JPS633786B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、自動車のワイパ装置に関し、特にそ
の不使用時にワイパアーム等を格納するようにし
たものに関する。

（従来の技術） 一般に、自動車のワイパ装置は、その不使用時
にワイパアームやワイパブレード等が車体外面に
露呈したままとした構造が広く採用されている。

しかし、このような構造では、自動車の外観の
見映えが悪く、また走行時に風切音が発生したり
する等の欠点があり、そのため、ワイパ装置の不
使用時にはワイパアーム等を車体内側に格納して
隠蔽することが望まれる。

そこで、従来、上記の要望を満たすべき構造と
して、例えば特開昭51−53332号公報に開示され
ているように、ウインドガラス下方の車体の内側
位置に支承されたワイパアーム支持用のアーム軸
にリンク機構を介して連結され、かつワイパモー
タで回転駆動されるウオームと噛み合うウオーム
ギヤを、上記ウオームの軸線方向に若干量だけス
ライド可能に設け、ワイパ使用時にはワイパモー
タの例えば正回転により、先ずウオームギヤをス
ライド前進させてアーム軸を所定角度回動させる
ことにより、ワイパアームおよびワイパブレード
をウインドガラス面上に移動させ、しかる後はウ
オームギヤを通常通り回転させてワイパアームを
揺動させることによりウインドガラス面の払拭を
行う一方、ワイパ不使用時にはワイパモータの逆
回転により、ウオームギヤをスライド後退させて
アーム軸を所定角度回動させ、ワイパアームおよ
びワイパブレードをウインドガラス面上から車体
内側に移動させて格納するようにしたものが提案
されている。

（発明が解決しようとする問題点） しかるに、上記提案のものでは、ワイパアーム
を支持するアーム軸がウインドガラス下方の車体
内側（例えばカウルカバーで覆われる部分）に支
承されているため、ワイパアームの揺動角度が小
さくなつてワイパブレードによるウインドガラス
面の払拭面積が減少するという嫌いがある。さり
とて、このようなウインドガラス面の払拭面積を
大きく確保するために上記アーム軸を車体外側の
ウインドガラス面上に位置させるようにすると、
上記アーム軸も含めワイパ装置全体の隠蔽という
本来の目的を果し得ないという問題がある。

本発明はかかる諸点に鑑みてなされたものであ
り、上記したアーム軸を、車体の内側位置に出没
自在に取り付けられた移動手段の先端部に支承せ
しめることにより、ワイパ装置の使用時および不
使用時の切換えの際には上記移動手段の移動によ
つてアーム軸、ワイパアームおよびワイパブレー
ドの全体を移動させるようにし、よつて使用時の
ウインドガラス面に対する払拭面積を大きく確保
しつつ、不使用時の車体外面からの隠蔽を可能に
した自動車のワイパ装置を提供せんとするもので
ある。

（問題点を解決するための手段） このため、本発明の解決手段は、ウインドガラ
ス周縁の車体に固定されたベース部材と、該ベー
ス部材に固定されたワイパモータと、上記ベース
部材に移動自在に取り付けられた移動手段と、該
移動手段に回転自在に支承され、ワイパアームを
支持するアーム軸と、上記ワイパモータの出力軸
とアーム軸とを連結する連動手段と、上記移動手
段を上記アーム軸およびワイパアームがウインド
ガラス面上に位置する第１位置と上記アーム軸お
よびワイパアームが車体内に没入する第２位置と
の間で移動させる駆動手段とを備える構成とした
ものである。

（作用） このことにより、本発明では、ワイパ装置の不
使用時には、移動手段は第２位置に位置してアー
ム軸およびワイパアームは車体内に没入して格納
されている。

この格納状態からワイパ装置を使用しようとす
る場合、駆動手段により移動手段が第２位置から
第１位置へ移動し、このことによりアーム軸およ
びワイパアームが車体内からウインドガラス面上
に移動して使用待機状態となる。しかる後は、ワ
イパモータの駆動により、連動手段を介してアー
ム軸が反復回動し、それに伴つてワイパアームが
アーム軸を中心に揺動して、ウインドガラス面の
払拭を行う。

その際、ワイパアームの揺動中心、すなわちア
ーム軸がウインドガラス面上に位置しているた
め、アーム軸がウインドガラスの外側に位置する
ものと比べてワイパアームの揺動角度を大きく取
ることができ、ワイパブレードの払拭面積を増大
させることができる。

一方、上記の使用状態からワイパ装置を格納す
る場合にはワイパモータを作動停止させてワイパ
アームを上記した使用待機状態に停止させ、次い
で駆動手段により移動手段が上記第１位置から第
２位置へ移動し、これによりアーム軸およびワイ
パアームが車体内に没入して格納される。

したがつて、このように、ワイパ装置の不使用
時にはアーム軸およびワイパアームは車体内に格
納されて外部より穏蔽されるので、自動車におけ
る外観の見映えを高めることができるとともに、
走行時の風切音の発生を防止することができる。

（実施例） 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。

第１図ないし第４図は本発明を自動車のフロン
トウインド部分に適用した場合を示し、１はフロ
ントウインドガラスであつて、該ウインドガラス
１の周縁（下側）に位置する車体２にはウインド
ガラス１の下縁に沿つて左右方向に延びる凹陥状
のカウル部３が形成され、該カウル部３の上部開
放口はカウルカバー（図示せず）により覆われて
いる。

上記カウル部３底壁の車体２にはベース部材と
してのベースプレート４が固定され、該ベースプ
レート４には、ワイパモータ５が固定されている
とともに出力軸６が支承され、該出力軸６とワイ
パモータ５とは例えばウオームおよび該ウオーム
と噛み合うウオームギヤよりなる減速機構（図示
せず）等を介して結合されている。

また、上記ベースプレート４には移動手段とし
ての揺動プレート７がその一端部にて回動自在に
取り付けられ、該揺動プレート７の他端部にはア
ーム軸８が回転自在に支承され、該アーム軸８に
は、先端部にワイパブレード９を取り付けたワイ
パアーム１０が回転不能に支持されている。ま
た、上記アーム軸８とワイパモータ５の出力軸６
とは連動手段としての３つのリンクよりなる連動
用リンク機構１１を介して連結されており、ワイ
パモータ５の回転駆動によりリンク機構１１のリ
ンク運動を介してアーム軸８を所定角度範囲反復
回動させてワイパアーム１０を揺動させるように
構成されている。

さらに、上記揺動プレート７の中間部にはプー
リ１２が回転自在に軸支され、該プーリ１２の枢
軸１２ａには２つのリンクよりなる操作用リンク
機構１３の一端が固定され、該リンク機構１３の
他端は上記ベースプレートト４に軸支されてい
る。また上記プーリ１２には操作用モータ（図示
せず）により回行されるワイヤベルト１４が巻き
掛けられており、上記操作用モータの作動によつ
てプーリ１２を回動させてリンク機構１３をリン
ク運動させることにより、揺動プレート７を、上
記アーム軸８、ワイパアーム１０およびワイパプ
レート９が第１図および第２図に示すようにウイ
ンドガラス１面上に位置する第１位置（使用位
置）と、上記アーム軸８、ワイパアーム１０およ
びワイパブレード９が第３図および第４図に示す
ように車体２のカウル部３内に投入する第２位置
（不使用位置）との間で揺動移動させるようにし
た駆動手段としての操作機構１５が構成されてい
る。

次に、その作動について説明すると、ワイパ装
置の不使用時には、第３図および第４図に示すよ
うに、揺動プレート７は第２位置に位置してアー
ム軸８、ワイパアーム１０およびワイパブレード
９は全て車体２のカウル部３内に没入して格納さ
れている。

この格納状態からワイパ装置を使用しようとす
る場合、操作機構１５の操作用モータを作動させ
てプーリ１２を第３図で反計時回り方向に回動さ
せると、操作用リンク機構１３が伸張方向にリン
ク運動して揺動プレート７が第２位置から第１図
および第２図に示す第１位置へ回動し、このこと
によりアーム軸８、ワイパアーム１０およびワイ
パブレード９がカウル部３内からウインドガラス
１面上に移動して該ワイパブレード９がウインド
ガラス１面と接触し、使用待機状態となる。しか
る後は、ワイパモータ５の駆動回転により、連動
用リンク機構１１のリンク運動を介してアーム軸
８が反復回動し、それに伴つてワイパアーム１０
がアーム軸８を中心に第１図に示す所定角度範囲
Ｓ揺動して、ワイパブレード９によりウインドガ
ラス１面を払拭する。

その際、ワイパアーム１０の揺動中心、すなわ
ちアーム軸８がウインドガラス１面上に位置して
いるため、アーム軸がウインドガラスの外側に位
置するものと較べてワイパアーム１０の揺動角度
を大きく採ることができ、ワイパブレード９の払
拭面積を増大させることができる。

一方、上記の使用状態からワイパ装置を格納す
る場合には、ワイパモータ５を作動停止させてワ
イパアーム１０を上記した使用待機状態（第１図
で左側端に位置する状態）に停止させ、次いで操
作機構１５の操作用モータの作動によりプーリ１
２を第１図で時計回り方向に回動させると、操作
用リンク機構１３が折れ曲り方向へリンク運動し
て揺動プレート７が上記第１位置から第２位置へ
回動し、これによりアーム軸８、ワイパアーム１
０およびワイパブレード９が車体２のカウル部３
内に没入して格納される。

したがつて、このように、ワイパ操作の不使用
時にはワイパアーム１０やワイパブレード９等は
車体２のカウル部３内に格納されて外部より隠蔽
されるので、自動車における外観の見映えを高め
ることができるとともに、走行時の風切音の発生
を防止することができる。

さらに、上記実施例においてカウル部３の上部
開放口は該開放口前縁に軸支せしめたカウルカバ
ーにより開閉自在とすると外観上より好ましい。

尚、本発明は、上記実施例に限定されるもので
はなく、種々の変形例をも包含するものであり、
例えば上記実施例では、揺動プレート７（移動手
段）を第１位置と第２位置との間で移動させる駆
動手段として、操作用モータ、ワイヤベルト１
４、プーリ１２および操作用リンク機構１３によ
り構成した操作機構１５を用いたが、その他電磁
式駆動装置よりなるもの等を用いてもよい。

また、上記実施例では、１本のワイパアーム１
０を備えた１本アーム式ワイパシステムに適用し
た場合を示したが、本発明は２本以上のワイパア
ームを備えた複数アーム式ワイパシステムに対し
ても適用できるのは勿論のことである。

さらに、上記実施例では自動車のフロントウイ
ンド部分に適用した場合を示したが、本発明は自
動車のリヤウインド部分に対しても適用できるの
は言うまでもない。

（発明の効果） 以上説明したように、本発明の自動車のワイパ
装置によれば、ワイパ装置の使用時にはアーム軸
やワイパアーム等をウインドガラス面上に移動さ
せる一方、不使用時には上記アーム軸等を車体内
側に没入させて格納隠蔽するようにしたものであ
るので、使用時のウインドガラス面に対する払拭
面積を大きく確保しながら不使用時の自動車の外
観見映えの向上および走行風切音の低減化を図る
ことができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を例示するもので、第１
図は使用時の正面図、第２図は第１図の−線
断面図、第３図は不使用時の正面図、第４図は第
３図の−線断面図である。 １……ウインドガラス、２……車体、４……ベ
ースプレート、５……ワイパモータ、６……出力
軸、７……揺動プレート（移動手段）、８……ア
ーム軸、１０……ワイパアーム、１１……連動用
リンク機構（連動手段）、１５……操作機構（駆
動手段）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ウインドガラス周縁の車体に固定されたベー
   ス部材と、該ベース部材に固定されたワイパモー
   タと、上記ベース部材に移動自在に取り付けられ
   た移動手段と、該移動手段に回転自在に支承さ
   れ、ワイパアームを支持するアーム軸と、上記ワ
   イパモータの出力軸とアーム軸とを連結する連動
   手段と、上記移動手段を上記アーム軸およびワイ
   パアームがウインドガラス面上に位置する第１位
   置と上記アーム軸およびワイパアームが車体内に
   没入する第２位置との間で移動させる駆動手段と
   を備えていることを特徴とする自動車のワイパ装
   置。