JPS6343592B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は歯車機械、特にポリマーを溶解又は溶
融するための歯車ポンプであつて、歯車室を形成
するケーシングと、歯車室を貫通してのびる、該
歯車室内でそれぞれ１つの歯車を支持する少なく
とも２本の平行な軸と、ケーシング内に差嵌めら
れた、歯車室を側方で制限して内側の端面によつ
て歯車用のスラスト軸受けを形成する閉鎖ブシユ
と、それぞれ１つの閉鎖ブシユ内に差嵌められ
た、それぞれの軸用のそれぞれ１つのラジアル軸
受けを形成する支承ブシユと、側方でケーシング
に固定された、支承ブシユと共に閉鎖ブシユを軸
方向で外向きの移動を防止して支持するケーシン
グカバーとを有している形式のものに関する。

前記形式の公知の歯車機械（ドイツ連邦共和国
特許出願公開第2432180号明細書）のばあいには、
閉鎖ブシユおよび支承ブシユの外側の端面は直接
ケーシングカバーに接触しておりかつ前記ケーシ
ングカバーは外側のねじによつてケーシングに固
定されていてかつ内側のねじによつて直接閉鎖ブ
シユにねじ結合されている。支承ブシユが摩耗し
それ故交換しなければならないばあいには、ケー
シングカバーをねじ解離して取はずした後で所属
の歯車および支承ブシユおよび閉鎖ブシユと共に
軸が軸方向でケーシングから押出される。しかし
支承ブシユが軸に不動に固着したばあいには、軸
又は歯車を損傷することなしに支承ブシユを軸か
ら取除くことは極めて困難である。このことは特
に、軸が所属の歯車と一体に構成されているばあ
いに当て嵌る。つまり歯車は軸をケーシングから
取はずした後でも軸上を移動することができず、
それ故支承ブシユを軸から押出すために利用でき
ない。

それ故本発明の課題は、支承ブシユが軸を不動
に固着したばあいでも支承ブシユの交換を容易に
行なうことができかつこの際軸の支承面又は歯車
が損傷されるという危険が減少されるように冒頭
に述べた形式の歯車機械を改良することにある。

前記課題は本発明によれば、それぞれのケーシ
ングカバーと、隣接する閉鎖ブシユとの間に保持
リングが配置されており、該保持リングがケーシ
ングカバーとは無関係に軸方向で内向きの移動を
防止されてケーシングに支持されておりかつ前記
保持リングに、隣接する閉鎖ブシユが固定されて
おり、更に閉鎖ブシユの軸方向で内側の端部に、
所属の支承ブシユの内側の端部に係合するそれぞ
れ１つのつばが設けられていることによつて解決
された。

本発明の構成によつて、運転中に支承ブシユと
軸とが互いに不動に固着したばあいでも、特殊工
具を用いず又は著しく費用のかかる特別な熱処理
をほどこすことなく簡単に軸から支承ブシユを分
離することができ、更に軸の支承面又は歯車の損
傷の危険が回避される。

本発明による歯車機械では支承ブシユが軸に不
動に固着したばあいには、支承ブシユは、ケーシ
ングカバーを取はずした後で固着した支承ブシユ
が座着する側から当該軸に軸方向の押圧力を及ぼ
すことによつて軸から取除かれる。これによつて
生ぜしめられる軸の移動には当該支承ブシユは追
従しない。何故ならば支承ブシユは所属の閉鎖ブ
シユのつばによつてケーシング内部への移動を防
止されていてかつ閉鎖ブシユ自体は保持リングに
おける固定によつて同様にケーシング内部内に更
に移動することを防止されているからである。従
つて支承ブシユおよび閉鎖ブシユは保持リングと
共にケーシング内の組込み位置で維持されるのに
対して、軸は移動させられかつこれによつて固着
した支承ブシユから分離される。支承ブシユが軸
の両側で軸に不動に固着したばあいには、軸を順
次両支承ブシユから分離するために、軸はまず一
方の軸方向に向けて次いで他方の軸方向に向けて
移動させられる。

本発明の有利な実施態様によれば、それぞれの
保持リングが内側の円筒面を有しており、該円筒
面によつて保持リングが隣接する閉鎖ブシユの相
応した外側の円筒面において定心されている。

更にそれぞれの保持リングが隣接する支承ブシ
ユの軸方向で外側の端部に係合していると有利で
ある。これによつて支承ブシユはケーシングカバ
ーと協働することなしに、閉鎖ブシユに対して相
対的に移動することを防止される。

更に本発明の有利な実施態様によれば、それぞ
れの保持リングが外側の円筒面を有しており、該
円筒面において、隣接するケーシングカバーが相
応した内側の円筒面によつて定心されている。

更に同じ側に配置された保持リングの少なくと
もそれぞれ１つと、隣接する閉鎖ブシユとの間に
歯車の軸方向の遊びを確定するために少なくとも
それぞれ１つの嵌込み板を嵌込むことができる。

次に図示の実施例につき本発明を説明する。

図示の歯車ポンプは歯車室を備えたケーシング
１２を有しており、前記歯車室は互いに交わる２
つの軸平行な円筒面１４によつて制限されてい
る。ケーシング１２の両端面にはそれぞれ１つの
ケーシングカバー１６がねじ固定されている。ケ
ーシングカバー１６内にはそれぞれ１つのパツキ
ング箱１８が固定されており、該パツキン箱１８
を通つて駆動軸２０がのびている。駆動軸２０に
対して平行にケーシング１２内に被駆動軸２２が
配置されている。駆動軸２０には駆動歯車２４が
一体に形成されており、該駆動歯車２４は被駆動
軸２２に同様に一体に形成された被駆動歯車２６
とかみ合つている。

円筒面１４内にはケーシング１２の両端面側か
らそれぞれ２つの閉鎖ブシユ２８が差し嵌められ
ている。閉鎖ブシユ２８は外側で円筒面１４に相
応する直径でほぼ円筒状であるがしかし、対にな
つている閉鎖ブシユ２８は互いに向き合う側でそ
れぞれ１つの割線に沿つて偏平にされている。何
故ならば閉鎖ブシユ２８の軸線間隔は閉鎖ブシユ
２８の外径よりも小さいからである。それぞれの
閉鎖ブシユ２８は隣接する駆動歯車２４もしくは
被駆動歯車２６のためのスラスト軸受けとして軸
受けメタルで被覆された内側の端面３０を有して
いる。内側の端面３０には溝３２が穿設されてい
る。

それぞれの閉鎖ブシユ２８の軸方向で内側の端
部にはつば３４が形成されており、該つば３４は
当該閉鎖ブシユ内に締りばめによつて固定された
支承ブシユ３６の軸方向で内側の端面上に係合し
ている。つば３４の内径は支承ブシユ３６の外径
および内径との算術平均にほぼ相応しているの
で、支承ブシユの内側の端面の一部は覆われな
い。このような形式で、例えば支承ブシユが摩耗
したばあい支承ブシユのそれぞれは、支承ブシユ
と閉鎖ブシユとを一緒に上述の形式での所属の駆
動軸２０もしくは被駆動軸２２から分離した後
で、通常の押出し装置によつて所属の閉鎖ブシユ
２８から押出すことができる。

ケーシング１２の両端面には、互いに交わる円
筒面１４に続いているがしかし、この円筒面より
大きな直径を有するそれぞれ１つの凹所３８が設
けられている。凹所３８のそれぞれは凹所に対し
て外部形状の点で適合した保持リング４０もしく
は４１を受容し、該保持リング４０，４１の直径
およびケーシングの軸方向で測定した厚さはそれ
ぞれ図面では明らかにされてないわずかな程度だ
け所属の凹所３８の直径もしくは深さよりも小さ
くされている。保持リング４０，４１のそれぞれ
は軸方向で内側に内側の円筒面４２を有してお
り、該円筒面４２は当該保持リングに隣接する閉
鎖ブシユ２８の外側の円筒面４４において定心さ
れている。前記内側の円筒面４２から保持リング
４０，４１のそれぞれは更に内向きにのびている
ので、保持リング４０，４１は所属の支承ブシユ
３６のそれぞれの軸方向で外側の端面を部分的に
覆うがしかし、所属の駆動軸２０もしくは被駆動
軸２２に接触することはない。更に両保持リング
４０のそれぞれは駆動軸２０の周りに配置された
範囲で外側の円筒面４６を有しており、該円筒面
４６において、所属のケーシングカバー１６が該
ケーシングカバー１６に形成された内側の円筒面
４８によつて定心されている。

閉鎖ブシユ２８のそれぞれはねじ５０によつて
所属の保持リングに固定されていてひいては軸方
向でケーシング１２内に進入移動することを防止
されている。支承ブシユ３６もこのような移動を
防止されている。何故ならば支承ブシユ３６は所
属の閉鎖ブシユ２８のつば３４によつて止められ
ているからである。軸方向で外向きの閉鎖ブシユ
２８および支承ブシユ３６の移動は、自体所属の
ケーシングカバー１６とケーシング１２との間に
固持されている所属の保持リング４０，４１によ
つて阻止される。従つて閉鎖ブシユ２８は駆動歯
車２４および被駆動歯車２６の軸方向の遊びを規
定する。

前記軸方向の遊びを小さくしようとするばあい
には、一方又は他方のケーシングカバー１６がね
じ解離して取はずされるので、保持リング内に差
嵌められたねじ５０を含めて所属の保持リング４
０，４１に接近可能である。前記ねじ５０が解離
されかつ保持リング４０，４１が取除かれかつこ
れによつて開放された閉鎖ブシユ２８に薄い金属
箔製の単数又は複数の嵌込み板５２が載設され
る。嵌込み板５２はねじ５０の配置形式に相応し
て穴をあけられている。次いで所属の保持リング
４０，４１が再び取付けられかつねじ５０によつ
て隣接する閉鎖ブシユ２８と結合される。駆動歯
車および被駆動歯車２６の所望の軸方向の遊びが
得られたということが確認されたばあいには、最
終的に取はずされたケーシングカバーが再び取付
けられる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すものであつて、第
１図は本発明による歯車ポンプの軸方向断面図、
第２図は第１図―線に沿つた横断面図、第３
図は第１図―線に沿つた横断面図である。 １２…ケーシング、１４，４２，４４，４６，
４８…円筒面、１６…ケーシングカバー、１８…
パツキン箱、２０…駆動軸、２２…被駆動軸、２
４…駆動歯車、２６…駆駆動歯車、２８…閉鎖ブ
シユ、３０…端面、３２…溝、３４…つば、３６
…支承ブシユ、３８…凹所、４０，４１…保持リ
ング、５０…ねじ、５２…嵌込み板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 歯車機械であつて、歯車室を形成するケーシ
   ング１２と、歯車室を貫通してのびる、該歯車室
   内でそれぞれ１つの歯車２４，２６を支持する少
   なくとも２本の平行な軸２０，２２と、ケーシン
   グ１２内に差嵌められた、歯車室を側方で制限し
   て内側の端面３０によつて歯車２４，２６用のス
   ラスト軸受けを形成する閉鎖ブシユ２８と、それ
   ぞれ１つの閉鎖ブシユ２８内に差嵌められた、そ
   れぞれの軸２０，２２用のそれぞれ１つのラジア
   ル軸受けを形成する支承ブシユ３６と、側方でケ
   ーシング１２に固定された、支承ブシユ３６と共
   に閉鎖ブシユ２８を軸方向で外向きの移動を防止
   して支持するケーシングカバー１６とを有してい
   る形式のものにおいて、それぞれのケーシングカ
   バー１６と、隣接する閉鎖ブシユ２８との間に保
   持リング４０，４１が配置されており、該保持リ
   ング４０，４１がケーシングカバー１６とは無関
   係に軸方向で外向きの移動を防止されてケーシン
   グ１２に支持されておりかつ前記保持リング４
   ０，４１に、隣接する閉鎖ブシユ２８が固定され
   ており、更に閉鎖ブシユ２８の軸方向で内側の端
   部に、所属の支承ブシユ３６の内側の端部に係合
   するそれぞれ１つのつば３４が設けられているこ
   とを特徴とする歯車機械。 ２ それぞれの保持リング４０，４１が内側の円
   筒面４２を有しており、該円筒面４２によつて保
   持リング４０，４１が隣接する閉鎖ブシユ２８の
   相応した外側の円筒面４４において定心されてい
   る特許請求の範囲第１項記載の歯車機械。 ３ それぞれの保持リング４０，４１が隣接する
   支承ブシユ３６の軸方向で外側の端部に係合して
   いる特許請求の範囲第１項又は第２項記載の歯車
   機械。 ４ 保持リング４０が外側の円筒面４６を有して
   おり、該円筒面４４において、隣接するケーシン
   グカバー１６が相応した内側の円筒面４８によつ
   て定心されている特許請求の範囲第２項又は第３
   項記載の歯車機械。 ５ 歯車機械であつて、歯車室を形成するケーシ
   ング１２と、歯車室を貫通してのびる、該歯車室
   内でそれぞれ１つの歯車２４，２６を支持する少
   なくとも２本の平行な軸２０，２２と、ケーシン
   グ１２内に差嵌められた、歯車室を側方で制限し
   て内側の端面３０によつて歯車２４，２６用のス
   ラスト軸受けを形成する閉鎖ブシユ２８と、それ
   ぞれ１つの閉鎖ブシユ２８内に差嵌められた、そ
   れぞれの軸２０，２２用のそれぞれ１つのラジア
   ル軸受けを形成する支承ブシユ３６と、側方でケ
   ーシング１２に固定された、支承ブシユ３６と共
   に閉鎖ブシユ２８を軸方向で外向きの移動を防止
   して支持するケーシングカバー１６とを有してい
   る形式のものにおいて、それぞれのケーシングカ
   バー１６と、隣接する閉鎖ブシユ２８との間に保
   持リング４０，４１が配置されており、該保持リ
   ング４０，４１がケーシングカバー１６とは無関
   係に軸方向で外向きの移動を防止されてケーシン
   グ１２に支持されておりかつ前記保持リング４
   ０，４１に、隣接する閉鎖ブシユ２８が固定され
   ており、更に閉鎖ブシユ２８の軸方向で内側の端
   部に、所属の支承ブシユ３６の内側の端部に係合
   するそれぞれ１つのつば３４が設けられており、
   同じ側に配置された保持リング４０，４１の少な
   くともそれぞれ１つと、隣接する閉鎖ブシユ２８
   との間に少なくともそれぞれ１つの嵌込み板５２
   が嵌込まれていることを特徴とする歯車機械。