JPS6345374B2 - - Google Patents

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JPS6345374B2
JPS6345374B2 JP54151008A JP15100879A JPS6345374B2 JP S6345374 B2 JPS6345374 B2 JP S6345374B2 JP 54151008 A JP54151008 A JP 54151008A JP 15100879 A JP15100879 A JP 15100879A JP S6345374 B2 JPS6345374 B2 JP S6345374B2
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JP
Japan
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acid
composition
acids
mucosal
mucosal administration
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Application number
JP54151008A
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English (en)
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JPS5675423A (en
Inventor
Kenji Hara
Kyosaburo Tachibana
Seiji Naito
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Soap Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Kao Soap Co Ltd filed Critical Kao Soap Co Ltd
Priority to JP15100879A priority Critical patent/JPS5675423A/ja
Publication of JPS5675423A publication Critical patent/JPS5675423A/ja
Publication of JPS6345374B2 publication Critical patent/JPS6345374B2/ja
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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は高分子生理活性物質を含有する新規な
製剤、更に詳しくは、高分子生理活性物質と特定
の酸を含む粘膜投与組成物並びにその製造法に関
する。 近年、高分子生理活性物質の分離、精製につい
ての進歩はめざましく、その成果が多数臨床的に
応用されている。しかしこれらの高分子生理活性
物質は高分子であるが故に、経口投与によつては
ほとんど吸収されず、またペプチド、ポリペプチ
ド類は、経口投与すると消化液中の蛋白分解酵素
によつて不活性化されるので、これらの物質は、
臨床的には注射剤として投与する方法がとられて
いる。しかし、注射による投与は、患者にとつて
煩雑であり、且つ苦痛を強いるばかりでなく、近
年局所障害等の副作用が指摘され、投与法の改善
が望まれている。このような事情から、最近高分
子生理活性物質を粘膜投与(直腸、腟等)するた
めの製剤化の開発が進められているが、吸収が充
分でない為、大量の高分子生理活性物質が必要だ
つたり、粘膜組織の損傷を伴うものがあつたり、
未だ実用に供しうるものは得られていない。 本発明者らは、このような欠点を解決すべく鋭
意研究を行つた結果、高分子生理活性物質を特定
の酸と共に水性液状としたもの、並びに高分子生
理活性物質を特定の酸と共に水溶液とし、これを
粘膜吸収製剤用賦形剤中に実質的に水溶液として
存在させたものを粘膜から投与すると、高分子生
理活性物質が極めて速かに吸収されること、さら
に当該酸の添加は極めてわずかでよいことを見出
し、本発明を完成した。 本発明で使用される特定の酸は、下記の群から
選ばれるもので、これらは、1種又は、2種以上
の水溶液として用いられる。 (1) 炭素数1〜6の低級飽和脂肪酸類、 (2) 低級脂肪族オキシカルボン酸類、 (3) 塩酸、リン酸、硝酸、リンタングステン酸、
過塩素酸からなる無機酸類、 (4) 安息香酸、フタール酸、ピロメリツト酸から
なる芳香族カルボン酸類、 (5) モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ
酢酸、スルホ酢酸からなる置換酢酸類、 (6) アクリル酸、マレイン酸からなる不飽和カル
ボン酸類、及び、 (7) ピルビン酸、フロイン酸、ピクリン酸からな
るその他の酸類。 本発明で使用される酸の第1の類型は、炭素数
1〜6の低級飽和脂肪酸であり、その具体例とし
ては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草
酸、カプロン酸が挙げられ、特に炭素数1〜5の
低級飽和脂肪酸が効果的である。このうちギ酸は
やや刺激性であること、プロピオン酸以上のもの
は好ましくない匂いがあることから、実用的には
酢酸が最も適当である。 第2の類型の酸は、酒石酸、リンゴ酸、クエン
酸、乳酸、グリコール酸などの低級脂肪族オキシ
カルボン酸類である。同じく脂肪族オキシカルボ
ン酸でも、糖の誘導体であるD―グルクロン酸や
L―アスコルビン酸(ビタミンC)などの脂肪族
オキシカルボン酸は効果が認められない。 第3の類型の酸は、塩酸、リン酸、硝酸、リン
タングステン酸(P2O5・24WO3・nH2O)及び過
塩素酸からなる無機酸類である。これら以外の無
機酸、たとえば硫酸、過ヨウ素酸では効果は認め
られない。 第4の類型の酸は、安息香酸、フタール酸、ピ
ロメリツト酸からなる芳香族カルボン酸類であ
る。 第5の類型の酸は、モノクロロ酢酸、ジクロロ
酢酸、トリクロロ酢酸、スルホ酢酸(HO3S―
CH2COOH)からなる置換酢酸である。 第6の類型の酸は、アクリル酸、マレイン酸か
らなる不飽和カルボン酸である。 第7の類型の酸は、ピルビン酸、フロイン酸、
ピクリン酸からなるその他の酸である。 本発明で使用される酸は上記のものに限定され
るもので、これら以外の酸では、全く効果が認め
られないか、極めて弱い効果しか認められない。
例えば、グルタミン酸、フエニルアラニン、アス
パラギン酸、γ―アミノ―n―酪酸、6―アミノ
n―カプロン酸等のアミノ酸やアミノ低級飽和脂
肪酸ではほとんど効果がない。更に本発明におい
て、これらの酸は遊離酸として存在することが必
要であつて、塩の形では効果がない。 上記酸のいずれも本発明の目的を達し得るが、
その中でも(1)炭素数1〜5の低級脂肪酸類、(2)低
級脂肪族オキシカルボン酸類のうちの酒石酸及び
グリコール酸、(3)無機酸類のうちの塩酸及び硝
酸、(5)置換酢酸のうちのモノクロロ酢酸が特に良
好な結果を与える。 これらの酸による高分子生理活性物質の吸収促
進効果の作用機構は未だ明らかではないが、単に
組成物のPHを下げることに起因するものではな
い。 本発明の粘膜投与組成物として使用される高分
子生理活性物質とは、分子量が約500から約15万
までのものであり、分子量約700から約8万まで
のものがより好ましく、特に、経口投与によつて
吸収され難いか、または薬効の発現が十分でない
ものに対して有効である。このような高分子生理
活性物質には、ペプチド類、酵素類、ペプチドホ
ルモン類、多糖類、ポリヌクレオチド類、ペプチ
ド型抗腫瘍性物質、抗生物質、その他の高分子生
理活性物質が含まれる。具体的には、多糖類生理
活性物質としては、ヘパリン、デキストラン硫
酸、ペントサン硫酸(ヘパリノイド)、コンドロ
イチン硫酸およびその塩、グルコアミラーゼイン
ヒビター等;ペプチド型抗腫瘍性物質としては、
ブレオマイシン、ネオカルチノスタン、L―アス
パラギナーゼ等;酵素類としては、トリプシン、
キモトリプシン、ブロメライン、パパイン、プロ
テナーゼ、パーオキシダーゼ、ナガーゼ、プロク
ターゼ、セラチオペプターゼ、セアプローゼ、リ
ゾチーム、ストレプトキナーゼ、ストレプトドル
ナーゼ、プラスミン、ウロキナーゼ、チトクロー
ムC、ヒアルロニダーゼ、フイブリノリシン、ト
ロンビン、カリジン、カリクレイン、プラスミ
ン、グルコースオキシダーゼ、β―ガラクトシダ
ーゼ、フイチン、デソキシリボヌクレアーゼ、、
コリンエステラーゼ、プロナーゼ、、パンクレア
チン等;ペプチドホルモンとして、カルシトニ
ン、パラトルモン、レラキシン、グルカゴン、プ
ロラクチン、アドレノコルチコトロピン
(ACTH)、性腺刺激ホルモン、チロトロピン
(TSH)、成長ホルモン(BGH)、黄体形成ホル
モン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、オキシ
トシン、バゾプレシン、抗利尿ホルモン、コヘリ
ン、メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)、ガスト
リン、テトラガストリン、ペンタガストリン、セ
クレチン、パンクレオザイミン、コレシストキニ
ン、サブスタンスP、ゴナドトロピン(HCG)、
バゾプレシン等;ペプチドホルモン放出、抑制因
子としては、副腎皮質刺激ホルモン放出因子
(ACTH―RH)、卵胞刺激ホルモン放出因子
(FSH―RH)、成長ホルモン放出因子(GH―
IH)、黄体形成ホルモン放出因子(LH―RH)、
プロラクチン放出因子(PR―RH)、プロラクチ
ン抑制因子(RR―IH)、甲状腺刺激ホルモン放
出因子(TSH―RH)等;抗生物質としては、フ
イリピン、アンフオテリシンB、グラミシジン
A、バチトラシンA等;ポリヌクレオチドとして
は、ポリリボヌクレオチド、ポリイノシン酸とポ
リシチジル酸の錯体、ポリアデニル酸とポリウリ
ジル酸の錯体、、ポリデオキシリボヌクレオチド
等;その他、インスリン分泌活性化蛋白質
(IAP)、膵塩基性トリプシンインヒビター、アン
チパイン塩酸塩、キモスタチンA、エラスタチナ
ール、ペプスタチンA、ポリリシン、ポリオルニ
チン、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン等
がある。賦形剤を用いたインスリン製剤について
は既に出願しているので(特願昭54−61292号)、
ここでは除外される。 本発明では、高分子生理活性物質は、後述のご
とく、特定の酸と共に水溶液として存在するの
で、酸性ないし中性(PH10以下)で安定に存在す
るものに対して好適である。 本発明の粘膜投与組成物は、上記酸と高分子生
理活性物質とを水性液状の製剤とするか、あるい
はこれらの水溶液に賦形剤を加えて一定の形状を
有する製剤とすることにより製造される。高分子
生理活性物質が酸の存在下で水溶性の場合には、
そのまま製剤化が可能であるが、酸水溶液に不溶
性のもの(例えばペプチド、ポリペプチド類の如
く等電沈澱等を生ずるもの)の場合には、低濃度
の非イオン性、アニオン性、カチオン性界面活性
剤等で可溶化して行うのが好ましい。酸の配合量
は、水性液状製剤の場合は約0.01〜1重量%が好
ましく、また賦形剤と共に固型又は軟膏製剤とす
る場合には最終製剤中0.01重量%以上であれば効
果が認められるが、約0.02重量%以上がより好ま
しい。配合量が多過ぎると粘膜への刺激が強くな
り、また特に効果が増大しないので、固型又は軟
膏製剤の場合には、約0.3重量%以下、特に約0.1
重量%以下が好ましい。 本発明で“粘膜吸収製剤”とは、非経口粘膜吸
収用製剤を言い、特に直腸、膣、眼、鼻、口腔か
らの投与に適した水性液状形体、坐剤形体、軟膏
形体、膣錠形体及び舌下錠形体を意味する。粘膜
吸収製剤用賦形剤とは、固形、軟膏形体の非経口
投与粘膜吸収用製剤に用いられる賦形剤をいう。 水性液状の粘膜投与組成物を製剤化する場合
は、高分子生理活性物質及び酸を含む水溶液剤、
乳剤とする。この場合、液剤、乳剤の製剤化に通
常使用される添加剤はいずれも使用でき、例えば
食塩、エタノール、グリセリン、プロピレングリ
コール、油性成分、乳化剤等を使用することがで
きる。 舌下錠形体とする場合の賦形剤としては、斯る
場合に一般に使用できるものはいずれも使用で
き、例えばソルビトール、マンニトール、乳糖、
ブドウ糖、シヨ糖、グリセリン、結晶セルロー
ス、アラビアゴム、又はこれらの混合物が特に好
適である。 坐剤形体又は軟膏形体とする場合の賦形剤とし
ては、通常用いられる油性基剤又は水性基剤はい
ずれも用いることができる。油性基剤としては、
ヤシ油、ラツカセイ油、オリーブ油、大豆油、ナ
タネ油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、ヌカ
油、ツバキ油、カカオ油、豚脂、羊毛脂、牛脂等
の天然油脂類、あるいはこれらの水素添加物、ア
セチル化物、分割抽出物等の他、高級脂肪酸とグ
リセリンの合成エステル、高級脂肪酸と炭素数2
〜8のアルコールとの合成エステル、ワセリン、
パラフイン、アイソパー、シリコン油等の鉱物油
等を単独又は組み合わせて使用することができ
る。水性基剤としては、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、グロセロゼラチン等
いずれも使用することができる。 膣錠とする場合には、一般の製法に準じ、例え
ば、乳糖、白糖、デンプン等の賦形剤の他に、デ
ンプン、炭酸水素ナトリウム等の崩壊剤、デンプ
ン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ポ
リビニールピロリドン、ハイドロキシプロピルセ
ルロース等の結合剤、さらにタルク、ステアリン
酸マグネシウム、高重合度ポリエチレングリコー
ル、ステアリン酸等の滑沢剤を用いて製剤化す
る。 高分子生理活性物質及び酸を含む水溶液を、粘
膜吸収製剤用賦形剤と混合し固形又は軟膏形体に
製剤化することによつて、高分子生理活性物質及
び酸を、賦形剤中に実質的に水溶液のままで存在
させることができる。高分子生理活性物質及び酸
を含む水溶液は、賦形剤の物性、製剤の形態によ
つて異なるが、一般的には、賦形剤1部に対し約
0.02〜約0.3部(重量)が適当である。賦形剤と
して油性基剤を用いて高分子生理活性物質及び酸
を含む水溶液と混合すれば、水溶液は油性基剤と
完全には相溶しないので、水溶液は微少水滴とし
て油性基剤中に分散したものが得られる。水溶液
と賦形剤の混合は通常の方法によつて行うことが
できる。例えば坐剤用賦形剤は通常、体温よりや
や高い温度(約40〜50℃)で溶融するので、この
温度に加熱し、溶融させて、上記水溶液と混合
し、冷却固化させて製剤化するのが最も適当であ
る。 本発明の製剤中には、上記必須成分の他に、本
発明の効果が保たれる範囲内において、従来これ
らの製剤の添加剤として知られているものを添加
することができる。 坐剤形体とする場合のこのような添加剤の1つ
としては界面活性剤があり、非イオン性界面活性
剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性
剤および両性界面活性剤および両性界面活性剤が
使用できる。非イオン性界面活性剤としては、例
えば、高級脂肪酸モノグリセライド、ジグリセラ
イド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン高級
アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルフエニルエーテル、ヒマシ油酸化エチレン付加
物、シヨ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。カチ
オン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム
塩が一般的に用いられ、長鎖モノアルキル短鎖ト
リアルキルアンモニウムハライド、長鎖ジアルキ
ル短鎖ジアルキルアンモニウムハライド、長鎖ア
ルキル短鎖ジアルキルベンジルアンモニウムハラ
イド、長鎖アルキルピリジニウムハライド、ベン
ゼトニウムハライド等が具体例として挙げられ
る。ハロゲンとしては塩素及び臭素が最も一般的
である。アニオン性界面活性剤としては、高級脂
肪酸塩(石鹸)、アルキル硫酸塩、アルキルベン
ゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル硫酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、N
―アシルアミノ酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げ
られる。アニオン性界面活性剤の対イオンとして
は、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、モ
ノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン等のアルカノールアミン塩が適
当である。上記アニオン性界面活性剤は、塩とし
て用いられる他に、その遊離酸として使用するこ
ともできる。両性界面活性剤としては、ベタイン
型、スルホベタイン型、N―アシル塩基性アミノ
酸型等の他、レシチン等の公知のものはいずれも
使用することができる。 もう1つの坐剤形体製剤中に加えることができ
る添加剤は、胆汁酸類であつて、例えばコール
酸、タウロコール酸、グリココール酸、デオキシ
コール酸、タウロデオキシコール酸、グリコデオ
キシコール酸、ケノデオキシコール酸、タウロケ
ノデオキシコール酸、グリコケノデオキシコール
酸、またはこれらのナトリウム、カリウム等のア
ルカリ金属塩が挙げられる。 また高分子生理活性物質がペプチド類等の蛋白
質である場合には、蛋白分解酵素阻害剤を併存さ
せるのが良い。 蛋白分解酵素阻害剤としては、蛋白分解酵素の
作用を阻害するものはいずれも使用でき、例えば
天然より得られたものでは、動物性由来の蛋白分
解酵素阻害剤、植物性由来の蛋白分解酵素阻害剤
を問わず使用することができ、又蛋白分解酵素の
阻害剤として用いられる各種の合成物質も用いる
ことができる。牛肺臓由来の天然蛋白分解酵素阻
害剤や、例えばFOY(小野薬品工業(株)製、ジ
メチルカルバモイルメチル―p―(p―グアニジ
ノベンゾイルオキシ)フエニルアセテート・メシ
チレート)の商標名で知られる低分子量合成蛋白
分解酵素阻害剤が入手が容易であり、好ましい。 本発明によれば、従来粘膜からの吸収は難かし
いと考えられてきた種々の高分子生理活性物質が
速かに吸収され、しかも極めてわずかの酸を加え
るだけであるので粘膜への刺激もなく、多数の薬
剤を粘膜吸収用製剤として投与することが可能と
なつた。 以下に本発明を試験例及び実施例をもつて説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 試験例 1 24時間絶食させた体重約3Kgの雄性家兎を背位
に固定し、第1表に示すテトラガストリン溶液を
シリンジを用いて肛門より約2.5cmの直腸内に投
与し、後肢大腿静脈に挿入したカニユーレより一
定時間毎に約0.5mlずつ採血し、血漿中のテトラ
ガストリンをラジオイムノアツセイ法により定量
した。結果を第1表に示す。
【表】 試験例 2 試験例1と同様にして、西洋ワサビ、パーオキ
シダーゼを雄性家兎直腸内に投与し、血漿中の同
酵素活性をO―フエニレンジアミンを基質に用い
測定した。結果を第2表に示した。
【表】 試験例 3 試験例1と同様にして、ヘパリンナトリウムを
雄性家兎直腸内に投与し、心臓より直接採血し、
血漿中のヘパリン活性を血液澄明化活性を650nm
における濁度の減少度をもつて測定した。結果を
第3表に示す。
【表】 試験例 4 各種分子量のデキストランに螢光物質であるフ
ロロシンイソチオシアネート(FITC)を標識し
たFITC―デキストランを、24時間絶食させた体
重約300gの雄性ラツトの直腸に投与した。頚部
大静脈より一定時間毎に0.1mlずつ採血し、4.0ml
の50mMトリスヒドロキシアミノメタン―
150mM塩化ナトリウム溶液に加え、2800gで10
分間遠心分離したのち、螢光強度を測定し(Ex,
480nm,Em,520nm)血液中のFITC―デキスト
ラン含量を定量した。結果を第4表に示す。
【表】 実施例 1 イソカカオ(花王石鹸(株)製高級脂肪酸トリグリ
セライドの登録商標)9gを42〜43℃にて溶融さ
せた後、α―キモトリプシン250mgを溶解させた
0.6%酢酸水溶液1gをこれに添加し、撹拌分散
させた後、その1gを坐剤型に注入し、固化後、
型から分離してα―キモトリプシン坐剤を製造す
る。 実施例 2 実施例1と同様にして、0.3%塩酸水溶液1g
にヘパリンナトリウム10000単位を溶解させたも
のを用いて、ヘパリンナトリウム坐剤を製造す
る。 実施例 3 実施例1と同様にして、0.6%酢酸水溶液1g
にLH―RH10mgを溶解させたものを用いて、LH
―RH坐剤を製造する。 実施例 4 実施例1と同様にして、0.05%のドデシル硫酸
ナトリウムを含む0.6%酢酸水溶液1gに10mgの
テトラガストリンを溶解させたものを用いてガス
トリン坐剤を製造する。 実施例 5 実施例1と同様にして、0.6%酢酸水溶液1g
にブロメライン20mgを溶解させたものを用いてブ
ロメライン坐剤を製造る。 実施例 6 実施例1と同様にして、0.6%酢酸水溶液1g
にプロナーゼ10mgとパンクレアチン50mgを溶解さ
せたものを用いて坐剤を製造する。 実施例 7 実施例1と同様にして、0.6%酢酸水溶液1g
に塩化リゾチーム30mgを溶解させたものを用いて
坐剤を製造する。 実施例 8 実施例1と同様にして、0.6%酢酸水溶液1g
にチトクロームC15mgを溶解させたものを用いて
坐剤を製造する。 実施例 9 実施例1と同様にして、0.6%酢酸水溶液1g
に馬血清性性腺刺激ホルモン1000単位を溶解させ
たものを用いて坐剤を製造する。 実施例 10 実施例1と同様にして、0.3%酢酸水溶液1g
にオキシトシン5単位を溶解させたものを用いて
坐剤を製造する。 実施例 11 実施例1と同様にして、0.3%酢酸水溶液1g
にバゾプレシン20単位を溶解させたものを用いて
坐剤を製造する。 実施例 12 実施例1と同様にして、0.3%酢酸水溶液1g
に成長ホルモン5mgを溶解させたものを用いて坐
剤を製造する。 実施例 13 生理食塩水100mlに、ドデシル硫酸ナトリウム
50mg、酢酸600mg、テトラガストリン1.5gを溶解
させ、粘膜投与用テトラガストリン液剤を製造す
る。 実施例 14 0.6%酢酸水溶液10mlにヘパリンナトリウム200
mgを溶解させ、粘膜投与用ヘパリン液剤を製造す
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 分子量が約500以上で約15万以下の高分子生
    理活性物質(インシユリンを除く)及び全組成物
    中約0.01〜0.3重量%になる量の下記の群から選
    ばれる1種または2種以上の酸、 (1) 炭素数1〜6の低級飽和脂肪酸類、 (2) 低級脂肪族オキシカルボン酸類、 (3) 塩酸、リン酸、硝酸、リンタングステン酸、
    過塩素酸からなる無機酸類、 (4) 安息香酸、フタール酸、ピロメリツト酸から
    なる芳香族カルボン酸類、 (5) モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ
    酢酸、スルホ酢酸からなる置換酢酸類、 (6) アクリル酸、マレイン酸からなる不飽和カル
    ボン酸類、及び、 (7) ピルビン酸、フロイン酸、ピクリン酸からな
    るその他の酸類、 を含む水性液状である粘膜投与組成物。 2 高分子生理活性物質が分子量約700から約8
    万までのものである特許請求の範囲第1項記載の
    粘膜投与組成物。 3 粘膜吸収製剤用賦形剤、分子量が約500以上
    で約15万以下の高分子生理活性物質(インシユリ
    ンを除く)、水及び全組成物中約0.01〜0.3重量%
    になる量の下記の群から選ばれる1種または2種
    以上の酸、 (1) 炭素数1〜6の低級飽和脂肪酸類、 (2) 低級脂肪族オキシカルボン酸類、 (3) 塩酸、リン酸、硝酸、リンタングステン酸、
    過塩素酸からなる無機酸類、 (4) 安息香酸、フタール酸、ピロメリツト酸から
    なる芳香族カルボン酸類、 (5) モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ
    酢酸、スルホ酢酸からなる置換酢酸類、 (6) アクリル酸、マレイン酸からなる不飽和カル
    ボン酸類、及び、 (7) ピルビン酸、フロイン酸、ピクリン酸からな
    るその他の酸類、 を含み、かつ当該高分子生理活性物質及び当該酸
    が実質的に水溶液として当該賦形剤中に存在して
    いることを特徴とする粘膜投与組成物。 4 高分子生理活性物質が分子量約700から約8
    万までのものである特許請求の範囲第3項記載の
    粘膜投与組成物。 5 高分子生理活性物質がペプチドホルモン類で
    ある特許請求の範囲第3項記載の粘膜投与組成
    物。 6 高分子生理活性物質が酵素類である特許請求
    の範囲第3項記載の粘膜投与組成物。 7 高分子生理活性物質が多糖類である特許請求
    の範囲第3項記載の粘膜投与組成物。 8 酸が、炭素数1〜5の低級脂肪酸類である特
    許請求の範囲第3項記載の粘膜投与組成物。 9 酸が酢酸である特許請求の範囲第8項記載の
    粘膜投与組成物。 10 粘膜吸収製剤用賦形剤が坐剤又は軟膏形体
    用賦形剤である特許請求の範囲第3項記載の粘膜
    投与組成物。 11 粘膜吸収製剤用賦形剤が坐剤用油性基剤で
    ある特許請求の範囲第10項記載の粘膜投与組成
    物。 12 分子量が500以上で15万以下の高分子生理
    活性物質(インシユリンを除く)及び酸自体が全
    組成物中0.01〜0.3重量%となる量の下記の群か
    ら選ばれる1種または2種以上の酸、 (1) 炭素数1〜6の低級飽和脂肪酸類、 (2) 低級脂肪族オキシカルボン酸類、 (3) 塩酸、リン酸、硝酸、リンタングステン酸、
    過塩素酸からなる無機酸類、 (4) 安息香酸、フタール酸、ピロメリツト酸から
    なる芳香族カルボン酸類、 (5) モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ
    酢酸、スルホ酢酸からなる置換酢酸類、 (6) アクリル酸、マレイン酸からなる不飽和カル
    ボン酸類、及び、 (7) ピルビン酸、フロイン酸、ピクリン酸からな
    るその他の酸類、 を含む水溶液を粘膜吸収製剤用賦形剤と混和する
    ことを特徴とする粘膜投与組成物の製造法。 13 粘膜吸収製剤用賦形剤が坐剤用油性基剤で
    ある特許請求の範囲第12項記載の粘膜投与組成
    物の製造法。
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