JPS6345651Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は太陽熱集熱器等の固定装置に関す
る。

従来、太陽熱集熱器を屋根に固定するには、ワ
イヤの端部を集熱器の固定金具と屋根の垂木にね
じ込んだビスとにそれぞれ絡付けて、集熱器を屋
根にワイヤで直接固定する場合と、第１図に示す
ように、ワイヤ４の一端を集熱器１の固定金具２
に絡付け、他端をワイヤ固着用ビス３に絡付け、
ワイヤ４の中間部にターンバツクル５を設けて、
これによつてワイヤ４を張る場合とがあつた。し
かし前者の場合、ワイヤに徐々に緩みが生じ、特
に台風等によつて集熱器に大きな風圧が及ばされ
ると、緩みが一層大きくなり、集熱器の固定がは
なはだ不庵定なものとなつた。また後者の場合、
ワイヤ４の絡付け部におけるワイヤ折返し部の巻
付けを、固定金具２、ターンバツクル５の両端お
よびビス３の各箇所で行なう必要があつて手数が
かかり、そのため屋根での集熱器の取付け作業が
はなはだ面倒なものとなつた。

この考案は上記のような実情に鑑みてなされた
もので、太陽熱集熱器等を簡単な作業でかつ確実
に固定することのできる固定装置を提供すること
を目的とする。

この考案による太陽熱集熱器等の固定装置は、
集熱器等の固定部材に係止筒部が設けられ、上記
固定部材が、長さ方向にリツプ溝部を有する器枠
に、頭部を同溝部内に配してリツプ部に係止させ
たボルトによつて固定され、上記係止筒部に、ワ
イヤ取付け部を有するねじ棒が通されて、その突
出部に係止ナツトがねじ合されているものであ
る。

以下、この考案の実施例について具体的に説明
する。

第２図において、互いに連結した左右一対の太
陽熱集熱器１１は、アングル材よりなる架台１２
によつて傾斜状に配置されている。左右一対の集
熱器１１の器枠１３の各側部には、それぞれ長さ
方向にリツプ溝部１４が設けられている。

左右一対の集熱器１１の水平方向の両端には、
第３および４図に示すように、両側に立上り部１
５ａを有しかつ上方から見てく字状に屈曲した固
定部材１５が設けられている。固定部材１５の一
端部には長さ方向に溶接で固着された係止筒部１
６が設けられ、かつ同他端部には複数のボルト挿
通孔１７があけられている。そして係止筒部１６
には、一端部に環状のワイヤ絡付け部１８を有す
るねじ棒１９が通され、その突出部１９ａには係
止ナツト２０がねじ合されている。固定部材１５
の他端部は、第３〜５図に示すように、器枠１３
のリツプ溝部１４に当てがわれ、溝口部２４およ
び複数の挿通孔１７にそれぞれボルト２１が通さ
れ、その頭部２１ａがリツプ溝部１４内に遊嵌せ
られている。そして固定部材１５は器枠１３の所
要位置まで摺動された後、ボルト２１とこれに対
応するナツト２２との締付けによつて、器枠１３
に固定されている。

上記構成の固定装置において、まずステンレス
鋼製のワイヤ２３の一端を、屋根の垂木にねじ込
んだビス２８に絡付け、同他端部をねじ棒１９の
ワイヤ絡付け部の環に通して折返し、折返し部を
非折返し部に巻付ける。ついで、ボルト２１に対
してナツト２２を緩めておいて、固定部材１５を
器枠１３に沿つてワイヤ緊張方向に移動させてワ
イヤ２３を張り、この状態でボルト２１にナツト
２２を締付けて、固定部材１５を器枠１３に固定
する。最後に、係止ナツト２０をねじ棒１９に対
してワイヤ緊張方向に回して、ワイヤ２３をさら
に強く張る。

左右一対の太陽熱集熱器１１の連結部には、第
６図に示す固定装置が設けられている。この固定
装置では複数のボルト挿通孔２７は溝形の固定部
材２５の両側壁部２５ａにそれぞれあけられてい
る。そして両側壁部２５ａが左右一対の集熱器１
１の連結部における対向状の器枠１３にそれぞれ
当てがわれ、固定部材２５が所要位置においてや
はりボルト２１とナツト２２によつて器枠１３に
固定されている。なお、第６図における他の符号
は第２〜５図における同符号のものと同じ要素を
示す。

以上のとおりで、この考案によれば、固定部材
１５，２５は頭部２１ａをリツプ溝部１４内に配
してリツプ部１４ａに係止させたボルト２１によ
つて器枠１３に固定されているので、ボルト２１
に対してそのナツト２２を緩めておいて、固定部
材１５，２５を器枠１３に沿つて所要方向に移動
させてワイヤ２３を張り、この状態でボルト２１
にナツト２２を締付けることにより、ワイヤ２３
を張つた状態で固定部材１５を器枠１３に固定す
ることができる。また固定部材１５には係止筒部
１６が設けられ、これにねじ棒１９が通されて、
その突出部１９ａに係止ナツト２０がねじ合され
ているので、ワイヤ２３の一端を絡付けたねじ棒
１９に対して係止ナツト２０を所要方向に回すこ
とにより、ワイヤ２３をさらに強く張つてワイヤ
２３の緩みを完全になくすことができる。したが
つてこの考案の固定装置によれば、ワイヤ２３に
緩みが生じても、上記のような簡単な操作で再び
ワイヤ２３を強く張ることができ、集熱器の固定
を常時確実なものとしておくことができる。また
ワイヤ２３の絡付け箇所は冒頭で説明した従来の
場合に比べて半減するので、屋根への集熱器の取
付け作業を極めて楽になし得る上に、集熱器の取
付け状態を外観的に見よいものとすることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す固定装置の斜視図、第２
〜６図はこの考案の実施例を示すもので、第２図
は集熱器の斜視図、第３図は第１の固定装置の斜
視図、第４図は第３図中の−線に沿う断面
図、第５図は第４図中の−線に沿う断面図、
第６図は第２の固定装置の斜視図である。 １１……太陽熱集熱器、１２……架台、１３…
…器枠、１４……リツプ溝部、１４ａ……リツプ
部、１５，２５……固定部材、１５ａ……立上り
部、２５ａ……側壁部、１６……係止筒部、１
７，２７……ボルト挿通孔、１８……ワイヤ絡付
け部、１９……ねじ棒、１９ａ……突出部、２０
……係止ナツト、２１……ボルト、２１ａ……頭
部、２２……ナツト、２３……ワイヤ、２４……
溝口部、２８……ビス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 集熱器等の固定部材１５，２５に係止筒部１６
   が設けられ、上記固定部材１５，２５が、長さ方
   向にリツプ溝部１４を有する器枠１３に、頭部２
   １ａを同溝部１４内に配してリツプ部１４ａに係
   止させたボルト２１によつて固定され、上記係止
   筒部１６に、ワイヤ取付け部１８を有するねじ棒
   １９が通されて、その突出部１９ａに係止ナツト
   ２０がねじ合されている、太陽熱集熱器等の固定
   装置。