JPS6349405Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ステアリングホイールと一体的に形
成されて、ステアリングホイールと共に回転する
パツド、又はステアリングホイールを回転した時
に逆方向に等速度で回転し、見掛け上は停止して
いるパツド上に設けたスイツチの操作による信号
を各部に伝達し、又は各部の動作状態をパツド上
に設けた表示部に伝達する接続線を、ステアリン
グホイール側とステアリングコラムとの間に接続
するための位置決め機構に関するものである。

従来のこの種のステアリングホイールのパツド
との間で信号を伝達する接続機構は、特開昭57−
110542号公報に記載されている。

この接続機構の一例を第１図に示す。

接続線１１は内部にリード線を配置し、これを
渦巻状に彎曲してこのリード線に弾性を持たせる
ように合成樹脂で渦巻ばね状にモールドしたもの
で、その両端にはステアリングコラム側に取付け
られるコネクタ１２と、ステアリングホイール側
に取付けられるコネクタ１３がそれぞれ取付けら
れているものである。

この接続機構をステアリングコラム側とステア
リングホイール側に接続するには、ステアリング
ホイールを左若しくは右にいつぱいに切つた時
に、該接続線１１が無理に引張られることがない
ように、ステアリングホイールを取付ける際にス
テアリングホイールの切れ角と接続線１１の巻数
を考慮して組付ける必要があつた。

即ち、ステアリングホイールの切れ角は、通常
ロツクからロツクまで３回転半程度あり、このた
めニユートラル位置から右又は左にロツクするま
でに接続線１１を巻き切つてしまつたり、弛ませ
すぎて合成樹脂モールドの破損、弾性の喪失を招
来することがないよう、適切な巻数の維持に注意
しなければならない欠点を持つていた。

本考案は、接続線を適切な巻数に保持してステ
アリングホイール取付時にその巻数に注意をする
必要がなく、しかも前記巻数の保持を反対方向の
付勢力の釣合つた位置で行なわせて、ステアリン
グホイールの操作回転には支障を来さないように
することで従来の欠点を除去したステアリングホ
イールのパツド用接続線の位置決め機構を提供す
ることを目的とするものである。

以下、本考案の実施例を第２図、第３図に就い
て説明する。

１はステアリングシヤフトに嵌合してステアリ
ングホイールに固着されるボデイで、これには歯
車２ａ，２ｂを備えた歯車体２を回転自在に嵌合
したシヤフト１ａ、ステアリングシヤフトに嵌合
する中心部１ｄの端部に設けた爪１ｂ、リング状
の壁１ｃを備えている。

３はステアリングコラム側に係止されるカバー
で、その突片３ｂをコラム側の孔に挿入すること
によつて回転を阻止され、歯車２ａに噛合する歯
車３ａをボデイ１の中心部１ｄに回転自在に嵌合
し、爪１ｂで抜脱を防止されている。

４は歯車２ｂと噛合する歯車で、これに起立さ
せたピン４ａとボデイ１との間には互いに逆方向
に引張り合うように逆方向に巻かれている渦巻バ
ネ５，６が懸架され、この渦巻バネ５，６の間を
スペーサー７で仕切つている。

８は渦巻状に巻かれた接続線で、その内周端は
ボデイ１の壁１ｃに止着された後ボデイ１外に導
出され、ステアリングホイールのパツド上に設け
られたスイツチ、表示部に接続されるコネクタ９
が取付けられており、又外周端はカバー３に止着
された後外部に導出され、ステアリングコラム側
に接続されるコネクタ１０が取付けられている。

従つて、ボデイ１とカバー３とに外力が加わら
ずフリーな状態にある時には渦巻バネ５，６がピ
ン４ａを引き合つて、その釣合のとれた位置にピ
ン４ａが停止するから、歯車４と歯車２ｂ、歯車
２ａと歯車３ａの噛合によつてカバー３も前記釣
合つた中立位置に保持されているから、ボデイ１
とカバー３の相対位置は決定されることとなる。

この状態からボデイ１とカバー３を相対的に３
回転半左右の何れの方向に回転させた場合でも、
接続線８が巻かれて無理な引張力を生じたり、過
度な弛みが生じないように接続線８は適正な巻き
数にして前記のように収容されている。

今この状態からボデイ１とカバー３とを相対的
に右又は左に回転すると、歯車２ａが歯車３ａ上
を転動し、その回転によつて歯車２ｂが歯車４を
回転させる。

しかしながら歯車２ａは歯車２ｂよりも大径で
あるため、見掛け上は歯車４は前記相対的回転方
向と同方向ではあるが、回転角は減少して回転す
る。

そのためピン４ａも同方向に緩やかに移動して
一方の渦巻バネ５又は６を引張つてその付勢力を
強め、他方の渦巻バネ６又は５の付勢力を弱める
こととなり、或る程度以上にピン４ａが移動する
と渦巻バネ６又は５はピン４ａから外れ、一方の
渦巻バネ５又は６の付勢力を一層高めることとな
る。

従つて、この相対的回転をさせた力を取り去れ
ば、前記のように中立位置に復帰する。

このような中立状態で、ボデイ１はステアリン
グホイールに、カバー３はステアリングコラム側
に止着されるものである。

この場合、若しステアリングホイールが右又は
左にいつぱいに切られていて取付けられたとして
も、ステアリングホイールのロツクからロツクま
で３回転半であり、前記のよに接続線８は３回転
半の回転には支障なく追随できる。

又、ステアリングホイールの操作による回転も
前述のように渦巻バネ５，６が動作して支障を来
すことはないものである。

本考案は叙上のように、互いに反対方向に付勢
する付勢力の釣合つた中立位置の時に、ステアリ
ングホイールのロツクからロツクまでの回転角を
考慮した適正な巻数に接続線を保持させてあるの
で、ステアリングホイールに取付ける際にステア
リングホイールの方向や接続線の巻数等に注意を
払うことなく作業し得るものである。

そして、ステアリングホイール取付完了後、ス
テアリングホイールの回転には何の支障もなく、
ステアリングホイールの回転によつて接続線が巻
きすぎになつたり、弛みすぎたりする虞れがな
く、摺動雑音を発生しない。取付作業が容易、且
つ迅速なステアリングホイールのパツド用接続線
の位置決め機構が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のステアリングホイールのパツド
用接続線の斜面図、第２図は本考案の実施例縦断
面図、第３図はその渦巻バネ懸架部の正面図であ
る。 １……ボデイ、２……歯車体、２ａ，２ｂ……
歯車、３……カバー、３ａ……歯車、４……歯
車、４ａ……ピン、５，６……渦巻バネ、８……
接続線。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ステアリングホイール側の回転部分又はステア
   リングコラム側の非回転部分の何れか一方に固定
   されるボデイと、 前記ステアリングホイール側の回転部分又は前
   記ステアリングコラム側の非回転部分の何れか他
   方に前記ボデイと同軸に固定され、前記ボデイに
   対して相対的に回動するカバーと、 前記ボデイと前記カバー間に設置されるコイル
   状、渦巻状、又は螺旋状等の巻回形状の接続線
   と、 前記ボデイに軸支され、前記カバーに周回させ
   て形成した第１の歯車に噛合する大径の第２の歯
   車、この第２の歯車と同軸で小径の第３の歯車と
   を有する歯車体と、前記カバーに同軸に軸支さ
   れ、前記第３の歯車に噛合する第４の歯車とから
   なる回転角を減少させる減速機構と、 前記第４の歯車を互いに反対方向に付勢し、そ
   の付勢力が釣合つた位置に前記第４の歯車を保持
   する付勢部材と、 を備えたことを特徴とするステアリングホイール
   のパツド用接続線の位置決め機構。