JPS6348259A - アミノエチルスルホン酸の製造方法 - Google Patents

アミノエチルスルホン酸の製造方法

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JPS6348259A
JPS6348259A JP19171786A JP19171786A JPS6348259A JP S6348259 A JPS6348259 A JP S6348259A JP 19171786 A JP19171786 A JP 19171786A JP 19171786 A JP19171786 A JP 19171786A JP S6348259 A JPS6348259 A JP S6348259A
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temperature
hydrochloride
sodium sulfite
chloroethylamine hydrochloride
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JP19171786A
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English (en)
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Kenichi Arai
研一 荒井
Masayoshi Suzuki
政芳 鈴木
Masaru Takahara
勝 高原
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は2−アミノエチルスルホン酸の製造方法に関す
るものである。
〔従来技術〕
2−アミノエチルスルホン酸は医薬品、界面活性剤等の
中間原料として有用な化合物であり、さらに解毒、疲労
回復、滋養強壮等の薬理作用も有する化合物でもある。
゛2−アミノエチルスルホン酸の製造方法としては従来
いくつかの方法が知られているが、使用する原料が毒性
であり作業に大きな危険性を伴ったり、原料が安全な物
質である方法では収率が極めて低いといった様な重大な
欠点を有していた。
本発明者らは先に特開昭60−23360号および特開
昭60−23361号で原料が安全で取扱やすく、さら
に高純度の2−アミノエチルスルホン酸を高収率で安価
に製造し得る方法を提案した。
また、この原料である2−クロルエチルアミン塩酸塩の
製造方法はいくつか知られているが、有害ガスの発生あ
るいは品質的に熱変質するなど問題があったため、特開
昭57−176933号で高純度、高品質の2−クロル
エチルアミン塩酸塩を得る方法として、クロル化反応を
二段に分け、−段で40モル%以上の2−クロルエチル
アミン塩酸塩と60モル%以下のモノエタノールアミン
塩酸塩となるようにクロル化した後、脱水し更に乾燥塩
化水素を用いて20kg/cm2G以下の圧力でクロル
化する方法を提案した。この方法では不純物の副生を抑
制し、高純度かつ、高品質の2−クロルエチルアミン塩
酸塩を得ることができた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
2−クロルエチルアミン塩酸塩と亜硫酸ナトリウムを反
応させ、2−アミノエチルスルホン酸を製造する際、通
常、両者とも水溶液の状態で反応を行うが、本発明者ら
が検討したところによると亜硫酸ナトリウムの水溶液は
極めて不安定で、反応系内に酸素が混入することにより
容易に酸化されて硫酸ナトリウムに変化する。このため
、2−クロルエチルアミン塩酸塩に対し亜硫酸ナトリウ
ムが不足し、亜硫酸ナトリウムと2−クロルエチルアミ
ン塩酸塩とのモル比が化学量論的にくずれ収率低下の原
因となる。さらに、2−クロルエチルアミン塩酸塩が未
反応物として残り目的化合物中に混入してきたり、亜硫
酸ナトリウムの酸化によって生じる硫酸ナトリウムが目
的化合物中に混入してくる結果にもなり、製品の品質を
低下させる原因になる。
また、2−アミノエチルスルホン酸の原料となる2−ク
ロルエチルアミン塩酸塩を製造する際、反応系内は生成
する水により塩酸を含む系となるため、反応器は該塩酸
に対する耐食材を用いなけれはならない。耐食材として
、タンタル、グラスライニング等が考えられるが、該反
応を工業的に実施する際には、コスト的に通常はグラス
ライニング材を選択することが一般的である。グラスラ
イニング材を用いる場合、反応スケールが小さければ常
用圧力 ’10Kg/cm2G〜20Kg/cm2G程
度あ反応器を製作することに何ら困難性はないが、これ
が大きくなって、たとえば20m3程度のスケールの反
応器の場合、常用圧力10Kg/cm2Gでは反応器母
材の耐圧上要求される厚みが数10mmにもなる。かか
る厚みのグラスライニング反応器を制作することは決し
て容易ではなく (NOEASY MATTEI?)、
かなり困難なものであって実質的に製作可能な範囲は、
精々常用圧力 7Kg/cm2G程度のものが限度とな
るとされている。このように実際の工業的操作において
は、採用すべき反応圧力は使用する反応器の容量(した
がって、耐圧力)からの制限を受けるのである。かかる
理由により本反応を工業的に突膝する場合は、可及的に
、低圧でのクロル化を可能にする反応条件を確立するこ
とが望まれるのである。
また、クロルエチルアミン塩酸塩は医薬品の原料となる
ことから出来るだけ高純度品が要求されるところ、従来
、我々が特開昭57−176933号で提案してきた方
法では、反応圧力を下げると純度が低下する傾向にあり
問題がなしとはしなかった。
くわえて、クロル化反応を2回に分けて行い、かつ、そ
の間で反応系反応系内からの水分の分離を目的とした濃
縮操作が介入するため、反応時間のロスとなるなど経済
性の面からもデメリットがあり、前記出願にはなお改良
の余地があった。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされ
たものであって、低圧で、しかも1回だけのクロル化反
応で高純度の2−クロルエチルアミン塩酸塩を製造する
こと、および、この2−クロルエチルアミン塩酸塩と亜
硫酸ナトリウムとから、2−アミノエチルスルホン酸を
製造する際、亜硫酸ナトリウムの安定化をはかり、高収
率で、高品質の2−アミノエチルスルホン酸を製造する
ことを可能にしたものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らはかかる点に鑑み鋭意検討した結果2−クロ
ルエチルアミン塩酸塩製造時の問題点の解決のために、
モノエタノールアミン塩酸塩に乾燥塩化水素を作用させ
てクロル化を行う場合、■反応の進行に伴い生成する水
が逆反応、すなわち生成した2−クロルエチルアミン塩
酸塩がモノエタノールアミン塩酸塩に戻る反応を促進さ
せること、 ■反応系の塩酸濃度を高めることにより、生成水の影響
を減少させ、該逆反応を抑制しうろことなどの知見から
、乾燥塩化水素を用い、かつ、低圧力下でも反応温度を
下げることにより、反応系内での塩酸濃度を高めるとい
う手段を採用することにより、低圧合成条件下で、かつ
、1回のクロル化反応でも高純度(純度98.5〜99
.9%)の2−クロルエチルアミン塩酸塩を得ることを
見い出し本発明を完成した。
また、2−アミノエチルスルホン酸製造時の問題点を解
決のために、本発明では亜硫酸ナトリウムを溶解させる
水として溶存酸素を放出させた水を用いて亜硫酸ナトリ
ウム水溶液の安定化をはかり、反応系内を窒素等の不活
性ガスシールして該不活性ガス雰囲気下にしておくこと
により、2−クロルエチルアミン塩酸塩に対し亜硫酸ナ
トリウムが化学量論的に不足するのを防ぎ、亜硫酸ナト
リウムと2−クロルエチルアミン塩酸塩とのモル比がく
ずれて収率低下の原因とならない様にし、さらに、未反
応の2−クロルエチルアミン塩酸塩および亜硫酸ナトリ
ウムの酸化によって生じる硫酸ナトリウムが目的化合物
中に混入することを防ぐことによって、製品の品質が低
下することを防ぐ様な反応条件を選択して採用したので
ある。
すなわち、本発明は、2−クロルエチルアミン塩酸塩と
亜硫酸ナトリウムを反応させて2−アミノエチルスルホ
ン酸を製造するに際し、まず、3.0Kg/cm2G 
〜7.0Kg/cm2Gの圧力下に含水率3.0%以下
のモノエタノールアミン塩酸塩と乾燥塩化水素とを反応
させ、クロル化反応を100〜140℃の温度範囲で行
うにあたり、該クロル化反応の前半の温度をより高く、
クロル化反応の後半の温度をより低くすること、望まし
くは、クロル化反応前半の温度を120〜140℃で、
かつクロル化反応後半の温度を100〜120℃でおこ
なって、2−クロルエチルアミン塩酸塩を製造し、この
2−クロルエチルアミン塩酸塩と亜硫酸ナトリウムを反
応させて2−アミノエチルスルホン酸を製造すると共に
この際、溶存酸素を放出させた水を用い、さらに反応系
内を窒素等の不活性ガス雰囲気に保持しこれに過剰量の
亜硫酸ナトリウムを溶解させ該水溶液を常温乃至65℃
とし、亜硫酸ナトリウム1モルに対して2−クロルエチ
ルアミン塩酸塩を平均して0.1〜7.0モル/hrの
速度で分割添加した後常温乃至65℃および50℃乃至
沸点までのそれぞれの温度範囲内で少くとも1回以上の
定温反応を行わしめる工程を含む、少くとも2回以上に
分けて段階的に昇温して反応させることをより低くする
、2−アミノエチルスルホン酸の製造方法である。
以下、本発明の構成条件を分鋭して詳細に説明する。
本発明におけるモノエタノールアミンの乾燥塩化水素に
よるクロル化反応は次式によって行われると考えられる
HlNCHzCHzOH+ 2HCβ→ICR−HJC
H2CHgC1+HZ O(11 該反応は、(1)式に示した様に脱水クロル化反応であ
りかつ平衡反応である。即ち、反応系内に存在する水に
よって平衡の位置が影響される。
したがって、水の影響を少しても減少させ平衡を出来る
だけ右によせるため、本発明においては、含水率が3.
0%以下のモノエタノールアミン塩酸塩と乾燥塩化水素
とを反応させ、り゛ロル化反応を行うにあたり、反応温
度100〜140℃の範囲において、反応の前半の温度
をより高くし、後半の温度をより低くすることによって
、さらに純度を向上させることを特徴としている。
ここで、含水率が3,0%を越えるモノエタノールアミ
ン塩酸塩と乾燥塩化水素とを反応させた場合、反応圧力
を極端に高(し、反応液相中に存在する塩酸濃度を高く
しない限り、反応によって生成する水の増加により高純
度の2−クロルエチルアミン塩酸塩は得られない。しか
しながら、前述のごとく、このように反応圧力を高くす
ることは工業規模のグラスライニング装置の制作自体が
極めて困難となるので、実際上は難しい。
これに対し、モノエタノールアミン塩酸塩の含水率を3
.0%以下、望ましくは7.0%以下、さらに望ましく
は0.1%以下とし、かつクロル化の温度条件を上記の
如く詳細に規定することにより、高純度(98〜99.
9%)のクロルエチルアミン塩酸塩を得ることが可能に
なるのである。
なお、クロル化反応温度は100〜140℃の範囲であ
るが、100℃未満の温度では、反応速度が非常に遅く
なり反応の完結に多大の時間を要し実用的でない。また
、140℃を越えると、反応液の着色が著しく、さらに
熱分解がかなり進行する結果目的物の収率および純度の
低下を招来するのみならず、反応器の装置材質の観点か
らも、この温度では、塩化水素に対して長時間耐えうる
安価な材料が実質的に見出し得ないので140℃以下の
温度が採用されるのである。
本発明においては、クロル化反応を二段階にの温度範囲
において実施しているが、その理由は以下の通りである
反応速度自体は、上述のごとく、高温度である程大きい
が、反応の進行につれて、特に、モノエタノールアミン
塩酸塩の組成が10モル%付近では反応系内の水の影響
のためそれ以上反応が進行しずらくなる。しかして、こ
の時点で、反応温度を下げ、反応液相中の塩酸′濃度を
さらに高めることにより、再び反応平衡上の水の影響を
弱めて反応を更に進行せしめることが可能になるのであ
る。
すなわち、クロル化反応の前半においては、反応温度を
高めに設定することにより、反応時間の短縮をはかり、
一方後半においては、反応温度を下げることにより、反
応液中の塩酸濃度を高めて2−クロルエチルアミン塩酸
塩の生成率を増加せしめるのである。勿論、反応液中の
塩酸濃度を上げる方法としては、一般的には圧力を増加
せしめればよいが、しかしながら、上記のごとく、反応
装置上の制約があるため、本発明においては、温度を下
げる方法を採用しているのである。
この場合、温度を下げる仕方(mode)としては反応
の初期から連続的に下げても、段階的に数度宛下げても
勿論構わないが、反応時間の短縮、および操作性を考慮
すると、クロル化反応の前半の温度を120〜140℃
、好ましくは130℃程度で行い、クロル化反応の後半
の温度を100〜120℃好ましくは110℃程度で行
い、そのi& 9M縮乾固することにより、純度98〜
99.9%のクロルエチルアミン塩酸塩を得るのがもっ
とも望ましいのである。
なお、濃縮乾固の方法に関しては、特に限定するもので
はないが、110℃以内30mmHg以下の条件で減圧
下に濃縮し乾固する方法が最も好ましい。濃縮温度が1
10℃を越えると、生成物に着色が生じ易くなるため、
好ましくない。
本発明に於ける反応圧力は、3〜IKg7cm2G、好
ましくは4.5〜IKg/cm2Gが採用される。本来
、圧力は、反応液相中に溶解する塩化水素濃度を増加 
      ゛させ、モノエタノールアミン塩酸塩と塩
化水素の反応を促進し、かつ反応液中の塩酸濃度を増加
せしめて水の反応平衡上の影響を弱めて反応を右方向に
進行せしめるため高圧である方が望ましい。
しかしながら、前述のごとく、反応圧力が高い場合、設
計圧力の点から大型の反応器の制作が非常に困難になる
ので7Kg/cm2G以下の圧力を採用するのが実際的
である。なお、圧力が3Kg/cm2G未満の場合は、
反応系内の液相中の塩酸濃度が低すぎて反応を充分進行
せしめることが出来ない。
本発明において、出発原料として使用するモノエタノー
ルアミン塩酸塩は、モノエタノールアミンと塩酸を中和
するか、またはモノエタノールアミンと乾燥塩化水素を
中和せしめて得られる。該中和反応は発熱反応であり、
そのまま実施すると反応系内が高温になり、モノエタノ
ールアミンが熱変質を起こす恐れがあるため、充分除熱
をおこないながら50℃以下に保持しつつ中和すること
が好ましい。また、モノエタノールアミン塩酸塩に水が
含有されている場合、予め、濃縮脱水操作を行うことが
好ましい。該濃縮脱水方法については特に限定するまの
ではないが、110℃以内30mmHgで減圧濃縮する
方法が好ましい。濃縮温度が110℃を越えると、着色
が生じ好ましくない。
本発明における反応操作はたとえば具体的に以下の如く
行われるのが好ましい。
まず、モノエタノールアミンと塩酸の中和反応を行う。
モノエタノールアミン1モルを当量(1モル)以上の濃
塩酸(36wt%)中に急に添加すると中和反応(発熱
)のため急激な温度上昇を来すので、これを防止するた
めに、添加速度を調整しながら徐々に温度を上げていく
。中和の温度はモノエタノールアミンの熱変成を考慮し
50℃以下とする。中和反応が終了した後、110℃以
下で減圧濃縮し反応系の水分を3.0%以下とする。か
くして減圧濃縮が終了した時点で反応器内を減圧に維持
したまま加熱し、110℃に到達したところで、塩化水
素の供給を開始する。塩化水素を連続的に供給しつつ反
応熱および一部加熱により130°Cまで系内を上昇せ
しめ、この後、130℃に保持する。
反応圧力は塩化水素の供給量を調節して 4.5〜7K
g/cm2Gに保つ。
かくして、モノエノールアミン塩酸塩から2−クロルエ
チルアミン塩酸塩への転化速度が極端に遅くなった時点
で、反応温度を110℃まで下げ、この温度でさらに反
応を継続する。その後、該反応系から水およびか過剰の
塩化水素を30mmHg以下110℃以下で弾発乾固す
ることにより、特に精製処理を施すことなく直接高純度
の2−クロルエチルアミン塩酸塩類を得ることが出来る
2−クロルアミン塩酸塩と反応させて2−アミノエチル
スルホン酸を製造するために用いる、亜硫酸ナトリウム
を溶解さ・せる水として溶存酸素を放出させた脱酸素水
を準備しさらに反応系内を窒素等の不活性ガスによりシ
ールし該不活性ガス雰囲気下にして以後の操作を行うこ
との効果は非常に大きい。本発明者らの実験的知見によ
れば、通常の水に亜硫酸ナトリウムを溶解させただけの
場合、常温で1時間経過後には、亜硫酸ナトリウムの約
10%が酸化され、3時間経過後には約60%が容易に
酸化されて硫酸ナトリウムに変化する。これに対して、
溶存酸素を放出させた水に亜硫酸ナトリウムを溶解させ
かつ窒素シールし窒素雰囲気下に保持した場合、3時間
経過後でも亜硫酸ナトリウムの酸化は殆んど見られない
のである。したがって、亜硫酸ナトリウムを溶解させる
水として溶存酸素を放出させた水を用い、さらに反応系
内を窒素等の不活性ガスによりシールしてこの雰面気下
にしておいた場合、使用する亜硫酸ナトリウムの量は、
2−クロルエチルアミン塩酸塩に対して7.0〜7.3
倍当量、好ましくは7.05〜7.1倍当量用いれば充
分である。1倍当量未満では゛、2−クロルエチルアミ
ン塩酸塩が未反応物として残留し、目的化合物中に混入
して純度を低下せしめるのみならず、さらに収率も極端
に低下し好ましくない。また、7.3倍当量を越えて用
いても、上記範囲で充分な結果が得られ、それを更に越
える効果は得られない。むしろ過剰の亜硫酸ナトリウム
の回収、廃棄が問題になり好ましくない。
なお、単に通常の水を用いるとすれば、反応液中の相当
量の亜硫酸ナトリウムが酸化されて硫酸ナトリウムに変
わるため、大過剰の亜硫酸ナトリウムを用いることが必
要であり、しかも、この場合、生成する多量の硫酸ナト
リウムが、目的化合物中に混入してくるのである。
本発明において、水中の溶存酸素の放出方法は任意であ
るが、本発明の場合、水に窒素等の不活性ガスを吹き込
みバブリングしストリッピング(放散)操作を行うこと
で容易に水中の溶存酸素濃度を実質的に零にすることが
でき、充分本発明の目的が達成せられるのである。なお
、反応系内は窒素等の不活性ガスにより充分シールする
ことが望ましい。もし該シールが不十分であるか、シー
ルを行わない場合は、空気中の酸素が容易に該亜硫酸ナ
トリウム水溶液中に再び溶解し、上記した問題点が再び
惹起することになるからである。
亜硫酸ナトリウムの水溶液濃度は10%から飽和までの
濃度が好ましい。10%未満の以下の濃度でも反応は充
分進行するが、工業的に反応装置が大型となり経済的で
ない。亜硫酸ナトリウムを飽和以上としスラリー状態と
してもさしつかえないが2−クロルエチルアミン塩酸塩
の水溶液濃度は10%から飽和までが好ましい。10%
未満でも勿論さしつかえないが、工業的に反応装置が大
型化するので経済的でない。
2−クロルエチルアミン塩酸塩の添加速度は亜硫酸ナト
リウム1モルに対して0.1〜1モル/hr程度であり
、通常添加に要する時間は1時間から10時間程度が好
ましい。0.1モル/hrより小さい添加速度および1
0時間を越える添加時間であってもさしつかえないが、
通常、前記の添加速度、添加時間で充分な効果が得られ
る。なお、1モル/hrを越える添加速度および1時間
未満の添加時間では分割添加の効果が充分ではない。
2−クロルエチルアミン塩酸塩の添加時の温度は常温乃
至65℃が好ましい。65℃以上の温度では、2−クロ
ルエチルアミン塩酸塩の加水分解がおこりやすくなり、
収率の低下が生じ好ましくない。
2−クロルエチルアミン塩酸塩の添加した後加熱して反
応をさらに進行せしめるが、該後加熱時間は1〜10時
間程度が好ましい。1時間以内の短い時間では反応が終
了していないため低収率となり、10時間を越える長時
間では反応時間が徒に長くなり過ぎて好ましくない。
本発明の方法でいう2−クロルエチルアミン塩酸塩添加
後の反応温度を段階的に昇温して反応させる方法とは、
一定時間おきに所定の温度幅だけ昇温し、その温度にお
いて反応液を一定時間保つ操作を断続的に繰り返す方法
であり、更に詳しくは、常温から沸点までの温度範囲内
で2回以上に分けて昇温を段階的に行うことである。特
に、常温乃至65℃、好ましくは常温乃至60℃、およ
び50℃乃至沸点までのそれぞれの温度範囲で少くとも
1回の定温反応の工程を含むようにし、少くとも2回以
上に分けて段階的に昇温して反応させる。
このような条件を満たすために、例えば常温から沸点の
範囲内で2〜5回に分け、0.5〜4時間毎に10〜3
0℃づつ昇温させて反応を実施する方法があげられる。
また、前記の各温度範囲における定温反応は、常温乃至
60℃の温度範囲で、好ましくは0.5〜10時間/所
定温度で、および50℃乃至沸点の温度範囲で、少くと
も1回、0.5〜4時間/所定温度で反応させる工程を
意味し、反応は反応全体として少くとも2回以上前記の
様な定温反応を含み、段階的に昇温し反応を完結させる
方法で実施する。
上記の様な条件により、常温乃至65℃での反応で、2
−クロルエチルアミン塩酸塩の加水分解反応を抑制し、
ついで昇温して50℃乃至沸点までの温度範囲で段階的
に昇温することにより、2−アミノエチルスルホン酸の
生成率を数%も問めることができる。0.5時間以内に
温度を変えても昇温する効果が少なく、10時間以上で
は反応時間が長くなるだけであり好ましくない。
反応後、反応液から2−アミノエチルスルホン酸を単離
する方法はそれ自身公知の分離方法により実施すればよ
い。例えば、水を濃縮して除き、その後、塩酸を加えて
2−アミノエチルスルホン酸だけを溶解し、残った無機
塩の固体を濾別して除く。この2−アミノエチルスルホ
ン酸を含む塩酸溶液を濃縮し、これにエタノールを加え
ることによって目的物を析出させ、これを濾過によって
取り出すことができる。
この様にして本発明の製造方法により、極めて安全でか
つ取扱いやすく、しかも安価な原料を用いて高収率で高
純度の2−アミノエチルスルホン酸を製造することがで
きる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、
これらは単なる例示であり、本発明がこれら実施例に限
定されるものでないことばもちろんである。
実施例1 攪拌機、温度制御装置および圧力制御装置を備えた50
0m j!のガラス製オートクレーブに、36%塩酸2
13 g ヲ仕込み攪拌下にモノエタノールアミン12
2gを50℃以下で滴下した。滴下終了後加熱しつづい
て真空度21mIllHg1温度98℃となったところ
で脱水を終了した。このときの反応系の水分は0.6%
であった。
系を再び減圧にしたあと乾燥塩化水素を供給するととも
に加熱を開始し、130℃、5.5kg/cm2Gの条
件に保持した。塩化水素の供給開始後24Hrで2−ク
ロルエチルアミン塩酸塩の純度は97.7%であった。
温度をその後、110℃に下げ、その温度で12Hr反
応させたところ、塩酸塩の純度は98.9%となった。
実施例2 反応温度を130℃一定とし、温度を下げないで実施し
たことを除いては実施例1と同様の実験をおこなった。
得られた2−クロルエチルアミン塩酸塩の純度は98.
1%であった。
実施例3 水142gを窒素バブリングと同時に昇温して35℃と
し、これに亜硫酸ナトリウム35.0g (純度94%
、硫酸ナトリウム6%を含む)を溶解させて亜硫酸ナト
リウム水溶液を調整した。これに実施例1で得られた8
0%2−クロルエチルアミン塩酸塩水溶液36.4gを
53〜55℃で6時間かけて徐々に滴下し、その後55
℃に3時間保った。次いで、温度を上げ65℃で2時間
、80℃で2時間、90℃で2時間、沸点で1時間反応
を行った。以上の反応は全て窒素シール下で行った。
反応終了後、減圧下で水を除去した後、これに濃塩酸2
00nlを加え、生成した2−アミノエチルスルホン酸
を溶解した。不溶の無機塩を濾別し、濾液を減圧下に約
120m Ilまで?M縮し、エタノール120m j
!を加えて2−アミノエチルスルホン酸を析出させた。
濾過して2−アミノエチルスルホン酸を単離し、減圧下
に乾燥し、純度99.6%の2−アミノエチルスルホン
酸29.4g(収率94.8%)を得た。
比較例 1 窒素バブリングおよび窒素シールを行わなかったほかは
実施例3と同様の操作を行った。実施例3と同様に後処
理を行い、2−アミノエチルスルホン酸17.7g (
収率57.0%)を得た。
比較例 2 2−クロルエチルアミン塩酸塩を滴下した後、加熱して
内温を100℃として8時間反応を行ったほかは、実施
例3と同様の操作を行った。実施例3と同様に後処理を
行い、2−アミノエチルスルホン酸22.4g (収率
72.2%)を得た。
特許出願人  三井東圧化学株式会社 手続補正書(自発) 昭和67年12月l 日

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)3.0〜7.0Kg/cm^2Gの圧力下含水率
    3.0%以下のモノエタノールアミン塩酸塩と乾燥塩化
    水素とを100〜140℃で反応させてクロル化し2−
    クロルエチルアミン塩酸塩を製造し、この2−クロルエ
    チルアミン塩酸塩と亜硫酸ナトリウムを反応させて2−
    アミノエチルスルホン酸を製造するに際し、反応系内を
    不活性ガスによりシールし該不活性ガス雰囲気下に、溶
    存酸素を放出させた水に過剰量の亜硫酸ナトリウムを溶
    解させ、該水溶液を常温乃至65℃とし、亜硫酸ナトリ
    ウム1モルに対して2−クロルエチルアミン塩酸塩を平
    均して0.1〜1.0モル/hrの速度で分割添加した
    後、常温乃至65℃および50℃乃至沸点までのそれぞ
    れの温度範囲内で少くとも1回以上の定温反応を行わし
    める工程を含む、少くとも2回以上に分けて段階的に昇
    温して反応させることを特徴とする2−アミノエチルス
    ルホン酸の製造方法。
  2. (2)モノエタノールアミンを塩酸で中和し減圧下に濃
    縮して含水率3.0%以下のモノエタノールアミン塩酸
    塩としたのち、これを3.0〜7.0Kg/cm^2G
    の圧力下含水率3.0%以下のモノエタノールアミン塩
    酸塩と乾燥塩化水素とを100〜140℃で反応させて
    クロル化し2−クロルエチルアミン塩酸塩を製造し、こ
    の2−クロルエチルアミン塩酸塩と亜硫酸ナトリウムを
    反応させて2−アミノエチルスルホン酸を製造する特許
    請求の範囲第1項に記載の方法。
  3. (3)クロル化反応の前半の反応温度をより高く、また
    後半をより低くする特許請求の範囲第2項記載の方法。
  4. (4)クロル化反応の前半を120℃〜140℃、また
    後半を100〜120℃で行う特許請求の範囲第3項記
    載の方法。
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