JPS634736Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば外周に突条等を施した異形鉄
筋の突合せ部に嵌挿接合するスリーブに関するも
のである。

従来のこの種スリーブによるグリツプ式接合に
は色々な形式のものが行われているが大別して(イ)
鉄筋の軸心に対して直角にスリーブの外周から加
圧機によつて圧縮してスリーブを鉄筋に圧着する
方法、(ロ)スリーブの外側を軸方向にしごいて鉄筋
に押しつけるスクイズ式の二方法がある。しかし
ながらこれ等は何れも、筒状のスリーブを冷間作
業によつて圧着させるために強大な油圧機、加圧
機を必要とし、またスリーブの内面に無理な変形
等を生ずる等の欠点がある。またこのスリーブを
圧縮し易くするために色々な工夫も成されてい
る。例えばスリーブに縦方向に切割を設け、これ
を接合すべき両鉄筋の突合せ部に嵌挿してその外
側から圧縮して両鉄筋に圧接した後スリーブの切
割部の両縁を溶接する等して接続するもの等があ
るが、この方法ではスリーブの圧縮そして溶接す
る等色々な機器や手段を要する等の欠点がある。

本考案は、このような欠点を無くして容易かつ
確実に接合作用を行い得るように、スリーブに軸
方向の間隙を設け、この間隙の一方の端縁に、両
側を平行で真直な凸部を設け、他方の端縁には、
この凸部に対応する位置に、凸部の巾にほぼ等し
い入口でかつその高さより低い底で横広がりの凹
部を形成したスリーブに関するものであつて、そ
の構成を図面の実施例について説明すれば、１は
適当な厚さと巾を有する金属板を筒状に屈曲して
その両縁間に間隙２を形成したスリーブ本体にし
て、本考案においては特にその一縁に両側辺を平
行にした真直な適当数の凸部３…を形成すると共
に、これに対応する他方の縁に、この凸部３の巾
にほぼ等しい入口でかつこの凸部の高さより低い
底で横広がりの凹部４を設けたものである。

以上のように構成したスリーブ１によつて、周
面に突条６，６′を設けた異形鉄筋５，５′を接合
する場合について説明すれば、第３図に示すよう
にスリーブ１の両端より異形鉄筋５，５′の端部
を挿入してその先端を突き合わせ、次いでその外
側にリングバーナー等（図示せず）を配設してス
リーブ１が軟化する程度に加熱した後プレス機等
によつて周囲より圧縮することによつてスリーブ
１の間隙２の両縁は圧接されると共に凸部３は、
これに対応する凹部４内に圧入されてその先端が
凹部の底辺に押しつけられて横広がり部に沿つて
押し広げられて空所に充填されると共に、スリー
ブ１の内面は鉄筋に強く圧縮されるので両鉄筋
５，５′の突条６，６′はスリーブ１の内面に喰い
込んだ状態で冷却されるので、スリーブの周面の
凹凸係合と相俟つて両鉄筋は一体的に強固に接合
される。

以上のように本考案のスリーブはその使用に当
り、接続すべき異形鉄筋の突合せ部の両側に亘つ
て嵌挿した後適当に加熱してこれを外部より圧縮
するだけでスリーブの凸部がこれに対応する横広
がりの凹部に圧入されて横方向に広がりその空所
に充填して柄形に係合されると同時に、鉄筋の突
条がスリーブの内面に喰い込むという二つの作用
が相俟つて離脱することなく強固に接合すること
ができるという実用上の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はスリーブの側面図、第２図はスリーブ
を異形鉄筋の突合せ部に嵌挿接合状態の側面図、
第３図はスリーブの加圧前の状態を示す一部斜面
図、第４図は第３図のＡ−A′断面図、第５図は
スリーブを加熱圧縮した接合状態を示す一部斜面
図、第６図は第５図のＢ−B′断面図である。 １……スリーブ本体、２……間隙、３……凸
部、４……凹部、５，５′……異形鉄筋、６，
６′……突条。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 適等な厚さと巾を有する金属板を筒状に屈曲し
   てその両端縁間に間隙２を形成したスリーブ本体
   １の一方の端縁に、両側辺を平行にした真直な適
   当数の凸部３…を一体に形成すると共に、他方の
   端縁のこれ等凸部に対応する位置に、この凸部の
   巾にほぼ等しい入口でかつその高さより低い底で
   横広がりの凹部４を形成して成る外周に突条等を
   施した異形鉄筋の接合用スリーブ。