JPS6348421Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 この考案はジヤンプシートで、詳しくは、トラ
ツク等の貨物自動車の運転室の角部にシートバツ
クを回動自在に設けたシートに関する。

〔従来技術〕

従来、トラツク等の貨物自動車において、長距
離運送に際し、運転者が例えば二人で昼夜交代で
運転できるように一方の運転者が運転していると
きに、他の運転者が仮眠、あるいは休憩をとるた
めのシートが運転室の角部に補助シートとして配
設されている。例えば、第１図に示すものは、運
転室の両側に夫々設けられて互いに向き合つた対
座式シートであり、いずれのシートもシートクツ
シヨン１が運転室の角部のフロア７にブラケツト
２を介して固着され、シートバツク３もボデイバ
ツクパネル４に直接固定されている。

しかしながら、このような従来のシートにあつ
ては、シートバツク３がボデイサイドパネル４に
直接固定されているので、一方向の着座しかでき
ず、しかも、自動車の走行方向に対し、横対座と
なるため、急発進、あるいは急ブレーキの際に横
倒しとなり極めて危険で安全性に欠けるという問
題点があつた。

〔目的〕

そこで、この考案はこのような従来の問題点に
着目してなされたもので、その目的とするところ
は、シートバツクとボデイサイド、あるいはボデ
イバツクパネルとの間にアームを略水平に介在さ
せて設け、アームの一端をシートバツクの裏面の
略中央部に回動自在に取付け、アームの他端をボ
デイサイドパネルとボデイバツクパネルとの稜線
部に近接したボデイサイドパネル、あるいはボデ
イバツクパネルの位置に回動自在に取付けること
により、シートバツクを、その表面を車室中央側
に向けた状態でボデイサイドパネル、あるいはボ
デイバツクパネルのいずれにも位置させて着座位
置を自在とするとともに、急発進、あるいは急ブ
レーキの際の転倒を防止して安全性を向上させた
ジヤンプシートを提供することにある。

〔実施例〕

以下、この考案の一実施例を第２図ないし第６
図に基づいて詳細に説明する。

図面はこの考案をトラツク等の貨物自動車のシ
ートに適用した実施例を示す。仮眠、あるいは休
憩をとるための補助シートとして運転室の両角部
に配設された対座式シートはいずれもシートバツ
ク５をその表面を運転室中央側に向けた状態でボ
デイサイドパネル４、あるいはボデイバツクパネ
ル６のいずれにも位置させて着座位置を自在に変
換できるようにしたジヤンプシートである。

すなわち、図面において符号１はシートクツシ
ヨンで、運転室の角部に位置するフロア７にブラ
ケツト２を介して固定して取付けられている。こ
のシートクツシヨン１は矩形形状を有し、２辺は
夫々ボデイサイドパネル４、あるいはボデイバツ
クパネル６に面しており、これに対向する他の２
辺はいずれからも着座することができるように前
後方向、あるいは側方方向に指向している。この
ような着座位置自在なシートクツシヨン１に対応
できるように、シートバツク５はボデイサイドパ
ネル４との間に略水平に介在して取付けられたア
ーム１０によつて自転および旋回のいずれも可能
にされている。すなわち、アーム１０は角筒形状
を有し、その一端がシートバツク５の裏面の略中
央部にブラケツト１１およびピン１４を介して回
動自在に取付けられている。また、アーム１０の
他端はボデイサイドパネル４とボデイバツクパネ
ル６との稜線部１２に近接したボデイサイドパネ
ル４の所定位置にヒンジブラケツト１３は中央に
半筒状のヒンジ１４を有し、このヒンジ１４の中
心にピン孔１５が形成され、これに対応するピン
孔１６がアーム１０の他端に形成されている。そ
して、ピン１７がピン孔１５および１６に遊挿さ
れることによりアーム１０が運転室の角部の空間
内で旋回できるようになつている。そして、アー
ム１０とヒンジ１４間に介在して取付けられたリ
ターンスプリング１８によつてアーム１０はボデ
イサイドパネル４側方向に回動力が付勢されてい
る。これにより、シートバツク５は常時ボデイサ
イドパネル４側に位置しているが、必要に応じて
シートバツク５をボデイバツクパネル６側に位置
させて保持できるように、ロツク装置２０が設け
られている。ロツク装置２０はロツク爪２１とロ
ツク孔２２とからなる。ロツク爪２１はヒンジ１
４の側部のボデイバツクパネル６側の一部を切り
起して形成されており、これに対応するロツク孔
２２はアーム１０内に設けられた弾性部材からな
るロツクプレート２３に形成されている。そし
て、ロツク孔２２とロツク爪２１とのロツクを解
除するためのボタン２５がロツクプレート２３に
形成され、その一部がアーム１０の側面から突出
し、ボタン操作可能にされている。なお、２６は
バンパーラバーで、シートバツク５の裏面の四隅
に取付けられ、ボデイサイドパネル４、あるいは
ボデイバツクパネル６との衝撃力を和らげる緩衝
材であり、また、２７はビスである。

次に使用方法について説明する。

第５図および第６図は対座式シートとして使用
する通常の使用状態を示す。すなわち、リターン
スプリング１８の付勢力によつてアーム１０がボ
デイサイドパネル４に押付けられているので、シ
ートバツク５はボデイサイドパネル４側に位置
し、このシートバツク５に背をもたれて対座が可
能となる。

しかして、例えば、仮眠中の着座者が急発進、
あるいは急ブレーキなどによつて慣性力を受ける
と、通常の使用状態では横転し、極めて危険であ
るので、着座位置を変えてボデイバツクパネル６
側に背をもたれることが必要である。

そこで、第５図および第６図に示す対座式の使
用状態から背をボデイバツクパネル６側にもたれ
て着座できるようにするには、まず、第５図およ
び第６図において、リターンスプリング１８の付
勢力に抗してシートバツク５を矢印Ｒ方向に回動
しながら手前に引いて運転室の角部中央側に寄せ
ると、アーム１０はヒンジ１４のピン１７を中心
として矢印Ｌ方向に回動する。これに伴ない、シ
ートバツク５も旋回しつつ自転する。そして、シ
ートバツク５はその表面、つまり背もたれ面をシ
ートクツシヨン１側に指向させた状態でボデイバ
ツクパネル６に近接し、ついには、ボデイバツク
パネル６に当たる。この際の衝撃力はバンパーラ
パー２６によつて緩衝される。また、このような
シートバツク５の近接と並行してロツクプレート
２３のロツク孔２２はヒンジ１４のロツク爪２１
に近接し、ついには両者は弾性フツク係合し、ア
ーム１０の逆回動が阻止され、ロツク状態とな
る。これにより、第２図ないし第４図に示すよう
に背をボデイバツクパネル６側に位置するシート
バツク５にもたれることができる。

次に、このような着座位置から第５図および第
６図に示す通常の使用状態に変換するには、ま
ず、第２図ないし第４図において、ボタン２５を
押すと、ロツクプレート２３はボデイバツクパネ
ル６側に弾性変形し、ロツク孔２２は、ロツク爪
２１から離脱し、ロツクが解除される。その結
果、アーム１０の回動は自在となり、前述の回動
プロセスと逆のプロセスを経て第５図および第６
図に示す通常の使用状態が得られる。

なお、この考案は前記実施例に限定されるもの
ではなく、種々の応用改変が可能であることはも
ちろんである。例えば、この実施例では、シート
バツクを常時ボデイサイドパネル側に位置させた
もので説明したが、これに限らず、シートバツク
を常時、ボデイバツクパネル側に位置させること
もできる。

〔効果〕

以上の説明から明らかなように、この考案によ
れば、シートバツクを、その表面を車室中央側に
向けた状態でボデイサイドパネル、あるいはボデ
イバツクパネルのいずれにも位置させて着座位置
を自在とすることができる。これにより、急発
進、あるいは急ブレーキの際の転倒を防止して安
全性を向上させることができる。

また、実施例に示すように、アームとヒンジブ
ラケツト間にリターンスプリングを介在させて取
付ける構成とすれば、シートバツクをボデイサイ
ドパネル、あるいはボデイバツクパネルの一方に
常時位置させ、必要に応じてシートバツクを回動
するだけで着座位置を変えることができ、手間を
省いて操作性を向上させることができる効果が得
られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の補助シートを示す斜視図、第２
図はこの考案の一実施例に係るジヤンプシートを
示す斜視図、第３図は第２図のヒンジブラケツト
およびアームを示す斜視図、第４図は第２図のヒ
ンジブラケツトおよびアームの一部を破断した部
分断面図、第５図はボデイサイドパネル側にシー
トバツクを位置させた使用状態を示す作用説明
図、そして、第６図は第５図のヒンジブラケツト
およびアームの一部を破断した部分断面図であ
る。 １……シートクツシヨン、２……ブラケツト、
４……ボデイサイドパネル、５……シートバツ
ク、６……ボデイバツクパネル、７……フロア、
１０……アーム、１２……稜線部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車室の角部のフロアにブラケツトを介してシー
   トクツシヨンを取付け、 アームの一端にシートパツクを回動自在に取付
   け、 ボデイサイドパネルとボデイバツクパネルとの
   稜線部に近接した一方のパネルにヒンジブラケツ
   トを取付け、 ヒンジブラケツトにアームの他端を回動自在に
   取付け、 ヒンジブラケツトにロツク爪を形形成し、 アームを一方のパネル側へ旋回させたときにロ
   ツク爪が係合するようにアーム他端側に設けたロ
   ツクプレートにロツク孔を形成し、 ロツクプレートは弾性部材からなりこれにロツ
   ク孔からロツク爪を外すためのボタンを設け、 アームにロツク爪がロツク孔に係合する方向と
   は反対方向にリターンスプリング等により回動付
   勢力を付与したことを特徴とするジヤンプシー
   ト。