
のトナー像を形成する負極性のトナーＴが、転写紙１６
の側に静電的に引き寄せられ、該転写紙１６に付着す
る。感光体１に対して離間した転写装置、例えばコロナ
放電器より成る転写装置を用いることもできる。

【００２０】トナー像を転写された転写紙１６は、図示
していない分離装置によって感光体１から分離され、同
じく図示していない定着装置に送られ、ここで転写紙１
６上のトナー像が定着される。このようにして、転写紙
１６はコピー紙として画像形成装置本体外に排出され
る。

【００２１】上述のように、本例の画像形成装置は、一
定方向に回転駆動される感光体１より成る像担持体と、
この像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
その静電潜像をトナー像として可視像化する現像装置４
と、像担持体上のトナー像を転写紙１６より成る記録媒
体に転写する転写ローラ７より成る転写装置とを有して
いると共に、次に説明するクリーニングローラ１２より
成るクリーニング部材、及び前述の除電ランプ１３より
成る除電装置を具備している。帯電装置、潜像形成手段
による像担持体への露光部３、現像装置４、転写装置、
クリーニング部材及び除電装置が、この順に像担持体の
回転方向に沿って配置されている。

【００２２】感光体１上のトナー像は転写部８で転写紙
１６に転写されるが、そのトナー像転写後に、感光体１
の表面には、転写紙１６に転写されずに感光体１上に残
留したトナーが付着している。かかる転写残トナーＴ₁
がクリーニング部１４に至ると、クリーニング部材の一
例であるクリーニングローラ１２の表面に一時的に回収
される。

【００２３】クリーニングローラ１２は、例えば、剛体
より成る導電性の芯部材１２ａと、その芯部材１２ａの
表面に固設された中抵抗の弾性体１２ｂとを有してい
て、図示した例では芯部材１２ａが丸軸状の金属より成
り、弾性体１２ｂは、その芯部材１２ａと同心の円筒状
に形成された発泡体より成る。かかるクリーニングロー
ラ１２は図１に示したケーシング１７に収容され、かつ
芯部材１２ａの各端部が、ケーシング１７の前後の側壁
にそれぞれ回転可能に支持されている。かかるクリーニ
ングローラ１２は、現像ローラ５、帯電ローラ２、及び
転写ローラ７と共に、感光体１に対して実質的に平行に
位置している。

【００２４】ここで、図１において、現像部６から転写
部８に向かうトナー像のトナーＴは、そのほとんどのも
のが、現像時の帯電極性、本例では負極性のトナーとな
っている。これに対し、転写ローラ７にはトナー像の転
写時に、現像時のトナー帯電極性と反対極性、本例では
正極性の電圧が印加されるため、そのトナー像転写後に
おいて感光体１上に残留付着するトナー、すなわち転写
残トナーＴ₁は、負極性のものに正極性のものが混在し
たトナーとなる。転写残トナーは、プラスとマイナスの
両方の極性のトナーが混在した状態で、クリーニング部
１４に移送されるのである。

【００２５】クリーニングローラ１２は、感光体１上の
転写残トナーＴ₁を回収するとき、図示していない駆動
装置によって適宜な方向に回転駆動され、本例では図１
における時計方向（矢印ａ方向）に回転する。このとき
クリーニングローラ１２は、その弾性体１２ｂの表面部
分が、感光体１によって弾性変形させられるように、感
光体１と圧接し、この圧接部にはニップ領域が形成され
る。なお、ニップ領域の感光体周方向における幅は、例
えば１mm前後となるが、図１ではかかるニップ領域の幅
を誇張して示してある。

【００２６】クリーニングローラ１２と感光体１とが互
いに圧接したクリーニング部１４に至った正、負両極性
の転写残トナーＴ₁は、クリーニングローラ１２と感光
体１の表面に接触しながら、現像時のトナーと同じ極性
（本例では負極性）のトナーになるように、摩擦帯電さ
れる。

【００２７】転写紙１６へのトナー像転写後の感光体１
上の転写残トナーＴ₁は、感光体１に対して圧接しなが
ら回転するクリーニングローラ１２より成るクリーニン
グ部材に回収されるが、その回収時にクリーニングロー
ラ１２の芯部材１２ａには、当該ローラ１２と感光体１
との間で摩擦帯電されたトナーの帯電極性と逆極性、本
例では正極性の電圧、例えば＋２００Ｖの電圧が電圧電
源Ｅ₄により印加される。従って、転写部８を通過して
感光体１とクリーニングローラ１２の間で摩擦帯電され
た転写残トナーＴ₁は、正極性の電圧が印加されたクリ
ーニングローラ１２の表面に静電的に引き寄せられて、
該ローラ１２の表面に付着し、このローラに一時的に回
収される。

【００２８】転写ローラ７を通過した感光体１の表面の
電位は、正極性の電圧を印加された転写ローラ７の影響
により、例えばゼロないしは−５０Ｖ程度となっている
が、＋２００Ｖの電圧が印加されているクリーニングロ
ーラ１２と、転写残トナーＴ₁が付着している感光体表
面との間の電位差によって、負帯電極性の転写残トナー
Ｔ₁が、クリーニングローラ１２の表面に静電的に引き
寄せられるのである。これにより、感光体１の表面はク
リーニング状態にされる。

【００２９】このように、クリーニングローラ１２に
は、感光体１との間で、感光体上の転写残トナーＴ
₁が、クリーニングローラ１２の表面に静電的に吸引さ
れ得る電界が形成されるように、現像時におけるトナー
の帯電極性と反対極性（本例では正極性）の電圧が印加
されるのである。

【００３０】上述のようにしてクリーニングローラ１２
の表面に回収されたトナーに関して、図では符号Ｔ₂を
付して示してある。図２乃至図９は、感光体１上の転写
残トナーＴ₁をクリーニングローラ１２に回収し、次い
で後述するようにその回収トナーＴ₂を感光体１の表面
に再付着させ、これを現像装置４に回収する動作の一例
を示す説明図である。これらの図のうち図２は、感光体
１上のトナー像が、矢印Ｐ方向に搬送される転写紙１６
に転写され、その転写残トナーＴ₁がクリーニングロー
ラ１２の表面に回収されているときの様子を示す概略図
である。

【００３１】なお、図１乃至図１２では、感光体１上又
はクリーニングローラ１２上のトナーを模式的に拡大し
て示してあり、また、図２乃至図１２において、帯電ロ
ーラ２、現像ローラ５、転写ローラ７及びクリーニング
ローラ１２に付した符号＋，−は、これらに印加される
電圧のプラスとマイナスの極性をそれぞれ示している。
同様に図１において、トナーに対して付した＋，−の符
号はそのトナーの帯電極性を示している。

【００３２】クリーニングローラ１２によってクリーニ
ングされた感光体１の表面部分は、図２に示すように除
電ランプ１３によって除電作用を受け、その表面電位が
基準値まで下げられる。除電ランプ１３は画像形成動作
中、点灯し続けている。除電作用を受けた感光体表面
は、引き続き帯電ローラ２によって帯電され、前述した
画像形成動作が続けられる。

【００３３】このようにして、感光体１が例えば、数回
転する間に１枚分のトナー像が感光体１上に形成され、
これが転写紙１６に連続的に転写されるのであるが、か
かるトナー像が形成される感光体１上の周方向領域が画
像形成領域である。図２には、この画像形成領域に符号
Ｘ１を付し、またその感光体回転方向先端に符号Ｙ１を
付してある。同様に、図３には、この画像形成領域Ｘ１
の感光体回転方向後端に符号Ｚ１を付してある。

【００３４】図２に示した時点よりも少し前の時点にお
いて、画像形成領域Ｘ１の先端Ｙ１がクリーニングロー
ラ１２に達したときに、クリーニングローラ１２への転
写残トナーＴ₁の回収動作が開始され、また図示した例
では、画像形成領域Ｘ１の後端Ｚ１が、図６に示すよう
にクリーニングローラ１２に達するまで、転写残トナー
の回収動作が続けられ、この間、本例ではクリーニング
ローラ１２が１回転以上、例えば複数回転するようにな
っている。

【００３５】ここで、図１において、ケーシング１７内
には、トナー保持部材の一例であるトナー保持ローラ１
９が設けられている。このトナー保持ローラ１９は、芯
部材１９ａと、この周りに同心的に一体化された弾性体
１９ｂとを有し、後者の弾性体１９ｂの表面がクリーニ
ングローラ１２の表面に、その全長に亘って所定の圧力
で当接している。またトナー保持ローラ１９は、クリー
ニングローラ１２に対して平行に延び、当該ローラ１９
の芯部材１９ａの各端部がケーシング１７の前後の側壁
にそれぞれ回転自在に支持されている。

【００３６】クリーニングローラ１２は先にも述べたよ
うに、転写残トナーの回収時にａ方向に回転駆動される
のであるが、このローラ１２に接するトナー保持ローラ
１９も、図示していない駆動装置によって、例えば図１
における時計方向に回転駆動される。転写残トナー回収
時に、クリーニングローラ１２の表面とトナー保持ロー
ラ１９の表面が、その両者の圧接部において、互いに逆
方向に移動する向きに、両ローラ１２，１９が回転駆動
されるのである。

【００３７】図２は、先にも述べたように、感光体１上
の転写残トナーＴ₁がクリーニングローラ１２の表面に
回収されているときの様子を示すものであるが、クリー
ニングローラ１２の引き続く回転によって、該ローラ１
２上の回収トナーＴ₂は、図３乃至図６に示すようにク
リーニングローラ１２とトナー保持ローラ１９との間の
当接部を越え、トナー保持ローラ１９の周面に付着し
て、該周面に保持されつつ、トナー保持ローラ１９の回
転方向に運ばれる。トナー保持ローラ１９は、感光体１
からクリーニングローラ１２上に回収したトナーＴ₂を
受け入れて保持するのである。このようにしてトナー保
持ローラ１９の表面に保持されたトナーに関して、図３
乃至図７では符号Ｔ₃を付してある（図１１においても
同じ）。

【００３８】一方、クリーニングローラ１２上に回収さ
れたトナーの中には、図３乃至図６に示すように、トナ
ー保持ローラ１９の方に移行しないで、両ローラ１２，
１９の間を通過して、そのままクリーニングローラ１２
上を運ばれるトナーが出てくることもあるが、かかる現
象が発生しても、両ローラ１２，１９の間を通過してク
リーニングローラ１２上を運ばれるトナーの量は極くわ
ずかである。

【００３９】図６は、画像形成領域Ｘ１の後端Ｚ１がク
リーニングローラ１２に達し、転写残トナーの回収を終
了した状態を示しているが、この状態で、画像形成領域
Ｘ１の転写残トナーが、双方のローラ１２，１９の各周
面に保持されている。すなわち、画像形成領域Ｘ１の転
写残トナーが、両ローラ１２，１９の周面に実質的に全
て回収されるのである。

【００４０】ここで、クリーニングローラ１２は、トナ
ー像転写後の感光体１より成る像担持体上の転写残トナ
ーＴ₁を静電的に一時的に回収して感光体１の表面を清
掃するが、次いでその回収したトナーＴ₂を、像担持体
上の静電潜像の形成に影響のない表面部分に静電的に再
付着させる。

【００４１】すなわち、図３に示すように画像形成領域
Ｘ１の感光体回転方向後端Ｚ１が帯電ローラ２を通過す
ると、このとき、その帯電ローラ２は感光体１の表面か
ら離れる（図４参照）。同時に、図１に示したスイッチ
Ｓ₁₀が切り換わって、帯電ローラ２への電圧の印加がオ
フされる。

【００４２】画像形成領域後端Ｚ１が図４に示すように
現像装置４の現像ローラ５を通過すると、図１に示した
スイッチＳ₁が切り換えられ、現像ローラ５は電圧電源
Ｅ₂の方に接続され、その現像ローラ５には、トナーが
感光体１に付着しないように、トナーの帯電極性と反対
の正極性の電圧、例えば＋５００Ｖの電圧が印加され
る。引き続き、図５に示すように画像形成領域後端Ｚ１
が転写部８を通過すると、このとき転写ローラ７への電
圧印加が停止される。このとき、本例では転写ローラ７
が感光体１から離間する（図６参照）。

【００４３】図６は、先にも述べたように、転写残トナ
ーの、両ローラ１２，１９への回収を終了した状態を示
すものであるが、この図に示した画像形成領域Ｘ１の後
端Ｚ１がクリーニングローラ１２を通過したとき、図１
に示したスイッチＳ₂が切り換えられ、クリーニングロ
ーラ１２は電源Ｅ₅の方に接続され、そのクリーニング
ローラ１２の芯部材１２ａには感光体１とクリーニング
ローラ１２との間で摩擦帯電されたトナーの帯電極性と
同じ負極性の、例えば−３０００Ｖの電圧が印加され
る。

【００４４】図示した画像形成装置においては、感光体
１上の転写残トナーＴ₁のクリーニングローラ１２への
回収時に対して、クリーニングローラ１２上の回収トナ
ーの感光体１への再付着時には、クリーニングローラ１
２とトナー保持ローラ１９との回転方向が切り換えら
れ、図７に示すように、両ローラ１２，１９は、それぞ
れ図における反時計方向に回転駆動される。クリーニン
グローラ１２の表面と感光体１の表面が、両者の圧接部
において、同じ方向に移動する向きにクリーニングロー
ラ１２が回転し、トナー保持ローラ１９の表面とクリー
ニングローラ１２の表面が、両者の圧接部において、逆
向きに移動するようにトナー保持ローラ１９がクリーニ
ングローラ１２に対して回転するのである。

【００４５】この回転に伴い、トナー保持ローラ１９上
のトナーＴ₃はクリーニングローラ１２の方に転移す
る。トナー保持ローラ１９は、クリーニングローラ１２
上のトナーを感光体１の表面に再付着させるとき、受け
入れたトナーＴ₃をクリーニングローラ１２に戻すので
ある。

【００４６】このようにしてクリーニングローラ１２に
転移したトナーと、クリーニングローラ１２上のトナー
Ｔ₂とは、図７に示すように画像形成領域Ｘ１の後端Ｚ
１より感光体１の回転方向後方の非画像形成領域Ｗに再
付着して戻される。クリーニングローラ１２に対して前
述した−３０００Ｖの電圧が印加されることにより、ク
リーニングローラ１２と、画像形成領域後端Ｚよりも感
光体１の回転方向後方側の感光体表面の非画像形成領域
Ｗとの間に、クリーニングローラ１２上のトナーが感光
体１の方に放出される方向の電界が形成されるのである
が、この電界によって、クリーニングローラ１２から、
トナーが静電的に感光体１の方に転移するのである。

【００４７】このように、クリーニングローラ１２は、
トナー像転写後の感光体１上の転写残トナーＴ₁を静電
的に一時的に回収して感光体１の表面を清掃し、トナー
保持ローラ１９は、クリーニングローラ１２と共に、そ
の周面にトナーを保持するが、次いで、トナー保持ロー
ラ１９上のトナーＴ₃をクリーニングローラ１２に転移
させ、かつ、転移させたトナーならびにクリーニングロ
ーラ１２に回収したトナーＴ₂を、感光体１上の静電潜
像の形成に影響のない表面部分（非画像形成領域）に付
着させて戻すのである。

【００４８】感光体１上に再付着したトナーＴ₄は、図
８に示すように、引き続く感光体１の回転によって、除
電ランプ１３及び感光体１から離れた帯電ローラ２の下
を通過し、図９に示す如く現像装置４に至る。このと
き、その現像ローラ５には、前述のように、現像時のト
ナーの帯電極性と反対の正極性の電圧が印加されている
ので、感光体１上に再付着した負極性のトナーＴ₄は、
その現像ローラ５の側に静電的に移行し、現像装置内の
現像剤中に回収される。このようにして、感光体１より
成る像担持体の表面に再付着させたトナーを現像装置４
に静電的に回収するが、その回収トナーは現像装置４に
おいて再利用される。かかる構成により、廃棄トナーを
なくすことができ、しかもクリーニングローラ１２で回
収したトナーを現像装置４へ戻すトナー搬送パイプなど
を設ける必要もない。

【００４９】画像形成動作が引き続き行われるときは、
図８及び図９に示した次の画像形成領域Ｘ２が連続して
除電ランプ１３による除電作用を受け、その感光体回転
方向先端Ｙ２が帯電ローラ２のところに移動したとき、
帯電ローラ２が感光体１の表面に当接し、次の画像形成
領域Ｘ２を負極性に帯電し、次いで前述したところと全
く同様にして、次の画像形成領域Ｘ２に静電潜像が形成
され、これが図１０に示すように現像装置４においてト
ナー像として可視像化される。このとき、現像ローラ５
には負極性の電圧が印加され、その画像形成領域先端Ｙ
２が転写部８に至ったとき、転写ローラ７は感光体１に
対して圧接し、次の転写紙１６ａの先端が転写部８に達
し、次の画像形成領域Ｘ２に形成されたトナー像がその
転写紙１６ａに転写される。このときの転写残トナー
は、先に説明した通り、クリーニングローラ１２及びト
ナー保持ローラ１９に回収され、前述した動作が繰返さ
れる。なお、静電潜像が形成される前の次の画像形成領
域先端Ｙ２がクリーニングローラ１２に達すると、その
クリーニングローラ１２には再び正極性の電圧が印加さ
れ、そのローラ１２は時計方向に回転する（図８）。こ
のようにして、画像形成動作が所定回数繰返されるので
ある。

【００５０】前述のようにクリーニングローラ１２及び
トナー保持ローラ１９に回収されたトナーは、感光体１
上の非画像形成領域Ｗに再付着するので、その再付着ト
ナーＴ₄によって、上述した画像形成動作時の静電潜像
はもとより、次に形成される静電潜像にも影響が与えら
れることはない。

【００５１】帯電装置として感光体１から離間したコロ
ナ放電器を用いた場合、再付着トナーＴ₃がこの放電器
を通るとき、このトナーＴ₄を担持した感光体表面を、
例えば−８５０Ｖのトナー帯電極性と同極性に帯電する
ように構成することもでき、この場合には、再付着トナ
ーＴ₄を現像ローラ５に回収するとき、このローラ５へ
の印加電圧を、現像時のままの−６００Ｖにしておいて
も、そのトナーＴ₄を現像ローラ５に静電的に回収する
ことができる。コロナ放電器より成る帯電装置を用いた
場合には、感光体１に対する帯電装置の接離動作も不要
となる。

【００５２】ここで、図２に示したトナー保持ローラ１
９は、感光体１より成る像担持体からクリーニングロー
ラ１２より成るクリーニング部材上に回収したトナーを
受け入れて保持し、クリーニング部材上のトナーＴ₂を
像担持体表面に再付着させるとき、受け入れたトナーＴ
₃をクリーニング部材に戻すトナー保持部材の一構成例
をなすものであるが、従来のこの種の画像形成装置にお
いては、かようなトナー保持部材を用いずに、クリーニ
ングローラ１２のみに転写残トナーＴ₁を回収してい
た。例えば、図２に示したクリーニングローラ１２を時
計方向に回転させて、転写残トナーＴ₁を、そのローラ
の周面上に静電的に付着させていたのである。

【００５３】この種の画像形成装置においては、先に述
べたように、感光体１に対置されるクリーニングローラ
を有するクリーニング装置が、他の要素、特に感光体周
りの隣接要素と干渉することを防止したり、その設置位
置の自由度を増やすために、クリーニングローラをでき
るだけ小型化する必要がある。ところが、従来の画像形
成装置においてクリーニングローラを小型化すると、そ
の周面のトナー保持面積が小さくなるので、感光体から
クリーニングローラへ転写残トナーを回収したとき、ク
リーニングローラ表面の単位面積当りのトナー量（トナ
ー密度）が増え、感光体からクリーニングローラへのト
ナーの回収効率が低下する。すなわち、像担持体表面の
クリーニング効率が低下して、地汚れが発生し易くなる
のである。

【００５４】例えば、クリーニングローラを１回転以
上、例えば複数回転させる間に、感光体上の転写残トナ
ーを回収するようにすると、そのトナー回収の開始直後
は別として、そのトナー回収動作を、クリーニングロー
ラ１回転分終えたあとは、多量にトナーが付着したクリ
ーニングローラ表面で感光体上の転写残トナーを回収し
なければならず、その回収効率が低下する。そこで、ク
リーニングローラが１回転未満を回転する間に転写残ト
ナーを回収し終えるようにすると、今度はクリーニング
ローラ上に付着したトナーの密度が著しく高まり、この
場合も転写残トナーの回収効率が低下する。

【００５５】そこで、本例の画像形成装置においては、
クリーニング部材上の回収トナーを受け入れて保持する
トナー保持部材を設けたのである。図１に示したトナー
保持ローラ１９は、先にも述べたように、トナー保持部
材の一構成例をなすものである。

【００５６】かようなトナー保持ローラ１９を設けるこ
とにより、そのローラ１９とクリーニングローラ１２を
含めた全体のトナー保持面積が増え、多量の回収トナー
を保持することができる。クリーニングローラ１２の表
面に回収されたトナーの密度を下げることができるので
ある。これにより、トナーの回収効率を高めることがで
き、本例のようにクリーニングローラ１２を１回転以
上、例えば複数回、回転させる間に感光体１上の転写残
トナーＴ₁を回収するようにしても、常に、トナーの全
く付着していないクリーニングローラ面又はトナーの付
着量の少ない面で、転写残トナーを回収できる。

【００５７】前述のように、クリーニングローラ１２に
回収されたトナーＴ₂が、そのクリーニングローラ１２
とトナー保持ローラ１９との当接部を通り過ぎてクリー
ニングローラ１２の表面に付着したままとなることもあ
るが、このようなトナーが生じても、その量は極くわず
かであるので、かかるトナーが付着したクリーニングロ
ーラ表面で転写残トナーＴ₁を回収しても、その回収効
率が大きく低下することはない。このようにして、クリ
ーニング部材を大型化しなくとも、像担持体から回収す
るトナーの保持量を増加させることができ、これによ
り、像担持体表面のクリーニング効率を高めることがで
きるのである。

【００５８】さらに、像担持体から回収したトナーの保
持量を増加させることができることによって、次に説明
するように、連続して複数回の画像形成動作を行うとき
の画像形成スピードを速くすることができる。

【００５９】前述の実施形態例では、図３に示した画像
形成領域Ｘ１の感光体回転方向後端Ｚ１が、帯電ローラ
２を通過したあと、図４に示したように、帯電ローラ２
が感光体１から離間するようになっている。そして、図
８に示す次の画像形成領域Ｘ２の感光体回転方向先端Ｙ
２が帯電ローラ２の対向部位に達すると、その領域Ｘ２
を帯電させるために、帯電ローラ２が感光体１に接する
ようになっている（図９参照）。帯電ローラ２の、かか
る離間動作によって、感光体１上の再付着トナーＴ
₄（図８）の、帯電ローラ２の部位での通過が許される
のである。

【００６０】図２乃至図１０を用いて説明した画像形成
装置においては、各画像形成領域Ｘ１，Ｘ２…の転写残
トナーを両ローラ１２，１９にそれぞれ回収し、各回収
したトナーを、各画像形成領域の感光体回転方向後端側
に位置した各非画像形成領域Ｗにそれぞれ再付着させ
た。画像形成領域毎に、転写残トナーの回収と、回収ト
ナーの再付着とを繰り返して行うのである。

【００６１】これに対して、画像形成動作を連続して複
数回行うとき、各動作時に生じる各転写残トナーをクリ
ーニング部材及びトナー保持部材に連続して回収し、両
部材にまとめて保持させることもできる。そして、転写
残トナーを所定回数回収した後に、転写残トナーを一括
して感光体１の非画像形成領域に付着させる。

【００６２】例えば、図１１及び図１２において、最初
に行われる画像形成動作の画像形成領域Ｘ１を第１画像
形成領域、これに続く画像形成領域Ｘ２を第２画像形成
領域とし、ｎ番目に行われる画像形成動作の画像形成領
域Ｘｎ（図１２）をｎ番目の画像形成領域と称するもの
として、第１画像形成領域Ｘ１の転写残トナーを両ロー
ラ１２，１９に回収したあと、回収トナーの感光体への
再付着を行わずに、第２画像形成領域Ｘ２の転写残トナ
ーを連続して両ローラ１２，１９に回収し、かような回
収動作を、ｎ番目の画像形成領域Ｘｎ（図１２）にある
転写残トナーの回収まで続け、ｎ個の画像形成領域の各
転写残トナーを全て両ローラ１２，１９に回収する。そ
して、この回収したトナーを感光体１に一度にまとめて
再付着させて戻す。かかるトナーは、図１２に示した、
ｎ番目の画像形成領域Ｘｎの後端Ｚｎよりも感光体１の
回転方向上流側の非画像形成領域Ｗｎに戻されるのであ
る。符号Ｔ₄で示すものが、ｎ個の画像形成領域分の再
付着トナーである。かかる再付着トナーＴ₄は、前述の
実施形態例と同様に現像装置４側に静電的に回収され
る。

【００６３】この実施形態例の場合、ｎ番目の画像形成
領域Ｘｎより上流側の非画像形成領域Ｗｎ（図１２）に
再付着させたトナーＴ₄が、帯電ローラ２の部位を通過
するときのみ、該ローラ２を感光体１から離間させれば
良く、例えば、図１１に示すように第１画像形成領域Ｘ
１と第２画像形成領域Ｘ２との間の非画像形成領域Ｗが
帯電ローラ２を通過するとき、該ローラを感光体１に当
接させたままとし、これに負極性の電圧を印加したまま
とする。転写ローラ７についても同様である。また、図
１２に示した再付着トナーＴ₄を現像ローラ５に回収す
る場合にだけ、その現像ローラ５に正極性の電圧を印加
し、例えば第１画像形成領域Ｘ１と第２画像形成領域Ｘ
２の間の非画像形成領域Ｗが現像ローラ５を通るとき
は、その現像ローラ５に負極性の電圧を印加したままと
してよい。他の互いに隣接する画像形成領域の間の感光
体表面部分についても同様である。

【００６４】転写残トナーの回収と、その感光体１への
再付着動作を、図１１及び図１２に示したタイミングで
行うと、各画像形成領域の間の非画像形成領域Ｗを非常
に小さくでき、この非画像形成領域Ｗをなくすことも可
能である。但し、ｎ番目の画像形成領域Ｘｎよりも後方
の非画像形成領域Ｗｎには再付着トナーを担持するの
で、この非画像形成領域Ｗｎは図２乃至図１０の場合と
同じ大きさとなる。

【００６５】上述のように、画像形成領域の間の非画像
形成領域Ｗを小さくできるので、図１１に示すように、
第１画像形成領域Ｘ１のトナー像が転写される転写紙１
６と、第２画像形成領域Ｘ２のトナー像の転写される次
の転写紙１６ａの間の間隔を狭くでき、これにより、画
像形成動作を連続して複数回行うときの画像形成スピー
ドを速くすることができる。感光体１へトナーを再付着
させる動作を実行するまでの回数ｎが多くなればなる
程、クリーニングローラ１２から感光体１へトナーを再
付着させる動作の回数が減り、画像形成スピードを高め
ることができる。

【００６６】上述のように画像形成動作をｎ回にわたり
連続して行い、ｎ個分の画像形成領域の転写残トナーを
クリーニングローラ１２に回収するものとした場合、本
例の画像形成装置では、クリーニングローラ１２のほか
にトナー保持ローラ１９が設けられているので、両ロー
ラによるトナーの絶対的な保持量が多くなり、そのｎの
数を多くすることができる。これによって連続画像形成
動作時画像形成スピードを著しく高めることができる。

【００６７】ここで、図１乃至図１２に示したトナー保
持部材は、クリーニングローラ１２より成るクリーニン
グ部材の表面に当接するトナー保持ローラ１９、すなわ
ち回転体として構成されている。このようにトナー保持
部材をクリーニング部材に当接する回転体により構成す
ると、次のような利点も得られる。

【００６８】図１に示したように、トナー像転写後の感
光体１上には転写残トナーＴ₁が付着しているが、その
トナーは常に感光体１の周方向及び軸方向に均一に付着
しているというものではなく、これらの方向に不均一に
なっていることが少なくない。このような場合、クリー
ニングローラ１２に回収されたトナーも、そのクリーニ
ングローラ１２の周方向及び軸方向に不均一に付着し、
局部的にトナーの付着量が過度に多くなることがある。
従来の画像形成装置においては、このように局部的に多
量に付着した回収トナーは、その全てを感光体１に再付
着させることができなくなることがあった。このように
して回収トナーがクリーニングローラ上に残留すると、
そのクリーニングローラが感光体上の転写残トナーを回
収するときの回収効率が低下し、感光体上のトナー像に
地汚れが発生するようになる。

【００６９】トナー保持部材として、クリーニング部材
に当接する回転体を用いることによって、クリーニング
部材に回収されたトナーを、その回転体によって軸方向
及び周方向にならすことができる。図１に示したトナー
保持ローラ１９は、転写残トナーの回収時に、クリーニ
ングローラ１２に対しカウンタ方向（図における時計方
向）に回転駆動されるが、この回転時に、クリーニング
ローラ１２に回収されたトナーが軸方向及び周方向に不
均一に付着している場合、トナー保持ローラ１９によっ
てクリーニングローラ上の回収トナーを両方向に均一に
ならし、ならしたトナーをトナー保持ローラ１９に移行
させることができる。図１に示した例では、クリーニン
グローラ１２とトナー保持ローラ１９が、互いにニップ
を形成して圧接しているが、このニップの部分で、クリ
ーニングローラ１２上の回収トナーが、トナー保持ロー
ラ１９によって高さをならされるように拡散するのであ
る。

【００７０】このように、トナー保持ローラ１９を利用
して、クリーニングローラ１２上に不均一に付着したト
ナーを軸方向及び周方向にならすと、クリーニングロー
ラ１２上からトナー保持ローラ１９に移行した回収トナ
ーが局部的に多量に付着することがなくなり、当該回収
トナーを効率よく感光体１上に再付着させることがで
き、トナー像の地汚れの発生を効果的に抑えることがで
きる。また、トナー保持ローラ１９上に局部的に多量の
トナーが付着すると、そのトナーをクリーニングローラ
に吸着する力が弱まり、トナーが落下しやすくなるが、
このトナーをならすことによって、このような不具合の
発生も防止できる。

【００７１】また、図１３に示すように、トナー保持部
材として、クリーニングローラ１２に当接して回転する
ブラシローラ２９より成る回転体を用いることもでき
る。このブラシローラ２９は、例えば芯部材２９ａにフ
ァーブラシ２９ｂを植設したものから成り、そのファー
ブラシ２９ｂがクリーニングローラ１２の全長に亘って
当接する。かかるブラシローラ２９を用いても、クリー
ニングローラ１２上のトナーをそのブラシローラ２９に
移行させ、また移行させたトナーをクリーニングローラ
１２に転移させることができる。

【００７２】このようなブラシローラ２９を用いた場合
でも、該ブラシローラ２９を転写残トナーの回収時に、
例えばクリーニングローラ１２に対しカウンタ方向に回
転させることにより、クリーニングローラ上に不均一に
付着しているトナーに対して外力を加え、そのトナーを
軸方向及び周方向につき、効果的にならすことができ
る。

【００７３】ここで、図１において、トナー保持ローラ
１９に対し、感光体１から転写残トナーを回収すると
き、クリーニングローラ１２からトナー保持ローラ１９
へトナーが静電的に移行する向きの電界が、クリーニン
グローラ１２とトナー保持ローラ１９との間に形成され
るように、トナー保持ローラ１９に電圧を印加すると、
クリーニングローラ１２に回収したトナーをトナー保持
ローラ１９の側に移行させる効果を高めることができ、
クリーニングローラ１２上の回収トナーが、トナー保持
ローラ１９とクリーニングローラ１２との当接部を越え
て、クリーニングローラ１２に付着したまま運ばれるこ
とを効果的に防止できる。のみならず、トナー保持ロー
ラ１９に移行したトナーが、そのローラ１９の回転によ
って再びクリーニングローラ１２に出合ったとき、その
トナーがクリーニングローラ１２に移行することを阻止
できる。このため、クリーニングローラを１回転以上回
転させながら常にトナーの付着していないクリーニング
ローラ表面で感光体１上の転写残トナーを回収でき、感
光体１に対するクリーニング効果をより一層高めること
ができる。

【００７４】例えば、図１において、転写残トナー回収
時に、トナー保持ローラ１９の芯部材１９ａに対して、
電源Ｅ₆によって、現像時のトナー、すなわちクリーニ
ングローラ１２に付着したトナーの帯電極性と反対の極
性の電圧、本例では正極性の電圧を印加する。このよう
な構成を採用すると、負極性の回収トナーＴ₂が、正極
性の電圧を印加されているトナー保持ローラ１９の方へ
静電的に効果的に引き付けられるので、クリーニングロ
ーラ１２上のトナーＴ₂を効率よくトナー保持ローラ１
９に移行させることができる。

【００７５】図１に示した正極性の電源Ｅ₆は、感光体
１より成る像担持体からトナーを回収するとき、クリー
ニングローラ１２より成るクリーニング部材から、トナ
ー保持ローラ１９より成るトナー保持部材へトナーが移
行する向きの電界が、クリーニング部材とトナー保持部
材との間に作用するように、トナー保持部材に電圧を印
加する電圧印加手段の一構成例をなすものであり、かよ
うな電圧印加手段を設けることによって、上述したよう
に、転写残トナーの回収効率を高くすることができ、ト
ナー像の地汚れの発生を防止できるのである。

【００７６】前述したように、転写残トナー回収時に、
クリーニングローラ１２には電源Ｅ₄によって、例えば
＋２００Ｖの電圧が印加されるのであるが、かような電
圧が印加される場合、トナー保持ローラ１９に対して、
電源Ｅ₆により、その電圧と同極性で、これよりも大き
い電圧、例えば＋４００Ｖの電圧を印加することによっ
て、負極性のトナーをトナー保持ローラ１９の側に静電
的に引き寄せる効果を高めることができる。

【００７７】また、本例のトナー保持ローラ１９は、ク
リーニングローラ１２と同様に、芯部材１９ａと、この
周りに芯部材と同心的に一体形成される弾性体１９ｂと
を有しているが、芯部材１９ａに電圧を印加すると共
に、弾性体１９ｂの側に回収トナーを静電的に引き付け
るためには、芯部材１９ａを導電性材料とし、弾性体１
９ｂを中抵抗の弾性材料とすることが望ましい。

【００７８】一方、回収トナーの再付着時に、トナー保
持ローラ１９に対し、トナー保持ローラ１９からクリー
ニングローラ１２へトナーが移行する向きの電界が、ト
ナー保持ローラ１９とクリーニングローラ１２との間に
形成されるように、トナー保持ローラ１９に電圧を印加
すると、トナー保持ローラ１９上のトナーを、クリーニ
ングローラ１２の側に静電的に引き付ける効果を高める
ことができ、トナー保持ローラ１９にトナーが残る不具
合を防止できる。

【００７９】例えば、図１において、回収トナー再付着
時に、スイッチＳ₃を切り換え、トナー保持ローラ１９
を電源Ｅ₇に接続し、トナー保持ローラ１９に対して、
電源Ｅ₇によって、現像時のトナー、すなわち回収トナ
ーの帯電極性と同極性の電圧、本例では負極性の電圧を
印加する。このような構成を採用すると、負極性の回収
トナーＴ₃が、トナー保持ローラ１９との静電的な反発
力によって、クリーニングローラ１２の側に移行し易く
なるので、回収トナーの再付着時にトナー保持ローラ１
９にトナーが残りにくくなり、効率よく回収トナーを感
光体１に戻し、これを現像装置４に回収することができ
る。またトナー保持ローラ１９上にトナーが蓄積するこ
とを防止でき、次の転写残トナーの回収時における回収
効率の低下を防止でき、トナー像の地汚れの発生を効果
的に抑えることができる。

【００８０】図１に示した電源Ｅ₇は、クリーニングロ
ーラ１２より成るクリーニング部材上のトナーを感光体
１より成る像担持体表面に再付着させるとき、トナー保
持ローラ１９より成るトナー保持部材からクリーニング
部材へトナーが静電的に移行する向きの電界が、クリー
ニング部材とトナー保持部材との間に作用するように、
トナー保持部材に電圧を印加する電圧印加手段の一構成
例をなすものであり、かような電圧印加手段を設けるこ
とによって、上述したように転写残トナーの回収効率を
高くすることができ、トナー像の地汚れの発生を効果的
に抑えることができる。

【００８１】前述したように、回収トナー再付着時に、
クリーニングローラ１２には電源Ｅ₅によって、例えば
−３０００Ｖの電圧が印加されるのであるが、かような
電圧が印加される場合、トナー保持ローラ１９に対し
て、電源Ｅ₇により、その電圧と同極性で、これよりも
大きい電圧、例えば−３２００Ｖの電圧を印加すること
により、トナー保持ローラ１９上のトナーをクリーニン
グローラ１２の側に静電的に移行させる効果を高めるこ
とができる。なお、転写残トナー回収時と回収トナー再
付着時との双方において、トナー保持ローラ１９に対
し、前述した電圧をそれぞれ印加しても良く、また、そ
れぞれの一方においてのみ、前述の電圧を印加するよう
にしても良い。

【００８２】また図１３に示したファーブラシ２９の芯
部材２９ａに対しても、転写残トナー回収時と回収トナ
ー再付着時との双方又は一方において、上述した如き電
圧を印加しても良く、この場合には、ブラシローラ２９
の芯部材２９ａを導電性材料で構成し、そのファーブラ
シ２９ｂとして中抵抗の材料を用いることが望ましい。

【００８３】本発明は、クリーニング部材としてローラ
状のものの他、無端ベルト状のものなどを用いる画像形
成装置、或いは、像担持体としてドラム状のものの他
に、無端ベルト状のものを用いる画像形成装置にも適用
でき、また、記録媒体として中間転写体を用い、像担持
体から、この中間転写体にトナー像を転写し、次いでこ
れを転写材に転写する形式の画像形成装置にも適用でき
る。さらに本発明は、帯電装置によって像担持体を帯電
した後、その表面への像露光時に光の照射されない部分
によって静電潜像を形成し、その潜像電位の極性と反対
の極性に帯電されたトナーを当該静電潜像に付着させて
現像を行う所謂、ポジ・ポジ現像方式の画像形成装置に
も適用できる。

【００８４】

【発明の効果】請求項１に記載の画像形成装置によれ
ば、転写残トナーをクリーニング部材に静電的に回収
し、その回収トナーを像担持体に静電的に再付着させ、
さらにその再付着トナーを現像装置に静電的に回収する
画像形成装置において、クリーニング部材を大型化せず
に、像担持体から回収したトナーの保持面積を拡大で
き、像担持体のクリーニング効率を高めることができ
る。

【００８５】請求項２に記載の画像形成装置によれば、
クリーニング部材上の回収トナーをならすことができ、
当該トナーがトナー保持部材上に局部的に多量に付着す
ることがなくなり、当該回収トナーを効率良く像担持体
に再付着させることができ、トナー像の地汚れを効果的
に抑えることができる。

【００８６】請求項３に記載の画像形成装置によれば、
クリーニング部材上の回収トナーのならし効果を一層高
めることができる。

【００８７】請求項４に記載の画像形成装置によれば、
クリーニング部材からトナー保持部材部材に効率よく回
収トナーを移行させ、トナーが付着していないか、又は
その量が極く少ないクリーニング部材表面で像担持体を
クリーニングでき、像担持体からクリーニング部材への
トナーの回収効率を高くすることができ、トナー像の地
汚れの発生を効果的に抑えることができる。

【００８８】請求項５に記載の画像形成装置によれば、
回収トナーを像担持体へ再付着させるとき、トナー保持
部材にトナーが残りにくくなるので、効率よく回収トナ
ーを像担持体に戻すことができる。また、像担持体から
クリーニング部材へトナーを回収するときの効率が低下
するのを防止でき、トナー像の地汚れの発生を効果的に
抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明一実施形態例の画像形成装置の部分断面
説明図であって、感光体とクリーニングローラ上のトナ
ーを模式化して大きく示した図である。

【図２】帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、クリー
ニングローラ及びトナー保持ローラと、感光体との相対
位置関係を示し、感光体上の転写残トナーをクリーニン
グローラに回収しているときの様子を説明する説明図で
ある。

【図３】画像形成領域後端が帯電ローラに対向する部位
に至ったときの様子を示す説明図である。

【図４】画像形成領域後端が現像ローラに対向する部位
に至ったときの様子を示す説明図である。

【図５】画像形成領域後端が転写ローラに対向する部位
に至ったときの様子を示す説明図である。

【図６】画像形成領域後端がクリーニングローラに対向
する部位に至ったときの様子を示す説明図である。

【図７】クリーニングローラ上の回収トナーを感光体上
に再付着させる様子を示す説明図である。

【図８】感光体上の再付着トナーが現像装置へ向けて搬
送される様子を示す説明図である。

【図９】感光体上の再付着トナーが現像装置に回収され
る様子を示す説明図である。

【図１０】次の画像形成領域先端が転写ローラに対向す
る部位に至ったときの様子を示す説明図である。

【図１１】クリーニングローラに回収したトナーを感光
体に再付着させずに複数回の画像形成動作を連続して行
うときの様子を示す説明図である。

【図１２】複数回にわたって画像形成動作を連続して行
った後、クリーニングローラとトナー保持ローラに回収
したトナーを感光体に再付着させたあとの様子を示す説
明図である。

【図１３】トナー保持部材としてファーブラシを用いた
実施形態例の構成を示す概略図である。

【符号の説明】

４現像装置２９ブラシローラＴ₁トナーＴ₂トナーＴ₃トナーＴ₄トナー

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者吉井雅子東京都大田区中馬込１丁目３番６号株式会社リコー内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】回転駆動される像担持体と、該担持体上
に静電潜像を形成する潜像形成手段と、その静電潜像を
トナー像として可視像化する現像装置と、像担持体上の
トナー像を記録媒体に転写する転写装置と、トナー像転
写後の像担持体上の転写残トナーを静電的に一時的に回
収し、次いでその回収したトナーを、像担持体上の静電
潜像の形成に影響のない表面部分に静電的に再付着させ
るクリーニング部材とを具備し、像担持体表面に再付着
させたトナーを現像装置に静電的に回収する画像形成装
置において、像担持体からクリーニング部材上に回収したトナーを受
け入れて保持し、クリーニング部材上のトナーを像担持
体表面に再付着させるとき、受け入れたトナーをクリー
ニング部材に戻すトナー保持部材を設けたことを特徴と
する画像形成装置。
【請求項２】トナー保持部材はクリーニング部材に当
接する回転体より成る請求項１に記載の画像形成装置。
【請求項３】前記回転体がブラシローラより成る請求
項２に記載の画像形成装置。
【請求項４】像担持体からトナーを回収するとき、ク
リーニング部材からトナー保持部材へトナーが静電的に
移行する向きの電界が、クリーニング部材とトナー保持
部材との間に作用するように、トナー保持部材に電圧を
印加する電圧印加手段を設けた請求項１乃至３のいずれ
かに記載の画像形成装置。
【請求項５】クリーニング部材上のトナーを像担持体
表面に再付着させるとき、トナー保持部材からクリーニ
ング部材へトナーが静電的に移行する向きの電界が、ト
ナー保持部材とクリーニング部材との間に作用するよう
に、トナー保持部材に電圧を印加する電圧印加手段を設
けた請求項１乃至４のいずれかに記載の画像形成装置。