JPS634705Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、自動二輪車の車体フレームに取付け
られる物品支持のためのキヤリアに関するもので
ある。

本明細書において、自動二輪車とは、足を揃え
て乗車するスクータ型自動二輪車や、車体に跨つ
て乗車する自動二輪車のみならず、同じような乗
車姿勢で乗車する自動三輪車や四輪以上の走行車
両を意味するものである。

従来技術 近来自動二輪車のキヤリアは、高級な印象を与
えかつ耐久性を向上させる見地から、アルミニユ
ーム製を用いることが多くなりつつある。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら、或る程度の剛性や強度を保持さ
せるためにアルミニユーム製キヤリアの肉厚を増
やすと、材料費や加工費がかさみコストが非常に
高くなつていた。

また従来のものでは、取付片と一対の支承杆に
よりキヤリアは前後両端部にて支持されており、
走行に伴いキヤリア本体に作用する衝撃的な荷重
や振動を弾性的に吸収することが困難であつた。
さらにキヤリアはボデイカウルに対し別体に取付
けられていたので、一体感がなく外観がスマート
でない等の欠点があつた。

問題点を解決するための手段および作用 本考案はこのような難点を克服した自動二輪車
のキヤリアの改良に係り、自動二輪車のシート後
方に位置して車体フレームに取付けられるキヤリ
アにおいて、キヤリア本体はボデイカウルと連結
して一体的に結合される如く、該ボデイカウル内
側にてステーを介してフレームに片持状に支持さ
れ、物品支持部材上面がシート上面と同一の高さ
で略同一面をなした位置関係にて、該物品支持部
材は前記キヤリア本体に螺子にて着脱自在に固定
したことを特徴とするものである。

実施例 以下図面に図示された本考案の一実施例につい
て説明する。

１はスクータ型自動二輪車で、同自動二輪車１
の車体フレーム２は、一本のダウンフレーム３
と、同ダウンフレーム３の後端より斜上後方に二
叉状に岐出した二本の後部フレーム４とよりな
り、前記ダウンフレーム３の前端にヘツドパイプ
５が一体に固着され、同ヘツドパイプ５にフロン
トフオーク６のステアリングステム回転され、同
フロントフオーク６にフロントホイール７が回転
自在に枢支されている。

また前記後部フレーム４の前方下端にパワーユ
ニツト８が上下に揺動自在に枢着され、同パワー
ユニツト８にリヤホイール９が設けられており、
パワーユニツト８の動力でリヤホイール９は回転
駆動されるようになつている。

さらに前記後部フレーム４の上方にシート１０
が一体に取付けられている。

さらにまた薄鋼板製のリヤキヤリア本体１２の
周辺部は下方へ折曲されて周壁部１２ａが形成さ
れ、同リヤキヤリア本体１２の中央部１２ｂは前
記周壁部１２ａより内側で上方へ段状に隆出形成
され、同中央隆出部１２ｂの前方所要個所１２ｃ
は下方へ凹入形成されており、同リヤキヤリア本
体１２の外面に車体フレーム２と同一またはこれ
に近い塗装が施されている。

しかも前記リヤキヤリア本体１２の内側前方周
壁部１２ａおよび中央隆出部１２ｂに密接しうる
ように左右一対の鋼製前部キヤリアステー１４が
形成され、前記内側前方に位置したリヤキヤリア
本体周壁部１２ａおよび中央隆出部１２ｂに前記
前部キヤリアステー１４の上部が溶接等で一体の
固着されるとともに、これにより後方に位置して
左右一対の鋼丸棒製後部キヤリアステー１５の逆
Ｕ字状上部１５ａが溶接等で一体に固着されてい
る。

また前記左右一対の後部フレーム４の後方上面
にクロスプレート１１が架設され、リヤキヤリア
本体周壁部１２ａの前部下縁がボデイカバー１９
に密接した状態で、同クロスプレート１１に前記
左右一対の前部キヤリアステー１４の下端１４ａ
がボルト１６で一体に固着されるとともに、前記
左右一対の後部キヤリアステー１５の前方下端１
５ｂが前記左右一対の後部フレーム４の後方上面
にそれぞれボルト１６で一体に固着されている。

さらに前記リヤキヤリア本体１２の中央隆出部
１２ｂに密接しうるような形状のキヤリアマツト
１３は合成樹脂製で射出成形等で成形され、その
上面に格子状の凹凸模様１３ａが形成されるとと
もにその表面全体に白色光沢性のクロームメツキ
等の金属メツキが施されており、同キヤリアマツ
ト１３の下面突出部１３ｂは前記リヤキヤリア本
体１２の凹入部１２ｃに嵌合され、螺子１７でキ
ヤリアマツト１３はリヤキヤリア本体１２に取付
けられるようになつている。

さらにまたリヤキヤリア本体１２の周壁部１２
ａより下方へ突出する一対のロープフツク１８が
溶接等で同リヤキヤリア本体１２の下面に一体に
固着され、しかも後部キヤリアステー１５の後方
端部１５ｃもリヤキヤリア本体１２の周壁部１２
ｃより下方へ突出されてロープフツクが形成され
ている。

図示の実施例は前記したように構成されている
ので、リヤキヤリア本体１２の一部がボデイカバ
ー１９に接続されたように見え、リヤキヤリア本
体１２をボデイカバー１９との一体感が出る。

またリヤキヤリアは、薄鋼板製のリヤキヤリア
本体１２と合成樹脂製のキヤリアマツト１３とよ
りなるため、軽量であるにもかかわらず大きな搭
載荷重に耐え、コストが安い。

さらにキヤリアマツト１３の表面には白色光沢
性のクロームメツキ等の金属メツキが施されてい
るため、高級感を与えることができる。

さらにリヤキヤリア本体１２は前後二対の前部
キヤリアステー１４と後部キヤリアステー１５と
で後部フレーム４に片持状に支持されているた
め、リヤキヤリア本体１２に働く衝撃的な荷重を
弾性的に緩衝して支持することができる。

考案の効果 本考案では、キヤリア本体のボデイカウルと連
結して一体的に結合される如く該ボデイカウル内
側にてステーを介してフレームに支持させること
により、ボデイーとキヤリアが一体となつた感じ
を与えて外観を向上させることができる。

また本考案では、キヤリアをステーでもつて片
持状に支持させることによりキヤリア本体に作用
する衝撃的な荷重や振動を弾性的に緩衝すること
ができる。

さらに本考案では、物品支持部材上面をシート
上面と同一の高さでかつほぼ同一面に設定するこ
とによつて、比較的大きな荷物を載置する場合に
でも荷物の下面の一部をシート上面に隣接させた
荷物の重心をキヤリア中心上方に位置させて安定
して搭載することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る自動二輪車のリヤキヤリ
アの一実施例を図示した側面図、第２図はその要
部側面図、第３図はその要部断面側面図である。 １……スクータ型自動二輪車、２……車体フレ
ーム、３……ダウンフレーム、４……後部フレー
ム、５……ヘツドパイプ、６……フロントフオー
ク、７……フロントホイール、８……パワーユニ
ツト、９……リヤホイール、１０……シート、１
１……クロスプレート、１２……リヤキヤリア本
体、１３……キヤリアマツト、１４……前部キヤ
リアステー、１５……後部キヤリアステー、１６
……ボルト、１７……螺子、１８……ロープフツ
ク、１９……ボデイカバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動二輪車のシート後方に位置して車体フレー
   ムに取付けられるキヤリアにおいて、キヤリア本
   体はボデイカウルと連結して一体的に結合される
   如く、該ボデイカウル内側にてステーを介してフ
   レームに片持状に支持され、物品支持部材上面が
   シート上面と同一の高さで略同一面をなした位置
   関係にて、該物品支持部材は前記キヤリア本体に
   螺子にて着脱自在に固定したことを特徴とする自
   動二輪車のキヤリア。