JPS6340767B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は体外寄生虫殺虫・殺卵組成物に関す
る。特に本発明は体外寄生虫および（または）そ
の卵に対する活性駆除剤としてアルキルアミン酸
化物を使用することに関し、且つ活性駆除剤とし
て上記酸化物を含み、また乳化剤、発泡剤、およ
び清浄剤のような助剤を含む組成物に関する。 現在では多数の殺虫剤が知られている。しかし
ながら、公知の体外寄生虫殺虫剤のうちには安全
性について心配がもたれているものがあるため、
新しく安全で効果的な物質の研究が最近高まつて
きている。 多くの昆虫は保護鞘翅内に卵を生みつけるので
あるが、この鞘翅は殆んどの殺虫剤に対して堅固
な抵抗力を示す。卵の懐胎期間は成虫のライフサ
イクルから見て比較的長い場合が多い。従つて、
成虫に対してのみ有効な薬剤は、卵が生きている
間持続しなければならず、あるいは連続してふ化
が起る時に薬剤を再塗布しなければならない。 工業上使用可能な殺虫剤は、あるとしてもほん
のわずかであり、また乳化、発泡あるいは清浄用
異種成分によつて保持されるものでなければなら
ない。 アルキルアミン酸化物は有効な体外寄生虫およ
び（または）その卵の駆除剤である、ということ
がわかつた。これらの化合物は公知の物質であ
り、またそれらは乳化性が良いために種々の洗浄
剤および細菌除去剤中に今でも使用されている。
このような多数の薬剤のうちのいくつかは、米国
特許第3296145号、第3484523号、第3929990号お
よび第3943234号に述べられている。ある市販さ
れているシヤンプーの配合は、Ｎ−ステアリル−
Ｎ、Ｎ−ジメチルアミン酸化物を１％含んでお
り、また他の市販シヤンプーにはＮ−ミリスチル
−Ｎ、Ｎ−ジメチルアミン酸化物を２％含んでい
る。米国特許第4033895号は、ラウリル硫酸ナト
リウムを４〜18部、亜鉛ピリジンチオンを0.1〜
４部およびＮ−ステアリル−Ｎ、Ｎ−ジメチルア
ミン酸化物を0.2〜12部含むシヤンプーを開示し
ている。 本発明の目的は体外寄生虫およびその卵に対す
る新しく安全で且つ効果的な駆除剤を提供するこ
とである。さらに本発明の目的は固有の乳化性、
発泡性および洗浄性を有する駆除剤を提供するこ
とである。この駆除剤は活性主成分として単独
で、あるいは他の駆除剤と一緒に使用される。こ
の後者の駆除剤においては、アルキルアミン酸化
物が殺虫および（または）殺卵効果を示すと共に
駆除組成物に対して有益な二次的性質を付与す
る。本発明の上記目的および他の目的は次の詳細
な説明から当業者にとつて明らかになる。 本発明の駆除剤は式

【式】のアルキルア ミン酸化物であり、この式においてＲは８〜20個
の炭素原子を有するアルキル、アルケニルあるい
はアルキルアミドアルキルであり、R′および
R″は個個に低級アルキルあるいはヒドロキシ低
級アルキルであり、あるいはまたモルホリンのよ
うな複素環式基を完成するものである。本発明酸
化物の代表的な例は、Ｎ−ラウリル−Ｎ、Ｎ−ジ
メチルアミン酸化物、Ｎ−ミリスチル−Ｎ、Ｎ−
ジメチルアミン酸化物、Ｎ−ココ−Ｎ、Ｎ−ジメ
チルアミン酸化物、Ｎ−ココ−モルホリンジメチ
ルアミン酸化物、Ｎ−ステアリル−Ｎ，Ｎ−ジメ
チルアミン酸化物、Ｎ−水素化牛脂−Ｎ、Ｎ−ジ
メチルアミン酸化物、Ｎ−牛脂−Ｎ、Ｎ−ビス−
（２−ヒドロキシエチル）アミン酸化物、および
Ｎ−ココアミドプロピル−Ｎ、Ｎ−ジメチルアミ
ン酸化物である。 本発明のこれら酸化物の１つあるいはそれ以上
を活性駆除組成物中に加える。この組成物は、本
発明技術分野における周知の方法により調剤上問
題のない不活性担体と配合されて、液体、粉未、
ローシヨン、クリーム、ゲルあるいはエーロゾル
スプレー、あるいは気泡体の形を取る。シヤンプ
ーおよび身体用石けん液への応用は特に有用であ
る。なぜならば皮ふに対する柔和性、発泡性、洗
浄性および殺虫力のすべてが合体となつているか
らである。上記担体は、水性であろうとなかろう
と活性成分に対して不活性なものであればどれで
も使用可能である。ここで不活性とは、担体が活
性成分の殺虫殺卵効果に対して殆んど妨害作用を
有しないものであることを意味する。配合中には
強い洗浄剤を含ませるべきではない。例えば、上
記の米国特許第4033895号のシヤンプーは前記ア
ルキルアミン酸化物の殺虫有効量を含んでいると
は言えない。なぜならばしらみあるいはその卵に
別な方法で作用し続ける活性残分を除去する傾向
のあるラウリル硫酸ナトリウムがそのシヤンプー
中に存在するからである。 活性酸化物は、駆除処置の必要な、あるいは必
要と思われる、さらにあるいは予防が望まれる動
物あるいは人間の宿主を処置するために使用され
る駆除組成物中に、殺虫殺卵有効量加えられる。
この有効量とは、体外寄生虫の場合24時間以内
に、またその卵の場合２週間以内に少なくとも全
体の50％を殺す量を意味する。駆除有効量を与え
るのに必要な酸化物の最低濃度は、酸化物自体、
使用する不活性担体および存在する他の成分によ
るけれども、かなり広い範囲にわたつている。例
えば、ある場合には10％の濃度で充分であり、他
の場合には駆除有効量を得るために40％もの濃度
が要求されることがある。通常、酸化物は約１〜
25％の濃度で存在し、さらには約10〜20％の濃度
が好ましい。 本発明の酸化物は、別個な殺虫殺卵力を表わす
補薬としても使用される。この補薬の「駆除有効
量」とは駆除率を少なくとも約20％だけ増加させ
る量を意味する。 本発明組成物中の特に望ましい成分は、約５〜
90％、好ましくは約20〜30％の１つあるいはそれ
以上のC₁〜₁₈の脂肪族アルコールであり、例えば
エタノール、イソプロパノール、ペンタノール、
ヘキサデシルアルコール等である。アルコールは
駆除力をかなり高める作用がある。 体外寄生虫が人間の衣じらみである時、標準駆
除試験は次の２分間浸漬試験である。 殺虫力：水道水を50mlビーカーに加え、室温
（約24℃）になるまで放置する。同じ株のコロニ
ーからの同じ年令の若い成虫の雄じらみ10匹と若
い成虫の雌じらみ10匹（ペデイキユラス・ヒユー
マナス・コーポリス）（Pediculus humanus
corporis）を、２×２cmの目の荒いパツチ（小さ
い布切れ）の上に置く。室温に保持した試験用試
料を振盪して均一にし、50mlビーカーに入れる。
その後ただちに上記パツチを試料中に入れ、２分
間浸漬させた後取り出して、ただちに上記水道水
の入つたビーカーに投げ入む。次にこのパツチを
10秒ごとに激しく撹拌し、１分経過後にパツチを
取り出し、ペーパータオル地の上に置く。次にし
らみを４×４cmの黒いコール天生地パツチに移
し、この時点をゼロ時間とする。その後、このコ
ール天パツチをペトリ皿に入れ、ふたをして30℃
の恒温室に保存する。 殺卵力：年令が５〜10日の雌の成虫しらみ15匹
（ペデイキユラス・ヒユーマナス・コーポリス）
（Pediculus humanus corporis）を、ペトリ皿内
の２×２cmナイロン網目パツチの上に置き、ふた
をして30℃の恒温器に24時間保持する。次に成虫
しらみを除去し、パツチ上の太つたふ卵可能な卵
と、しなびて痩せこけた卵の数を記録する。室温
に保持した試験用試料を振盪して均一にし、50ml
ビーカーに入れる。その後ただちにパツチをこの
ビーカーに入れ浸漬させておく。２分後に取り出
し、ただちに室温（約24℃）の水道水の入つた50
mlビーカーに投げ込む。ここでこのパツチを10秒
ごとに激しく撹拌し、１分経過後パツチを取り出
しペーパータオル地の上に１分間放置。次にパツ
チをペトリ皿に入れ、ふたをして30℃のふ卵器中
に保存する。14日後、ふ化した卵と、しなびたあ
るいはふ化しなかつた卵の数を書きとめる。 殺虫および殺卵２分間浸漬試験の両方の場合、
対照標準は上記と同じやり方で実験するが、試験
用試料のかわりに室温（24℃）の水道水を用い
る。 だに駆除力を測定するためには、次の方法を用
いた。 雌雄混合の10匹のだに、プソロプテス・イーク
イ変種クニクリ（Psoroptes equi var.cuni−
culi）を含む、ふたをした顕微鏡用凹部付スライ
ドを、室温に保持した30cm×30cm×30cm（1ft³）
の小室に入れる。このスライドはスプレー装置の
アクチベータに対し水平方向に25.4cm（10イン
チ）離れ、アクチベータの下方10cm（４インチ）
離れて配置され、その後スライドのふたを取る。
スプレー装置のアクチベータの１回の押し下げに
つき50ミリグラムの試料を噴出する。室温に保持
した試験用試料を均一になるまで振盪しスプレー
装置内に置く。試料を充満したアクチベータを２
回押し下げ、密閉小室内に霧状試料を100ミリグ
ラム噴出する。霧状試料が浮遊状態から沈下し落
ち着いた後、取り出し、ふたをする。この時点を
ゼロ時間とする。次にこのふたをしたスライドを
24時間室温に保持する。顕微鏡で観察し、０，
１，３および24時間後の状態を記憶する。水ある
いは稀釈剤を使用して、対照標準を上記と同じ方
法で試験する。 本発明の種々の薬剤の殺虫力および殺卵力を上
記２分間浸漬試験により測定した、駆除率50％
（LC₅₀）および駆除率99％（LC₉₉）の時の酸化物
濃度について、この酸化物をイソプロパノール２
％および全量100％とするに必要な量と混合した
系において測定した。結果は次の表に示されてい
る。

【表】 上記表から理解されるように、ステアリルアミ
ン酸化物が最も有効な殺虫殺卵剤であり、また牛
脂アミン酸化物および水素化牛脂アミン酸化物も
またすばらしい結果を示している。 イソプロパノール25％および全量100％とする
に必要な量の水を含む系における上記標準２分間
試験により、ステアリルアミン酸化物の殺虫殺卵
力を濃度フアクターについて測定した。結果は次
の通りである。

【表】 この酸化剤のだに殺虫率を測定した。アミン酸
化物の15重量％、イソプロパノール25％および水
60％を含む溶液による処理後24時間後の結果は次
の通りであつた。 化 合 物 殺虫率（％） Ｎ−デシル−Ｎ、Ｎ−ジメチルアミン酸化物 100 Ｎ−ラウリル−Ｎ、Ｎ−ジメチルアミン酸化物
100 Ｎ−ミリスチル−Ｎ、Ｎ−ジメチルアミン酸化物
100 Ｎ−ココ−Ｎ、Ｎ−ジメチルアミン酸化物 100 Ｎ−ココモルホリン酸化物 100 Ｎ−ステアリル−Ｎ、Ｎ−ジメチルアミン酸化物
60 Ｎ−水素化牛脂−Ｎ、Ｎ−ジメチルアミン酸化物
100 Ｎ−牛脂−Ｎ、Ｎ−ビス−（２−ヒドロキシエチ
ル）アミン酸化物 30 Ｎ−ココアミドプロピル−Ｎ、Ｎ−ジメチルアミ
ン酸化物 90 Ｎ−ヘキサデシル−Ｎ、Ｎ−ジメチルアミン酸化
物 60 Ｎ−オレイル−Ｎ、Ｎ−ジメチルアミン酸化物
100 次の表は、Ｎ−ステアリル−Ｎ、Ｎ−ジメチル
アミン酸化物（SAO）、トリエタノールアミンラ
ウリン硫酸塩（TEALS）、イソプロパノール
（IPA）および全量100％にするに必要な水を含む
系に基ずく低級アルカノールのしらみ殺虫効果を
示す。

【表】 次の資料は、補助駆除剤、即ち補薬としてアル
キルアミン酸化物を使用した結果を示す。

【表】 次の表は、水の濃度作用についてＮ−ステアリ
ル−Ｎ、Ｎ−ジメチルアミン酸化物（SAO）の
しらみ殺虫殺卵力を示す。

【表】 SAO15％、アルコール25％および水60％のし
らみ殺虫力およびアルコール25％および水75％の
しらみ殺虫力は次の通りである。

【表】 上記の如く、種々の使用目的に合わせた配合を
得ることができる。代表的な例は下記の通りであ
り、例示した量は重量パーセントである。 機械的なスプレー散布あるいは塗擦用にふさわ
しい透明な液体 重量％ Ｎ−牛脂−Ｎ、Ｎ−ビス−（２−ヒドロキシエチ
ル）アミン酸化物 40 イソプロパノール 25 水 35 シヤンプー Ｎ−オレイル−Ｎ、Ｎ−ジメチルアミン酸化物30 エタノール 25 ラウリル硫酸トリエタノールアミン 17 水 28 ローシヨン Ｎ−ステアリル−Ｎ、Ｎ−ジメチルアミン酸化物
15 イソプロパノール 25 キサンタン（Xanthan）ゴム 0.5 水 59.5 だに殺虫ゲル Ｎ−ミリスチル−Ｎ、Ｎ−ジメチルアミン酸化物
15 イソプロパノール 25 カルボキシポリメチレン 0.5 トリエタノールアミン 0.5 水 59 エーロゾル泡沫 Ｎ−ステアリル−Ｎ、Ｎ−ジメチルアミン酸化物
15 イソプロパノール 19 モノステアリン酸グリセリル ８ 水 50 イソブタン ８ 棒 剤 Ｎ−オレイル−Ｎ、Ｎ−ジメチルアミン酸化物30 ステアリン酸ナトリウム ８ ソルビトール 3.5 エタノール 49 水 9.5 クリーム Ｎ−ステアリル−Ｎ、Ｎ−ジメチルアミン酸化物
15 イソプロパノール 20 モノステアリン酸グリセリル ８ ステアリン酸ナトリウム ２ 水 55 種々の変更および修正は、本願発明においてそ
の精神および範囲からずれることなく成し遂げら
れ得る。ここに開示した種々の具体例は、本発明
を明確にするためであつて、発明そのものを限定
するものではない。この明細書を通して、特別な
指示がない限り、温度はすべてセツ氏であり、部
および％は重量に基づいている。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 活性駆除剤および調剤上問題のない不活性担
   体から成る体外寄生虫および／またはその卵を駆
   除する組成物であつて、該組成物が一般式 〔式中、Ｒは炭素数８〜20のアルキル基、アル
   ケニル基またはアルキルアミドアルキル基であ
   り、R′およびR″は低級アルキル基、ヒドロキシ
   低級アルキル基から成る群から選択されたもの、
   あるいはR′およびR″に結合している窒素と共に
   モルホリン基を形成しているものであることを示
   す〕 にて表わされる少なくとも一種のアルキルアミン
   酸化物の駆除有効量を活性駆除剤または補助駆除
   剤として含有して成る組成物。 ２ 上記酸化物が、Ｎ−ラウリル−Ｎ、Ｎ−ジメ
   チルアミン酸化物、Ｎ−ミリスチル−Ｎ、Ｎ−ジ
   メチルアミン酸化物、Ｎ−ココ−Ｎ、Ｎ−ジメチ
   ルアミン酸化物、Ｎ−ココ−モルホリン酸化物、
   Ｎ−水素化牛脂−Ｎ、Ｎ−ジメチルアミン酸化
   物、Ｎ−牛脂−Ｎ、Ｎ−ビス−（２−ヒドロキシ
   エチル）アミン酸化物、およびＮ−ココアミドプ
   ロピル−Ｎ、Ｎ−ジメチルアミン酸化物から成る
   群から選択されて成る特許請求の範囲第１項記載
   の組成物。 ３ 上記酸化物がＮ−ステアリル−Ｎ、Ｎ−ジメ
   チルアミン酸化物である特許請求の範囲第１項記
   載の組成物。 ４ 上記担体が水性担体である特許請求の範囲第
   １項記載の組成物。 ５ 上記アルキルアミンが脂肪族アルコールと共
   に使用されて成る特許請求の範囲第１項記載の組
   成物。