JPS6342B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は頭髪の毛元部から毛先部へかけて順次
アイロン掛けを行ない髪にカールやウエーブを形
成する元巻用ヘヤーアイロンに関するものであ
る。

頭髪にカールやウエーブを形成するためには、
従来はコールドパーマ液で処理して髪に曲りやす
い性質を付与した後、髪にいくらかの水分と油分
及び粘着性液体を塗布し、多数の円筒形のアミカ
ラーを用いて髪をそのアミカラーに巻き付け、熱
風の出るドライヤーで乾燥させ、次いでアミカラ
ーを取りはずし、得られたカールを櫛でといて必
要なデザインに応じたウエーブ毛に戻すパーマネ
ント技術が行なわれていた。この方法は、現在美
容界で最も普久している方法であるが、アミカラ
ーによる巻作業に多大の時間と労力を要するこ
と、そして得られたカールやウエーブの持続性に
乏しいことなど、更に改善すべき多くの問題点が
残されていた。

一方、コールドパーマ法に代るヘヤーアイロン
によるカールの形成は、短時間で約３倍も長持ち
をする良好な手段であるが、現在のヘヤーアイロ
ンで十分な性能が得られる訳ではなく、特に元巻
アイロン技法は、毛髪の元部から巻いてヒートセ
ツトをする方法であるから、毛根に余分な引張力
をかけずに行なうには高度な技術テクニツクを要
し、その習得は至つて困難であり、そのため特殊
なテクニツクを要しないアイロンの開発がまたれ
ていたのである。

従来の元巻アイロン技法は、毛髪の元部をロツ
ドとグローブで挾み、毛髪に熱を加えながらロツ
ドとグローブの内と外に対して毛髪を滑らせなが
ら毛先へ順次巻込むのであるが、毛髪の種類、例
えば毛髪の滑りの良し悪しや毛髪の長さの差によ
り、ロツドとグローブの間隙を微妙に調整しなけ
ればならず、そこに高度な技術と熟練を要する欠
点があつた。

そこで、本発明者は、ロツド及びグリツプを共
に回転自在とし、ロツドに回転伝導ギヤーを兼ね
る滑り止め溝を設けた回転ヘヤーアイロンを開発
し、先に実開昭58−109401号において提案したの
であるが、その後の検討により、グローブには回
転性がなくともよいこと、ロツドには滑り止め溝
でなくとも摩擦抵抗が大であればよいこと、そし
てロツドの回転方向はアイロン全体の回転方向と
逆回転でありかつ回転数が大であることが必須要
件となることが判明し、更に使い易さに工夫を加
えて、本発明の完成に至つたのである。

以下、図面によつて本発明のヘヤーアイロンを
具体的に説明する。

第１図はロツド中心型の最も使いやすいタイプ
のヘヤーアイロンを示す斜視図である。ロツド１
とグローブ２の動きは従来のアイロンと同様鋏状
であるが、全体の構造は著しく異なる。すなわ
ち、ロツド１にはその表面をローレツト加工又は
セレーシヨン加工等で滑り止めを施し、内部にヒ
ーターが備えてあり、このロツド１とそれに連続
するロツド基部３とが直続状であり、別にロツド
ハンドル４が設けられている。そして、従来はグ
ローブ２とグローブハンドル５とがグローブ支点
６により単に鋏状に開閉するのみであつたのを改
良して、グローブ支点６を図に示すようにメタル
７に設け、グローブ２とグローブハンドル５を連
結するグローブ支幹８を輪状に形成したのであ
る。これはメタル７内でロツド１及びロツド基部
３とが自由回転状態で支持するためであり、ま
た、メタル７にはロツドハンドル４の支持アーム
９と中間ギヤ支持アーム１０とが設けられ、ロツ
ドハンドル４の回転をロツドハンドルギヤ１１、
中間ギヤ１２、そしてロツドギヤ１３と順次伝達
してロツドハンドル４の回転方向と同じ回転方向
にロツド１を回転させるようにしている。第１図
において、ロツドハンドル４を左方向に回転させ
ながら、ヘヤーアイロン全体を右方向に回転させ
て毛髪の元巻技法に適応させるのである。この型
はグローブ２をロツド１に接近させて閉じた状態
では、ロツドハンドル４とグローブハンドル５と
がロツド基部３より等距離となるロツド中心型で
あるので、ヘヤーアイロンの回転操作が容易とな
り作業が極めてしやすく、疲労の少ないものとな
つている。

なお、ロツド１中のヒーターは断線の心配がな
いセラミツクヒーターであり、ICコントロール
により、約100〜180℃に温度設定が自由になされ
ているので、毛髪の損傷がなく、かつヒートセツ
トも長持ちすることとなり、このヒーターと本発
明の装置と合体して、元巻技法に最適なヘヤーア
イロンになし得たと云える。

第２図は回転ローラ型のグローブを示す図であ
つて、グローブ支幹８からの軸１４の基部と先端
にメタル１５，１６を設け、その間にグローブロ
ーラ１７を自由回転状態に設けている。この回転
ローラ型グローブは、本発明では必ず要るもので
はないが、第１図の円弧型に代えて使用しても十
分な効果が得られる。しかし、熱伝導の点では円
弧型の方が好ましいようである。

第３図は十手型ヘヤーアイロンに本発明の構造
を備えた例であり、この場合は伝導ギヤを使うこ
となく直接的にロツドハンドル４の回転をロツド
１に伝える一体型である。グローブ２とグローブ
ハンドル５のメタル７への取付構造は第１図に示
すロツド中心型と同様である。

第４図は従来のヘヤーアイロンにより元巻技法
で毛を巻きつけた状態を示す図で、頭皮面１８に
櫛１９を当て、櫛１９に添つて毛元部２０をロツ
ド１とグローブ２で無理なテンシヨンを加えない
ように矢印方向へアイロン全体を回転させて巻付
けるのであるが、ロツド１が固定であるため、毛
先をロツド１とグローブ２の間で摺動させながら
ヒートセツトをしなければならない。そのため、
毛を１回半位巻くとロツドとグローブの間で毛や
締付けられて毛元部２０へ異常な力がかかりアイ
ロン自体が回らなくなる。その結果、毛の巻取り
寸法が限定され、毛先２１までカールさせること
のできないものであり、図示の状態が限度であ
る。しかも、ヒートセツトされた毛（図の太線部
分）とされない毛（図の細線部分）とが交互に逆
の流れとなり、毛のキユーテイクル（うろこ）を
逆なですることになり、ますますすべらなくなる
し、半分はヒートセツトされないので、グローブ
外面にヒートセツトされないものが残り、全体と
して良好なセツトができなかつたのである。

本発明のヘヤーアイロンを用いた場合の元巻技
法による毛の巻き具合は第５図に示すところで、
図でアイロン全体は従来と同じように右回りに掌
内で回転させるのであるが、同時に前記第１〜３
図にみられるように、ロツドハンドル４とロツド
１とが一体に逆回転するので、図の矢印のように
ロツドが左回転をし、毛元部２０の毛をロツド１
とグローブ２で挾んでも、毛先２１方向の毛をロ
ツドの回転で強制的にたぐり寄せて順次ヒートセ
ツトされた毛がグローブを締付けることなく外側
へ浮いた状態で緩く巻かれるので、巻き抵抗が全
くなく、毛先まで長い毛のすべてが無理なく、し
かも確実にヒートセツトされるのである。

このためには、アイロン本体の掌内での回転数
よりもロツドの回転数の方が大でなければならな
いのである。通常、ロツドハンドル４の直径を20
mmとし、ロツドハンドルギヤ１１とロツドギヤ１
３とのギヤ比が１：１であり、ロツドハンドル４
とグローブハンドル５とを掌内で握つて回転させ
ると、アイロン本体１回転に対してロツドは約
1.8〜２回転する。このような条件にすると、第
５図に示すような好ましいカールが楽に形成でき
る。また、長い毛の毛元まで巻き込むときは、後
になるほどロツドの回転比を大にしなければなら
ないことになる。

以上詳述したように、本発明の元巻用ヘヤーア
イロンは、アイロンを掌中で回転させた際にロツ
ドハンドルとロツドが一体に回転し、かつその回
転方向がロツドと逆で回転比をも大としたため
に、毛元部から毛根を引張ることなく毛先部の毛
を順次強制的に巻き込むので、元巻技法に最適の
ヘヤーアイロンとなつたのである。すなわち、本
発明のヘヤーアイロンを用いることにより、毛を
傷めることなく、従来の２〜３倍も長持ちする良
好なカールやウエーブを短時間で熟練を要するこ
となく実施できるなど、数々の優れた効果が得ら
れたのである。

【図面の簡単な説明】

第１図はロツド中心型ヘヤーアイロンの斜視図
であり、第２図はグローブの他の実施例を示す部
分斜視図であり、第３図は十手型ヘヤーアイロン
の斜視図である。第４図は元巻技法によりヘヤー
アイロンに巻付いた毛の状態を示す従来説明図、
第５図は同本発明説明図である。 １……ロツド、２……グローブ、３……ロツド
基部、４……ロツドハンドル、５……グローブハ
ンドル、６……グローブ支点、７……メタル、８
……グローブ支幹、１１……ロツドハンドルギ
ヤ、１２……中間ギヤ、１３……ロツドギヤ、２
０……毛元部、２１……毛先。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 内部にヒーターを備えたロツドとそれに連続
   するロツドハンドル、及びグローブとそれに連続
   するグローブハンドルとが、グローブ支点で鋏状
   に開閉するヘヤーアイロンにおいて、前記ロツド
   がロツドハンドルと一体に回転するようグローブ
   支点をメタル支持とし、かつロツドの回転方向は
   アイロン本体の掌内での回転方向と逆であると共
   にロツド回転数をアイロン本体回転数より大とし
   たことを特徴とする元巻用ヘヤーアイロン。