JPS6349647B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は自動車用ドアに係り、特に、ドアフ
レームを着脱自在とした自動車用ドアに関する。

従来、例えば乗用車において、同一車種のドア
として、一般のセダンタイプ車用の、ドアフレー
ムが溶着して一体的に取付けられたドアと、ハー
ドトツプタイプ車用の、ドアフレームがないフレ
ームレスドアとがあるが、これらフレーム付ドア
とフレームレスドアは全く別個のものであつて、
このため、ドアフレームを除いた部分が同一形状
の場合も、それらの製造のためには、全く別個の
プレス型を使用し、あるいは異なるドア構成部品
を利用しなければならないために、ドアの製造コ
ストが高くなるという問題点があつた。更に、フ
レーム付ドアは部品としての輸送時に、輸送容積
が大きくなり、且つ、輸送中に変形する恐れがあ
つた。

また、四輪駆動車あるいは二人乗り幌付き自動
車であるロードスター等におけるドアとして、そ
の上半分が着脱可能な幌付ドアがあるが、この場
合は、ウインド部分が透明プラスチツク等よりな
り、ガラスウインドに比較して、外観、品質、耐
久性、視界の点で劣り、また、着脱部分において
自動車の走行中に風切り音が発生するという問題
点がある。

更にまた、ドアフレームとウインドガラスをド
ア本体に対して一体的に着脱するようにしたもの
があるが、この場合は、ドアトリム、ウインドレ
ギユレータ等のドア本体内側に装備されるべき部
品を全てドアフレームおよびウインドガラスとと
もに着脱しなければならず、着脱作業に多大な時
間を要するという問題点がある。

これに対して、ドアフレームをドア本体に対し
て容易に着脱可能とし、これによつて、フレーム
付ドアとフレームレスドアとの相互変換を可能に
するとともに、部品としての輸送時においては、
ドアを分割して輸送することにより、その輸送容
積を小さくし、且つドア変形を防止することがで
き、更に、フレーム付ドアとフレームレスドアの
ドア本体側部分を共通化することによつて、プレ
ス型、内装部品等の共通化を図つて、製造コスト
を低減することができるようにした自動車用ドア
が考えられる。

ところで、自動車用ドアにおいては、ドアを閉
じた状態で、車体側とのシールを形成するため
に、ドアの内側面外周に沿つてドアウエザストリ
ツプを取付けるか、あるいは、車体側の、ドア外
周部に接触する部分に、ボデイウエザストリツプ
を設けているが、前記のようなドアフレームとド
ア本体が着脱自在の別体とされた自動車用ドアに
おいては、前者のドアウエザストリツプを一本の
ループ状とすることができないため、ボデイウエ
ザストリツプを採用するか、又はウエザストリツ
プの防水および防塵性能を犠性としなければなら
ないという問題点が生じる。

この発明は上記問題点に鑑みてなされたもので
あつて、ドアフレームをドア本体に対して別体
で、且つ着脱自在とするとともに、防水および防
塵機能を低下させることなくドア側にウエザスト
リツプを取付けることができるようにした自動車
用ドアを提供することを目的とする。

この発明は、ドアアウタパネルおよびこれと連
結されるドアインナパネルを含むドア本体と、こ
のドア本体の上部に連結される略コ字形状のドア
フレームと、前記ドア本体およびドアフレームの
車体側面周囲を囲んで取付けられ、ドア閉扉時に
ドアと車体間をシールするウエザストリツプと、
を有してなる自動車用ドアにおいて、前記ドアフ
レームを前記ドア本体に着脱自在の別体とすると
ともに、前記ウエザストリツプを、前記ドア本体
とドアフレームとの接続部近傍位置で、ドア本体
側のロアウエザストリツプとドアフレーム側のア
ツパウエザストリツプとに上下方向に分割し、且
つ、前記アツパウエザストリツプの下端に下向き
の開口部を形成して、前記ロアウエザストリツプ
の上端部に、その外側から嵌合接続自在とするこ
とにより上記目的を達成するものである。

又この発明は、前記自動車用ドアにおいて、前
記アツパウエザストリツプ下端開口部の、前記口
アウエザストリツプが取付けられているドア本体
外側面に対向する部分に、前記ロアウエザストリ
ツプ上端部と嵌合する長さ範囲で、切欠きを形成
することにより上記目的を達成するものである。

又この発明は、前記自動車用ドアにおいて、前
記ロアウエザストリツプの上端部を先細り形状と
することにより上記目的を達成するものである。

又この発明は、上記自動車用ドアにおいて、前
記アツパウエザストリツプの下端に、ドア本体側
への着脱面に沿うフランジ部を一体的に形成し、
且つ、このフランジ部をドア本体側に係脱自在と
し、前記アツパウエザストリツプの下端部を、前
記ドア本体側に着脱可能とすることにより上記目
的を達成するものである。

以下本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。

この実施例は、第１図乃至第３図に示されるよ
うに、ドアアウタパネル３およびこれと連結され
るドアインナパネル４を含むドア本体２と、この
ドア本体２の上部に連結される略コ字形状のドア
フレーム５と、前記ドア本体２およびドアフレー
ム５の車体側面周囲を囲んで取付けられ、ドア閉
扉時にドアと車体間をシールするウエザストリツ
プ６と、を有してなる自動車用ドア１において、
前記ドアフレーム５を前記ドア本体２に着脱自在
の別体とするとともに、前記ウエザストリツプ６
を、前記ドア本体２とドアフレーム５との接続部
近傍位置で、ドア本体２側のロアウエザストリツ
プ７とドアフレーム５側のアツパウエザストリツ
プ８とに上下方向に分割し、且つ、前記アツパウ
エザストリツプ８の下端に下向きの開口部１３を
形成するとともに、この開口部１３において、前
記ロアウエザストリツプ７の上端部７Ａに、その
外側から嵌合接続自在としたものである。

第１図の符号９はドアフレーム５の前部辺５Ａ
の下端部にこれと一体的に取付けられたリイーン
フオースメントアセンブリ、１０は、ドアフレー
ム５の後部辺５Ｂの下端に取付けられたリイーン
フオースメントをそれぞれ示し、これらリイーン
フオースメントアセンプリ９およびリイーンフオ
ースメント１０は、ドアフレーム５がドア本体２
に取付けられる時、ドア本体２の上端から下方に
挿入され、ドア本体２側のボルト孔１１から挿通
されるボルト（図示省略）が、これらリイーンフ
オースメントアセンブリ９およびリイーンフオー
スメント１０に設けられたねじ孔１２に螺合する
ことによつて、ドア本体２に締結されるものであ
る。

第３図に示されるように、前記アツパウエザス
トリツプ８の下端開口部１３の、前記ロアウエザ
ストリツプ７が取付けられているドア本体２外側
面２Ａに対向する部分に、前記ロアウエザストリ
ツプ７上端部と嵌合する長さ範囲で、切欠き１４
が形成され、これによつて、前記ドア本体外側面
２Ａに取付けられている状態のロアウエザストリ
ツプ７の上端部に外側からこれを覆うようにして
接続されるようにされている。

一方、第３図および第６図に示されるように、
前記ロアウエザストリツプ７の上端部７Ａは、先
細り形状とされ、又、前記アツパウエザストリツ
プ８の開口部１３も先端が徐々に薄肉となるよう
にされ、これにより、両者の嵌合が容易となるよ
うにされている。

前記アツパウエザストリツプ８の下端におけ
る、前記開口部１３の両側にはドア本体２側への
着脱面であるドア本体外側面２Ａに沿う一対のフ
ランジ部１５が一体的に形成され、且つ、このフ
ランジ部１５をドア本体２側に係脱自在とするこ
とによつて、アツパウエザストリツプ８の下端部
をドア本体２側に着脱することができるようにさ
れている。

すなわち、第３図乃至第５図に示されるよう
に、フランジ部１５には、それぞれ、クリツプ孔
１６が形成され、このクリツプ孔１６にクリツプ
１７を挿通して、ドアインナパネル４のフロント
部（ドア本体外側面２Ａ）に取付けられたホルダ
１８に、該クリツプ１７を挿入、且つ嵌合させる
ことによつて、アツパウエザストリツプ８の下端
をドア本体２側にワンタツチで取付けることがで
きるようにされている。

第３図において、ドア本体外側面２Ａの前記一
対のホルダ１８の中央部上方位置には、クリツプ
孔１９が形成され、このクリツプ孔１９には、前
記ロアウエザストリツプ７の上端７Ａと一体のク
リツプ２０が挿入嵌合され得るようになつてい
る。

すなわち、アツパウエザストリツプ８をロアウ
エザストリツプ７に接続する場合は、予め、クリ
ツプ２０によつてドア本体２の外側面２Ａに取付
けられているロアウエザストリツプ７の上端７Ａ
を、外方から覆うように開口部１３を広げて、該
上端７Ａに嵌合させ、しかる後に、フランジ部１
５をクリツプ１７によつて、ドア本体２側に固定
すると、ドア本体ウエザストリツプ７とアツパウ
エザストリツプ８とは、一体的なループ状のシー
ル面を形成することになる。

前記ホルダ１８は、第５図に拡大して示される
ように、その基端部近傍と先端部の外周に形成さ
れた抜け止めのためのリツプ１８Ａ，１８Ｂと、
ドアインナパネル４への挿入を容易とするための
軸方向のスリツト１８Ｃと、前記クリツプ１７が
挿入される嵌合孔１８Ｄの、略中央部に形成され
ためねじ部１８Ｅとを有してなる。

一方、前記クリツプ１７は、先端１７Ａが先細
り形状とされるとともに、その軸部１７Ｂの略中
央部に前記ホルダ１８のめねじ部１８Ｅと係合す
るおねじ部１７Ｃが形成され、更に、基端部に
は、クリツプ１７を手動回転できるようにつまみ
１７Ｄが形成されている。

前記クリツプ１７によつて、アツパウエザスト
リツプ８のフランジ部１５をドア本体２側に係止
させる場合は、クリツプ１７をフランジ部１５の
クリツプ孔１６に挿通した状態で、その軸部１７
Ｂを前記ホルダ１８に押し込み、そのおねじ部１
７Ｃを前記ホルダ１８のめねじ部１８Ｅに係合さ
せればよい。

アツパウエザストリツプ８をドア本体２側から
取外す場合は、クリツプ１７のつまみ１７Ｄを手
動回転させれば、クリツプ１７がホルダ１８から
抜け出るので、容易に取外しすることができる。

この実施例においては、ドア本体２に対するド
アフレーム５の着脱時に、アツパウエザストリツ
プ８の下端部を、クリツプ１７のホルダ１８に対
する簡単な着脱操作によつてドア本体２に着脱す
ることができ、しかも、ロアウエザストリツプ７
とアツパウエザストリツプ８の接続は、開口部１
３と上端７Ａとの密着嵌合によつてなされるの
で、車体側とのシールを完全に行うことができ
る。

又、ドア本体２からドアフレーム５を取り外し
た状態においても、ロアウエザストリツプ７が車
体側とのシールを形成するので、防水および防塵
機能を維持することができる。

更に、ドアフレーム５のドア本体２への装着状
態におけるロアウエザストリツプ７とアツパウエ
ザストリツプ８との結合状態は、開口部１３が上
端部７Ａを覆う形状であつて、且つ、第６図に示
されるように該結合部はテーパ形状をなして重な
り合つているので、ドア閉扉時におけるウエザス
トリツプ６の変形も容易であつて、車体側シール
面にも充分追従できるという利点がある。

なお上記実施例は、アツパウエザストリツプ８
のフランジ部１５をクリツプ１７によつてドア本
体２側に着脱するようにしたものであるが、本発
明はこれに限定されるものでなく、着脱操作が容
易であれば他の手段であつてもよい。

従つて、例えば、第７図および第８図に示され
るように、フランジ部１５をビス２１によつてド
ア本体２側に着脱するようにしてもよい。

第８図の符号２２はフランジ部１５に埋め込ま
れたインサートを示し、前記ビス２１はこのイン
サート２２を介してフランジ部１５をドア本体２
に着脱するものである。

この実施例の場合は、インサート２２によつて
フランジ部１５の補強をすることができるので、
フランジ部１５の耐久性を増大させることができ
る。

なお上記実施例は、アツパウエザストリツプ８
の下端開口部１３に切欠き１４を形成して、ロア
ウエザストリツプ７の上端７Ａに嵌合しやすいよ
うにしたものであるが、本発明はこれに限定され
るものでなく、例えば、予め、ロアウエザストリ
ツプ７の上端７Ａをドア本体２外側面２Ａから浮
き上がらせた状態にしておき、且つ、開口部１３
は切欠きが形成されていない円筒状として、この
開口部１３を上端７Ａに上方から嵌合させた状態
でフランジ部１５を介して、該結合部をドア本体
外側面２Ａに圧着するようにして取付けるように
してもよい。

なお上記実施例は、自動車のサイドドアにおけ
る前部側のウエザストリツプについてのものであ
るが、これは後部側についても同様であり、更
に、４ドア車におけるリヤドアあるいはリヤゲー
トドアについても適用されるものである。

本発明は上記のように構成したので、自動車用
ドアのドアフレームをドア本体に対して着脱自在
とし、しかも、防水および防塵機能を損うことな
くドアウエザストリツプを形成することができる
という優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る自動車用ドアの実施例を
示す分解斜視図、第２図は同実施例におけるウエ
ザストリツプを示す分解斜視図、第３図は同実施
例における要部を拡大して示す分解斜視図、第４
図は同実施例におけるウエザストリツプの結合状
態の要部を示す斜視図、第５図は第４図の―
線に沿う拡大断面図、第６図は第４図の―線
に沿う拡大断面図、第７図は本発明の他の実施例
を示す第４図と同様の斜視図、第８図は第７図の
―線に沿う拡大断面図である。 １…自動車用ドア、２…ドア本体、２Ａ…ドア
本体外側面、３…ドアアウタパネル、４…ドアイ
ンナパネル、５…ドアフレーム、６…ウエザスト
リツプ、７…ロアウエザストリツプ、７Ａ…上
端、８…アツパウエザストリツプ、１３…開口
部、１４…切欠き、１５…フランジ部、１７…ク
リツプ、１８…ホルダ、２１…ビス、２２…イン
サート。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ドアアウタパネルおよびこれと連結されるド
   アインナパネルを含むドア本体と、このドア本体
   の上部に連結される略コ字形状のドアフレーム
   と、前記ドア本体およびドアフレームの車体側面
   周囲を囲んで取付けられ、ドア閉扉時にドアと車
   体間をシールするウエザストリツプと、を有して
   なる自動車用ドアにおいて、前記ドアフレームを
   前記ドア本体に着脱自在の別体とするとともに、
   前記ウエザストリツプを、前記ドア本体とドアフ
   レームとの接続部近傍位置で、ドア本体側のロア
   ウエザストリツプとドアフレーム側のアツパウエ
   ザストリツプとに上下方向に分割し、且つ、前記
   アツパウエザストリツプの下端に下向きの開口部
   を形成して、前記ロアウエザストリツプの上端部
   に、その外側から嵌合接続自在としたことを特徴
   とする自動車用ドア。 ２ 前記アツパウエザストリツプ下端開口部の、
   前記ロアウエザストリツプが取付けられているド
   ア本体外側面に対向する部分に、前記ロアウエザ
   ストリツプ上端部と嵌合する長さ範囲で、切欠き
   を形成したことを特徴とする特許請求の範囲第１
   項記載の自動車用ドア。 ３ 前記ロアウエザストリツプの上端部を先細り
   形状としたことを特徴とする特許請求の範囲第１
   項または第２項記載の自動車用ドア。 ４ 前記アツパウエザストリツプの下端に、ドア
   本体側の着脱面に沿うフランジ部を一休的に形成
   し、且つ、このフランジ部をドア本休側に係脱自
   在とし、該アツパウエザストリツプの下端部を、
   前記ドア本体側に着脱可能としたことを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項、第２項または第３項記
   載の自動車用ドア。