JPS6353434B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、例えば都市ガス用、天然ガス用、石
油用あるいは水道用等各種の導管に対して、漏洩
箇所の修繕を、シール剤の使用量が少ない状態で
実行できるように、管内において管径方向に弾性
膨張自在な中空体に、それを管に内接するために
流体圧を供給する装置を接続すると共に、前記中
空体の外周面のうち管に内接される部分で開口す
るシール剤吐出口に、シール剤注入装置を接続し
た管修繕装置に関する。

従来、中空体の周壁肉厚を全体にわたつてほぼ
均等に形成し、流体供給による中空体の膨張で中
空体外周面を管に内接させた状態において、シー
ル剤吐出口から中空体と管の間にシール剤を加圧
供給し、(イ)例えば特開昭52−112116号公報に示さ
れるように、シール剤の圧力で中空体を変形させ
て、中空体と管の間にシール剤の流路を形成させ
ながら、シール剤を管周方向に流動させるように
構成するか、あるいは、(ロ)例えば特開昭55−
97592号公報に示されるように、中空体の膨張に
際して中空体と管の間に管全周にわたる流路を形
成しておいて、その流路によりシール剤を管周方
向に流動させるように構成していた。

しかし、いずれの場合も、継手部以外では中空
体と管の間においてシール剤を確実に所定方向に
かつ管全周にわたつて流動させることが困難で、
管修繕の信頼性において欠点があつた。

つまり、上記(イ)項の従来技術では、シール剤の
圧力で中空体を変形させてシール剤の流路を形成
するが、中空体の周壁全体の伸縮性が肉厚均等故
にほぼ等しいために、いずれの方向にシール剤が
流動するか不確実になりやすく、管の所定位置で
全周いわたつてかつ所定巾でシール剤を供給でき
ず、シール剤吐出口と漏洩箇所の位置が管周方向
に大きく離れていると、修繕できない不都合な事
態を生じやすい。

また、上記(ロ)項の従来技術では、中空体の周壁
全体の伸縮性が肉厚均等故にほぼ等しいために、
中空体を弾性膨張で管に内接させるに際し、十分
強力に内接させようとすると、シール剤の流路を
形成するために両側部分より小径に形成してあつ
た中央部分においても中空体が膨張して管に内接
し易く、そうなると上記(イ)項の従来技術と同様に
管の所定位置で全周にわたつてかつ所定巾でシー
ル剤を供給できず、シール剤吐出口から管周方向
に離れた漏洩箇所を修繕できない不都合な事態を
生じやすい。

本発明の目的は、中空体と管の間において管の
所定位置で全周にわたるシール剤供給を確実に実
現でき、管修繕を信頼性の高い状態で実行できる
ようにする点にある。

本発明の特徴構成は、流体圧供給による弾性膨
張で管に内接させる中空体の周壁肉厚を、管長手
方向において中央部分がその両側より大になるよ
うに形成し、中空体と管の間にシール剤を注入す
るためのシール剤吐出口を前記厚肉中央部分に配
置したことにあり、その作用効果は次の通りであ
る。

つまり、中空体の周壁全体が管に内接されて
も、厚肉中央部分のシール剤吐出口から中空体と
管の間に注入されたシール剤による加圧で中空体
が変形するに際し、厚肉中央部分の伸縮性がその
両側の薄肉部分よりも低いために、厚肉中央部分
では余り変形が生じなくて、両側の薄肉部分の厚
肉中央部分に近い箇所に応力集中で変形が集中
し、厚肉中央部分が管長手方向においてほぼ均等
に管から離れた状態になり、シール剤が厚肉中央
部分と管の間で管周方向に流動するに伴つて厚肉
中央部分が順次全巾にわたつて管から離れ、厚肉
中央部分が全周全巾にわたつて管から離れた状態
になつて、シール剤が厚肉中央部分と管の間で全
周にわたつてかつ所定巾で確実に供給される。

その結果、管の所定位置に厚肉中央部分をセツ
トすれば、管の所定位置で全周にわたるシール剤
供給を確実に実現でき、漏洩箇所とシール剤吐出
口の位置が管周方向に大きく離れていても、シー
ル剤による漏洩箇所の修繕を信頼性の高い状態で
実行できる、一段と高性能な管修繕装置を提供で
きるようになつた。

次に実施例を示す。

第１図に示すように、ゴム状物質等により弾性
膨張自在で円柱形状の中空体１を形成し、管内移
動を円滑化するためのソリ状ガイド２を周方向に
並設したデイスク３ａ，３ｂを中空体１の両端
夫々に連設し、空気等の流体を加圧供給する装置
４を中空体１にホース５によつて接続し、シール
剤注入装置６に接続されたホース７を、その吐出
口７ａが中空体１の外周面に位置する状態で中空
体１に連結し、ワイヤー等の牽引具８を連結する
部材９を一方のデイスク３ａに付設し、牽引に伴
う中空体１の伸びを防止するためのワイヤ等の可
撓性連結具１０を両デイスク３ａ，３ｂにわたつ
て架設し、もつて、管１１曲り箇所の通過が容易
な状態で、管１１の漏洩箇所１１ａにシール剤を
供給する管修繕装置Ａを構成してある。

中空体１の周壁肉厚を、管長手方向において中
央部分１ａがその両側よりも大になるように形成
し、シール剤吐出口７ａを厚肉中央部分１ａに配
置し、第３図及び第４図に示すように、シール剤
注入に伴つて厚肉中央部分１ａだけが導管１１か
ら離れ、シール剤吐出口７ａと漏洩箇所１１ａが
導管周方向に大きく離れていても、シール剤Ｃが
漏洩箇所１１ａに確実に流動し、しかも、シール
剤Ｃの導管長手方向への流動が所定範囲に制限さ
れるように構成してある。

次に、上記管修繕装置Ａによる漏洩箇所補修の
手順を、第２図によつて説明する。

第２図イに示すように、既設導管１１に対し
て、本来備えられているあるいは必要に応じて取
付けた仕切弁１２ａ，１２ｂで両側を閉じ、その
弁１２ａ，１２ｂ間において、導管１１の一部を
切断あるいは取外して、導管１１の両端部を開口
させ、牽引具８を通すための物体１３を加圧装置
１４からの圧力流体によつて導管１１の一端から
他端に送つて、牽引具８を通すと共に、導管１１
内の既存流体を排出する。

次に、第２図ロに示すように、フオト検知装置
やテレビジヨン式検知装置等の漏洩箇所検知装置
Ｂと共に、管修繕装置Ａを導管１１内に牽引具８
で導入し、漏洩箇所検知装置Ｂを利用しながら漏
洩箇所１１ａに管修繕装置Ａをセツトし、そし
て、中空体１を流体圧供給装置４の加圧作用によ
つて膨張させて導管１１に全周にわたつて内接さ
せる。

次に、注入装置６によつて中空体１と導管１１
との間にシール剤を注入し、第２図ハに示すよう
に、気泡が混入しない状態で、かつ、比較的少量
のシール剤注入でもつて、漏洩箇所１１ａにシー
ル剤Ｃを充填する。

最後に、シール剤Ｃが適度に硬化すれば、中空
体１の圧を抜き、漏洩箇所検知装置Ｂ及び管修繕
装置Ａを導管１１から取出し、導管１１を元のよ
うに接続する。

シール剤としては、例えば熱硬化性、湿気硬化
性、常温硬化性、その他各種の公知物質が利用で
き、そして、熱硬化性シール剤を利用する場合、
中空体１内に加熱流体を供給する等、中空体１に
加熱機能を備えさせる事が望ましい。

中空体１を自走型に構成したり、中空体１に漏
洩箇所検知装置Ｂを一体的に備えさせたり、本発
明による管修繕装置Ａの具体的構成は各種変更自
在である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る管修繕装置の実施例を示
し、第１図は概略構造説明図、第２図イないしハ
は施工手順の説明図、第３図はシール剤供給状態
を示す横断面図、第４図はシール剤供給状態を示
す縦断面図である。 １……中空体、１ａ……中空体中央部分、４…
…流体圧供給装置、６……シール剤注入装置、７
ａ……シール剤吐出口。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 管１１内において管径方向に弾性膨張自在な
   中空体１に、それを管１１に内接するために流体
   圧を供給する装置４を接続すると共に、前記中空
   体１の外周面のうち管１１に内接される部分で開
   口するシール剤吐出口７ａに、シール剤注入装置
   ６を接続してある管修繕装置であつて、前記中空
   体１の周壁肉厚を、管長手方向において中央部分
   １ａがその両側よりも大になるように形成し、前
   記シール剤吐出口７ａを前記厚肉中央部分１ａに
   配置してある管修繕装置。