JPS6337823Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 産業上の利用分野 本考案は多加水の生地からでも良質な麺帯が成
形できる麺帯自動成形装置に関し、詳しくは、生
地が投入されるホツパーの傾斜面にコンベアを設
置して生地を積極的に下方へ送り込み、コンベア
の下方で該コンベアを組板替りとしてプレスプレ
ートを小刻みに揺動させつゝまず生地を予備圧延
し、次いでホツパーの排出口位置で複数のフリー
ロールで何回も叩きながら薄板状の麺帯に最終成
形する麺帯自動成形装置に関するものである。

ロ 従来の技術 従来、麺帯を自動的に成形する装置としては、
ロールタイプのものと、スクリユータイプのもの
とがあつた。

ロールタイプの麺帯自動成形装置は、同径の対
のロールを１段若しくは複数段フレームに平行に
軸支し、各ロールを手動ハンドルまたは駆動装置
によつて内向きに回転させ、そのロールとロール
の間に生地を通して麺帯を成形していた。

また、スクリユータイプの麺帯自動成形装置
は、押出口を備えたパイプ本体にスクリユーが内
蔵されたもので、スクリユーで生地を捏ねてから
押出口で麺帯を成形していた。

ハ 考案が解決しようとする問題点 ロールタイプの麺帯自動成形装置では、所望の
厚さの麺帯を成形するのに数段階の間隔を有する
ロール間を順次通過させることが望ましいが、そ
のためには設備費が多大となると共に、大きなス
ペースを必要としていた。また、平行なロール間
を通過させるために一方向のみ麺線が形成され、
一方に強いが他方に弱い麺帯となり、しかも、多
加水の生地を使用すると、生地中に含まれている
水分が生地表面に浮き出してくる欠点があつた。

また、スクリユータイプの麺帯自動成形装置で
は、スクリユー表面に生地が付着し易く、これを
除くためのスクレーパー等の除去機器が必要とな
り、設備費が嵩むと共に故障しがちであり、その
修理が面倒でロールタイプのものと同じく生地表
面に水分が浮き出しやすく、生地を捏ね過ぎるた
め手作りのようなこしが強い良質な麺帯が中々得
られなかつた。

ニ 問題点を解決するための手段 （目的） 以上の欠点に鑑み、本考案は多加水の生地でも
水分が表面に出ることなく、表面と中心部の生地
組成が均一で、しかも、手作りのようなこしの強
い良質な麺帯を作ることのできる麺帯自動成形装
置を提供することを目的とする。

（手段） 上記目的を達成するための手段は、傾斜面にコ
ンベア４が配設され該コンベア４の下方上面で小
刻みに揺動する予備圧延用のプレスプレート５が
底部に配設されたホツパーＡと、ホツパーＡの排
出口位置において複数の小ロール１３が同一円周
上へ回動自在に軸支されたフリーロールブロツク
Ｂをプレスプレート５の下側におけるコンベア４
の下方上面に設けたものである。

ホ 作用 生地１をホツパーＡに投入すると、生地１はホ
ツパーＡ内にコンベア４で下方に送られる。

生地１がホツパーＡの下方に送られるとコンベ
ア４の上面に向つて小刻みに揺動するプレスプレ
ート５のプレス面５ａで叩かれながら圧延され、
コンベア４でフリーロールブロツクＢの下方に送
られる。

フリーロールブロツクＢの下方に送られた生地
１は、更にコンベア４上において低速公転する複
数の小ロール１３により何回も叩かれながらゆつ
くり圧延され、最終的な麺帯１となつて排送用の
ベルトコンベア１６に転送される。

ヘ 実施例 以下、図面に基づいて本考案実施の１例を詳細
に説明する。

Ａは生地１を投入するホツパーで、上面が開口
され、垂直なフロントプレート２と、同じく垂直
なサイドプレート３，３と、傾斜したコンベア４
および予備圧延用のプレスプレート５から構成さ
れている。

フロントプレート２は、必ずしも垂直である必
要はなく、外側に稍傾斜しても良い。

ホツパーＡの一部として傾斜した状態で配設さ
れたコンベア４は、表面に樹脂加工が施されたベ
ルトコンベアで、駆動プーリー６と従動プーリー
７間へ無端状に張設され、矢印方向に回動して生
地１を下方へ送り込むようになつている。このコ
ンベア４の上面の裏側には、プレスプレート５の
間接的打撃およびロール１３の押圧に耐える強固
な受板８が配設されている。

ホツパーＡの底板の役目を果すプレスプレート
５は、フリーロールブロツクＢの回転軸９を中心
とした円弧状の断面を有し、ホツパーＡの外側で
連結固定された揺動レバー１０を介して回転軸９
を中心として揺動するようになつている。このプ
レスプレート５の揺動するストロークは、先端の
プレス面５ａがコンベア４の上面と接する直前が
下限であり、プレス面５ａがフロントプレート２
の内壁と平行位置が上限であるが、実際の揺動ス
トロークは、上限がかなり下側に設定される。更
に詳細に説明すると、揺動レバー１０は、フリー
ロールブロツクＢの回転軸９にパイプ軸１１を介
して軸支され、往復運動機構（図示しない）に連
結されて回転軸９を中心として定められた角度内
を反複揺動するものである。尚、プレスプレート
５は断面円弧状でなく平板状でコンベア４の直角
方向に直線的に前後動するようにしても良い。

ホツパーＡの下方のプレスプレート５の下側に
設置されたフリーロールブロツクＢは、回転軸９
に固着された一対のドラムプレート１２，１２の
外周へ６本の小ロール１３を同一円周上等間隔に
軸支したものである。小ロール１３は６本でなく
８本でも10本でも良く、間隔が狭いことが望まし
い。

フリーロールブロツクＢの回転軸９は、機枠１
４，１４へ回転自在に軸承され、モータが内蔵さ
れた駆動機構１５に連結され、フリーロールブロ
ツクＢを低速回転されるようになつている。ま
た、フリーロールブロツクＢは、成形する麺帯１
の厚さを調整する機構（図示しない）が付設され
ている。

フリーロールブロツクＢの複数の小ロール１３
とコンベア４との間を通過した生地１は、小ロー
ル１３により何回も叩かれながらゆつくり圧延さ
れて最終的に麺帯１となり、排送用のベルトコン
ベア１６に転送される。

尚、コンベア４、ベルトコンベア１６およびプ
レスプレート５の駆動は、駆動機構１５と連結さ
れ、各伝達機構を介して回動若しくは揺動する。

ト 考案の効果 以上のように本考案に係る麺帯自動成形装置
は、生地１を下方へ送るコンベア４と生地１を小
刻みに叩き伸ばすプレスプレート５が組込まれた
ホツパーＡと回転自在な小ロール１３を複数軸支
したフリーロールブロツクＢとから構成された簡
単な装置で、先ず、人の手で揉み押すようにプレ
スプレート５で生地１を叩き伸ばし、次いで、フ
リーロールブロツクＢの複数の小ロール１３で何
回も叩きながらコンベア４との間で小刻みに圧延
し、麺帯１を成形して排送用のベルトコンベア１
６によつて次工程に移送するものである。

したがつて、成形された麺帯１は、多加水の生
地１を原料としても表面に水分が滲出することな
く、表面と中心部が均質でこしの強い良質のもの
となり、パン生地、麺類生地、餃子やシユーマイ
の生地として最適なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施の１例を示す概略断面図、
第２図は平面図、第３図は要部の概略図である。 図中主要符号、Ａ……ホツパー、Ｂ……フリー
ロールブロツク、１……生地、１……麺帯、４…
…コンベア、５……プレスプレート、９……回転
軸、１３……小ロール。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 傾斜面にコンベア４が配設され該コンベア４
   の下方上面で小刻みに揺動する予備圧延用のプ
   レスプレート５が底部に配設されたホツパーＡ
   と、ホツパーＡの排出口位置において複数の小
   ロール１３が同一円周上へ回動自在に軸支され
   たフリーロールブロツクＢをプレスレスプレー
   ト５の下側におけるコンベア４の下方上面に設
   けたことを特徴とする麺帯自動成形装置。 (2) プレスプレート５をフリーロールブロツクＢ
   の回転軸９を中心とした断面円弧状とし、プレ
   スプレート５の揺動レバー１０を回転軸９に軸
   支したことを特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第(1)項記載の麺帯自動成形装置。