JPS6342760Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案はビデオテープレコーダにおけるシヨー
トリワインド方式のつなぎ撮り回路に関する。

(ロ) 従来技術 家庭用のビデオテープレコーダ（VTR）、例え
ばβ方式，VHS方式における簡易編集方法とし
てシヨートリワインド方式のつなぎ撮りがある。
これは記録状態からポーズ状態とすると、少しテ
ープを巻戻した状態で待機し、次に記録を開始す
る場合、一旦再生状態となり（以下つなぎ撮り再
生と呼ぶ）、新たに記録する映像信号の垂直同期
信号と既に記録された部分のコントロール信号と
の位相を合せた上で記録状態となる方式である。

この為、つなぎ撮り再生時には、通常の再生時
に回転ヘツドが再生コントロール信号と一定の関
係となる様に制御されるのに対し、回転ヘツドは
新たに記録しようとする映像信号の垂直同期信号
に同期して回転し、キヤブスタンは同じく垂直同
期信号と再生コントロール信号との位相比較出力
により位相制御される。

従い、既に記録されたコントロール信号と新た
に記録しようとする映像信号に基づくコントロー
ル信号の位相が一致し、つなぎ目部分を再生した
場合でも画像が乱れることがなくなる。このシヨ
ートリワインド方式のつなぎ撮りは周知なので、
これ以上の説明は省略する。

一方、VTRでは特殊再生時の画質向上等の目
的でトラツクピツチよりも巾広のヘツドで記録再
生を行なつている。たとえばβ方式ではトラツク
ピツチがβモード時29μm、βモード時19μm
であるのに対し、ヘツド巾は33μmとなつており
記録時には重ね記録が為される。βモードにお
ける状態を第１図に示してある。すなわち、記録
時にはテープ走行速度に依存するピツチでトラツ
クが形成されて行く。図の如くトラツクのＡ側の
端とヘツドの端とが一致する様にヘツドＢがテー
プTa上を走査する。再生時には既に記録された
トラツクのセンターとヘツドＣの巾方向のセンタ
ーとが一致する様にヘツドＣがテープTa上を走
査する（第１図ヘツドＣ参照）この様にするのは
ヘツドトレースの誤差等を補償し、常にヘツドが
トラツクをカバーする様に為す目的からである。
尚、矢印Ｄはテープ走行方向、矢印Ｅはヘツド回
転方向である。

この様な巾広ヘツドを使用する場合、前術のシ
ヨートワインド方式のつなぎ撮りではつなぎ目部
分の画質が低下するという問題が生じる。すなわ
ち第２図に示す様につなぎ撮り再生の状態では既
に記録されたトラツクＴのセンターとヘツドセン
ターが一致する様テープ上走査する。そしてつな
ぎ撮り再生から記録状態にVTRが変わると、ト
ラツクとヘツドの関係はそのままに新たに記録し
たい映像信号が記録される為に、つなぎ撮り再生
から記録に変わる直前のトラツクT′の巾が7μm
削られてしまうことになり、つなぎ目を再生した
時に画質が低下する。

(ハ) 考案の目的 本考案は上記の点に鑑み為されたものであり、
つなぎ目部分の画質が向上するつなぎ撮り回路を
提供することを目的とする。

(ニ) 考案の構成 本考案はつなぎ撮り再生における再生コントロ
ール信号の遅延量を通常の再生における遅延量と
は異ならしめることを特徴とするシヨートワイン
ド方式のつなぎ撮り回路である。すなわち、ヘツ
ドの走査位置は再生コントロール信号に基づいて
決定されるからである。

(ホ) 実施例 以下、図面に従い本考案の一実施例について設
明する。第３図は実施例の回路ブロツク図であ
る。

図において、１はコントロール信号を記録、再
生するコントロールヘツド、２は記録／再生の第
１切換スイツチ、３はサブトラツキングモノマル
チ、４はトラツキングモノマルチ、５はゲートパ
ルス発生回路、６は第２切換スイツチ、７はサン
プル／ホールド回路、８はキヤプスタンモータ駆
動回路、９はキヤプスタンモータ、１０はキヤプ
スタンモータの回転検出手段（FG検出）、１１は
ゲートパルス発生器からのパルスでリセツトされ
る分周器、１２は記録しようとする映像信号の1/
２分周信号を入力する端子、１３は基準信号（30
Hz）の入力端子である。尚、切換スイツチ２，６
その他において、ｐは通常再生、EPはつなぎ撮
り再生、Ｒは録画を示す。また各スイツチはシス
テムコントロール回路からのコントロール信号に
よりて制御されるものである。

トラツキングモノマルチ４の準安定期間は可変
抵抗VR₁により変更可能であり、通常の再生時に
はこの可変抵抗VR₁を調整することにより再生コ
ントロール信号の遅延量を変化させ、再生画像を
調整する。サブトラツキングモノマルチ３はいわ
ゆるこのトラツキング調整の為に再生コントロー
ル信号の所定の遅延量を与えるものである。

従来のつなぎ撮り回路においては、つなぎ撮り
再生時における再生コントロール信号の遅延量
が、通常の再生のそれと同じである為に前述の欠
点が生じた。そこで本考案ではつなぎ撮り再生に
おける再生コントロール信号の遅延量を通常再生
時と異ならしめる。そのためサブトラツキングモ
ノマルチ３の時定数を時定数切換回路１４で変更
している。すなわち通常再生時にはスイツチ１５
がＰ側となりTrがオンで可変抵抗VR及びコンデ
ンサＣにより時定数が決定され、つなぎ撮り再生
においてスイツチ５がEP側となりTrはオフで直
列に抵抗Ｒが付加され、時定数は長くなる。

従つて、つなぎ撮り再生においては通常再生の
タイミングよりも遅れたタイミングでゲートパル
スが発生し、サンプルホールド回路７に供給され
る。そしてサンプルホールド回路７の出力でキヤ
プスタンモータ９が位相制御される。よつて、つ
なぎ撮り再生時には映像用のヘツドの走査は記録
時と同じとなり、VTRが記録状態に切換つた時
（たとえば一定時間のつなぎ撮り再生の後）、つな
ぎ目のトラツクが削られることがない。

記録状態になつた後は、あらかじめ再生コント
ロール信号に同期されていたFG信号の分周出力
により、キヤプスタンモータの位相制御が為され
る。尚、通常再生時、つなぎ撮り再生における要
部波形については第４図に示してある。第４図イ
は通常再生時の波形図、ロはつなぎ撮り再生にお
ける波形図である。

尚、つなぎ撮り再生における遅延量を異ならし
める手段としては、実施例に限らず、例えばサブ
トラツキングモノマルチの時定数を切換る構成も
考えられる。さらに切換回路の構成も図示のもの
に限定されるものではない。

(ヘ) 考案の効果 本考案によれば上述の如く、つなぎ撮りのつな
ぎ目における画質を改善し、実用的である。

【図面の簡単な説明】

第１図は記録時と再生時の走査跡を示す説明
図、第２図はつなぎ撮りにおける同じく説明図、
第３図は本考案一実施例の回路ブロツク図、第４
図イ，ロは要部波形図である。 主な図番の説明、３，４……モノマルチ、１４
……時定数（遅延量）切換回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トラツクピツチよりも巾広の記録再生ヘツドを
   用いるビデオテープレコーダのシヨートリワイン
   ド方式つなぎ撮り回路において、キヤプスタンモ
   ータの位相制御を行なう回路に供給する再生コン
   トロール信号の遅延量をつなぎ撮り再生時と通常
   再生時とで異ならしめる時定数切換回路を備える
   ことを特徴とするつなぎ撮り回路。