JPS6349393Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車両におけるヘツドランプベゼルに関
する。

車両の前部に設けられたヘツドランプの周辺
を、装飾用のヘツドランプベゼルと称せられる部
材によつてふちどり、車両の美感を向上させるこ
とは従来より周知である。

第１図乃至第３図は、従来のヘツドランプベゼ
ルの一例を示し、図示したベゼル１ａは一体状の
枠体２ａを有し、この枠体２ａによつて、互いに
隣接して配置されるヘツドランプ３ａ，４ａ用の
開口５ａ，６ａがそれぞれ区画されている。７ａ
は車両の前面に配置されるフロントグリルであ
り、このグリル７ａに形成された切欠８ａにヘツ
ドランプベゼル１ａが配置される。ベゼル１ａお
よびフロントグリル７ａを車両に装着するには、
予めヘツドランプ３ａ，４ａの取付けられた車両
に、ベゼル無しのフロントグリル７ａを固定し、
次いで車両の前部外側から、すなわち第２図に矢
印Ａで示した方向から、ベゼル１ａを取付ける。
その際、フロントグリル７ａの切欠８ａに合せて
ベゼル１ａを配置し、その開口５ａ，６ａにラン
プ３ａ，４ａを嵌め込むようにする。しかる後、
ボルト（図示せず）によつてベゼル１ａをフロン
トグリル７ａに固定し、ベゼル１ａの取付けを終
了する。このようにベゼル１ａを装着すればその
枠体２ａの表面１０ａが、ランプ３ａ，４ａをふ
ちどつた状態で車両の前面に現われ、装飾効果を
高めることができる。第１図には車両を正面から
見たときに、右側に位置するヘツドランプ３ａ，
４ａ用のベゼルを示したが、左側に位置するヘツ
ドランプ用のベゼルも同様に構成される。

ところで第１図に例示したようにヘツドランプ
ベゼルが、互いに隣接する複数のランプをふちど
るように構成されていると、ベゼル全体のサイズ
がかなり大型化する。このように大型なベゼルを
車両ボデイのフロントグリル７ａに形成された切
欠８ａに嵌め込むように配置すると、この切欠８
ａもベゼルに合せて大きく形成しなければなら
ず、フロントグリルの強度、特にその剛性が低下
する虞れがある。この不都合を阻止するには、少
なくとも切欠の形成されるフロントグリル部分の
パネル板厚を厚く形成する等の処置を施せばよい
が、このようにすれば車両のコストが上昇するだ
けでなく、車両の重量も増大し、好ましくない。

本考案は上記認識に基きなされたものであり、
その目的とするところは、ヘツドランプベゼルの
サイズが大きくとも、フロントグリルのパネル板
厚を特に厚く形成せずにその強度低下を防止でき
る、ヘツドランプベゼルを提供することである。

以下、本考案の実施例を図面に従つて説明す
る。

第４図はフロントグリル７に取付けられたヘツ
ドランプベゼル１を示し、第５図および第６図
は、第４図の−線および−線断面をそれ
ぞれ示している。

上記ベゼル１は、第６図乃至第８図に明示する
如く、ヘツドランプ３，４（第４図）用の２つの
開口５，６を区画する枠体２を有し、この枠体２
は、その外側を構成する外壁部１１と、その内側
に配置されて各開口５，６を直接区画しているほ
ぼロの字状の２つの内壁部１２，１３と、外壁部
１１および内壁部１２，１３を互いに連結し、枠
体２の表面側に位置している２つの表壁部１４，
１５とから構成されている。表壁部１４，１５
も、第７図から明らかなようにほぼロの字状に形
成されている。また枠体２は、その全体を１つの
成形品から構成すると、その製造が簡単となり有
利である。

互いに隣接して位置する２つの開口５，６の間
の枠体部分は、表壁部１４，１５の面よりも凹入
形成された溝１６として形成され、この溝１６は
その両側壁１７，１８と底壁１９とによつて区画
されている。２０，２１，２２は、枠体２から突
出した取付舌部であり、これら舌部には取付孔２
３がそれぞれ形成されている。

一方、ベゼル１が取付けられるフロントグリル
７には、第６図乃至第８図に示すように、各ラン
プ３，４用の窓孔２４，２５が形成され、これら
窓孔２４，２５は互いに離間し、その間には、フ
ロントグリル７のパネル自体をそのまま残すこと
により形成されたリブ２６が位置している。また
第８図に明示する如く、フロントグリル７の裏
面、すなわちフロントグリルが車両に装着された
とき車両の外部から隠れた側となる面２７には、
各窓孔２４，２５に沿つて延びる立上りフランジ
２８，２９が該グリル７と一体に突設されてい
る。３０，３１は、各フランジ２８，２９に固着
された取付耳であり、３２は両フランジ２８，２
９に連結片３３を介して固着された取付耳であ
る。これらの耳３０，３１，３２にも取付孔３４
が穿設され、これら孔３４は、既述の取付舌部２
０，２１，２２に形成された取付孔２３にそれぞ
れ対応する位置に配置されている。

ベゼル１の車両への取付法の一例を示せば次の
通りである。

先ず、フロントグリル７を車両に装着する前
に、第７図および第８図に示す如く、ヘツトラン
プベゼル１をグリル７の裏面側から該グリルに近
づけ、その窓孔２４，２５に、ベゼル１の各表壁
部１４，１５を嵌入する（第４図参照）。このと
き、グリル７における互いに対向したフランジ部
分２８ｂ，２９ｂをベゼル１の溝１６に嵌入する
と共に、ベゼル側の取付舌部２０，２１，２２と
グリル側の取付耳３０，３１，３２の各取付孔２
３，２４をそれぞれ合致させ、ここにボルト３４
または他の固着手段を挿入し、これにナツト（図
示せず）を螺着して、ベゼル１とグリル７を互い
に固定する。次いでこのフロントグリル７を公知
の態様で第４図に示す如く車両に装着し、ベゼル
１の各開口からヘツドランプ３，４の前面を露出
させる。かくして、ベゼル１の表壁部１４，１５
が各ランプ３，４をふちどつた、美しい外観を得
ることができる。

車両を前面から見たときの左側のランプのベゼ
ルも上記ベゼル１と同様に構成できることは当然
である。

上述したところから判るように本考案に係るヘ
ツドランプベゼルは互いに隣接する開口の間に溝
を有しているため、これを装着するフロントグリ
ルにそのパネルの一部から成るリブを設けても、
これを上記溝に嵌合できるので、ヘツドランプベ
ゼルを支障なくフロントグリルに取付けることが
できる。このようにフロントグリルにリブを残し
ておくことができれば、その強度、特に剛性を高
めることができ、従来のようにフロントグリルの
パネル板厚を特別に厚くする等の処置を施す必要
はない。

またフロントグリルの一部から成るリブを車両
の前面に露出させることができるため（第４図）、
車両前面の外観上、従来は見られなかつた意匠的
効果を出すことも可能である。

さらに、第４図乃至第８図に示した実施例にお
いては、第１図に示した従来例に比べ次の如き利
点も得られる。すなわち、第１図のヘツドランプ
ベゼル１ａは、フロントグリル７ａを車両に装着
した後、その切欠８ａに取付けられるようになつ
ているため、ベゼル１ａの取付時にベゼル１ａと
グリル７ａとの間の隙間３６ａが全体的に均一と
なるように、短時間でベゼルを位置決めすること
は容易ではない。ところが第４図乃至第８図のヘ
ツドランプベゼル１は、車両に装着する前のフロ
ントグリル７に予め取付けられ、しかもその取付
位置は、取付耳３０，３１，３２と取付舌部２
０，２１，２２とによつて定まるため、簡単にフ
ロントグリル７とヘツドランプベゼル１の間の隙
間３７（第４図）を、その全体に亘つて均一にす
ることができる。

本考案は、２つのヘツドランプ用のヘツドラン
プベゼルに限らず、３以上のヘツドランプ用のベ
ゼルとして構成することもでき、この場合も互い
に隣接するヘツドランプ用の開口の間の、少なく
とも１つに溝を形成し、該溝にフロントグリルの
リブを配置すればよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のヘツドランプベゼルとフロント
グリルを示し、これらが装着される車両を鎖線で
付加した正面図、第２図は第１図の−線断面
図、第３図は第１図の−線断面図、第４図は
本考案に係るヘツドランプベゼルとフロントグリ
ルを示す第１図と同様な正面図、第５図は第４図
のＶ−線断面図、第６図は第４図の−線断
面図、第７図はヘツドランプベゼルとフロントグ
リルの正面側から見た分解斜視図、第８図はヘツ
ドランプベゼルとフロントグリルを裏面側から見
た分解斜視図である。 １…ヘツドランプベゼル、２…枠体、３，４…
ヘツドランプ、５，６…開口、１６…溝、２６…
リブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ヘツドランプ用の少なくとも２つの開口を区画
   する枠体を有し、互いに隣接する開口の間の枠体
   部分に、フロントグリルの一部から成るリブを配
   置するための溝を形成したことを特徴とする、車
   両におけるヘツドランプベゼル。