JPS634077Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、荷崩れし易い物や破損し易い物等の
荷役作業に有効なフオークリフトにおけるロード
スタビライザに係り、詳しくは押え板による積荷
の押え力を調整するための装置に関する。

従来、フオークリフトにおけるロードスタビラ
イザの押え板による押え力の調整は、油圧シリン
ダの内径やピストンロツド径を変更する方式ある
いは油圧シリンダの押え側管路に可変式減圧弁を
組込む方式によつて行われているが、前者の方式
はあくまでも製作に際しての調整に止るものであ
り、一方後者の方式は作業者が自由に調整し得る
もののその範囲には自ずと限界がある。従つて、
荷役対象物が例えばダンボール箱等のように簡単
に破損するような物である場合において、油圧力
をほとんど必要としないような押え力、つまり押
え板の自重程度で荷を押えたいというような要望
があつても前記各方式ではこれに対応することが
できなかつた。

本考案は、上記した従来の欠点を除去すること
を目的としたもので、その要旨とするところは圧
油給排制御用のコントロールバルブと押え板用の
油圧シリンダとをつなぐ押え側管路を、可変式減
圧弁を含む圧力調整管路を介して戻り管路に連絡
する一方、さらに押え側管路には圧力調整管路の
分岐点と油圧シリンダとの間において該押え管路
を戻り管路に連通し得る切換弁を設けたことにあ
る。

以下、本考案を図示の実施例に基づいて具体的
に説明する。まず、第１図に示す実施例について
説明すると、図はロードスタビライザ及びその油
圧回路を示しており、図中１はフオーク、２は該
フオーク１上の荷を上方から押圧する押え板であ
り、油圧シリンダ３によつて上下動される。油圧
シリンダ３は手動操作式のコントロールバルブ４
の切換え操作によつて押え側管路５及び開き側管
路６を通して圧油の給排を制御され、上下方向に
伸縮作動される。なお、コントロールバルブ４は
常には図示の如き中立位置に保持されているが、
この状態では吐出管路７を戻り管路８に導通して
いる。しかして、前記押え側管路５は可変式減圧
弁９を有する圧力調整管路１０によつて前記戻り
管路８と連通されており、このことにより油圧シ
リンダ３の押え側の圧力、つまり押え板２の押え
力は上記可変式減圧弁９によつて適宜に調整可能
となつている。また、押え側管路５中には圧力調
整管路１０の分岐点と油圧シリンダ３との間に手
動操作式の切換弁１１が組込まれており、該切換
弁１１は３ポート２位置形であつて、一方の位置
ａでは押え側管路５を連通し、他方の位置ｂでは
押え側管路５を連通するほか該押え側管路５を戻
り管路８に連通するようになつている。なお、Ｐ
は圧力源、Ｔは油タンク、１２はリリーフ弁をそ
れぞれ示す。

本実施例は上述のように構成したものであり、
従つて切換弁１１を図示の如きａ位置に切換えた
状態では、コントロールバルブ４を押え側へ切換
え操作すれば、圧力源からの圧油が吐出管路７及
び押え側管路５を通つて油圧シリンダ３のロツド
側に給送され、かつヘツド側の圧油が開き側管路
６及び戻り管路８を通つて油タンクＴに排出され
るため、このときの押え板２による荷の押えは可
変式減圧弁９にて設定された圧力で行われる。

一方、切換弁１１をｂ位置に切換えた状態で
は、押え側管路５が戻り通路８にも連通されるた
め、斯かる状態でコントロールバルブ４を上記同
様に押え側へ切換え操作した場合には、圧力源が
油タンクＴと連通され、かつ油圧シリンダ３のヘ
ツド側が油タンクＴと連通されることから、押え
板２は油圧力を受けることなくその自重（ピスト
ンロツド等の重量も含む）によつて下降されるこ
ととなり、従つてこの場合の押え板２による荷の
押えはその自重程度の軽い力で行われる。

次に本考案の他の実施例を第２図に基づいて説
明する。この実施例は圧力調整管路１０の分岐点
と油圧シリンダ３との間において押え側管路５を
連絡管路１３によつて戻り管路８に連絡するとと
もに、この連絡管路１３に２ポート２位置形の切
換弁１４を組込んだものであり、その他の構成は
前述の実施例と同一である。

従つて、この実施例によれば切換弁１４を閉鎖
位置ａ又は開放位置ｂへ切換え操作して押え側管
路５と戻り管路８とを遮断又は連通することによ
つて、前述の実施例と同様に押え板２による荷の
押えを、可変式減圧弁９にて設定された押え力又
は押え板２の自重程度の軽い押え力によつて行う
ことができる。

以上述べたように、本考案によればフオークリ
フトのロードスタビライザにおいて、可変式減圧
弁にて調整し得る範囲での押え力のみならず、押
え板の自重程度の軽い押え力をもつてフオーク上
の荷を押えることができるため、作業者は荷役対
象物の種類に応じて上記の２通りの押え力を適宜
使い分けることにより合理的な荷役作業を行うこ
とができる。また、本考案装置は構造が簡単で既
存のものにも容易に適用することが可能であり、
かつ操作も至極簡便である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はロード
スタビライザ及びその油圧回路を示す説明図、第
２図は他の実施例のロードスタビライザ及びその
油圧回路を示す説明図である。 １……フオーク、２……押え板、３……油圧シ
リンダ、４……コントロールバルブ、５……押え
側管路、６……開き側管路、９……可変式減圧
弁、１０……圧力調整管路、１１，１４……切換
弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 圧油給排制御用のコントロールバルブと押え板
   用の油圧シリンダとをつなぐ押え側と開き側との
   ２系統の管路を有し、前記押え側管路を可変式減
   圧弁を含む圧力調整管路により戻り管路に連絡す
   るとともに、さらに押え側管路には前記圧力調整
   回路の分岐点と油圧シリンダとの間において該押
   え側管路を前記戻り管路に連通し得る切換弁を設
   けたことを特徴とするフオークリフトにおけるロ
   ードスタビライザの押え力調整装置。