JPS6341402Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は特に仮撚機用に使用される紙管の改良
に関するもので、高速編機、織機に供給される糸
条を捲装する糸巻二重紙管に関するものである。

一般に糸巻紙管の糸取りに関しては、捲装糸条
が紙管の端面近傍に接触する場合には糸条に抵抗
を感じ、次工程の織・編機に一様な張力および糸
条の収束状態で糸条の供給が因難な場合があるの
で、紙管製作の際に長尺粗管を必要寸法に切断
し、端面近傍部を円滑にするためにＲ取り（角取
り）加工を行なうが、次工程がより高速にて糸取
りを要求する場合には、なお不完全の場合が多
い。

その欠点を排除するために、紙管の端面を先曲
げし、糸取りの抵抗を少なくすることが度々実施
されている。

また、紙管より糸取りを高速に行なう場合には
紙管の取付方向が問題となり、これを下方に傾け
て、糸取り抵抗を減少する方法がとられている。
このためには紙管の構造を考慮しなければならな
い。

そこで、本考案は一端部を内側に折曲げた内外
紙管を、その折曲部を外側にして圧入嵌着し、そ
の内側紙管の折曲部によつて糸取り用クリルに引
掛けてクリルが傾斜状態となつても該クリルより
滑り落ちることのない糸巻二重紙管を提供するに
ある。

次に、本考案の実施例を示す図面にしたがつて
説明する。

図中、符号１は外筒紙管で、この外筒紙管１の
一端部は内側に折曲げられた折曲部１ａが形成さ
れている。２は内筒紙管で、この内筒紙管２にも
その一端部を内側に折曲げた折曲部２ａが形成さ
れ、さらにこの紙管２の表面には溝加工やエンボ
ス加工等の凹凸加工紙２ｂが貼付されている。

上記の内外筒紙管２，１を第１図に示す状態よ
り第２図に示すように、外筒紙管１の折曲部１ａ
が一端開口部側に、内筒紙管２の折曲部２ａが他
端開口部側に位置するように嵌挿する。この嵌挿
圧入時に内筒紙管２に貼付した加工紙２ｂの表面
凹凸部は圧入抵抗により変形し乍ら潰され、両紙
管１，２は強力に結合される。外筒紙管１の折曲
部１ａの内径ｄおよび両紙管１，２の長差ｌは、
紙管への糸条４捲取時に嵌着するワインダ側の取
付部によつてその寸法を規定すす。

上記のように構成したので、その使用例を第３
図において説明すると、糸取り用のクリル３の中
間部引掛具３ａに、二重紙管の内筒紙管２の折曲
部２ａを懸架させ、糸条捲装済まで紙管が落下す
ることがなく、糸取りが最後まで行なわれるので
ある。

なお、上記内外筒紙管２，１の結合をより一層
強固にするために、内筒紙管２の凹凸加工紙２ｂ
表面に接着剤を塗布したり、ゴム輪を嵌めて圧入
する場合もあり、また凹凸加工紙２ｂを貼着する
ことなく、ゴム輪のみを嵌めて圧入嵌合してもよ
い。

以上のように本考案の糸巻二重紙管は、外筒紙
管１および内筒紙管２の一端部を内側に折曲げて
折曲部１ａおよび２ａを形成し、この折曲部１
ａ，２ａを外側にして上記両紙管１，２を圧入嵌
着したものであるから、内側紙管２の折曲部２ａ
をホルダー棒に容易に装着することができ、ホル
ダー棒が下方傾斜状態であつても離脱することが
なく、従つて高速編・織機に対応できるのであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
その組立前の断面図、第２図はその組立後の断面
図、第３図は使用時の状態を示す説明図である。 １……外筒紙管、２……内筒紙管、１ａ，２ａ
……折曲部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外筒紙管１および内筒紙管２の一端部を内側に
   折曲げて折曲部１ａおよび２ａを形成し、この折
   曲部１ａ，２ａを外側にして上記両紙管１，２を
   圧入嵌合したことを特徴とする糸巻二重紙管。