JPS6348460Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の分野 本考案は車体の排水構造、特にルーフレール部
分に浸入した雨水等を車外に排出する構造に関す
るものである。

従来技術とその問題点 従来、ルーフレールアウタパネルとルーフレー
ルインナパネルとはその両側端でスポツト溶接に
て接続され、閉断面形状となつて車体の前後に延
設されている。このうち、上側接続部はルーフの
中央に位置するルーフパネルの側端部下面にスポ
ツト溶接されているが、この溶接部には多少とも
隙間が存在し、この隙間から雨水等が車室内に浸
入してルーフライニング汚損するという問題があ
つた。

かかる問題を解決するため、特公昭50−2687号
公報に記載のように、ルーフの下面に溶接部の内
側縁に沿つて前後方向のレインレールを設け、該
レインレールの少なくとも一方の端末を、ルーフ
の対応する端縁に沿つて形成した横方向の中空窓
枠とその両端から下方に延長する左右一対のピラ
ーとを介してその下方の排水口に連通したものが
知られている。ところが、この場合にはレインレ
ールを流れた雨水等が中空窓枠内に入るため、中
空窓枠に形成したサンバイザの取付孔等から雨水
等が流出する欠点がある。

この欠点を解消するため、実開昭58−152462号
公報のように、ルーフレールの上側接続部の最下
部に位置するルーフレールインナパネルを内側に
延長し、この延長部にレインレールを形成すると
もに、このレインレールに水抜きビードを少なく
とも前後２箇所に形成したものが提供されてい
る。しかしながら、この場合にはインナパネル側
を延長しているため、雨水等がインナパネルとア
ウタパネルとの溶接部に存する若干の隙間を介し
てルーフレール内に流れ込むため、ルーフレール
の下側接続部から雨水等が車室内に滲み出すとい
う問題があり、根本的な解決にはなつていない。

考案の目的 本考案はかかる従来の問題点に鑑みてなされた
もので、その目的は、雨水等を車室内のいかなる
箇所にも流入させることなく車外にスムーズに排
出できる車体の排水構造を提供することにある。

考案の構成 上記目的を達成するために、本考案は、ルーフ
レールアウタパネルの上側接続部を内側に延長
し、該延長部に前後に延びる第１レインレールを
形成する一方、上記第１レインレールの前後端に
おいて、ルーフレールインナパネルの上側接続部
を内側に延長し、該延長部に外側方へ雨水等を案
内する第２レインレールを形成し、上記第１レイ
ンレールを流れた雨水等を第２レインレールに移
し、かつ第２レインレールから前後のピラーを介
して車外に排出するようにしたものである。

実施例の説明 第１図において、ルーフ１はその中央部に位置
するルーフパネル２と側端部に位置するルーフレ
ール３とからなり、このルーフ１をフロントピラ
ー１０、センターピラー１１、クオータピラー１
２等で支持している。

上記ルーフレール３は、第２図、第３図に示す
ようにルーフレールアウタパネル４とルーフレー
ルインナパネル５との上下両側端をスポツト溶接
にて接続することにより閉断面形状としてあり、
車体の前後方向に延在している。上記ルーフレー
ルアウタパネル４とルーフレールインナパネル５
との上側接続部４ａ，５ａの上面には、ルーフパ
ネル２の側端部２ａがスポツト溶接されており、
この上側溶接部４ａ，５ａと側端部２ａとで凹状
の樋部６が形成され、この樋部６には充填材７が
充填されている。

上記ルーフレールアウタパネル４の上側接続部
４ａは第２図のように内側に延長されており、こ
の延長部には上方へ折曲形成した第１レインレー
ル４ｂが前後方向に設けてあり、上記上側接続部
４ａとルーフパネル２の側端部２ａとの隙間を介
して浸入した雨水等はこの第１レインレール４ｂ
に沿つて車体前後方向へ案内される。

上記第１レインレール４ｂの前後端は、第４図
〜第７図のように切り欠かれており、切欠部分を
下側から支えるようにルーフレールインナパネル
５の上側接続部５ａが内側に延長され、かつ先端
が上方へ折曲されている。この延長部には側方へ
延在する凸状ビード（前端側）あるいは凹状ビー
ド（後端側）からなる第２レインレール５ｂが形
成されており、これら第２レインレール５ｂによ
りルーフレールインナパネル５とルーフレールア
ウタパネル４との間に隙間δが形成されている。
したがつて、上記第１レインレール４ｂ上を流れ
た雨水は前後端において、内側に延長されたルー
フレールインナパネル５の上側接続部５ａに乗り
移り、ここで上記第２レインレール５ｂにより流
れの方向が外側方へ変えられ、隙間δを通つてル
ーフレール３内に流入する。ところが、この箇所
はルーフレール３とフロントピラー１０およびク
オータピラー１との合流点であるため、ルーフレ
ール３内に流入した雨水はそのまま第４図、第５
図中矢印で示すようにピラー１０，１２内を流れ
落ちる。すなわち、雨水はルーフレール３内に留
まることなく、直接ピラー１０，１２に沿つて排
出されるのである。

考案の効果 以上の説明で明らかなように、本考案によれば
ルーフレールアウタパネルの第１レインレールに
沿つて流れた雨水を前後端においてルーフレール
インナパネルの第２レインレールに乗り移らせ、
この第２レインレールを通つて雨水を直接ピラー
内に落とし込むようにしたので、雨水を車室内に
流入させることなく、車外にスムーズに排出する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車の上部斜視図、第２図、第３図
は第１図の−線および−線断面図、第４
図はルーフレールの前端部における車内斜視図、
第５図はルーフレールの後端部における車内斜視
図、第６図は第４図の−線断面図、第７図は
第５図の−線断面図である。 ２……ルーフパネル、３……ルーフレール、４
……ルーフレールアウタパネル、５……ルーフレ
ールインナパネル、４ａ，５ａ……上側接続部、
４ｂ……第１レインレール、５ｂ……第２レイン
レール、１０……フロントピラー、１２……クオ
ータピラー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前後方向に延びるルーフレールアウタパネルと
   ルーフレールインナパネルとの両側端を重ね合わ
   せて接続し、該ルーフレールの上側接続部の上面
   にルーフパネルの側端部を接続してなる車体にお
   いて、上記ルーフレールアウタパネルの上側接続
   部を内側に延長し、該延長部に前後に延びる第１
   レインレールを形成する一方、上記第１レインレ
   ールの前後端において、上記ルーフレールインナ
   パネルの上側接続部を内側に延長し、該延長部に
   外側方へ雨水等を案内する第２レインレールを形
   成し、上記第１レインレールを流れた雨水等を第
   ２レインレールに移し、かつ第２レインレールか
   ら前後のピラーを介して車外に排出するようにし
   た車体の排水構造。