JPS635145Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案はすぐれたクリツクアクシヨン作用をもつ
オンオフ動作の確実な小型スイツチに関するもの
である。

小型スイツチ例えばプリント配線基板上に取付
け、基板上に配置された各種回路素子の切換えを
行う多連デイツプスイツチとして、従来例えば次
に説明する如きものが使用されている。

このスイツチの単位素子はオン状態を示す第１
図および第２図に示す断面側面図のように、先端
の半円状彎曲部１′，２′が対向、または上下に並
列に位置するように固定されたばね力を有する第
１，第２固定接片１，２と、摘子３′を有する移
動子３の凹部３″内に、その中心中心突起３に
合せて収設されたＵ字状の摺動接片４とよりなる
ものである。そしてオン時摺動接片４の突部４′
が、第１固定接片１のばね力に抗しながら彎曲部
１′をのり越えるようにして、クリツクアクシヨ
ンを与えながら突部４′を彎曲部１′，２′間に位
置させ、これにより第１，第２固定接片１，２間
を摺動接片４により短絡してオン動作を行うよう
にしたものである。

ところで一般にスイツチ機構はハウジング内に
収設されているため、オン、オフ動作を直接見る
ことができないのが普通であり、また見ることが
できたとしてもその状態をいちいちたしかめなが
らオンオフ状態を確認するのは非常に面倒であ
る。そこで上記のようにクリツクアクシヨンを与
え、移動子を操作する手指に衝撃的な感覚を与え
て認知できるようにしている。しかしプリント配
線基板に使用されるスイツチは小型である。従つ
て固定接片のばね力や摺動接片のクリツクアクシ
ヨン付与用の中央突起の高さも小さくならざるを
得ないため、中央突起３が彎曲部１′を乗りこ
えるに要する力や変位は小さい。その結果操作者
に与える衝撃が極めて小となつてオン、オフ動作
が確実に行われたか否かを確認でひきくい難点が
ある。

そこでこのような欠点を少しでも少なくするた
め、オン時摺動接片３の中央突起４′が第２図の
ように彎曲部１′，２′上にのることなく、第１図
のように彎曲部１′，２′と離れた中央に位置する
ようにして、少しでも乗りこえ高さを大とするよ
うにしている。しかし実際上その量は極めて小で
あつてクリツクアクシヨンを強める作用を殆どな
さず、逆に操作の遊びを生じて感覚的に不安を与
えることになる欠点がある。またこのような小型
スイツチにおいては、摺動接片も小型となり、し
かも上記のようなＵ字形の場合打抜きの外に折曲
げを必要とするので製作コストが高くなるばかり
か、メツキ時などに互に絡みあつて変形し易く移
動子への組合てを面倒にする難点がある。

本案は上記の如き従来スイツチの諸欠点を一挙
に排除した、すぐれたクリツクアクシヨンをもつ
オンオフ動作の確実な小型スイツチの提供を目的
とするもので、次に図面を用いてその詳細を説明
する。

第３図は本案の一実施例を示す分解斜視図、第
４図ａ，ｂはオンおよびオフ状態を示す本案の組
立断面側面図である。第３図において５はハウジ
ングの固定接点取付板（絶縁物製）、５ａは移動
子案内壁、５ｂは固定接片取付溝である。６，７
はＬ形をなす同形の第１，第２固定接片で、その
折曲角度は90゜より大きく選ばれる。６ａ，７ａ
は先端に設けた半円状の彎曲部、６ｂ，７ｂは固
定用くびれ部で、この部分を第４図ａのように上
記固定接片取付溝５ｂ中に入れて第１，第２固定
接片６，７をそれぞれの彎曲部６ａ，７ａが対向
するように位置させる。８は円板状の摺動接片
で、打抜きによつて作られる。９はオンオフ操作
用の移動子（絶縁物製）、９ａはその上面に設け
た操作用の摘子、９ｂは摘子設置面の幅よりも小
さい幅の被誘導部で、これが上記移動子案内壁５
ａの対向によつて形成される案内溝５ｃ内に入つ
て誘導されて、がた少なく移動できるように作ら
れる。９ｃは摺動接片８の圧入保持穴で、移動子
９の下面に設けられ、円弧の一部が突出８ａして
第４図ａのように第１固定接片６を押下するよう
な状態で摺動接片８を保持する。９ｄは半円状の
クリツクアクシヨン増強突部で、摺動接片８の保
持面に突出部８ａに続いて設けられ、その高さは
摺動接片８の突出部８ａの高さとほゞ同じになる
ように選定される。９ｅは半円状のクリツクアク
シヨン増強凹部で、クリツクアクシヨン増強突部
９ｄに続いて設けられ、その深さの選定により第
４図ａのように第２固定接片７の彎曲部７ａの一
部が第１，第２固定接片の彎曲部６ａ，７ａ間に
位置するように設けた、クリツクアクシヨン増強
突部９ｄの面上に係り合うように、固定接片７の
ばね力を利用して彎曲部７ａを落しこむ。そして
また摺動接片８の突出部８ａのクリツクアクシヨ
ン増強突部９ｄに対する位置の選定により、第４
図ａのオフ状態から第４図ｂのオン状態に移行す
るとき、摺動接片８の突出部８ａとクリツクアク
シヨン増強突部９ｄとが、ほゞ同時に第１固定接
片の彎曲部６ａと第２固定接片７の彎局部７ａを
乗りこえるようにする。１０はハウジング上蓋、
１０ａは摘子移動穴で、上蓋１０は第４図のよう
に移動穴１０ａに摘子９ａを入れながら固定接片
取付板５にかぶせられる。

このように構成された本案において、第４図ａ
のように移動子９を移動穴１０ａの最左方におい
た状態では、摺動接片８の突出部８ａは第１固定
接片６の彎曲部６ａの手前である左方の平坦部上
にある。またクリツクアクシヨン増強突部９ｄは
第１，第２固定接片６，７の彎曲部６ａ，７ａ間
に位置し、それぞれ彎曲部６ａと７ａにより右方
への移動を阻止されてオフの状態に拘束される。

次に移動子９を右方に移動すると摺動接片８の
突出部８ａは、第１固定接片６をそのばね力に抗
して押下げて彎曲部６ａをのりこえ、またこれと
時を同じくしてクリツクアクシヨン増強突部９ｄ
も、第２固定接片７をそのばね力に抗して押下げ
て彎曲部７ａをのりこえる。そしてクリツクアク
シヨン増強突部９ｄによる押下げにより、ほゞ対
向位置した彎曲部６ａ，７ａ上に摺動接片８の円
弧状突出部８ａが乗り、第１，第２固定接片６，
７間を橋絡してオン状態を作り出す。

以上のように本案におけるクリツクアクシヨン
は摺動接片８の突出部８ａの固定接片６の彎曲部
６ａの乗りこえと、移動子９のクリツクアクシヨ
ン増強突部９ｄの固定接片７の彎曲部７ａの乗り
こえの２箇所において同時に行われることにな
る。しかも第２固定接片７の彎曲部７ａはクリツ
クアクシヨン増強凹部９ｅ内に落ちこんでおり、
クリツクアクシヨン増強突部９ｄによる変位は、
摺動接片８の突出部８ｄの固定接片６の彎曲部６
ａののりこえによる第１固定接片６の変位より大
きい。その結果与えられるクリツクアクシヨンは
第１図、第２図で示した従来スイツチのように、
摺動接片の突部４′の第１固定接片１の彎曲部
１′の乗り越えによつて得られるものに比べて遥
かに大きくなり、スイツチがオン状態となつたこ
とを確実に示唆する。またスイツチがオンからオ
フになる場合も同様である。また本案の摺動接片
８は形状が円板状であつて極めて単純である。こ
のため単純な形状の抜型によつて簡単に作られ、
第１図、第２図で示した従来スイツチの摺動接片
４のように打抜折曲げを必要としない。従つて製
作コストの大きな低下を図ることができるばかり
か、メツキ時などに絡みあつて変形したりするお
それも全くない。また組立時絡みを１箇１箇ほぐ
す面倒な操作を伴うことなく、保持穴９ｃ内に挿
しこむことによつて摺動接片８を取付けうるの
で、従来スイツチに比べて組立ても簡単になる。

なお以上の例では移動子９の底部保持穴９ｃに
摺動接片８を圧入して組立てるようにした。しか
し摺動接片８は移動子９とばね力を有する第１固
定接片６などによつて挾圧されているので、圧入
することなく単にがた少なく挿入する構造でも実
用上差支えない。また摺動接片は突出部のみが円
弧状であればよく、保持部は任意の形でよい。

以上の説明から明らかなように、本案によれば
クリツクアクシヨン大きく、オンオフ動作の確実
な安価な単連または多連式小型デイツプスイツチ
を提供できるもので、実用上の効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図はオフ状態およびオン状態にお
ける従来スイツチの断面側面図、第３図、第４図
ａ，ｂは本案の一実施例の分解斜視図およびオフ
状態とオン状態における断面側面図である。 ５……ハウジングの固定接片取付板、５ａ……
移動子案内壁、５ｂ……固定接片取付溝、５ｃ…
…移動子案内溝、６，７……第１，第２固定接
片、６ａ，７ａ……彎曲部、８……摺動接片、８
ａ……突出部、９……移動子、９ａ……摘子、９
ｂ……被誘導部、９ｃ……摺動接片圧入保持穴、
９ｄ……クリツクアクシヨン突部、９ｅ……クリ
ツクアクシヨン凹部、１０……上蓋、１０ａ……
摘子移動穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハウジングにそれぞれ先端に彎曲部を有する第
   １，第２固定接片を対向して設けると共に、円弧
   状部が突出するように保持された摺動接片と、こ
   れに続くクリツクアクシヨン突部と、これに続く
   クリツクアクシヨン凹部とを有するハウジングに
   誘導される移動子とを備え、スイツチオン時上記
   円板状摺動接片の突出部が移動子の移動に伴つて
   第１固定接片のばね力に抗してその彎曲部をのり
   こえ、またこの時移動子の上記クリツクアクシヨ
   ン突部がクリツクアクシヨン凹部内にある第２固
   定接片のばね力に抗してその先端彎曲部をのりこ
   えてこれを押し下げ、上記移動子の円板状摺動接
   片の突出部が２つのクリツクアクシヨンを伴いな
   がら第１，第２固定接片の先端彎曲部間に入つて
   第１，第２固定接片間を短絡するようにした小型
   スイツチ。