JP2504494B2 - トランスファプレスにおける材料供給装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ 〔産業上の利用分野〕 本発明は数工程の型を並列に取付けて各工程間をフィ
ンガを装着したフィードバーにより順次搬送して自動的
にプレス加工を行う所謂トランスファプレスにおける材
料供給装置に関するものである。

（従来の技術） 従来、トランスファプレスの最初の工程に材料を供給
する手段としては、例えば前後動および上下動して材料
を吸着保持すると共にトランスファプレスの所定位置に
供給するパッドを先端部等に備えた専用機によるものが
ある。また、材料を把持すると共に旋回してトランスフ
ァプレスの所定位置に供給するハンド等を備えたロボッ
トによるものがある。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、専用機によるものもロボットによるも
のも、トランスファプレスとは別体で独立した駆動源を
有する高価な機械装置を必要とするものであり、スペー
スを取ると共に構造も複雑であり問題となっている。

本発明はかかる現状に鑑みてなされたものであり、簡
単な構造で安価であると共にトランスファプレスに後付
けできるトランスファプレスにおける材料供給装置を提
供すすることを目的とするものである。

［発明の構成］ （問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するための本発明の構成は、材料をク
ランプするフィンガを装着した一対のフィードバーの一
方に設けられて該フィードバーと一体にクランプ方向に
往復動する第１のラック杆と、該第１のラック杆と噛合
する第１のピニオンと、該第１のピニオンの回転運動を
ローダ内の第２のピニオンに伝達する回転運動伝達手段
と、前記ローダ内の第２のピニオンと噛合して該第２の
ピニオンの回転運動を上下方向の往復動に変換する第２
のラック杆と、該第２のラック杆の往復動と連動して上
下動すると共に材料を吸着保持する吸着保持装置を有し
た昇降部材とを備えたことを特徴としている。

（作用） 上記構成とすることにより、ラックおよびピニオン機
構が作動してトランスファプレスのフィードバーの動作
がローダの昇降部材の上下動に変換されるので、独立し
た駆動源を要せず簡単な構造のトランスファプレスにお
ける材料供給装置となる。

（実施例） 以下、本発明の一実施例を第１図〜第４図に基づいて
説明する。

第１図および第２図において、トランスファプレス１
には材料を搬送するための一対のフィードバー３が具備
されている。フィードバー３には材料をクランプするた
めの複数のフィンガ５が装着されている。トランスファ
プレス１の作動に伴いフィードバー３はクランプ、アン
クランプのためのストロークａなる前後動作と、送り、
戻りのためのストロークｂなる左右動作を行う。

第３図において、一対のフィードバー３の一方には複
数のローラ７および取付部材９を介して第１のラック杆
11がフィードバー３の長手方向への往復動を許容する
が、クランプ、アンクランプの方向への往復動には一体
的に作動するように取付けられている。したがって、第
１のラック杆11はフィードバー３のクランプ、アンクラ
ンプのための前後動ｃに連動して基台13上を往復動す
る。第１のラック杆11には第１のピニオン15が噛合して
おり、第１のラック杆11の往復動により第１のピニオ15
が回転する。

一方、材料17が置かれた場所の上方にはローダ19が配
設されており、該ローダ19内には第２のピニオン21が取
付けられている。この第２のピニオン21と前記第１のピ
ニオン15との間にはベルト23の如き回転運動伝達手段が
掛回されており、第１のピニオン15の回転はベルト23に
より第２のピニオン21に伝達される。この第２のピニオ
ン21にはロッド状の第２のラック杆25が噛合されてお
り、該第２のラック杆25は案内部材27により上下動自在
に案内支承されている。

第２のラック杆25の下端部にはスプリングシート29が
設けられ、該スプリングシート29に支承されたスプリン
グ31を介して昇降部材33が第２のラック杆25と連動する
ように配設されている。この昇降部材33の下端部には材
料17を吸着保持する例えば吸着パッドの如き吸着保持装
置35が取付けられている。また、ローダ19の適宜位置に
は上昇ストッパ37が取付けられている。

したがって、フィードバー３が往復動ｃをすると、第
１のラック杆11が往復動すると共に第１のピニオン15が
回転する。この第１のピニオン15の回転はベルト23を介
して第２のピニオン21に伝達され、第２のピニオン21が
回転する。第２のピニオン21が回転すると、第２のラッ
ク杆25が上下方向に往復動し、これに伴い昇降部材33が
往復動ｄを行う。すなわち、フィードバー３に装着され
たフィンガ５が材料17をクランプするためにフィンガ５
同士が接近する動作は、昇降部材33の材料17を受け渡す
ための上昇動作に変換して連動せしめ、フィンガ５が材
料17をアンクランプするためにフィンガ５同士が離隔す
る動作は、昇降部材33の材料17を取りに行くための下降
動作に変換して連動せしめるのである。

第４図はフィードバー３の動作（前後、左右の２次元
運動）と昇降部材33の上下動のタイミングを表わしたも
のであり、フィードバー３においてはクランク角度315
〜45度程で送り動作ｅを行い、45度〜145度程でアンク
ランプ動作ｆ、135度〜225度程で戻り動作ｇ、215度〜3
15度でクランプ動作ｈを行うのに対し、昇降部材33にお
いては75度〜145度程で下降動作ｊを行い、215度〜285
度程で上昇動作ｋを行う。このようにすれば、フィード
バー３と昇降部材33とが干渉することなく材料17の供給
が行われる。

［発明の効果］ 以上述べた如く、本発明によれば、ラックおよびピニ
オン機構を用いてフィードバーのクランプ方向の往復動
をローダの昇降部材の上下動に変換するようにしたの
で、特別な駆動源を用いることなく簡単な構造で材料を
供給できて大幅な原価低減が達成できる。また、従来装
置に比して高速化が達成できると共に機構が簡単で作動
は確実であり、また作動のタイミングの調整も必要な
く、さらには、従来のトランスファプレスに後付けが可
能でスペース上も有利である。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は本発明に係る一実施例を示したもの
で、第１図はトランスファプレスの全体正面図、第２図
はフィードバーの斜視図、第３図は要部の拡大機構概念
図、第４図はフィードバーと昇降部材との動作説明図で
ある。 １……トランスファプレス、３……フィードバー ５……フィンガ、11……第１のラック杆 15……第１のピニオン、17……材料 19……ローダ、21……第２のピニオン 23……ベルト、25……第２のラック杆 33……昇降部材 35……吸着保持装置

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】材料をクランプするフィンガを装着した一
   対のフィードバーの一方に設けられて該フィードバーと
   一体にクランプ方向に往復動する第１のラック杆と、該
   第１のラック杆と噛合する第１のピニオンと、該第１の
   ピニオンの回転運動をローダ内の第２のピニオンに伝達
   する回転運動伝達手段と、前記ローダ内の第２のピニオ
   ンと噛合して該第２のピニオンの回転運動を上下方向の
   往復動に変換する第２のラック杆と、該第２のラック杆
   の往復動と連動して上下動すると共に材料を吸着保持す
   る吸着保持装置を有した昇降部材とを備えたことを特徴
   とするトランスファプレスにおける材料供給装置。