JPS634021B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、内燃機関の始動装置であつて、始動
モータを有し、この始動モータの駆動軸に連行体
スリーブが螺動可能に配置され、この連行体スリ
ーブがフリーホイールを介して始動ピニオンと連
結されており、旋回可能に支承されたシフトレバ
ーを有し、このシフトレバーの一方のフオーク状
端部が連行体スリーブに旋回可能に枢着され、シ
フトレバーの他端部が、電磁スイツチの可動子に
対して長手方向移動可能に配置されたブシユに枢
着されており、このブシユ内に、可動子に固定さ
れたストツパとブシユ底部とに支持された押込み
ばねが取りつけられており、始動後にシフトレバ
ーを休止位置に戻す戻しばねが設けられている形
式のものに関する。

このような形式の始動装置には、始動ピニオン
の歯と回転せしめられる内燃機関のリングギヤの
歯とが合致する位置に始動ピニオンとリングギヤ
とがある場合、可動子をさらに引き込むために電
磁スイツチが比較的高い電磁力を出さなくてはな
らないという欠点がある。

可動子に固定された可動子棒に沿つて摺動可能
に配置されたブシユがフランジを有しており、ブ
シユに支承リングが摺動可能に配置され、この支
承リングの一方の端面に、可動子に支持されかつ
プレロードをかけられた押圧ばねが支持され、支
承リングの他方の端面とブシユのフランジとの間
にシフトレバーの端部が枢着していることを特徴
とする本発明の始動装置には、公知のものと較べ
て次のような利点がある。つまり本発明の始動装
置においては押圧ばねが、始動ピニオンがリング
ギヤと歯と歯で合致した際に、この場合不動の肩
部に支持され、可動子を押し、これによつて電磁
スイツチの引込み力を助成するように配置されて
いる。従つて本発明のように構成することによつ
て、電磁スイツチには銅を節約した小さな巻線を
設けるだけでよい。

次に図面につき本発明の実施例を説明する。内
燃機関の始動装置は、ケーシング２と駆動軸３と
を備えた始動モータ１を有している。駆動軸３に
はねじスプライン式伝動機構が運動可能に配置さ
れている。このねじスプライン式伝動機構は、フ
リーホイール５を介して連行体スリーブ６と連結
されている始動ピニオン４を有している。連行体
スリーブ６は駆動軸３のリード角の大きいねじ山
区分７にかぶさつている。

連行体スリーブ６にはプラスチツク製のブシユ
が押込みスリーブ８とブレーキ円板９として支承
されている。ブレーキ円板９は、ケーシング２の
端面側をおおつている中間支承部材１０と共に始
動モータ１のブレーキを形成している。駆動軸３
は中間支承部材１０を貫いて突出している。

始動モータ１のケーシング２には側方に電磁ス
イツチ１１が組み付けられている。駆動軸支承体
１２はケーシング２の端面側及び電磁スイツチ１
１の端面側に抗張部材１３で固定されている。ケ
ーシング２と電磁スイツチ１１と駆動軸支承体１
２との間にはシール部材１４が取り付けられてい
る。シール部材１４は駆動軸支承体１２の切欠き
内で案内され、同様に駆動軸支承体１２に配置さ
れている支承部材１５に接触している。この支承
部材１５にはシフトレバー１６が旋回可能に支承
されている。シフトレバー１６の片方の端部はフ
オーク状に形成され、このフオーク状の端部１７
は押込みスリーブ８の外周面の設けられた切欠き
内に係合している。

電磁スイツチ１１は可動子１８を有し、この可
動子１８には駆動軸支承体１２内に突入している
可動子棒１９が固定されている。可動子棒１９に
沿つてプラスチツク製のブシユ２０が運動可能に
案内されている。ブシユ２０内には押込みばね２
１が取り付けられている。

押込みばね２１は一端でブシユ２０の底部２２
に支持され、他端で可動子棒１９の端部における
ストツパ円板２３に支持されている。ブシユ２０
はその底部２２で、図面では休止位置で示されて
いる可動子１８の端面２５に設けられた切欠き２
４内に接触している。ブシユ２０の他端部にはフ
ランジ２６が形成されている。ブシユ２０には支
承リング２７が運動可能に配置されている。支承
リング２７と可動子１８の端面２５との間には押
圧ばね２８がプレロードをかけられて取り付けら
れている。押圧ばね２８は、ブシユ２０の周壁に
設けられた環状の肩部２９に向かつて支承リング
２７を押しつけている。シフトレバー１６の上側
の側部区分も同様にフオーク状に構成されてい
る。このフオーク状の端部３０はフランジ２６と
支承リング２７との間においてブシユ２０に側方
で係合している。

内燃機関を始動するために、電磁スイツチ１１
は自体公知の形式で図示されていない電源に接続
される。これによつて可動子１８は電磁スイツチ
１１内に引き込まれる。この場合、押込みばね２
１は可動子１８の切欠き２４及び端面２５にブシ
ユ２０を押しつけているので、フランジ２６がフ
オーク状の端部３０を押すことによつてシフトレ
バー１６は、支承部材１５に設けられた枢着点を
中心にして時計回り方向で旋回せしめられる。こ
の場合シフトレバー１６は、連行体スリーブ６に
摺動不能に取り付けられた押込みスリーブ８を介
して始動ピニオン４とフリーホイール５と連行体
スリーブ６とから成るねじスプライン式伝動機構
を内燃機関のリングギヤ３１に向かつて前進運動
させる。始動ピニオン４の歯とリングギヤ３１の
溝が合致する位置に両者４，３１があると、始動
ピニオン４は直ちに係合する。電磁スイツチ１１
は、同様に自体公知の図示されていない形式で始
動モータ１を電源に接続する。この結果始動モー
タ１は全電流によつて内燃機関を始動する。内燃
機関が始動すると、始動装置は遮断される。始動
ピニオン４はリングギヤ３１から解離し、フリー
ホイール５と連行体スリーブ６と押込みスリーブ
８とか成るねじスプライン式伝動機構は、自体公
知の図示されていない戻しばねによつて休止位置
に戻される。この戻しばねはシフトレバー１６と
可動子１８とを休止位置に戻し、両者を次の始動
過程まで休止位置にとどめる。

前進運動の際に始動ピニオン４の歯とリングギ
ヤ３１の歯とが合致する位置に両者４，３１があ
ると、始動ピニオン４とフリーホイール５と連行
体スリーブ６とねじ山区分７と押込みスリーブ８
とから成るねじスプライン式伝動機構並びにシフ
トレバー１６はさらに運動することができない。
しかしながら電磁スイツチ１１は可動子１８をさ
らに引き込む。この時可動子１８に加えられる電
磁力はプレロードをかけられた押圧ばね２８の機
械的な力によつて助成される。なぜならば、この
間中動かないシフトレバー１６の端部３０は、押
圧ばね２８を支持している支承リング２７のため
のストツパとして働くからである。可動子１８が
引込み運動を行なうと、押込みばね２１は可動子
棒１９とストツパ円板２３を介して圧縮せしめら
れる。可動子１８が始動モータ１のための接続位
置に達すると、始動モータ１は駆動軸３とねじ山
区分７と連行体スリーブ６とフリーホイール５と
を介して始動ピニオン４を始動ピニオン４の歯と
リングギヤ３１の溝とが合致する位置に回動せし
める。ブシユ２０を介してシフトレバー１６に作
用する押込みばね２１の力は、シフトレバー１６
をさらに時計回り方向に旋回せしめ、ねじスプラ
イン式伝動機構を介して始動ピニオン４をリング
ギヤ３１に係合せしめる。

始動過程における電磁スイツチ１１の可動子１
８に対する最大引込み力は、可動子１８が電磁ス
イツチ１１内に引き込まれ押込みばね２１が圧縮
された際に、始動ピニオン４の歯とリングギヤ３
１の歯とが合致する位置にある場合に必要であ
る。始動過程のこの時間中に押圧ばね２８の機械
的な力によつて電磁スイツチ１１の引込み力が助
成されることによつて、電磁スイツチ１１には小
さな巻線を設けるだけでよい。

これによつて、単に押圧ばねを設けるだけで高
価な銅を節約することができ、この結果特に大量
生産における経済的な製作が可能になる。なぜな
らば本発明の構成においては、始動ピニオンとリ
ングギヤとの歯がぶつかつた場合に動かないシフ
トレバー１６と電磁スイツチ１１の可動子１８と
の間に押圧ばねがプレロードをかけられて、同様
に可動子１８に配置された押込みばね２１と共
に、取りつけられているからである。これによつ
て始動装置の全長をさらに短くすることができ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明による始動装置の１実施例を示す
部分縦断面図である。 １……始動モータ、２……ケーシング、３……
駆動軸、４……始動ピニオン、５……フリーホイ
ール、６……連行体スリーブ、７……ねじ山、８
……押込みスリーブ、９……ブレーキ円板、１０
……中間支承部材、１１……電磁スイツチ、１２
……駆動軸支承体、１３……抗張部材、１４……
シール部材、１５……支承部材、１６……シフト
レバー、１７……端部、１８……可動子、１９…
…可動子棒、２０……ブシユ、２１……押込みば
ね、２２……底部、２３……ストツパ円板、２４
……切欠き、２５……端面、２６……フランジ、
２７……支承リング、２８……押圧ばね、２９…
…肩部、３０……端部、３１……リングギヤ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内燃機関用の始動装置であつて、始動モータ
   を有し、この始動モータの駆動軸に連行体スリー
   ブが螺動可能に配置され、この連行体スリーブが
   フリーホイールを介して始動ピニオンと連結され
   ており、旋回可能に支承されたシフトレバーを有
   し、このシフトレバーの一方のフオーク状端部が
   連行体スリーブに旋回可能に枢着され、シフトレ
   バーの他端部が、電磁スイツチの可動子に対して
   長手方向移動可能に配置されたブシユに枢着され
   ており、このブツシユ内に、可動子に固定された
   ストツパとブツシユ底部とに支持された押込みば
   ねが取りつけられており、始動後にシフトレバー
   を休止位置に戻す戻しばねが設けられている形式
   のものにおいて、可動子１８に固定された可動子
   棒１９に沿つて摺動可能に配置されたブシユ２０
   がフランジ２６を有しており、ブシユ２０に支承
   リング２７が摺動可能に配置され、この支承リン
   グ２７の一方の端面に、可動子１８に支持されか
   つプレロードをかけられた押圧ばね２８が支持さ
   れ、支承リング２７の他方の端面とブシユ２０の
   フランジ２６との間にシフトレバー１６の端部３
   ０が枢着していることを特徴とする、内燃機関用
   の始動装置。 ２ ブシユ２０の外周面に肩部２９が形成され、
   この肩部２９に支承リング２７が押しつけられて
   いる特許請求の範囲第１項記載の始動装置。 ３ 連行体スリーブに摺動不能なブシユが位置
   し、このブシユの外周面に切欠きが設けられ、こ
   の切欠き内にシフトレバーのフオーク状の端部が
   係合している特許請求の範囲第１項記載の始動装
   置。