JPS6345008B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ガスまたは石油ボイラ等の燃焼を、
本体とは別個に設けた操作器の操作に応じて制御
する燃焼制御装置の改良に関するものである。

ガスまたは石油焚の小形ボイラが家庭用として
普及するのに伴ない、全対策上、ボイラを屋外へ
設置することが推奨されており、屋外設置のボイ
ラを屋内から制御する必要上、制御器をボイラと
併設のうえ操作器を屋内へ設けると共に、操作器
と制御器との間を多芯ケーブルにより接続し、操
作器からの燃焼起動信号および温度設定値を制御
器へ伝送する反面、制御器からの運転開始、燃焼
中および点火不良の警報等を示す信号を操作器へ
伝送し、これらの信号に応じて操作器の表示灯を
点灯させることが行なわれている。

しかし、従来においては、前述の各信号を各個
別の線路により伝送しているため、操作器と制御
器との間の接続に多芯ケーブルを要し、ケーブル
が高価になると共に、布線、接続工数が大となる
等の欠点を生じていた。

本発明は、従来のかかる欠点を根本的に排除す
る目的を有し、操作器と制御器との間を２線式線
路により接続のうえ、制御および表示用の各信号
を各々異なつた電圧により伝送するものとし、簡
単かつ安価な構成により、操作器と制御器との間
の接続を大幅に簡略化した極めて効果的な、２線
式燃焼制御装置を提供するものである。

以下、実施例を示す図によつて本発明の詳細を
説明する。

第１図は全構成の回路図であり、交流電源AC
を整流器REC₁〜REC₄により全波整流のうえ、コ
ンデンサＣにより平滑化し直流電源を得ており、
これを集積回路化された燃焼安全制御回路FSCへ
与える一方、抵抗器R₁およびダイオードD₁によ
り交流電源ACから正の半波を取り出し、これに
よつてトランジスタQ₁を制御のうえ、低抗器R₂
を介してトランジスタQ₁のコレクタ電流をスイ
ツチング素子として用いるトランジスタQ₂のベ
ースへ与え、トランジスタQ₂にオン、オフ動作
を行なわせ、これによつて交流電源ACの半波に
応ずる直流電源の断続を行ない、断続電源として
２線式線路L₁，L₂間へ印加している。

なお、抵抗器R₃はトランジスタQ₂のベース抵
抗器、抵抗器R₄は電流制限用の抵抗器である。

また、同一極性として直列接続のうえ、２線式
線路L₁，L₂間へ橋絡接続された複数の表示用定
電圧素子として、ツエナーダイオードZD₁〜ZD₃
が設けてあり、これらのうち、ツエナーダイオー
ドZD₂，ZD₃にはリレー接点rl₁，rl₂が並列に接続
され、当初はこれらがオンのため短絡されている
が、燃焼安全制御回路FSCから生ずる着火、警報
等の各燃焼制御情報に応じてリレーRL₁，RL₂が
動作すれば、短絡が各個に除去されるため、ツエ
ナーダイオードZD₁〜ZD₃中の直列に挿入された
もののツエナー電圧に応じて、２線式線路L₁，
L₂へ印加される断続電源の電圧が規制されるも
のとなつている。

このほか、燃焼安全制御回路FSCから取り出し
た直流電源は、ツエナーダイオードZD₁〜ZD₃に
よつて規制される断続電源の電圧に比し低いツエ
ナー電圧を有する制御用電圧素子としてのツエナ
ーダイオードZD₄により、断続電源の電圧よりも
低い電圧の制御用電源とされたうえ、抵抗器R₅
およびボイラの温湯温度検出用サーミスタTHに
より分圧され、制御用電源に基づく温度入力とし
て比較器CPへ与えられると共に、抵抗器R₆を介
して２線式線路L₁，L₂へ断続電源と同一極性と
して印加されており、抵抗器R₆と２線式線路L₁，
L₂間の抵抗値とにより分圧された２線式線路の
線間電圧が、設定入力として比較器CPへ与えら
れている。

なお、温度入力として与えられる温度電圧E_tに
対し、設定入力として与えられる設定電圧E_sが高
いときの比較出力と、両電圧E_t，E_sが接近したと
きの比較出力とは、電圧が大幅に異なり、また
は、極性が反転するものとなつており、これに応
じて燃焼安全制御回路FSCが燃焼の起動、停止お
よび燃料供給量の制御を行なつている。

このほか、ダイオードD₂は、２線式線路L₁，
L₂側の電圧が上昇したときに、これがツエナー
ダイオードZD₄へ印加されるのを阻止するための
ものである。

一方、制御器CTと２線式線路L₁，L₂により接
続された操作器CBには、２線式線路L₁，L₂に対
し直列として挿入された自己保持形の起動スイツ
チSWが設けてあると共に、これを介して２線式
線路L₁，L₂間に抵抗器R₁₁および温度設定用の可
変抵抗器RVが接続されており、起動スイツチ
SWをオンとすれば、第２図に２線式線路L₁，L₂
間の電圧V_Lを示すとおり、断続電源がオフ状態
の期間に、ツエナーダイオードZD₄のツエナー電
圧V_Z4によつて定まる電圧V_Z4が２線式線路L₁，
L₂間へ印加され、これが抵抗器R₆と抵抗器R₁₁お
よび可変抵抗器RVとにより分圧されるため、温
度電圧E_tと設定電圧E_sとが接近し、上述のとおり
比較器CPの比較出力が変化することにより、こ
れが燃焼起動信号として燃焼安全制御回路FSCへ
与えられ、これに応じて同回路FSCがボイラのバ
ーナに対し燃料供給および着火の制御信号STを
送出する。

また、操作器CBには、断続電源がオン状態の
ときの電圧V_Lに応じてオンとなる複数の定電圧
素子としてツエナーダイオードZD₁₁，ZD₁₂が設
けてあると共に、これらと各個に直列として接続
された複数の発光ダイオードLD₁₁，LD₁₂が表示
素子として設けてあり、ツエナーダイオード
ZD₁₁のツエナー電圧V_Z11がV_Z1よりも若干低目と
なつているため、これがオンへ転じ、逆流阻止用
のダイオードD₁₁を介して抵抗器R₁₂および発光
ダイオードLD₁₁の発光により“運転”開始が表
示される。

ついで、着火が正常に行なわれれば、燃焼安全
制御回路FSCへバーナから着火検出信号FDが与
えられるため、リレーRL₁が動作してツエナーダ
イオードZD₃の短絡が除去され、断続電源がオン
状態の期間における電圧VLが、ツエナーダイオ
ードZD₁のツエナー電圧V_Z1から、ツエナーダイ
オードZD₃のツエナー電圧V_Z3を加えた電圧V_Z1＋
V_Z3へ上昇する。

すると、ツエナーダイオードZD₁₂のツエナー
電圧V_Z11がV_Z1＋V_Z3よりも若干低く設定されて
いるため、抵抗器R₁₃を介して発光ダイオード
LD₁₂にも通電し、これの発光によりバーナが確
実に“燃焼”を開始したことの表示が行なわれ
る。

なお、若しも、着火が正常に行なわれないと
き、ボイラの温度が異常に上昇したとき等には、
燃焼安全制御回路FSCが異常と判断し、リレー
RL₂を動作させ、ツエナーダイオードZD₂の短絡
を除去するため、これのツエナー電圧V_Z2をV_Z2
＞V_Z3の関係としておくことにより、リレーRL₁
が復旧状態であつても、電圧V_LがV_Z1＋V_Z2へ上
昇する。

すると、V_Z1＋V_Z2に応じて抵抗器R₁₂および発
光ダイオードLD₁₁に生ずる端子電圧を、抵抗器
R₁₄およびR₁₅により分圧した電圧が、トランジ
スタQ₁₁のベース・エミツタ間電圧よりも十分に
高く設定されているため、トランジスタQ₁₁がオ
ンとなり、これと直列の発光ダイオードLD₁₃へ
通電し、これの発光により“警報”が表示される
と共に、発光ダイオードLD₁₃およびトランジス
タQ₁₁の低インピーダンスにより、ツエナーダイ
オードZD₁₂および発光ダイオードLD₁₂が側路さ
れてツエナーダイオードZD₁₂がオフへ転じ、発
光ダイオードLD₁₂の発光が阻止される。

以上の表示制御に対し、電圧V_LがV_Z4の期間
は、可変抵抗器RVに応じた設定電圧E_sが比較器
CPへ与えられるため、この期間中に比較器CPが
温度電圧E_tと設定電圧E_sとの差に応じた比較出力
を生じ、これを温度制御信号として燃焼安全制御
回路FSCへ与えることにより、信号STが燃焼供
給量の制御を行なうものとなり、設定電圧E_sに応
じてボイラ内の温湯温度が制御される。

また、起動スイツチSWをオフとすれば、比較
器CPの比較出力が上述のとおりに変化し、これ
にしたがつて燃焼安全制御回路FSCが信号STを
消滅させるため、燃料の供給が遮断されると共
に、発光ダイオードLD₁₁〜LD₁₃も減光し、ボイ
ラが停止状態となる。

したがつて、２線式線路L₁，L₂のみより、ボ
イラの制御が安全かつ確実に行なわれると共に、
ボイラの状態が正確に操作器CBにおいて表示さ
れる。

ただし、発光ダイオードLD₁₁〜LD₁₃の発光は、
交流電源ACの半波に応じて行なわれるが、交流
電源ACの周波数が50Hz程度以上であれば、目視
上連続発光と認められ、特に支障を生じない。

また、基準電圧E_sも交流電源ACの半波に応じ
て変化するが、燃焼安全制御回路FSCにおいて、
交流電源ACの半波と同期して比較出力をサンプ
リングのうえ保持すれば、安全な制御が行なわれ
る。

このほか、スイツチング素子としてのトランジ
スタQ₂の代りに、リレー、サイリスタ等を用い
てもよく、表示すべき燃焼制御情報数に応じてリ
レーRL₁，RL₂、ツエナーダイオードZD₁〜ZD₃
を設けると共に、これと対応してツエナーダイオ
ードZD₁₁，ZD₁₂および発光ダイオードLD₁₁〜
LD₁₃を設ければよい。

また、発光ダイオードLD₁₃の通電に、別途の
ツエナーダイオードを設けてもよく、ランプ、液
晶表示器等を表示素子として用いても同様であ
り、定電圧素子としては、一般のダイオードによ
る直列回路、バリスタ等を用いてもよい等、種々
の変形が自在である。

以上の説明により明らかなとおり本発明によれ
ば、２線式線路を用いるため多芯ケーブルを要さ
ず、接続用電線の価格および設置工事の工数等が
大幅に低減されると共に、簡単かつ安価な構成に
より従来と同等以上の機能が得られ、各種燃焼機
器の制御装置として顕著な効果を呈する。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の実施例を示し、第１図は全構成の
回路図、第２図は２線式線路の線間電圧変化を示
す図である。 CT……制御器、CB……操作器、L₁，L₂……
２線式線路、AC……交流電源、REC₁〜REC₄…
…整流器、Ｃ……コンデンサ、D₁，D₂，D₁₁……
ダイオード、R₁〜R₆，R₁₁〜R₁₅……抵抗器、Q₁，
Q₂，Q₁₁……トランジスタ、ZD₁〜ZD₄，ZD₁₁，
ZD₁₂……ツエナーダイオード、RL₁，RL₂……リ
レー、CP…比較器、TH……サーミスタ、FSC
……燃焼安全制御回路、SW……起動スイツチ、
LD₁₁〜LD₁₃……発光ダイオード、RV……可変抵
抗器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ２線式線路により制御器と操作器とを接続
   し、前記制御器から送出される複数の異なるレベ
   ルの電圧に応じて前記操作器に設けた複数の表示
   素子を各個に表示状態にすると共に、該操作器側
   の温度設定値を前記制御器へ与える２線式燃焼制
   御装置において、 交流電源から得た直流電源を前記交流電源の半
   波に応じて断続のうえ断続電源として前記２線式
   線路へ印加するスイツチング素子と、 同一極性として直列接続されたうえ前記２線式
   線路間へ橋絡接続され、かつ燃焼制御情報に応じ
   て短絡が各個に除去されることにより前記断続電
   源の電圧を規制する複数の表示用定電圧素子と、 前記直流電源を前記断続電源の電圧よりも低い
   電圧の制御用電源とする制御用定電圧素子と、 前記断続電源がオフのとき、前記制御用電源に
   基づく検知温度入力と、抵抗器を介して前記制御
   用電源が前記断続電源と同一極性として印加され
   た前記２線式線路の線間電圧である設定入力とが
   入力され、両入力の比較出力を燃焼起動信号およ
   び温度制御信号として送出する比較器と を前記制御器に設けると共に、 前記２線式線路に対し直列に挿入された起動ス
   イツチと、 該起動スイツチを介する前記２線式線路の断続
   電源がオン状態のときその複数の異なるレベルの
   電圧に応じて各々オンとなる複数の定電圧素子
   と、 該各定電圧素子と各個に直列に接続された複数
   の表示素子と、 前記起動スイツチを介して前記２線式線路間へ
   接続された温度設定用の可変抵抗器と を前記操作器へ設けた ことを特徴とする２線式燃焼制御装置。