JPS6353896B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はプレス機械に使用する加工素材の搬送
装置に関し、詳しくはプレス機械間に設置され、
片方のプレス機械で加工された半製品をもう一方
のプレス機械へ搬送する装置に関している。

プレス加工を連続して行う方法にトランスフア
プレス型と、トランスフアプレスライン型が知ら
れている。前者は１基のプレス機械内に複数の金
型を設置し、金型に平行して設けた一対のフイー
ドバー及びフイードバーに設けたフインガーによ
つて加工素材を順次金型に搬送して連続加工する
ことに特徴がある。又、後者は複数のプレス機械
を設置し、設置されたプレス機械の長さと同じ長
さに設けた一対のフイードバーのフインガーによ
つて加工素材をプレス機械の金型に順次搬送して
連続加工をしている。

ところで、トランスフアプレスは、１基のプレ
ス機械内に８〜10個の金型を隙間なく並べるの
で、装置が大きくならない利点はあるが、金型数
よりも少ない数の加工で製品ができる場合は、他
の金型が遊んでいて不経済であつた。又、加工回
数が金型の数よりも多い場合は当該プレスでは完
成品が製造できないといつた不便があつた。

又、トランスフアプレスラインは、プレス機械
を希望する数だけ設置できるが、あまり多い数の
プレス機械を設置したのでは、フイードバーが長
すぎて駆動不能となつてしまう。又、この方法は
プレス機械を必ず直線方向に設置する必要があつ
た。この他、トランスフアプレスラインでは、加
工不要なプレス機械を停止させておくことが可能
であるが、この場合でもフイードバーの駆動は停
止することができないことになる。

本発明の目的は、１個の金型をもつプレス機械
を複数基設置し、各プレス機械間に設置して隣接
するプレス機械間で素材を搬送する搬送装置を提
供しようとするものである。

本発明の他の目的は、フイードバーの水平方向
の移動と、上下方向の移動とを、１つの駆動機構
で動作できるようにしたことにより、制御系が簡
単となりタイミングのずれがない正確な搬送装置
を提供するものである。

本発明の他の目的は、各装置毎に駆動機構を具
備することにより、複数基設置したプレス機械な
らびに搬送装置は加工に必要なものだけ運転する
ことができ、従つて経済的な搬送装置を提供しう
るものとなる。

さらに本発明の他の目的は、各装置が独立して
いるのでプレス機械は必ずしも直線方向に設置す
る必要がなく、工場の状況に合せてプレス機械を
設置することができる搬送装置を提供しうるもの
である。

本発明の概要は、機体に設けたガイドロツドに
素材の搬送方向である水平方向に往復移動する移
動部材と、前記移動部材に設けたクランク軸の偏
心部にコネクチングロツドを介して連結されたフ
イードバーと、前記移動部材を駆動するためクラ
ンク軸の他の偏心部に設けた回動部材と連結した
ベルトを具備し、前記ベルトを装着したプーリに
移動部材が達するまではフイードバーが水平方向
に移動し、移動部材がプーリに到達して移動部材
に設けた回動部材が傾斜したときにフイードバー
が下降するようになつている。

また、フイードバーの両端には加工素材をつか
む保持装置が設けられており、フイードバーの下
降でプレス金型上の素材ないしは当該搬送装置の
前面に設けた受台の素材を吸着搬送する。

さらに、フイードバーが水平方向に移動する距
離を定めるのはベルトを装着した２つのプーリの
軸間距離で決められ、又、フイードバーの下降距
離はプーリに沿つて回動部材が傾斜する角度で決
まる。

次に、本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。

第１図及び第２図において、搬送装置１は第一
のプレス２と第二のプレス３との間に配置されて
いる。搬送装置１の機体には両端部にタイミング
ベルトが駆動できる歯付のプーリ４，４が回転自
在に設けられている。また、機体にはNCモータ
５が設置され、その出力軸に前記プーリ４と同じ
構造をもつた駆動プーリ６が固定されている。こ
れらのプーリ４，６には内側に歯形が形成されて
いるタイミングベルト７が掛けられ、機体に回転
自在に軸支されたテンシヨンプーリ８により張設
されている。

前記機体には、素材の搬送方向に沿つて平行す
る２本のガイドロツド９，９が設けられると共
に、このガイドロツド９，９に移動部材１０がガ
イドローラ１０ａ，１０ａに案内されて往復動自
在に設けられている。又、移動部材１０の正面に
設けたガイド筒１０ｂ，１０ｂ内にフイードバー
１１の支軸１１ａ，１１ａが摺動自在に収容され
ている。フイードバー１１の両端部には素材を吸
着して搬送するための保持装置１２，１２が設け
られている。実施例では、保持装置１２がバキユ
ームカツプを取付けたバーと、バキユーム空気の
配管（図示せず）とからなつている。

第３〜５図において、ガイドロツド９，９に案
内されている移動部材１０にはクランク軸１３が
回転自在に軸架されている。クランク軸１３の一
端部（前方）に設けた偏心部１４には、コネクチ
ングロツド１５の上端部が軸着されており、又、
コネクチングロツド１５の下端部はフイードバー
１１の長手方向中央部とピン１６で連結されてい
る。一方、クランク軸１３の他端部（後方）には
前記偏心部１４と反対方向に偏心させた回動部材
１７が固定されている。クランク軸１３の取付中
心位置は機体に設けられたプーリ４，４の中心と
同じ高さとされている。

前記回動部材１７には、周囲にタイミングベル
ト７の歯部と噛み合う歯部を設けた係止ピン１８
が固定されている。また、係止ピン１８に巻きつ
けたタイミングベルトの係止状態を確実にするた
めの２本の係止補助ピン１９，１９が係止ピン１
８の近傍に設けられている。さらに係止ピン１８
の両側部には、係止ピン１８よりも長く形成され
ていてタイミングベルト７から突出するローラ２
０，２０が設けられ、これらローラ２０，２０を
案内して回動部材１７の姿勢を垂直に保持するた
めのガイド２１が機体に設けられている。

前記ガイド２１は、前記ガイドロツド９，９と
平行に設けられ、両端部はプーリ４，４の近傍に
達する位置まで設けられている。

なお、２２は第一のプレス２の金型、２３は第
二のプレスの金型、２４は本装置の前面に設けた
アイドルステージとなる受台である。

次に本装置の作用について述べる。NCモータ
５を運動させて駆動プーリ６を回転すると、タイ
ミングベルト７が往復移動し、これによつてタイ
ミングベルト７に連結された回動部材１７を介し
て移動部材１０がガイドロツド９，９に沿つて往
復移動を行う。回動部材１７のローラ２０，２０
がガイド２１に案内されて送行する間は回動部材
１７は垂直姿勢を保持したまま移動する。従つて
クランク軸１３の偏心部１４は上死点に保持され
ているので、コネクチングロツド１５を介してフ
イードバー１１は上昇した状態を保つて往復動を
行なう。

移動部材１０が機体の右端部に来て、第６図に
示すようにプーリ４の中心とクランク軸１３の中
心とが一致すると、回動部材１７の一方のローラ
２０（右側）はガイド２１による拘束を解かれて
いるので、なおもタイミングベルト７が移動する
と回動部材１７は第７図に示すように反時計方向
に回転する。そして回動部材１７の回転角がθ゜に
達したときに、回動部材１７と共にクランク軸１
３もθ゜回転しており、これに伴ない偏心部１４が
下向きに回動してコネクチングロツド１５を介し
てフイードバー１１が下降する。

フイードバー１１が下降したとき、フイードバ
ー１１の保持装置１２，１２にバキユーム空気が
供給、排除され素材を吸着或は解放する。回動部
材１７が所要の角度（θ゜）に達したときに、NC
モータ５は制御されて逆回転をし、回動部材１７
は第７図から第６図の位置に復し、再びローラ２
０，２０がガイド２１に案内されて移動部材１０
が機体の他端部（左側）に向つて移動する。移動
部材１０が移動を始めるまでの間にフイードバー
１１は上昇運動を完了している。このようにし
て、移動部材１０が機体の他端部（左側）に達す
ると前記と同様な動作でフイードバー１１が昇降
する。

次に本発明の搬送装置とプレス加工との関連を
説明する。第１図に示す線図のように、フイード
バー１１に固定された保持装置１２，１２をＰ及
びＱで表わすと、プレス２，３のスライドが下降
するときにＰ及びＱは停止していて搬送装置１が
プレス２，３と干渉するのを避けている（第１図
の状態）。プレス２，３のスライドが上昇すると、
Ｐ及びＱはａ、ｂ、ｃ及びa′、b′、c′の運動を行
ない、Ｐはプレス２の金型２２から半加工品を吸
着して上昇し、Ｑは受台２４から半加工品を吸着
して上昇し、続いてｄ、ｅ、ｆ及びd′、e′、f′の
運動を行ない、Ｐは半加工品を受台２４に、Ｑは
半加工品をプレス３の金型２３に搬送する。さら
にＰ、Ｑがｇ及びg′の運動を行なつて停止し、こ
の間にプレス２及び３でプレス加工がなされる。

以上の動作を繰り返えすことにより、素材を金
型へ搬送しながらプレス加工がなされ、設置した
所望数のプレス機械による加工が終了したときに
製品を完成する。

以上説明したように、本発明によれば、NCモ
ータ１個を制御するだけでフイードバーに前後進
と昇降の両方の運動を与えることができる他、
NCモータと加工品を保持する保持装置のバキユ
ーム空気系との制御をタイミングを合わせて行な
うだけでよいので、制御系が簡単化できるなど実
用上の効果と利点は極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図はプレス機械間に配置された実施例の正
面図、第２図は一部断面の側面図、第３図は第１
図の−断面図、第４図は第３図の−矢視
図、第５図は第４図の矢視図、第６図及び第７
図は要部の作用説明図である。 １……搬送装置、２……第一のプレス、３……
第二のプレス、４……プーリ、５……NCモー
タ、６……プーリ、７……タイミングベルト、８
……テンシヨンプーリ、９……ガイドロツド、１
０……移動部材、１０ａ……ガイドローラ、１０
ｂ……ガイド筒、１１……フイードバー、１１ａ
……支軸、１２……保持装置、１３……クランク
軸、１４……偏心部、１５……コネクチングロツ
ド、１６……ピン、１７……回動部材、１８……
係止ピン、１９……係止補助ピン、２０……ロー
ラ、２１……ガイド、２２，２３……金型、２４
……受台。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ プレス機械間に設置され隣接するプレス機械
   間で素材を搬送する搬送装置において、機体に素
   材の搬送方向に沿つて往復移動可能に設けた移動
   部材と、前記移動部材に軸架したクランク軸と、
   前記クランク軸の偏心部に軸着したコネクチング
   ロツドを介して昇降可能に設けたフイードバー
   と、前記クランク軸の他の偏心部に固定した回動
   部材と、前記機体に設けた２つのプーリに装着さ
   れると共に前記回動部材と連結したベルトと、前
   記フイードバーの両端に設けた加工素材の保持装
   置を具備することを特徴とするプレス加工素材の
   搬送装置。