JPS6348341Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、主としてブリキ板、アルミニユウ
ム板、薄鋼板などの金属製板状廃材を所要の厚さ
に積重ねて一気に切断する装置に関する。

そして、その目的とするところは刃の逃げを有
効に防止し、上刃と下刃とを順次確実にスリ合せ
ることにより金属製板状廃材を重ね合せて正確に
所要の寸法に切断することができる便利な切断装
置を提供しようとするものである。

以下に、この考案を図面に示す１実施例につい
て説明する。

１は所要の幅と長さをもつた基台、２は該基台
１の両側に対向状に立設された一対の溝型鋼製支
柱、３は該支柱２間に位置して基台１上に水平配
設された下刃、４は該下刃３の取付け部材で、該
取付け部材４は重ね板バネ５を介して下刃３を常
時外方へ付勢するものとされている。６は上記下
刃３とスリ合せ自在に同上方に配設された傾斜状
の上刃、７は略直角三角形状とされた上刃用取付
け部材で、該取付け部材７は支柱２にガイドされ
て昇降自在とされている。８は上刃６の下端縁に
設けられたスリ合せ用ガイド片で、該ガイド片８
は下刃３との当接面が下方に向つて傾斜状とされ
ている。９は垂下状に配設された取付け部材作動
用の油圧シリンダ、１０は上記上刃用取付け部材
７の補助ガイド部材、１１は上刃６の若干後方に
配設された被切断物用押え具、１２は該押え具１
１を順次作動せしめる油圧シリンダ、その他、Ａ
は被切断物を示す。なお、前記基台１の後部に被
切断物搬送用コンベアを接続し、順次被切断物を
送り込むようにしてもよい。

次に、この考案に係る切断装置の作用について
説明する。

まず、被切断物Ａを下刃３上に送り込み、油圧
シリンダ１２を作動せしめると押え具１１は下降
して被切断物Ａをしつかりと押えつける。しかる
のち、油圧シリンダ９を作動せしめると、上刃６
は次第に下降を開始し、被切断物Ａを押圧する。
そして、スリ合せ用ガイド片８が下刃３に当接す
ると、ガイド片８の当接面が下方に向つて傾斜状
とされているから上刃６の下降に伴なつて下刃３
は重ね板バネ５に抗して次第に後方に押圧され
る。更に上刃６が下降すると、下刃３とガイド片
８との当接が外れ、下刃３は上刃６と確実にスリ
合い、被切断物Ａを順次切断し始める。このさ
い、下刃３は重ね板バネ５でもつて、上刃６に付
勢されているから刃の逃げは全く起らない。上刃
６が下死点に達すると、油圧シリンダ９の作動が
停止し、同時に上刃６は急速に上昇して上死点に
達すると共に、下刃３は板バネ５に付勢されてス
リ合せ方向に突出し、切断物を外方に押し出す。
このさい、押え具１１は被切断物Ａを押圧した状
態にある。被切断物Ａの切断が完了し、再び被切
断物Ａが下刃３上に移送を開始した時点で押え具
１１は上昇し、被切断物Ａの移送が完了した時点
で再び下降して被切断物Ａを押圧する。

以下同様に、上刃６は昇降を繰り返し、順次被
切断物Ａを切断する。

なお、上記実施例において、下刃３の外方付勢
として重ね板バネ５が使用されているが、これに
限定されるものでなく、その他のバネ材、あるい
は流体圧シリンダなどを使用してもよい。また、
スリ合せ用ガイド片８は上刃６の一側下縁にのみ
設けられているが、同他側下端縁にも長尺状のガ
イド片を併設してもよい。さらに、上刃６及び押
え具１１を作動せしめるものとして油圧シリンダ
９，１２の外、エアシリンダなどの流体圧シリン
ダを使用してもよいこと勿論である。

この考案によれば以上の次第で、両側一対とさ
れた支柱２間の上下に傾斜状上刃６と水平状下刃
３とが配設されると共に、該下刃３の後方には被
切断物Ａの押え具１１が昇降自在に配設せられて
なり、上記上刃６は流体圧シリンダ９により支柱
２に沿つて昇降自在とされると共に、下刃３は付
勢部材５でもつて常時上刃６とのスリ合せ方向に
突出付勢され、かつ、上刃６の下端縁にはスリ合
せ用ガイド片８が取付けられているから、流体圧
シリンダ９を作動せしめることにより上刃６を支
柱２に沿つて昇降せしめ、押え具１１でもつて被
切断物Ａを下方に押圧しつつ下刃３と確実にスリ
合せて順次被切断物Ａを確実に所要寸法に切断す
ることができる。そして、特に、スリ合せ用ガイ
ド片８により上刃６の下降に伴つて下刃３を確実
に上刃６とスリ合せ、かつ、付勢部材５により下
刃３をスリ合い方向に付勢せしめることができる
ため、刃の逃げは全く起らず、被切断物Ａを正確
に所要寸法に切断することができるものである。
また、下刃３は付勢部材５でもつて常時スリ合せ
方向に突出付勢するものとされているから、切断
が完了して上刃６とのスリ合せが解かれると再び
突出付勢されて切断物を外方へ押出すことができ
るのみならず、非スリ合せ時においては殆んど外
部抵抗がかからず、付勢部材５の装着や修理など
を極めて簡便に行うことができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の１実施例を示すもので、第１
図は一部切欠き正面図、第２図は第１図のＡ−Ａ
線に沿う断面図である。 ２……支柱、３……下刃、５……重ね板バネ、
６……上刃、８……スリ合せ用ガイド片、９……
油圧シリンダ、１１……押え具、Ａ……被切断
物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両側一対とされた支柱２間の上下に傾斜状上刃
   ６と水平状下刃３とが配設されると共に、該下刃
   ３の後方には被切断物Ａの押え具１１が昇降自在
   に配設せられてなり、上記上刃６は流体圧シリン
   ダ９により支柱２に沿つて昇降自在とされると共
   に、下刃３は付勢部材５でもつて常時上刃６との
   スリ合せ方向に突出付勢され、かつ、上刃６の下
   端縁にはスリ合せ用ガイド片８が取付けられてな
   る金属製廃材などの切断装置。