JPS6339386Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、シリンダブロツク上に左右に傾斜し
て立設された左右のシリンダヘツドを有し、オー
バーヘツドカム軸をタイミングベルトで駆動する
ようにしたＶ型エンジンにおけるタイミングベル
トケースの構造に関するものである。

（従来技術） 例えば、実開昭55−172629号公報に示されるよ
うに、エンジンのオーバーヘツドカム軸をクラン
ク軸に連動して駆動するについて、両軸に設けた
プーリにタイミングベルトを掛けて連係し、この
プーリ間にテンシヨナもしくはアイドルプーリを
配設してタイミングベルトに張りを与えて振れを
減少することは公知であり、また、上記タイミン
グベルトへの粉塵、水、油等の付着を防止するた
めに、このタイミングベルトをタイミングベルト
ケースで覆う構造はよく知られている。

しかるに、上記の如き直列型エンジンにおける
タイミングベルトの配設構造を、左右のシリンダ
ヘツドが傾斜してシリンダブロツクに立設されて
いるＶ型エンジンについて採用した場合に、左右
のシリンダヘツドにそれぞれ配設されたオーバー
ヘツドカム軸を駆動する左右のカム軸プーリおよ
びクランク軸に設けられたクランクプーリにそれ
ぞれタイミングベルトを掛けた際に、左右のシリ
ンダヘツド間はＶ型状の空間に形成されているた
め、オーバーヘツドカム軸間におけるタイミング
ベルトに対して配設するアイドルプーリをシリン
ダブロツクもしくはシリンダヘツドに取付けるこ
とはできず、この部分におけるタイミングベルト
ケースの配設と相俟つて構造が複雑化し、部品点
数が増える問題を有する。

（考案の目的） 本考案は上記事情に鑑み、左右のオーバーヘツ
ドカム軸間におけるアイドルプーリの支持構造と
タイミングベルトのカバー構造とを共通化、簡素
化し、部品点数の削減を図つたＶ型エンジンのタ
イミングベルトケースを提供することを目的とす
るものである。

（考案の構成） 本考案のＶ型エンジンのタイミングベルトケー
スは、シリンダブロツク上に傾斜して立設された
左右のシリンダヘツドを有し、各シリンダヘツド
にそれぞれ配設されたオーバーヘツドカム軸をシ
リンダブロツクの一端面において共通のタイミン
グベルトで駆動するようにしたＶ型エンジンにお
いて、左右のシリンダヘツドの一端面に両者間の
Ｖ型空間の谷部をふさぐように支持プレートを取
付け、この支持プレートに上記タイミングベルト
を外方から押圧するアイドルプーリを取付け、タ
イミングベルトの前方を覆うケース蓋体を上記支
持プレート上に延設し、該支持プレートをタイミ
ングベルトケースの一部としたことを特徴とする
ものである。

（考案の効果） Ｖ型エンジンにおける右シリンダヘツドと左シ
リンダヘツドとの間に取付けた支持プレートにタ
イミングベルトを外方から押圧するアイドルプー
リを取付けるとともに、タイミングベルトの前方
を覆うケース蓋体を上記支持プレート上に延設し
てこの支持プレートをタイミングベルトケースの
一部としたことにより、アイドルプーリの支持構
造とケース構造との共通化、簡素化を図つて部品
点数の削減を行い、軽量化、組立工数低減、コス
トダウン等を図ることができる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面により説明する。
第１図および第２図に示すＶ型エンジン１におい
て、２はシリンダブロツク、３および４は該シリ
ンダブロツク２上に左右に傾斜して立設された左
シリンダヘツドおよび右シリンダヘツドを示し、
上記左右のシリンダヘツド３，４にはそれぞれオ
ーバーヘツドカム軸５，６が配設され、この左右
のオーバーヘツドカム軸５，６の一端部にはそれ
ぞれカム軸プーリ７，８が固設され、また、シリ
ンダブロツク２に設けられたクランク軸９の一端
部にはクランクプーリ１０が固設されている。

上記左右のカム軸プーリ７，８およびクランク
プーリ１０には、タイミングベルト１１（歯付ベ
ルト）が掛けられ、左右のオーバーヘツドカム軸
５，６がクランク軸９の回転に連動して駆動され
る。上記タイミングベルト１１には、左カム軸プ
ーリ７とクランクプーリ１０との間に外方からテ
ンシヨナ１２が当接し、また、左右のカム軸プー
リ７，８間および右カム軸プーリ８とクランクプ
ーリ１０との間には外方からアイドルプーリ１
３，１４がそれぞれ当接するように配設されてい
る。

一方、１５は左シリンダヘツド３と右シリンダ
ヘツド４との間のＶ型空間の谷部を覆うように設
けられた支持プレートを示し、第３図ないし第５
図に示すように、この支持プレート１５はその前
面がシリンダヘツド３，４の前面と一致するよう
に、両シリンダヘツド３，４に形成された凹部３
ａ，４ａに装着されて、ボルト１６，１６によつ
て左右のシリンダヘツド３，４に取付けられてい
る。この支持プレート１５には、前記左右のオー
バーヘツドカム軸５，６間に配設されるアイドル
プーリ１３がボルト１７によつて取付けられてい
る。

また、上記シリンダブロツク２およびシリンダ
ヘツド３，４の前面には、タイミングベルト１１
の前方を覆うケース蓋体１８が設置される。この
ケース蓋体１８はその輪郭部１８ａがシリンダブ
ロツク２および左右のシリンダヘツド３，４に形
成された固定部１９にシール材１９ａを介して当
接されて固定される。さらに、上記ケース蓋体１
８は、支持プレート１５の前方にも延設されその
輪郭部１８ａが支持プレート１５の上部輪郭の固
定部１９（シリンダブロツク３，４の固定部１９
と連続している）に一致するように形成され、こ
の支持プレート１５はケース蓋体１８と一体にな
つて、タイミングベルト１１を覆うタイミングベ
ルトケース２０を構成するものである。

なお、図面において、２１はウオータポンプ、
２２はクランク軸９の駆動Ｖ溝プーリ２３と従動
Ｖ溝プーリ２４とに掛けてウオータポンプ２１お
よび冷却フアン２５を駆動するＶベルトをそれぞ
れ示している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例におけるＶ型エンジ
ンをタイミングベルトケース蓋体を外した状態で
示す正面図、第２図はＶ型エンジンの要部縦断面
側面図、第３図は第１図のアイドルプーリ取付部
の正面拡大図、第４図は第３図の−線に沿う
断面図、第５図は第３図の−線に沿う断面図
である。 １……Ｖ型エンジン、２……シリンダブロツ
ク、３，４……シリンダヘツド、５，６……オー
バーヘツドカム軸、７，８……カム軸プーリ、９
……クランク軸、１０……クランクプーリ、１１
……タイミングベルト、１２……テンシヨナ、１
３，１４……アイドルプーリ、１５……支持プレ
ート、１８……ケース蓋体、２０……タイミング
ベルトケース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダブロツク上に傾斜して立設された左右
   のシリンダヘツドを有し、各シリンダヘツドにそ
   れぞれ配設されたオーバーヘツドカム軸をシリン
   ダブロツクの一端面において共通のタイミングベ
   ルトで駆動するようにしたＶ型エンジンにおい
   て、左右のシリンダヘツドの一端面に両者間のＶ
   型空間の谷部をふさぐように支持プレートを取付
   け、この支持プレートに上記タイミングベルトを
   外方から押圧するアイドルプーリを取付け、タイ
   ミングベルトの前方を覆うケース蓋体を上記支持
   プレート上に延設し、該支持プレートをタイミン
   グベルトケースの一部としたことを特徴とするＶ
   型エンジンのタイミングベルトケース。