JPH0972045A - 鉄筋等の棒鋼用接続筒 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 余分な部品を必要とせずに棒鋼に確実に固定
され、棒鋼を接続するに好適な用具を提供する。 【解決手段】 内腔部２にねじ等より成る無数の凸条を
形成した金属製の主体筒１の適所に、その長手方向に長
い長孔４，４を対設する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート構造物の
鉄筋等の棒鋼の接続具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】例えば、互いに接続する異形棒鋼を挿入
する挿通孔の内周面に、前記異形棒鋼の長手方向に沿う
一半と係合する係合部を形成した主体筒の開口部近傍と
中央部近傍に、前記挿通孔に対して直角方向にしてコッ
ター挿通孔を設けた構造のものがある（実公昭５４−４
５２９２号公報）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記従来例は、主体筒
の係合部に、互いに接続する異形棒鋼の端部を挿入し、
コッター挿通孔にコッターを打込むことによって、前記
端部を押え付け、異形棒鋼同士を接続しようとするもの
であるが、主体筒とコッターの２部材を必要とするのみ
ならず、接続状態時には主体筒の周側面よりコッター部
分が突出し、その突出部が邪魔になり、また、突出部に
外力が付加されることにより、コッターが外れるおそれ
もある。

【０００４】本発明は斯様な従来例の欠点に着目し、棒
鋼の接続状態を確実に保持する接続具を提供することを
目的として創案したものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】内腔部にねじ等より成る
無数の凸条を形成した金属製の主体筒の適所に、その長
手方向に長い長孔を対設した構成とする。

【０００６】

【作用】内腔部に、互いに接続する棒鋼端部を挿入し、
長孔を介する主体筒の相対する周側部を、長孔の端部近
傍において圧縮工具の一対の円弧状の圧縮片によって挾
圧すると、挾圧された前記相対する周側部の金属素材の
一部は、長孔の存在により該長孔部を含んだ、主体筒の
周側部に流れ（このため、長孔は塑性変形して細くな
る）、この結果、前記相対する周側部は圧縮片の形状に
従って圧縮変形して相当の周長部分が棒鋼の周面に密着
し、その圧縮変形により内腔部の当該部分の凸条は、棒
鋼に圧接されて棒鋼に喰い込み、一対の棒鋼は接続筒を
介して接続される。

【０００７】

【実施例】図面は本発明に係る鉄筋等の棒鋼用接続筒の
一実施例を示し、図１は一部欠截正面図、図２は断面
図、図３は使用状態を示す正面図、図４は一部拡大断面
図、図５は図４のａ−ａ線断面図、図６は他の状態を示
す正面図である。

【０００８】図示、Ａは圧延鋼材（ＳＳ４００）で構成
した棒鋼用接続筒で、接続筒Ａは、内腔部２に無数の凸
条３，３，…を形成した主体筒１に、該主体筒１の長手
方向に沿って長い長孔４を設けて構成したものである。

【０００９】長孔４は、主体筒１の周側１′の相対する
位置に配したものを一対一組とした３組を適宜の間隔を
置いて配したものである。

【００１０】各組の長孔４，４を、主体筒１に沿う同一
線上に配したのは、圧縮作業を円滑に行うためで、圧縮
工具を主体筒１の円周方向に位置変更させる煩雑さを無
視すれば、必ずしも同一線上に配さなくても良い。

【００１１】前記の無数の凸条３，３，…は、実施例で
は内腔部２にねじを刻設してあるが、ねじ形成手段によ
る必要はない。

【００１２】接続筒Ａの素材は、接続する棒鋼素材の強
度に応じた適宜の肉厚と引張強さを備えた金属を素材と
すれば良い。

【００１３】しかして、主体筒１の端部から、内腔部２
に、互いに接続する棒鋼５，５の端部を挿入し（このと
き、長孔４を通じて棒鋼５の端部位置を確認でき、この
意味では、主体筒１の周側部に設けて相対する少なくと
も一対の長孔４，４は、主体筒１の長手方向の中央部位
に配すれば、左右棒鋼の主体筒１への挿入長さを確認で
きるので、常に必要保持強度を確保でき望ましい）、圧
縮工具（油圧シリンダを動力源とする）の一対の略半円
弧状の圧縮片６，６を長孔４の端部４′，４′の近傍に
おいて主体筒１の周側部に当てて、これを挾圧すると、
接続筒Ａを構成する金属素材の前記被圧着部の一部は、
長孔４の存在により、該長孔部４を含んだ主体筒１の周
側部１ａに流れ（長孔が塑性変形のための逃げとなり、
主体筒１の歪み破壊を防止することができる）、従って
棒鋼周面方向に比較的スムースに塑性変形し、外周面に
は圧縮凹部７，７を形成し、それに対応する内周面は、
棒鋼周面の相当の周長に亘り密着し、この結果、前記圧
縮変形により内腔部２の当該部分の凸条は棒鋼５，５に
圧接し、一部は棒鋼５に喰い込み、一対の棒鋼５，５は
接続筒Ａを介して互いに接続される。

【００１４】なお、図６は、コンクリート構造物の鉄筋
に用いられている異形棒鋼５′，５′を接続した例を示
している。

【００１５】

【発明の効果】本発明は前述の通りの構成であるから、
余分な部品を必要とせずに棒鋼に確実に固定され、棒鋼
を接続するに好適な接続筒を提供できる。

【００１６】なお、本発明者等は、公称径９φｍｍ、１
３φｍｍの直棒並びにＤ１０及びＤ１３ｍｍの異形棒鋼
を、それぞれ適宜な材質と寸法で構成した接続筒を作成
して、挾圧接続した上、引張試験を行ったところ、棒鋼
が切断されるまで一対の棒鋼は接続状態が保持されるこ
とを確認した。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る鉄筋等の棒鋼用接続筒の一部欠截
正面図。

【図２】同断面図。

【図３】使用状態を示す同正面図。

【図４】一部拡大断面図。

【図５】図４のａ−ａ線断面図。

【図６】他の使用状態を示す正面図。

【符号の説明】

１ 主体筒 ２ 内腔部 ３ 凸条

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内腔部にねじ等より成る無数の凸条を形
   成した金属製の主体筒の適所に、その長手方向に長い長
   孔を対設した、鉄筋等の棒鋼用接続筒。
2. 【請求項２】 主体筒を圧延鋼材で構成した、請求項１
   記載の鉄筋等の棒鋼の接続筒。