JPS6343137Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ミツシヨンケースと一体連結したエ
ンジン搭載フレームにエンジンを搭載連結し、エ
ンジン出力軸とミツシヨンケース入力軸とをベル
ト伝動機構で連動連結してある移動農機のエンジ
ン搭載構造に関し、詳しくは、前記エンジンを防
振搭載する構造の改良に関する。

一般にエンジンを防振搭載する構造としては、
複数個の防振ゴムを介してエンジンをフレーム上
に搭載連結するとともに、上下のみならず水平方
向での防振機能を高めるために、防振ゴムの各上
面がエンジン重心に向かうように傾斜させる構造
が採用されている。

しかし、この場合、フレーム側に組付けておい
た防振ゴム上にエンジンを搭載連結するとき、防
振ゴム連結ボルトとエンジン取付座のボルト挿通
孔との位置決めに手数を要するとともに、搭載し
たエンジンを水平に位置調節ができない不都合が
あつた。

この考案は、防振ゴムの上面を傾斜させて防振
機能を高めながら、エンジン搭載位置の位置決め
及び調節を容易に行える搭載構造を提供すること
を目的とするものであつて、冒記構成のエンジン
搭載構造において、前記エンジン搭載フレームに
複数個の防振ゴムを介してエンジンベースを連結
するとともに、その防振ゴムの上面夫々を前記エ
ンジン出力軸の軸心方向から見て前記エンジンの
重心に向かうように傾斜させ、且つ前記エンジン
ベースには水平なエンジン搭載部を形成するとと
もに、このエンジン搭載部とエンジン取付座との
ボルト連結部に前記エンジン出力軸心と直交する
方向の長孔融通を形成してあることを特徴とす
る。

つまり、上面がエンジン重心に向かうように傾
斜した防振ゴム群でエンジンベースを支持して、
このベースにエンジンを搭載したので、上下方向
及びベルト巻掛張力が作用する方向での防振機能
を高く維持してエンジンを搭載支持できるもので
ありながら、防振支持された前記ベース上でエン
ジンを水平に位置調節してエンジン出力軸とミツ
シヨンケースの入力軸との軸心間距離を簡単に調
整でき、適正なテンシヨン状態でのベルト伝動を
行うことが可能となつた。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図は移動農機の一例にあげた乗用型田植機
を示し、操向自在な前車輪１，１を軸支したミツ
シヨンケース２の前部に、このケース２に固着し
たエンジン搭載フレーム３を介してエンジン４が
連結され、前記ミツシヨンケース２から後方に延
出した左右一対の主フレーム５の後端に後車輪
６，６を軸支した後部伝動ケース７が連結され、
更に、前記主フレーム５の後端に固着したフレー
ム８に、苗植付装置９が平行四連リンク機構１０
及び油圧シリンダ１１を介して駆動昇降自在に連
結されている。又、前記エンジン４は横向きに搭
載され、その出力軸１２とミツシヨンケース２の
入力軸１３とがテンシヨン主クラツチ機能を具備
したベルト伝動機構１４で連動連結され、ミツシ
ヨンケース２内で適宜変速された動力がミツシヨ
ンケース２内装の差動変速装置を介して左右前車
輪１，１に伝達されるとともに、変速動力の一部
が伝動軸１５を介して後部伝動ケース７に伝達さ
れたのち、左右の操向クラツチを介して左右後車
輪６，６に夫々伝達され、又、前記ミツシヨンケ
ース２から別途導き出された動力が前記苗植付装
置９の伝動ケース１６に軸伝動されるようになつ
ている。

次に前記エンジン４の搭載構造を第２図乃至第
４図について説明する。

前記エンジン搭載フレーム３は、左右一対の縦
向き側板３ａ，３ａを扁平板状のステー３ｂで連
結して構成されたものであり、側板３ａ，３ａの
後端が前記ミツシヨンケース２の左右外側面にボ
ルト連結されるとともに、ステー３ｂの後端屈曲
部がミツシヨンケース２前面にボルト連結されて
いる。

前記左右側板３ａ，３ａの各外側面上部には、
板材をＬ形に屈曲したブラケツト１７ａ，１７ｂ
が夫々前後一対づつ溶接固定されている。そし
て、前側のブラケツト１７ａは、側方視におい
て、その上面が後方上方に向かうように45゜の傾
斜面に構成されるとともに、後側のブラケツト１
７ｂの上面は逆に45゜前方上方に向かう傾斜面に
構成されている。

そして、これら前後左右のブラケツト１７ａ，
１７ａ，１７ｂ，１７ｂの各傾斜上面に、防振ゴ
ム１８……を介して板金製のエンジンベース１９
が搭載連結されている。

前記防振ゴム１８は短円柱状に成形され、その
上下面に補強板１８ａ，１８ｂが焼付固定された
ものであつて、各補強板１８ａ，１８ｂの上下外
面には連結ボルト１８ｃ，１８ｄが補強板面に対
して直角に立設固着されている。

又、前記エンジンベース１９は、前記防振ゴム
１８……への取付部１９ａが、対応するブラケツ
ト１７ａ，１７ｂの上面と平行な傾斜面となるよ
うに屈曲されるとともに、これから外れた箇所に
水平なエンジン搭載部１９ｂが形成され、このエ
ンジン搭載部１９ｂに前記エンジン４の下部取付
座が載置され、この取付座及びエンジン載置部１
９ｂに亘つて貫通するボルト２０で連結固定され
ている。

そして、エンジン取付座の出力軸突出側に位置
する前後のボルト孔２１，２１はボルト２０の外
径と同径の丸孔に構成されるとともに、これとは
反対側に位置する前後のボルト孔２２，２２はボ
ルト径と同じ前後幅をもつ左右長孔に構成され、
他方、エンジンベース１９側の総てのボルト孔２
３……はボルト径と同じ左右幅をもつた前後長孔
に構成されている。

本考案のエンジン搭載構造は以上のように構成
されたものであつて、エンジン搭載組付けに際し
ては、先ず防振ゴム１８……を総てブラケツト１
７ａ……に取付け、次に、前もつてエンジンベー
ス１９を仮締め装着したエンジン４をエンジン搭
載フレーム３の上方より搬入下降し、防振ゴム１
８……の各ボルト１８ｃ……をエンジンベース１
９の前後の取付部１９ａ……に設けたボルト孔に
挿通してナツトで締上げ固定する。

その後に、エンジン４をベース１９上で前後に
位置調節したのち、エンジン搭載フレーム３とベ
ース１９との間隙Ａからスパナ等の工具を差入れ
てナツトを支持し、ボルト２０の最終締上げを行
うのである。

尚、エンジンベース１９上でエンジン４を前後
調節するための長孔融通は、エンジン４の取付座
側のボルト孔を総て前後長孔にして実施するもよ
い。又、本考案は田植機のみならず、耕耘機、バ
インダー等の移動農機にも適用可能である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る移動農機のエンジン搭載構
造の実施例を示し、第１図は乗用型田植機の全体
側面図、第２図はエンジン搭載部の一部切欠き側
面図、第３図はエンジン搭載部の平面図、第４図
は第２図における−線断面図、第５図は防振
ゴムの縦断面図である。 ２……ミツシヨンケース、３……エンジン搭載
フレーム、４……エンジン、１２……エンジン出
力軸、１３……ミツシヨンケース入力軸、１４…
…ベルト伝動機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ミツシヨンケース２と一体連結したエンジン搭
   載フレーム３にエンジン４を搭載連結し、エンジ
   ン出力軸１２とミツシヨンケース入力軸１３とを
   ベルト伝動機構１４で連動連結してある移動農機
   のエンジン搭載構造であつて、前記エンジン搭載
   フレーム３に複数個の防振ゴム１８……を介して
   エンジンベース１９を連結するとともに、その防
   振ゴム１８……の上面夫々を前記エンジン出力軸
   １２の軸心方向から見て前記エンジン４の重心に
   向かうように傾斜させ、且つ前記エンジンベース
   １９には水平なエンジン搭載部１９ｂを形成する
   とともに、このエンジン搭載部１９ｂとエンジン
   取付座とのボルト連結部に前記エンジン出力軸心
   と直交する方向の長孔融通を形成してあることを
   特徴とする移動農機のエンジン搭載構造。