JPH1112193A - ヒトカルシトニン含有水溶液製剤 - Google Patents

ヒトカルシトニン含有水溶液製剤

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JPH1112193A
JPH1112193A JP9162312A JP16231297A JPH1112193A JP H1112193 A JPH1112193 A JP H1112193A JP 9162312 A JP9162312 A JP 9162312A JP 16231297 A JP16231297 A JP 16231297A JP H1112193 A JPH1112193 A JP H1112193A
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JP
Japan
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aqueous solution
preparation
dissolved
concentration
human calcitonin
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Pending
Application number
JP9162312A
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English (en)
Inventor
Junichi Okada
純一 岡田
Masaru Ikeda
勝 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安定なヒトカルシトニンの水溶液を提供する。 【解決手段】β−ラクトグロブリンとヒトカルシトニン
を含有する水溶液製剤に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安定なヒトカルシ
トニン(以下、「h−CT」と略称する。)の水溶液に
関する。
【0002】
【従来の技術】カルシトニンは哺乳類の甲状腺あるいは
鳥類及び魚類の鰓後部より分泌されるホルモンである
(白木正孝、ホルモンと臨床、38巻、547頁、(1
990)参照)。その生理活性の一つとして、破骨細胞
の活性を抑制することにより骨からのカルシウムの遊離
を抑制する効果がある。このホルモンの一次構造は種に
より一部変異するが、サケ、ウナギ、ブタ、ヒト型のカ
ルシトニンが骨粗鬆症の治療薬として利用されている。
このうち、ヒトカルシトニンは他種動物由来のものに比
較して活性が弱いものの、抗原性がないことより利用価
値が高い。
【0003】h−CTは活性が弱いことより高い投与量
が必要となる。しかし、h−CTは水溶液中で凝集し繊
維状の沈澱物を形成しやすいため、高濃度溶液を安定に
保存することが困難である(ジャーナル・オブ・バイオ
ロジカル・ケミストリー、268巻、9号、6415
頁、(1993)参照)。
【0004】また、h−CTなどの生理活性ペプチド
は、最も簡便な投与経路である経口投与を行っても、胃
の中の酸性環境や、胃及び腸内の酵素の働きなどによっ
て失活することが多い。さらにh−CTは分子量が大き
いために消化管粘膜からの吸収が極めて悪いことが知ら
れている。したがって、従来の投与は注射によることが
多かった。これに対し、近年のドラッグデリバリーシス
テム技術によって消化管以外の粘膜が生理活性ペプチド
の吸収部位として有用であることがわかってきた(アド
バンスド・ドラッグ・デリバリー・レビューズ、11
巻、329頁、(1993)参照)。中でも、鼻腔は投
与が簡便であることから、長期の反復投与が必要なh−
CTの投与経路として好適である。
【0005】h−CTの高濃度水溶液製剤はh−CTの
安定性が劣ることは前述したが、製剤そのものの不安定
性は凍結乾燥法などによって解決することが可能であ
る。しかし、この凍結乾燥粉末を直接鼻腔等の粘膜に対
して投与すると、粘液とともに高濃度のh−CT溶液が
生成するため、凝集現象が極めて早く起こり、該粘膜か
らの吸収性が阻害される(ジャーナル・オブ・ファーマ
シューティカル・サイエンシーズ、84巻、6号、71
7頁、(1995)参照)。また、凍結乾燥粉末に水を
加えて溶解し粘膜投与用水溶液とするときにも、この水
溶液中でのh−CTの安定性が高い方が繰り返し投与の
為の保存が可能となるために、溶解操作を行う回数を減
ずることができる。よって、このh−CTの水溶液中で
の凝集による沈澱物形成を防止することが可能となれ
ば、それにより得られる有益性は大きい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、牛乳中
の蛋白質成分のひとつであるβ−ラクトグロブリン(以
下、「β−LG」と略称する。)をh−CT含有水溶液
製剤に配合することによりh−CTの水溶液中での凝集
による沈澱物形成が抑制され、安定な水溶液製剤が得ら
れることを見いだし、本発明を完成した。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)β−ラ
クトグロブリンとヒトカルシトニンを含有する水溶液製
剤、(2)ヒトカルシトニンの濃度が 0.5〜10 mg/mLで
ある(1)記載の水溶液製剤、(3)β−ラクトグロブ
リンの濃度が 1〜40 mg/mL である(1)または(2)
の水溶液製剤、(4)pH が4以下であることを特徴と
する、(1)乃至(3)いずれかひとつに記載の水溶液
製剤、に関する。
【0008】本発明は、好適には(2)、(3)、
(4)記載の発明であり、さらに好適には(4)記載の
発明である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の水溶性製剤は、蒸留水や
水道水などの適当な水性溶媒にβ−LGを溶解した後、
所定のpHに調整した後、h−CTを溶解することによっ
て調製することができる。
【0010】さらに本発明の水溶性製剤には、製剤学的
に許容できる添加物である、胆汁酸、非イオン性界面活
性剤、リン脂質、シクロデキストリン、胆汁酸脂肪酸混
合ミセル、グリセリンやプロピレングリコールのような
両親媒性溶媒などの粘膜吸収促進剤、ポリソルベート8
0や局所麻酔剤などの刺激軽減剤、塩化ナトリウム、ブ
ドウ糖などの等張化剤、メチルセルロース、ヒドロキシ
メチルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロー
ス、キトサン、ヒアルロン酸、キサンタンガム、ビーガ
ム、ポロクサマーなどの粘度上昇剤、塩化ベンゼトニウ
ム、塩化ベンザルコニウム、パラオキシ安息香酸アルキ
ルエステル、ベンジルアルコール、クロロブタノールな
どの防腐剤などを配合することも可能である。
【0011】これらの添加物を配合する場合は、適宜こ
れらを溶解するが、その際の溶解順序は特定されない。
【0012】安定な水溶性製剤を得るために必要なβ−
LGの濃度は、h−CTの濃度によって変化するが、一
般に 1〜40 mg/mL が好適である。h−CTの濃度は投
与量に応じて変化するが、0.5 〜10 mg/mL が好適であ
る。
【0013】この水溶液は、β−LGが配合するために
h−CTの凝集形成が遅く、安定である。安定性は水溶
液のpH、h−CT及びβ−LGの濃度によって変化する
が、例えば、pH 3 のもとでβ−LGを 10 mg/mL 配合
することによって、室温ではh−CT濃度が 1 mg/mL
では少なくとも6か月、3 mg/mL では少なくとも2か
月、10 mg/mL では7日間安定であった。
【0014】
【実施例】以下実施例及び比較例により本発明をさらに
詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0015】実施例1.500 mg のβ−LGに蒸留水を
50 mL 加え溶解した。ここに適当量の塩酸を攪拌下加
え、pH を3とした。ここに 150 mg のh−CTを溶解
した。この水溶液製剤は室温にて少なくとも2か月間澄
明であり、2か月後のh−CT含量を以下の条件による
HPLCにて測定したところ、溶解時の95%が保存さ
れていた。
【0016】 カラム:ODP−50 6D(昭和電工製) 移動相:蒸留水+アセトニトリル+トリフルオロ酢酸
(70:30:0.05) 検出波長:230nm 流速:1.5mL/分 保持時間:約6.1分 実施例2.500 mg のβ−LGに蒸留水を 50 mL 加え
溶解した。ここに 150 mg のh−CTを溶解した。この
水溶液のpHは7だった。この水溶液は室温にて2週間の
間濁りを生ぜず澄明であった。2週間後の水溶液につい
て実施例1に記載した条件下でHPLCを行い、このh
−CTを定量したところ、溶解時の92%が保存されて
いた。
【0017】実施例3.500 mg のβ−LGに蒸留水を
50 mL 加え溶解した。ここに粘膜促進吸収促進剤であ
るグリココール酸ナトリウム500 mgを溶解した。さらに
150 mg のh−CTを加えて緩やかに溶解した。水溶液
のpHは7.5 であった。この水溶液は室温にて少なくとも
2週間は澄明であり、2週間後の水溶液について実施例
1に記載した条件下でHPLCを行い、このh−CTを
定量したところ、溶解時の94%が保存されていた。
【0018】実施例4.実施例3の水溶液に、防腐剤と
して塩化ベンゼトニウムを 0.1 mg/mL になるように配
合したが、水溶液は室温にて少なくとも2週間安定であ
り、2週間後の水溶液について実施例1に記載した条件
下でHPLCを行い、このh−CTを定量したところ、
溶解時の94%が保存されていた。
【0019】比較例1.蒸留水 50 mL に 150 mg のh
−CTを溶解し、ここに適当量の塩酸を加えてpH を3
とした。この水溶液を室温に保存したところ4週間後に
濁りを生じた。この時点で濁りを濾過にて除去し、水溶
液について実施例1に記載した条件下でHPLCを行
い、このh−CTを定量したところ、溶解時の70%に
減少していた。
【0020】比較例2.蒸留水 50 mL に牛血清アルブ
ミン 500 mg を加え溶解した後、塩酸を加えてpH を3
に調整した。ここに 150 mg のh−CTを溶解した。溶
解後の水溶液のpH は3 であった。この水溶液を室温に
保存したところ2週間後にh−CTの凝集に起因する濁
りを生じた。この時点で濁りを除去し、水溶液について
実施例1に記載した条件下でHPLCを行い、このh−
CTを定量したところ、溶解時の65%に減少してい
た。
【0021】比較例3.蒸留水 50 mL にラクトアルブ
ミン 500 mg を加え溶解した後、塩酸を加えてpH を3
に調整した。ここに 150 mg のh−CTを溶解した。溶
解後の水溶液のpH は3 であった。この水溶液を室温に
保存したところ3週間後にh−CTの凝集に起因する濁
りを生じた。この時点で濁りを除去し、水溶液について
実施例1に記載した条件下でHPLCを行い、このh−
CTを定量したところ、溶解時の75%に減少してい
た。
【0022】
【発明の効果】以上の通り、h−CTの水溶液にβ−L
Gを配合することにより安定なh−CT水溶液を得るこ
とができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】β−ラクトグロブリンとヒトカルシトニン
    を含有する水溶液製剤。
  2. 【請求項2】ヒトカルシトニンの濃度が 0.5〜10 mg/mL
    である請求項1記載の水溶液製剤。
  3. 【請求項3】β−ラクトグロブリンの濃度が 1〜40 mg/
    mL である請求項1または2記載の水溶液製剤。
  4. 【請求項4】pH が4以下であることを特徴とする、請
    求項1乃至3のいずれかひとつに記載の水溶液製剤。
JP9162312A 1997-06-19 1997-06-19 ヒトカルシトニン含有水溶液製剤 Pending JPH1112193A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003517462A (ja) * 1999-07-22 2003-05-27 アベンティス・ファーマスーティカルズ・インコーポレイテツド 複数回投与用エリスロポエチン製剤

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003517462A (ja) * 1999-07-22 2003-05-27 アベンティス・ファーマスーティカルズ・インコーポレイテツド 複数回投与用エリスロポエチン製剤

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