JPS6347819Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は流し台、調理台等の厨房家具、洗面化
粧台、その他家具等に組み込み使用して便利な温
風機の改良に関するものである。

〔従来の技術〕

従来より、台所や洗面所等の暖房を目的とし
て、流し台、調理台等の厨房家具や洗面台等の蹴
込部内に暖房用の温風機を組み込み、蹴込部の前
側面から温風を吹き出すようにした構造のもの
や、また、トイレについては、壁内に半ば埋込む
形で設置する壁厚利用の収納棚に温風機を組み込
み、床面近傍の収納棚下部に温風吹出口を設ける
ようにした構造のものなどが提案されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕 しかしながら従来のこの種の温風機は、塵埃や
虫等の集まりやすい部分である流し台、洗面化粧
台等の蹴込板や近面近傍に温風吹出口が設けら
れ、また塵埃の進入を防止するフイルターを付け
ないのが一般的であるところから、暖房期間外
に、この温風吹出口から温風機内に塵埃や虫等が
入り込んで、温風機内における電気ヒーターまた
は温水循環式熱交換器等の熱交換器や送風機に付
着して、性能を低下させる不都合があつた。ま
た、暖房期間に入り最初の暖房運転時に、前記の
ように温風機内に入り込んだ塵埃等が温風吹出口
から吹き出して、不快な思いをする等の不都合が
あつたのである。

〔考案の目的〕

本考案は上記問題点に鑑みなされたものであ
り、温風吹出口からの塵埃や虫等の進入が防止で
きると共に、使い易い温風機を提供することを目
的とする。

〔問題を解決するための手段〕

本考案は、低温時と高温時では形状を大きく変
化させる特性を有するニツケル・チタン合金、銅
合金等の形状記憶合金を用いて、低温側において
は温風吹出口を覆い、高温側においては温風吹出
口を開口するような形状に形成した蓋を形成し、
この蓋を温風吹出口に取付けることにより、温風
機による暖房運転を行わない時には蓋は低温側形
状により温風吹出口を覆い、暖房必要時には温風
温度により蓋は高温側形状に変化して温風吹出口
を開口するようにした温風機に関する。

〔考案の実施例〕

以下に本考案の実施例を第１図〜第８図により
説明すると、第１図は本考案による温風機を組み
込んだ流し台の斜視図、第２図は第１図に組み込
まれた温風機の平面断面図で、１は、上部に水槽
２を設けてなる天板３を有し、この天板３の下部
に底板及び側板等から構成された家具本体４を配
して収納室５が形成され、収納室５前面には扉６
や引出し等が設けられ、扉６等の下方は後退して
蹴込部７が形成され、この蹴込部７に蹴込板８を
配した流し台である。尚蹴込板８の奥部は三方を
家具本体４の側板下部に、前面を蹴込板８に囲ま
れ、床面と接する面は開口し、上面を収納室５底
部で閉塞された空間となつている。この蹴込板８
の奥部の空間に、第２図に示すように、ケーシン
グ１０内に電気ヒーターまたは温水循環式熱交換
器等の熱交換器１１、送風機１２等が内蔵される
と共に、前面板１３に温風吹出口１３ａと吸気口
１３ｂとが開口され、第１図に示すようにこの温
風吹出口１３ａと吸気口１３ｂとにはそれぞれ指
の差し込みによる感電や火傷を防止すべく横桟１
３a′，１３b′を設けてなる温風機１７を配設す
る。前記吸気口１３ｂには裏面に塵埃等の進入を
防止するためのフイルター１４が取付けられてお
り、このフイルター１４は清掃のため前面板１３
に着脱自在に取付けられている。尚温風機１７
は、吸気口１３ｂを前面板１３から取り外した場
合でも感電や火傷を防止できる構造とし、前面板
１３を家具本体４の蹴込板８に螺着して固定され
ている。

本考案においては第２図に示すように、前記温
風機１７の温風吹出口１３ａに、所定温度以上に
おいて前記温風吹出口１３ａを開状態とする形状
記憶合金からなる蓋１５を設けるようにしている
のである。

尚、ニツケル・チタン合金、銅合金等の形状記
憶合金は、ある温度以下で変形させたものが熱を
加えると変形前の元の形に戻る（形状記憶効果）
現象を示す合金、すなわち低温時と高温時（設定
温度は使用環境等により変化させる）では形状を
大きく変化させる合金である。このような特性を
有する形状記憶合金を用いて、低温側を第３図に
示すような平板形状としておき、暖房使用時の温
風により熱が加わつた高温側形状を第４図に示す
〓形状に設定した蓋１５を、第５図に示すよう
に、温風吹出口１３ａが設けられた前面板１３に
蓋１５の上端１５ａを木ネジ、小ネジまたはポツ
プリベツト等の固着具１６で取付けて、低温時す
なわち暖房運転を行わない時は第５図に示すよう
に前記温風吹出口１３ａを覆つて閉状態となり、
また暖房運転時には第６図に示すように、温風温
度により蓋１５が高温側形状すなわち第３図に示
した平板形状から第４図に示した〓形状に変化し
て、温風吹出口１３ａを開口して開状態となるよ
うにしているのである。

尚前記蓋１５の高温側形状への形状変化温度
を、盛夏時の室内温度においても形状が変化しな
いように設定することは言うまでもない。以上の
ように、蓋１５の低温側・高温側の形状及び形状
変化温度を設定して、暖房運転を行わない時には
蓋１５は低温側形状により温風吹出口１３ａを覆
つており、暖房運転時には蓋１５は温風温度によ
り高温側形状に変化して温風吹出口１３ａを開状
態すなわち開口するようにする。第７図及び第８
図は本考案による温風機をトイル暖房用として収
納棚に組み込み設置した場合の一実施例を示し、
１７′は温風機、１３′ｂは吸気口、１３′ａは温
風吹出口、１５′が形状記憶合金からなる蓋であ
る。尚図面中矢印は暖房運転時における温風の流
れを示す。

〔考案の効果〕

本考案は上記の如く、温風吹出口に、所定温度
以上において前記温風吹出口を開状態とする形状
記憶合金からなる蓋を設けた温風機であり、温風
機を使用しない時は温風吹出口は形状記憶合金か
らなる蓋で覆われているのでこの温風吹出口から
の塵埃や虫等の進入を防止できると共に、温風機
の暖房運転時のみ温風温度により前記形状記憶合
金からなる蓋の形状が変化して、自動的に温風吹
出口が開の状態となるので、使用に便利な温風機
となる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第８図は本考案の実施例を示し、第１
図は本考案による温風機を流し台に組み込んだ実
施例を示す流し台の斜視図、第２図は第１図に組
み込まれた温風機の運転していない状態における
平面断面図、第３図及び第４図は形状記憶合金か
らなる蓋を示し、第３図は蓋の低温側の形状を示
す斜視図、第４図は蓋の高温側の形状を示す斜視
図、第５図は第１図のＡ−Ａ断面部分で温風機の
運転をしていない状態におけるＡ−Ａ断面図、第
６図は第１図のＡ−Ａ断面部分で暖房運転を行う
ことにより蓋が形状変化した後の状態におけるＡ
−Ａ断面図である。第７図及び第８図は本考案に
よる温風機の他の実施例を示し、第７図は温風機
を収納棚に組み込んでトイレ暖房用として設置し
た状態の斜視図、第８図は第７図のＢ−Ｂ断面図
で、暖房運転時の状態を示すものである。 符号の説明、１……流し台、２……水槽、３…
…天板、４……家具本体、５……収納室、６……
扉、７……蹴込部、８……蹴込板、１０……ケー
シング、１１……熱交換器、１２……送風機、１
３……前面板、１３ａ，１３′ａ……温風吹出口、
１３a′……横桟、１３ｂ，１３′ｂ……吸気口、
１３b′……横桟、１４……フイルター、１５，１
５′……蓋、１５ａ……上端、１７，１７′……温
風機、１６……固着具、１８……床面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ケーシング内に熱交換器、送風機等が内蔵さ
   れ、温風吹出口を設けてなる温風機において、
   前記温風吹出口に、所定温度以上において前記
   温風吹出口を開状態とする形状記憶合金からな
   る蓋を設けてなることを特徴とする温風機。 ２ 温風吹出口が、家具本体の床面近傍に位置す
   るように組み込まれたものであることを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載の温風
   機。