JPS6347589B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、握り部がハンマケーシングに上側と
下側とでばね弾性的に固定されている手持式の打
撃穿孔ハンマに関する。

このような形式の打撃穿孔ハンマのばあい握り
部をばね弾性的にハンマケーシングに固定するこ
との目的は、このような打撃穿孔ハンマの運転に
伴つて必ず発生する振動を作業員が受けないよう
にすることにある。このことは特に相応の作業出
力を有する大きな打撃穿孔ハンマにおいては極め
て重要である。何故ならばこのばあい揺動衝撃を
与えることが不都合であるばかりでなく、更に関
節を傷めしかも血行障害を起させることがあるか
らである。

握り部をばね弾性的にハンマケーシングに固定
するために多くの構成が提案された。これら提案
されたすべての構成では上側のばね弾性固定部は
下側のばね弾性固定部とほぼ同じか又は少なくと
も類似した特性を有している（ドイツ連邦共和国
特許第2009537号およびドイツ連邦共和国特許出
願公開第3121882号明細書）。作業時のハンマの所
望の正確な案内性を得るために前記公知の打撃穿
孔ハンマのばあいばね弾性度を比較的少なくする
ことが必要とされるが、しかしながらこのような
ばね弾性固定では作業員に伝達されるハンマケー
シングの振動を十分減衰できないという欠点があ
る。他方申し分のない振動減衰を得るためにばね
弾性度を比較的に多くしたばあいには、これによ
つて正確な案内性を得るために費用がかかるよう
になり、しかも握り部に強い押し力が作用したば
あいには、握り部の一部がハンマケーシングに接
近して衝撃的に打ち当るまで、このようなばね弾
性固定部はたわむようになる。同じような挙動
は、ばね弾性度が多いばあいに握り部が側方に押
されたとしても生ずる。このことはこのような打
撃穿孔ハンマを用いて作業するばあい極めて頻繁
に生ずる。

本発明の課題は、一面では通常の作業状態で申
し分のない振動減衰が得られ、即ち作業員に対す
るハンマケーシングの加速が数倍減少され、かつ
他面では握り部に強い押し力が作用したばあいお
よび握り部が側方に回動させられたばあいでも握
り部部分とハンマケーシング部分との直接的な接
触が避けられるようにしかもドリルビツト、鋤工
具等のような大きな作業工具を使用したばあいで
も常に打撃穿孔ハンマを申し分なく案内できるよ
うに、冒頭に述べた形式の打撃穿孔ハンマを改良
することにある。

前記課題は本発明によれば、握り部が、ハンマ
ケーシングに対する側方旋回を申し分なく防止す
るように、下側で上側よりもばね弾性度を少なく
してハンマケーシングに固定されていることによ
つて解決された。

本発明による打撃穿孔ハンマでは下側のばね弾
性固定部は極めてわずかなばね行程で比較的安定
的に設計されている。これによつて、打撃穿孔ハ
ンマを正確に案内するために必要な申し分のない
側力に対する安定性が得られる。これに対して上
側のばね弾性固定部は著しく柔軟的に設計されて
いるので、この固定形式によつて振動を大部分吸
収できる。このばあい本発明は、打撃穿孔ハンマ
に対する圧着力が主に握り部の上側範囲で生ずる
ので、作業員に伝達される振動を減衰するために
まず上側のばね弾性固定部が基準になるという認
織に基づいている。

有利な実施態様は特許請求の範囲第２項、第３
項、第４項、第５項および第６項に記載されてい
る。

特許請求の範囲第２項の実施態様によつて、弾
性的な部分を損傷することなしに必要であれば強
い引張り力を及ぼすことができるという作用が得
られる。

特許請求の範囲第３項の実施態様によつて、下
側のばね弾性固定部のために耐用寿命の長い機能
性の勝れた構成を簡単に実現できる。

特許請求の範囲第４項の実施態様によつて、下
側のばね弾性固定部の特に申し分のない側力に対
する安定性を得るために特許請求の範囲第３項の
実施態様による構成が改良される。

特許請求の範囲第５項の実施態様は上側のばね
弾性固定部の特別な構成に関するものであり、こ
のばね弾性固定部は、握り部の無負荷位置で極め
て柔軟的でありかつ押し力がわずかであるか又は
小さいばあいに特に著しい減衰を生ぜしめるのに
対して、押し力が増大したばあいに対応力を漸進
的に増大させかつ、握り部が直接ハンマケーシン
グに接触するような状態を確実に防止する。更に
上側のばね弾性固定部のこのような構成は矢張り
簡単かつ容易に実現可能でしかも長い耐用寿命を
保証する。

更に握り部とハンマケーシングとの間のばね弾
性固定のために特許請求の範囲第６項の実施態様
によれば、有利には細胞構造のエラストマ形状の
弾性材料、例えば弾性的な発泡性のポリウレタン
が使用される。

次に図示の実施例につき本発明を説明する。

図示の打撃穿孔ハンマはハンマケーシング１を
有しており、該ハンマケーシングのうち本発明に
とつて重要な、握り部に隣接する部分のみが図示
されている。握り部は符号２で示されている。

ハンマケーシング１と握り部２との間の下側の
ばね弾性的な固定のためにまず第１に端面側で、
一貫した孔４を備えた縦中央平面に対して、つま
り第１図、第２図および第６図の図平面に対して
垂直にのびる附加部３が設けられており、前記孔
４は外端部でそれぞれ１つの肩４ａを形成して拡
大されている。孔４の拡大された端部区分内には
弾性材料、例えば商号“Cellasto”又は
“Vulkocell”で公知の材料から成るリング５が
差し嵌められている。前記リング５は拡大された
孔区分の深さよりも大きな長さを有しているの
で、リングが肩４ａにまで押しずらされたばあい
には、前記リングは孔４の両端面側の端部におい
て一部がこの孔４から突出する。

一点鎖線６（第３図および第５図参照）に沿つ
て中央で分割可能な握り部２は握り部２とハンマ
ケーシング１との間の下側の固定範囲で、外側の
つかみ側壁区分８の間で打撃穿孔ハンマ中央平面
に対して垂直にのびる軸７を形成しており、該軸
は一方のリング５の外側端面から他方のリング５
の外側端面にまでのびている。軸の長さは、リン
グを自由にかつ負荷せずに孔区分内に差し嵌めた
状態で前述の端面の間の長さよりもいくらか小さ
くされているので、分割された握り部をハンマケ
ーシングに取り付けかつ軸７の両部分を孔４内に
押しずらして結合したばあいには、リング５はい
くらか圧縮される。軸７は握り部を結合したばあ
いにリング内に位置する範囲に亘つて、無負荷態
でそれぞれのリングの内側と同じか、有利にはこ
れよりもいくらか大きな直径を有しているので、
これによつて軸がリングの内側よりも大きい場合
にはある程度の材料圧縮が得られる。結合したば
あいの材料圧縮および材料の特性は、孔４内のお
よび軸７上のリング５によつて得られるばね弾性
のために比較的大きい硬度が得られ特に打撃穿孔
ハンマの過酷な使用において孔４からのリングの
突出量が克服されないように選ばれているので、
握り部とハンマケーシングとの直接的な接触が生
ずることはない。

ハンマケーシング１と握り部２との間の下側の
固定部は上述の実施例においてはハンマケーシン
グと握り部との間で申し分のない側力に対する安
定性を有するばね弾性的な回転リンクを成してお
り、この側力に対する安定性はリング５と軸７の
相応の長さとの比較的大きな間隔によつて得られ
る。

握り部２とハンマケーシング１との間の上側の
固定部は握り部側で事実上下側の固定部と同様に
かつハンマケーシング側で下側の固定部と類似し
て形成されている。このばあい相違点はハンマケ
ーシング側にある。つまり同様にハンマケーシン
グの中央平面に対して垂直な一貫した孔１０を有
する上側の附加部９が、弾性材料、例えば
“Cellasto”又は“Vulkocell”から成るそれぞれ
１つの適当に形成された減衰部材、つまり発泡性
のポリウレタンを受容するために、孔１０の端部
区分で下側のように周囲に亘つて円形に拡大され
ているのではなく、握り部に面した半部に亘つて
のみ円形であるがしかしハンマケーシングに向け
て（ハンマケーシングの中央平面に対して直角に
みて）方形形状で拡大されている。前記減衰部材
１１も軸７に相応する握り部の軸１２の方向で、
減衰部材が孔１０の拡大された端部区分内の肩１
３にまで差し嵌められたばあいに減衰部材が孔１
０から外方に突出するような寸法もしくは厚さを
有している。

握り部結合状態では握り部の上側の握り部側壁
区分は外方からそれぞれの減衰部材１１に接触し
かつ孔１０からの減衰部材突出量に基づいて前記
減衰部材によつて打撃穿孔ハンマの過酷な使用に
おいて常にハンマケーシング１から間隔を維持す
る。

握り部取付け状態では、円形の孔の範囲で握り
部の軸によつて貫通される減衰部材もある程度圧
縮され、このような圧縮によつて材料特性と関連
して所望のばね硬度が得られる。しかしながらこ
のばね硬度は下側のばね弾性固定部に比して上側
では少なくともハンマケーシングに向かう方向で
著しくわずかにされている。このことは、減衰部
材１１が握り部の軸１２からハンマケーシングに
向つて、ハンマケーシングに対して反対方向にお
けるよりも長い区分を有していることによつて実
現される。握り部に向かう方向、つまり引張り方
向では、減衰部材１１を圧縮するためにわずかな
材料が与えられるので、例えば固着された工具を
解離するために、この方向ではばね行程のわずか
な大きな引張り力を上側のばね弾性固定部に及ぼ
すことができる。反対方向では、つまり押し方向
では著しく多量の材料が使用されており、従つて
この材料は握り部の零位置から大きなばね行程で
柔軟にたわませることができる。押し力が増大す
るにつれて握り部とハンマケーシングとの間の間
隔がわずかになつた状態で反力も漸進的に増大す
るが、それでも軸７又はかぶせられる握り部側壁
区分がハンマケーシングに接近することが避けら
れる。何故ならばこのような状態に達する前に材
料は、通常作業員の力によつてはこのような接近
が生ぜしめられないように、圧縮されるからであ
る。更に、握り部側壁区分は上側でハンマケーシ
ングに向かう方向で孔の狭い部分を越えるまでの
びている、つまり握り部側壁区分とハンマケーシ
ング側の孔１０の肩１３との間でオーバラツプが
生じ、このオーバーラツプによつて弾性的な減衰
部材を破壊することなしに側方からのハンマケー
シングと握り部との間の直接的な接触が不可能に
されている。

申し分のない機能性にもかかわらず構造をハン
マケーシングおよび握り部における構成に関して
も並びに弾性的な部材に関しても極めて簡単でか
つ長い耐用寿命を保証する。

構造自体と同様に、軸７，１２を貫通する引張
りねじ１５（第１図、第３図および第５図参照）
を固定する構造も簡単である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すものであつて、第
１図は本発明によりばね弾性的に固定された握り
部を有する打撃穿孔ハンマの後方部分の側面図、
第２図はばね部材をも図示した、ハンマケーシン
グから解離された握り部を有する部分的に縦断面
した打撃穿孔ハンマを示す図、第３図は握り部と
ハンマケーシングとの間の上側の固定部の第１図
Ａ−Ａ線に沿つた横断面図、第４図はハンマケー
シングと握り部との間の上側の固定部の第３図Ｅ
−Ｆ線に沿つた縦断面図、第５図はハンマケーシ
ングと握り部との間の下側の固定部の第１図Ｂ−
Ｂ線に沿つた断面図、第６図はハンマケーシング
と握り部との間の下側の固定部の第５図Ｃ−Ｄ線
に沿つた縦断面図である。 １……ハンマケーシング、２……握り部、３，
９……附加部、４，１０……孔、４ａ，１３……
肩、５……リング、６……打撃穿孔ハンマの縦中
央を示す一点鎖線、７，１２……軸、８，１４…
…握り部側壁区分、１１……減衰部材、１５……
引張りねじ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 握り部がハンマケーシングに上側と下側とで
   ばね弾性的に固定されている手持式の打撃穿孔ハ
   ンマにおいて、握り部２が、ハンマケーシングに
   対する側方旋回を申し分なく防止するように、下
   側で上側よりもばね弾性度を少なくしてハンマケ
   ーシングに固定されていることを特徴とする手持
   式の打撃穿孔ハンマ。 ２ 上側の固定部が握り部の無負荷位置を基準と
   して引張り方向で押し方向でよりもばね弾性度を
   少なくされている特許請求の範囲第１項記載の打
   撃穿孔ハンマ。 ３ 握り部２の下側の固定部３，４，５，７，８
   がほぼ、握り部中央平面６に対してほぼ垂直な回
   転軸および回転軸に対して半径方向に至る所でほ
   ぼ同じばね弾性特性を有する回転リンクとして形
   成されている特許請求の範囲第１項又は第２項記
   載の打撃穿孔ハンマ。 ４ 半径方向でばね弾性的な回転リンクが回転軸
   に対して同転的な、相互間隔において配置された
   弾性材料から成る２つの減衰リング５によつて形
   成されており、該減衰リング５がそれぞれ一方で
   は握り部２に設けられたほぼ円形の所属の付加部
   （軸７）を密に取り囲んでいてかつ他方では密な
   はめ合いによつてハンマケーシング１に設けられ
   たほぼ円形の所属の切欠き（孔４）内に差し嵌め
   られていてしかも端面によつてハンマケーシング
   １と握り部２とを側方方向でも間隔をおいて保持
   している特許請求の範囲第３項記載の打撃穿孔ハ
   ンマ。 ５ 上側の固定部９，１０，１１，１２，１３が
   相互間隔をおいて握り部中央平面６に対して垂直
   な軸に沿つて配置された弾性材料から成る２つの
   減衰部材１１によつて形成されており、該減衰部
   材がそれぞれ一方では握り部２の、ほぼ前記軸の
   高さに合わせて設けられた所属の附加部１２を密
   に取り囲んでいてかつ他方では密なはめ合いでハ
   ンマケーシング１に設けられた所属の切欠き１０
   内に差し嵌められていてしかも端面によつてハン
   マケーシング１と握り部２とを側方方向でも間隔
   をおいて保持しており、更に減衰部材１１が握り
   部２に設けられた附加部１２から内向きにハンマ
   ケーシング１に向かう押し方向で、附加部１２か
   ら外向きに引張り方向におけるよりも著しく長い
   区分を有している特許請求の範囲第１項乃至第４
   項のいずれか１項記載の打撃穿孔ハンマ。 ６ ハンマケーシング１と握り部２との間のばね
   弾性固定のために細胞構造を有するエラストマ形
   状の弾性材料が用いられている特許請求の範囲第
   １項乃至第５項のいずれか１項記載の打撃穿孔ハ
   ンマ。