JPS6338459Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、スリツプシートの位置規制手段に
特徴を有する磁気テープカートリツジに関するも
のである。

周知のように、磁気テープカートリツジは本体
ケース内の左右１対のハブの上下に滑性効果の優
れる１対のスリツプシートを配し、このスリツプ
シートでハブに巻かれる磁気テープを円滑に回転
させるものとなつている。

従来、かかる上下１対のスリツプシートは、一
般に、本体ケースの下ケースからピンを上ケース
内に向けて突設し、そのピンにスリツプシートに
明けた小さい位置決め孔を挿入させて、このシー
トの位置規制を行なつていた。しかし、この方法
ではスリツプシートのピンへの挿入作業性が悪い
ばかりでなく、シートが温湿度の変化に伴い伸縮
した場合、シートのピンとピン間での規制部分が
弛みを起こしたり、破れたりする欠点がある。

この考案は、かかる事実に着目して、上下のス
リツプシートの外周を上下ケースの一方から突設
するシート規制リブに接当ないし近接させてこの
シートの位置規制を講じることによつて、上下ス
リツプシートの組付けの簡易化、およびシートの
伸縮に伴う弛み、破れ防止を図ることを目的とす
るものである。

以下、その詳細を図面に基づき説明する。図面
は上下反転使用される超小型の磁気テープカート
リツジ、いわゆるマイクロカセツトを拡大して例
示している。これの本体ケース１は透明プラスチ
ツク製の上下ケース２，３を蓋合わせ状にねじで
一体結合してなり、中央部の左右に上下貫通状の
駆動軸挿入孔４，４を有し、この軸挿入孔４，４
上にハブ５，５が可回転に装置されている。各ハ
ブ５には磁気テープ６が巻かれ、磁気テープ６は
一方のハブ５から繰出されて本体ケース１の前面
に開口せる消去ヘツド挿入窓７、磁気ヘツド挿入
窓８、ピンチローラ挿入窓９を順に走行して他方
のハブ５に巻取られる。そして、左右１対のハブ
５，５の上下には１対のスリツプシート１０，１
０が配され、このシート１０，１０間で磁気テー
プ６を安定よく円滑に走行させるようになつてい
る。

第４図において、上下の各スリツプシート１０
は、カーボン入りの四ふつ化エチレンシートなど
の打抜成形品で、概ね円形状部を左右対称に連設
した上下、左右対称形のメガネ形状に成形されて
おり、中央にテープ巻量視認窓孔１１を、その左
右に前記駆動軸挿入孔４，４に対応する透孔１
２，１２をそれぞれ開口してある。

磁気テープカートリツジの組付けは、大要、下
ケース３に下側のスリツプシート１０を敷設し、
その上に磁気テープ６が巻かれる左右のハブ５，
５を載置し、次いでその上に上側のスリツプシー
ト１０を載置し、最後に上ケース２を被せて上下
ケース２，３の四隅部をタツピングねじ１３でね
じ結合する仕様となつている。

かかる組付けに際して、上下のスリツプシート
１０，１０は位置決めしてその中央の窓孔１１が
本体ケース１の中央に、左右の透孔１２，１２が
駆動軸挿入孔４，４にそれぞれ上下同心状に位置
するようにしなければならない。そのために、下
ケース３の内面の四隅部からシート規制リブ１４
を上ケース２内面の凹部１５に達する高さにまで
上向きに突設し、上下のスリツプシート１０，１
０の外周、即ち各シート１０の左右の円形外周の
前後２箇所がこれらシート規制リブ１４に接当な
いし近接して位置規制されるようになつている。
更に具体的には下ケース３内の四隅部に前記タツ
ピングねじ１３がねじ込まれるねじ下穴付きのボ
ス１６を立設し、この各ボス１６に前記シート規
制リブ１４がつながる状態で一体に成形されてい
る。

なお、シート規制リブ１４は、上記実施例とは
反対に、上ケース２内の四隅部から下ケース３に
向けて突設してもよい。この場合の磁気テープカ
ートリツジの組付け要領は、上記した組付けの場
合と違えて上下ケース２，３を逆にして組付けて
行けばよい。

この考案は上記構成とするものでり、本体ケー
ス１内の四隅部で上下のスリツプシート１０，１
０の外周に接当ないし近接するシート規制リブ１
４を、上下ケース２，３の一方から他方に向けて
突設したものであるから、これら上下のスリツプ
シート１０，１０は四隅のシート規制リブ１４，
１４間に単に落し込む操作によつて位置規制状態
に組付けられ、これはスリツプシートに明けられ
た小さい位置決め孔を上下ケース側のピンに挿入
する精細な従来作業に比して極めて簡易にかつ能
率的に行なえる。また、そのようにスリツプシー
ト１０の外周のみに対しシート規制リブ１４を接
当ないし近接させる位置規制手段によれば、温湿
度の変化に伴うスリツプシート１０の伸縮変形も
そのシート規制リブ１４，１４間で吸収緩和しや
すくなり、その弛み、破れを防止できるという利
点がある。

また、本体ケース１内の四隅部において、上下
ケース２，３の一方に設けたねじ締結用ボス１６
につながるようシート規制リブ１４を一体に成形
してあるので、該リブ１４を上下ケース２，３の
他方に向けて高く突設しても、前記ボス１６と一
体の該リブ１４はよく補強されて折損等の防止に
有効である。加えてボス１６も前記リブ１４で相
互に補強されているので、ねじ１３のねじ込みで
割れることから良く防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る磁気テープカートリツ
ジの一実施例を示す一部切欠平面図、第２図は第
１図における−線拡大断面図、第３図は第１
図における−線断面図、第４図はそのスリツ
プシートの平面図である。 １……本体ケース、２……上ケース、３……下
ケース、５……ハブ、６……磁気テープ、１０…
…スリツプシート、１４……シート規制リブ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上下ケース２，３を蓋合わせ状にねじ結合して
   なる本体ケース１内の左右に磁気テープ６が巻か
   れるハブ５を有し、そのハブ５の上下にスリツプ
   シート１０を配した磁気テープカートリツジにお
   いて、 本体ケース１を構成する上下ケース２，３を四
   隅部でねじ結合してなり、 本体ケース１内の四隅部において、上下ケース
   ２，３の一方に設けたねじ締結用ボス１６につな
   がるシート規制リブ１４を、上下ケース２，３の
   他方に向けて突設し、 上下のスリツプシート１０，１０の外周が、こ
   れらシート規制リブ１４に接当ないし近接して位
   置規制されるようにしたことを特徴とする磁気テ
   ープカートリツジ。