JPS6231571Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は柵の改良に関するもので、コーナーを
有する柵を簡単に構成し得るようになしたことを
その特徴とするものである。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明するに、第１図乃至第４図において、１，
１，……は支柱、２，２，……は張設部材として
の双胴金網であつて、該双胴金網２は、多数配列
した縦素線３にそれらと直交する横素線４を交叉
当接させてその当接部を電気抵抗溶接等で溶着一
体化せしめることにより網体を形成し、該網体を
逆Ｕ字状に屈曲することにより間隔をおいて平行
する２つの胴部２ａ，２ａとそれらの上端を連結
する連結部２ｂとを有するように形成したもの
で、、該双胴金網２の下端には、必要に応じて縦
素線３の下端を延長してそれを対向する胴部側へ
接着することにより連結部２ｃを形成し、双胴金
網２の両側端には連結金具５を取付けている。

上記連結金具５は、板状本体６の両端に互いに
前後逆方向に湾曲する上下２つの半円筒状の挟持
片７ａ，７ｂを備えると共に、上記板状本体６の
略中央部に連結孔８を穿設して成るもので、２つ
の胴部２ａ，２ａの端部に位置して互いに同位相
で対向する縦素線３，３に上記挟持片７ａ，７ｂ
を弾力的に挟着させることによりこれらの縦素線
３，３間に架設している。

一方、断面円形をなす上記支柱１には、円周方
向の長孔１０ａ，１０ｂを中心対称位置に設けた
環状金具９を回動可能に嵌装すると共に、該支柱
１に設けた取付孔１１及び上記長孔１０ａ，１０
ｂ内にこれらの支柱１及び環状金具９を同時に貫
通する連結固定杆１２を挿通し、該固定杆１２の
先端を支柱１の一側に突出させた状態でナツト１
３を締着けることによりその固定を行つている。
この固定杆１２は、上記双胴金網２の連結を行う
ための部材と環状金具９を支柱１に固定するため
の部材とを兼用するもので、ボルトやねじ切り棒
等の部材によつて構成されている。また、上記環
状金具９の側面には、ねじを切設した連結可動杆
１４が溶接によつて固着せしめられている。

而して、上記支柱１とその両側に位置する双胴
金網２，２とは、固定杆１２及び可動杆１４を左
右の双胴金網２，２における連結金具５，５の連
結孔８，８内にそれぞれ挿入し、これらの連結金
具５と固定杆１２及び可動杆１４とをそれぞれ２
つのナツト１５，１６で締着固定することにより
連結している。ここで、柵を地形等に合わせて一
定の角度に屈曲させる場合には、第３図に示すよ
うに、ナツト１３を緩めて環状金具９を回動させ
ることにより可動杆１４を所定の方向に向け、そ
の状態でナツト１３を締着けて該環状金具９を固
定させれば良い。この場合の可動杆１４の向き
は、環状金具９に設けた長孔１０ａ，１０ｂの範
囲内で調整することができる。

上記連結部２ｂ及び２ｃは、胴部２ａ，２ａに
衝撃力が作用した場合にそれを弾性変形によつて
吸収し得るように湾曲形状に形成するのが望まし
く、この場合、上記連結部２ｂ，２ｃの弾性変形
に伴う２つの胴部２ａ，２ａの間隔変化に対処し
得るように、連結金具５をある程度弾性を有する
ように形成するのが望ましいが、双胴金網の緩衝
作用を考慮する必要がない場合には連結金具を剛
性の大きい素材で形成してもよく、この場合は逆
に、２つのの胴部２ａ，２ａ間隔を常に一定に保
持し得ると共に、双胴金網の張設を非常に強固に
行うことができる。

このように、本考案によれば、支柱に定位置に
固定の連結固定杆と円周方向に回動可能な連結可
動杆とを取付け、これらの連結固定杆と連結可動
杆とを張設部材の連結金具に連結するようにした
ので、連結可動杆の可動調節によつて張設部材を
支柱に対して任意の方向に連結することができ、
これによつてコーナーを有する柵を簡単に構成す
ることができる。

しかも、上記連結可動杆は、支柱に回動自在に
嵌合した環状金具に一体に取付けたので、この環
状金具を正逆に回動させるだけでその向きを容易
に調整することができる。

また、上記環状金具は単純なリング状であるか
ら、構造が簡単であると共に、パイプを輪切りに
することによつて容易に製造することができ、支
柱に対する取付けも、それを単に嵌合させるだけ
でよいので非常に簡単である。しかも、連結可動
杆に張設部材を介して外力が作用しても、円弧状
部材を使用する場合のように環状金具が変形した
りリング形状が崩れるようなことがなく、支持強
度が非常に大きい。

さらに、連結固定杆を環状金具の固定用部材と
して兼用したので、単一の連結固定杆と、連結可
動杆を取付けた単一の環状金具とのみによつて方
向調節可能な張設部材用連結装置を構成すること
ができ、環状金具の取付けに専用のボルトやスペ
ーサ等を必要としないため、部材数及び孔開け等
の加工数が減少して構造が非常に簡単となるばか
りでなく、多数ケ所にわたつて連結固定杆及び連
結可動杆の取付けや方向調整等を行わなければな
らない柵の施設工事において、その作業工数を著
しく減少して作業時間を大幅に短縮することがで
きる。

しかも、上記連結固定杆は、支柱及び環状金具
の２つの長孔を貫通するように取付けているの
で、該連結固定杆とそれに螺着したナツトとによ
つて環状金具を両側面から締付けるだけで、該環
状金具を固定杆を介して支柱に固定することがで
き、ナツトを直接支柱に対して締付ける場合のよ
うな支柱の変形や損傷、塗料の剥離等を生じるこ
とがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す部分正面図、
第２図はその要部拡大図、第３図は柵を屈曲させ
た状態での第２図におけるＡ−Ａ断面図、第４図
は第１図におけるＢ−Ｂ拡大断面図である。 １……支柱、２……双胴金網、５……連結金
具、８……連結孔、９……環状金具、１０ａ，１
０ｂ……長孔、１２……連結固定杆、１３……ナ
ツト、１４……連結可動杆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 適宜の間隔で地面に立設した支柱に円周方向に
   長い２つの長孔を中心対称位置に備えた単一の環
   状金具を回動可能に嵌装し、該環状金具の固定用
   部材を兼ねた単一の連結固定杆を支柱及び環状金
   具の２つの長孔を貫通して該支柱の一側に突出す
   る状態に取付けると共に、該連結固定杆に環状金
   具の固定用ナツトを螺着し、上記環状金具の側面
   に固定杆と同じ高さに位置する連結可動杆を固定
   し、各支柱間に配置した張設部材に連結孔を有す
   る連結金具を取付けて、隣接する張設部材におけ
   る連結金具の連結孔内に上記固定杆及び可動杆を
   挿入固定することにより、上記支柱と張設部材と
   を連結したことを特徴とする柵。