JPS6346911B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は小型テープカセツト用アダプタに係
り、特にテープがアダプタ内で弛むことなく確実
に所定テープパスを形成しうる構成の小型テープ
カセツト用アダプタを提供することを目的とす
る。

本出願人は先に標準形テープカセツトより小型
のテープカセツト、及びこの小型テープカセツト
を標準形記録再生装置に装着するときに用いるア
ダプタを提案した。このアダプタは、小型テープ
カセツトを収納し、更にはテープローデイングを
行なつてアダプタ内に標準形テープカセツトの前
面側テープパスに対応したテープパスを形成した
状態で、標準形テープカセツトの場合と同様に、
記録再生装置に装着される。プレイ操作によりテ
ープはアダプタより引き出されてドラムに巻き付
けられ、再生動作が行なわれる。上記テープロー
デイングは例えばローデイングアームを回動させ
その先端に設けられたポールによりテープを係止
しカセツト外に引き出すことにより行なわれる。
ここでテープローデイング時例えばローデイング
アームを勢いよく回動させた場合、その慣性力に
よりリールが余計に回転してテープが余分に引き
出されローデイング後のテープパスに弛みを生じ
ることがある。この状態のままアダプタを記録再
生装置に装着した場合、テープが記録再生装置の
ローデイングポールに押圧されて傷つけられた
り、ローデイングポールがテープパスの内側に正
常に挿入されずローデイング動作が行なわれなく
なる等の問題点があつた。

本発明は上記問題点を解決したものであり、以
下図面と共にその一実施例について説明する。

第１図及び第２図は夫々本発明になる小型テー
プカセツト用アダプタの一実施例の一部切截平面
図及び第１図中−線に沿う縦断面図である。

図中、小型テープカセツト用アダプタ１は、標
準形テープカセツトと実質状同じ外形寸法を有
し、内部に小型テープカセツト収納部２を有し、
更に夫々先端にポール３，４を設けたローデイン
グアーム５，６（夫々ピン５ａ，６ａを中心に回
動する）、及びギヤ列７等が組込まれる。

ローデイングアーム５は第３図の如く、そのピ
ン５ｂに３枚のリンク４１〜４３よりなる特殊チ
エーン４４がピン４５，４６を介して連結される
と共に、リンク４３はその右端が後述するギヤ９
下面に固着したカムピン９ａに連結される。又ピ
ン４５，４６，９ａは後述する下方固定板１５の
Ｊ字形ガイド溝１５ａによりガイドされつつ走行
する。

ギヤ列７は、操作ノブ８と一体回動するギヤ
９、ギヤ軸１０（小径ギヤ１０ａ、大径ギヤ１０
ｂ間に一方向爪クラツチを有する）、ギヤ軸１１
（小径ギヤ１１ａ、大径ギヤ１１ｂを有する）、中
間ギヤ１２（デイスクギヤ１２ａ、内周嵌合部１
２ｂを有する）、ギヤ軸１３（小径ギヤ１３ａ、
大径ギヤ１３ｂを有する）よりなり、ギヤ９、ギ
ヤ軸１０，１１は略一対の上下固定板１４，１５
間に配され、中間ギヤ１２は上方固定板１４のみ
にボールベアリングを介して支承され、ギヤ軸１
３は、固定板１４及びアダプタ１の下板１ａ間に
支承される。

ここでギヤ軸１１は第３図の如く回動レバー４
７の軸４７ａに支承され、又回動レバー４７はギ
ヤ軸１０を支承する軸４８に枢支され捩りバネ４
９により同図中時計方向へ附勢され大径ギヤ１１
ｂがデイスクギヤ１２ａに圧接噛合している。こ
のとき回動レバー４７に一体形成した傾斜カム部
４７ｂがガイド溝１５ａの端部にオーバラツプし
ている。

２３は小型テープカセツトで、第２図、第５図
の如く、筐体２４内に一対のリール２５，２６、
その間に巻回される磁気テープ２７を有し、更に
前面にピン２８を支点に90゜上方へ回動する蓋２
９を有する。尚リール２５は下方鍔部外周にリー
ルギヤ２５ａを有し、ピン３０により筐体２４に
ガタなく支承され、且つリール２６は嵌合部２６
ａを有し筐体２４の下孔２４ａに遊嵌される。

次に、小型テープカセツトのアダプタへの取付
け及び記録再生装置への取付けに付き説明する。
小型テープカセツト２３は第１図のアダプタ１
（同図中ローデイングアーム５，６は実線で示す
アンローデイング位置にある）の収納部２に対
し、蓋２９が開蓋した状態で収納され、リールギ
ヤ２５ａが大径ギヤ１３ｂに噛合される。しかる
後アダプタ１のトツプカバー３１が閉じられる。

続いて、操作ノブ８を第１図中時計方向即ち矢
印方向へ手動により例えば合計210度の角度範囲
にわたつて回動させる。するとギヤ９が一体回動
し、第４図の如く、カムピン９ａ及び特殊チエー
ン４４のピン４５，４６がガイド溝１５ａにより
ガイドされて走行する。従つて、ローデイングア
ーム５は特殊チエーン４４を介して第３図より第
４図のローデイング位置まで時計方向へ回動す
る。このとき、第４図中カムピン９ａが上記210
度の回動のうち最後の15度分回動する際に回動レ
バー４７の傾斜カム部４７ｂに当接して逐次押圧
変位させるため、回動レバー４７は捩りバネ４９
に抗して反時計方向へ若干角度回動し大径ギヤ１
１ｂがデイスクギヤ１２ａから逃げ変位してその
噛合を解除する。

この時、後述するように回動レバー４７の回動
を利用してテープ２７の弛みが吸収除去される。
尚回動レバー４７は第４図の状態で捩りバネ４９
により時計方向へ附勢されているが、操作ノブ８
がその係合溝にボール（共に図示せず）を圧接係
合されて係止されるため、同図の位置に保持され
る。

上記アーム５の時計方向回動と同時にアーム６
もリンク及び歯車列（共に図示せず）を介して反
時計方向へ回動して第１図中二点鎖線で示す位置
に至る。これにより第１図中テープ２７がポール
３，４により小型テープカセツト内位置から引出
され、最終的に標準形テープカセツトの前面側テ
ープパス３２を形成する。尚この間ギヤ９に噛合
する小径ギヤ１０ａも第１図、第３図中反時計方
向へ回転しているが大径ギヤ１０ｂは一方向爪ク
ラツチの作用により回転しないため、リール２５
には操作ノブ９からの回転力が伝達されず、上記
テープ２７の引出しに伴ないフリーに回転するの
みである。

次に、上記アダプタ１を記録再生装置のカセツ
トハウジングに収納した後、カセツトハウジング
を押下げる。するとアダプタ１が下動して第２図
中、中間ギヤ１２の嵌合部１２ｂ、及びリール２
６の嵌合部２６ａが夫々記録再生装置の一対のリ
ール軸３３，３４に一体回転可能に嵌合される。

次に、記録再生装置により録画又は再生を行な
うときには、第２図中右方のリール軸３３（中間
ギヤ１２）が時計方向へ回転駆動される。する
と、デイスクギヤ１２ａ、ギヤ１３ａ，１３ｂ、
リールギヤ２５ａを順次介してリール２５が同じ
く時計方向へ回転駆動されテープ２７が第１図中
矢印Ａ方向へ走行され上記録画又は再生がなされ
る。尚このときギヤ軸１１は中間ギヤ１２から逃
げ変位されてギヤ１１ｂ，１２ａの噛合が解除さ
れており、ギヤ軸１１及びギヤ１０ｂを回転させ
るための余計な負荷が切離される。又テープ巻戻
し時には第２図中左方のリール軸３４（リール２
６）が反時計方向へ回転駆動され、テープ２７が
第１図中矢印Ｂ方向へ高速走行される。尚このと
きもギヤ１１ｂ，１２ａの噛合は解除されてい
る。

次にアダプタ１をカセツトハウジングから取出
した後の小型テープカセツト２３の取外しにつき
説明する。まず操作ノブ８を逆に反時計方向へ回
動操作して第１図の二点鎖線位置へ戻す。すると
特殊チエーン４４を介してアーム５は同図中二点
鎖線位置から実線のアンローデイング位置へ戻
り、アーム６も同様に実線位置に戻る。この間操
作ノブ８が反時計方向へ15度分回動復帰した時点
で、カムピン９ａが回動レバー４７の傾斜カム部
４７ｂから離間するため、回動レバー４７は捩り
バネ４９により時計方向へ回動復帰して大径ギヤ
１１ｂがデイスクギヤ１２ａに圧接噛合復帰す
る。

従つて、操作ノブ８が上記15度を越えて更に回
動復帰すると、ギヤ列７（ギヤ９、ギヤ軸１０，
１１、中間ギヤ１２、ギヤ軸１３、リールギヤ２
５ａ）を介してリール２５が時計方向へ回転駆動
開始されテープ２７を巻取つて引戻しテープパス
を実線位置へ復帰させる。従つて、この状態で小
型テープカセツト２３をアダプタ１より取出せば
よい。

次に本発明アダプタの要部につき説明する。

第１図及び第４図中、５０はテープ弛みを巻取
るための巻取ローラであり、その外周５０ａに扇
形のゴム製の摩擦部材５０ｂが固着されている。
ローラ５０はその回動時に摩擦部材５０ｂが中間
ギヤ１２の外周面１２ｃを擦つて移動しうる位置
に設けられており、第２図に示すように固定板１
４の下側に軸５１により回動自在に支承されてい
る。

前記回動レバー４７は軸４７ａより更に前方に
延在する延在部を有する形状であり、この延在部
の先端には長孔４７ｃが穿設してあり、ローラ５
０の底面部５０ｃより下方に突出しているピン５
２がこの長孔４７ｃに嵌入している。これにより
ローラ５０は回動レバー４７の前記回動に連動し
て、第３図及び第４図に示す角度αの範囲で回動
する。このローラ５０の回動途中で後述するよう
に摩擦部材５０ｂが中間ギヤ１２の外周面１２ｃ
を蹴つてこれを回動させる。また、ローラ５０は
回動前及び回動後はピン５２と長孔４７ｃの関係
により摩擦部材５０ｂが外周面１２ｃに外れた回
動位置に位置規制されており、中間ギヤ１２の回
転動作を妨げない。

小型のテープカセツト２３をアダプタ１内に装
着した後でのテープローデイングのための操作ノ
ブ８の時計方向回動操作の最終段階で（アーム５
は第４図に示す位置に既に回動している）前記の
ようにカムピン９ａが傾斜カム部４７ｂを押し回
動レバー４７が反時計方向に回動する（第４図）。
この回動レバー４７の回動により長孔４７ｃの作
用でローラ５０が反時計方向に角度α回動する。
この回動途中にローラ５０の摩擦部材５０ｂが中
間ギヤ１２の外周面１２ｃを蹴り、摩擦部材５０
ｂの幅の分だけ中間ギヤ１２を時計方向（矢印方
向）に回動させる。中間ギヤ１２の時計方向の回
動はギヤ１３ａ，１３ｂを介してリール２５にテ
ープ巻取方向の回転として伝達される。

このため、アーム５，６が最終位置に回動して
テープパス３２の形成が完了した段階で前面側テ
ープパス３２が弛みを生じている場合には、この
弛み分がリール２５に巻き取られ、弛んだテープ
パスは弛みを吸収除去されて適当に緊張したテー
プパスに補正される。なお、テープパスに弛みが
ない場合には、摩擦部材５０ｂは外周面１２ｃを
すべつて通過することにより、リール２５はテー
プ巻取方向に回動付勢されるも無理には回転せず
テープには過度の引張力は作用しない。

また、テープ弛み分を吸収除去するテープパス
補正動作は操作ノブ８のテープローデイングのた
めの操作の一部を利用して行なわれ、テープパス
補正のための特別な操作は必要ない。即ち、操作
ノブ８の操作により自動的に補正されるものであ
り、その際のアダプタの操作性は何ら損われな
い。

小型テープカセツト２３をアダプタ１より取り
外す場合、上記動作とは逆の動作となり、ローデ
イングアーム５が反時計方向に回転し、摩擦部材
５０ｂは時計方向に回転するが、摩擦部材５０ｂ
は外周面１２ｃをすべつて通過し第３図の状態に
なる。

尚上記の形成されたテープパスの弛みを吸収除
去する構造はモータ駆動によりローデイングアー
ム５が回動してテープパス３２を形成するような
電動式アダプタにも適用出来る。また、上記説明
では巻取リール２５を時計方向に回転させてテー
プの弛みを取り除いているが、供給リール２６を
反時計方向に回転させてテープの弛みを取り除く
ことも出来るのは勿論である。

また、上記説明ではローラ５０にゴム製の摩擦
部材５０ｂを固着しているが、ローラ５０及び摩
擦部材５０ｂをゴム製として一体成形しても良
い。また、ローラ５０にゴム製の摩擦部材５０ｂ
を設けずに、これに対応した扇形突部を有する形
状の合成樹脂製とすることも出来る。

上述の如く、本発明になる小型テープカセツト
用アダプタによれば、標準形テープカセツトより
小型のテープカセツトを標準形テープカセツト用
記録再生装置に装着するときに用いられる小型テ
ープカセツト用アダプタであつて、小型テープカ
セツトのテープをカセツト内位置からアダプタ内
の所定位置まで引出すテープローデイング手段
と、該テープローデイング手段の動作に関連して
動作し、小型テープカセツトのテープがアダプタ
内の上記所定位置に引出された後テープの弛みを
吸収すべく小型テープカセツトのリールをテープ
巻取方向に回動させるように回動付勢する手段と
を設けてなるため、ローデイングレバーを勢い良
く回動させた場合等、テープに弛みが生ずる状態
でアダプタ内にテープパスが形成される場合で
も、リールがテープ巻取方向に回動しテープの弛
みを除去して最終的には所定の引張状態のテープ
パスを形成し得、またテープローデイングのため
の操作の一部を利用してテープの弛みを取り除く
ため、特別な操作を必要とせずにテープの弛みを
除去出来、従つて例えば記録再生装置にアダプタ
を装着する場合、ローデイングポールがテープを
押圧して傷めたり、あるいはローデイングポール
がテープの外側に挿入されてしまう等の不都合が
なく、記録再生装置のテープローデイング動作も
安定的に行なえる等の特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は夫々本発明になる小型テー
プカセツト用アダプタの一実施例の一部切截平面
図及び第１図中−線に沿う縦断面図、第３図
及び第４図は夫々本発明アダプタの要部をなす機
構のテープローデイング前及びローデイング完了
後の状態を示す平面図、第５図は上記小型テープ
カセツトの斜視図である。 １……小型テープカセツト用アダプタ、５，６
……ローデイングアーム、７……ギヤ列、８……
操作ノブ、９……ギヤ、９ａ……カムピン、１０
……ギヤ軸、１１……ギヤ軸、１２……中間ギ
ヤ、１２ｃ……外周面、１３……ギヤ軸、２３…
…小型テープカセツト、２５，２６……リール、
３２……前面側テープパス、３３，３４……リー
ル軸、４４……特殊チエーン、４７……回動レバ
ー、４７ｂ……傾斜カム部、４７ｃ……長孔、５
０……巻取ローラ、５０ａ……ローラ外周、５０
ｂ……摩擦部材、５２……ピン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 標準形テープカセツトより小型のテープカセ
   ツトを該標準形テープカセツト用記録再生装置に
   装着するときに用いられる小型テープカセツト用
   アダプタであつて、該小型テープカセツトのテー
   プを該カセツト内位置からアダプタ内の所定位置
   まで引出すテープローデイング手段と、該テープ
   ローデイング手段の動作に関連して動作し、該小
   型テープカセツトのテープがアダプタ内の上記所
   定位置に引出された後該テープの弛みを吸収すべ
   く該小型テープカセツトのリールをテープ巻取方
   向に回動させるように回動付勢する手段とを設け
   てなることを特徴とする小型テープカセツト用ア
   ダプタ。