JPS6342386Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は段差を有する複数の回路基板を接続す
る構造に関するもので、例えば２個のケースに別
別に収納されているモジユールの電子回路を電気
結合するための接点部材を有する電子腕時計等に
使用される段差を有する２枚の回路基板間の接続
構造に関するものである。

従来、腕時計は１個のケースに電池、IC、水
晶、輪列、液晶表示装置等を全て収納していた
が、多機能化されるに従い、特にデジタル時計に
於ては液晶表示装置の表示内容が増加し、この解
決手段として、液晶表示部をワイド化したり、２
層に構成して切換表示する等の方法を採用してき
た。

しかし、腕時計ケースに於ける表示面積は狭く
それ以上に拡大することは不可能であるし、電池
についても消費電力の増加により大型化の要求が
されているが、従来の時計構造に於ける大型電池
の使用はデザイン的に不利となる。

すなわち上記のようなスペース上の問題は、腕
時計を厚く、大きくすれば解決するが、デザイ
ン、携帯性から見るとマイナス面が多く、現状で
は実現困難である。この問題を解決するための手
段として、第１図に示すごとく、アナログ・モジ
ユールとデジタル・モジユールとを夫々独立のケ
ースに収納することが提案されるようになつた。

本考案は上記のアナログ・モジユールとデジタ
ル・モジユールの夫々の電子回路を、高い信頼性
を有し、且つ廉価に電気結合することを目的とし
たもので、段差を有する２枚の回路基板間の安価
で信頼性の高い接続構造を提供するものである。

以下図面に基づき本考案の電子腕時計の接続構
造の実施例を説明する。

第１図は一般的な電子腕時計の平面図及び側面
図であり、アナログ・ケース１０とデジタル・ケ
ース２０は蝶番継手（図示せず）でジヨイントさ
れている。

第２図は従来構造による第１図の電子腕時計の
接続部を示す要部断面図であり、アナログ表示
部、輪列、電源モータ等（図示せず）を収納した
アナログ・モジユール１１とデジタル表示部を収
納したデジタル・モジユール２１と、夫々のモジ
ユールの電子回路を電気結合するための回路基板
３１を示したものである。

１２はICでアナログ・モジユール１１及びデ
ジタル・モジユール２１の駆動回路であり、アナ
ログ・モジユール１１側の回路基板１３に実装さ
れている。２２はデジタル表示装置であり、導電
ゴムコネクタ２３により、前記回路基板３１と電
気的接続を行なつている。該回路基板３１はアナ
ログ・モジユール１１側の回路基板１３と部分的
に重ね合わせて配置されて、回路基板１３の配線
パターン１３ａと回路基板３１の配線パターン３
１ａは、アナログ・モジユール１１側のコネクタ
押エ部材１４の一部に設けられたコネクタ収納部
１４ａに収納された断面Ｌ字形の導電ゴムコネク
タ１５により電気的接続を行なつている。

第３図は前記第２図の導電ゴムコネクタ１５の
断面形状を示している。該断面Ｌ字形の導電ゴム
コネクタ１５は、互いに同一面側に配線パターン
を有する２枚の回路基板を部分的に重ね合わせて
配置し、この２枚の回路基板間を接続するときに
用いられているものである。このような異形々状
を有するコネクタでも大きさが大きければ製造も
比較的容易に行なわれコストも安くおさえること
ができるが、腕時計の様な超小型電子部品用とし
ては、加工手段がかぎられ、且つ精度的にも歩留
りが悪く非常に高価なものとなつてしまう。

第４図は従来の導電ゴムコネクタの他の例を示
す断面図である。断面Ｌ字形導電ゴムコネクタ１
５の代替品として、コストダウンを目的に考案さ
れた導電ゴムコネクタであり、絶縁性ゴム１６ａ
をベースとして薄板導電ゴムコネクタ１６ｂを接
着したものであり、大型コネクタとしては多く用
いられているが、やはり超小型となると矩形断面
の導電ゴムの７〜10倍と高価なものとなつてしま
うものである。

第５図は本考案における接続部の要部断面図で
あり、第２図と同一番号は同一部材を示してい
る。

アナログ・モジユール１１側の回路基板１３
と、デジタル・モジユールとアナログ・モジユー
ルを接続する回路基板３１とは、互いに上面側に
配線パターン１３ａ，３１ａを有し、部分的に重
ね合わせて配置されている。コネクタ押エ部材３
４のコネクタ収納部３４ａは、前記２枚の回路基
板１３，３１を重ね合わせた段差と略同一形状の
段差部３４ｂを備え、断面矩形状の導電ゴムコネ
クタ１７を回路基板間の段差位置に載置するとと
もに、該導電ゴムコネクタ１７を前記コネクタ押
エ部材３４の段差部３４ｂにて押圧変形させて固
定することにより、前記２枚の回路基板１３，３
１上の配線パターン１３ａ，３１ａを電気的接続
せしめる接続構造である。

第６図は本考案に用いた導電ゴムコネクタの形
状を表した斜視図であり、従来デジタル時計等で
多く用いられている廉価な断面が矩形状の導電ゴ
ムコネクタ１７であり、１７ａは絶縁部、１７ｂ
は導電部である。

以上述べた如く本考案に於いては、それぞれの
上面側に配線パターンを有する回路基板間の接続
構造として、従来の廉価な断面矩形状の導電ゴム
を用い、且つ重ね合わせた回路基板の段差と略同
一形状の段差部をコネクタ押エ部材にもうけ、該
段差部で前記導電ゴムコネクタを押圧変形するこ
とにより、高い信頼性がえられ、非常に廉価な接
続構造が提供できるものであり、将来の電子時計
の種々なバリエーシヨンに対応するための回路基
板接続構造として電子時計の発展に寄与するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図はアナログ・モジユールとデジタル・モ
ジユールを夫々独立のケースに収納した一般的な
電子腕時計を示し、第１図ａは平面図、第１図ｂ
は側面図、第２図は第１図の電子腕時計の接続部
の従来構造を示す要部断面図、第３図は第２図に
於る従来例、第４図は第２図における他の従来例
であるＬ字形導電ゴムコネクタの断面図、第５図
は本考案の電子腕時計における回路基板間の接続
部を示す要部断面図、第６図は本考案に用いた断
面矩形状の導電ゴムコネクタの斜視図である。 １０……アナログ・ケース、２０……デジタ
ル・ケース、１４，３４……コネクタ押エ部材、
１５……Ｌ字形導電ゴムコネクタ、２２……デジ
タル表示装置、１７……導電ゴムコネクタ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 各々上面側に配線パターンを有する２枚の回路
   基板を部分的に重ね合わせて配置し、前記２枚の
   回路基板間のパターンを接続する基板間の接続構
   造に於いて、断面矩形状の導電ゴムコネクタと、
   前記２枚の回路基板を重ね合わせた段差と略同一
   形状の段差部を備えたコネクタ押エ部材とを設
   け、前記回路基板間の段差位置に載置した導電ゴ
   ムコネクタを、前記コネクタ押エ部材の段差部に
   て押圧固定することにより前記２枚の回路基板上
   の配線パターンを接続したことを特徴とする段差
   を有する基板間の接続構造。