JP2700938B2 - 即席麺類の製造法 - Google Patents

即席麺類の製造法

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JP2700938B2
JP2700938B2 JP2048962A JP4896290A JP2700938B2 JP 2700938 B2 JP2700938 B2 JP 2700938B2 JP 2048962 A JP2048962 A JP 2048962A JP 4896290 A JP4896290 A JP 4896290A JP 2700938 B2 JP2700938 B2 JP 2700938B2
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鉄雄 三浦
謙次郎 中西
寿彦 横尾
正之 藤平
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鐘紡株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、例えばマカロニ,スパゲティ,バーミセ
リ,ヌードル又はうどん等として知られる麺類および即
席麺類の製造法に関し、特に、麺線間の結着防止を図
り、食感を向上できるようにした即席麺類の製造法に関
する。
(従来の技術) 一般に、乾燥即席麺(ソバ,ウドン,スパゲティ,マ
カロニおよびその他麺類)は、つぎのように製造されて
いる。すなわち、まず小麦粉を主体とする原料粉末に水
を添加混合し、これを成形機に掛けて圧延することによ
り生麺帯化し、ついで切刃で細線状に切断して生麺線と
する。続いて、得られた生麺線を搬送カップに入れ、以
降該搬送カップに収容した状態で蒸煮室に入れ蒸煮して
α化(α化度90%)し、ついで熱風で乾燥して水分を13
wt%(以下「%」と略す)程度まで下げるという一連の
工程により製造されている。
しかし、前記蒸煮室での蒸気処理時に、麺線同士が結
着し易い欠点があり、その結果湯による復元の際、当該
結着部の復元が他部より遅れるため均一な復元が得られ
ず、従ってまたこれが食感、風味に悪影響を与えること
は免れないと云う難点があった。
しかも、復元性に難があり、湯による短時間復元には
未だ充分満足のゆくものが得られていなかったのが実状
であった。
そこで、これを解決する方法として特開昭63−248366
号公報が開示されている。
すなわち、この発明は麺線の縦方向に少なくとも1本
の溝を有しており、しかもその溝の占める面積部分がそ
の麺線の横断面積に対して10〜35%の生麺を押出成型
し、次いでこれを一次蒸熱処理した後、その表面に乳化
液を付着せしめ、次いでほぐし・水切操作を行ない、然
る後二次蒸熱処理、乾燥処理を順次行なうものである。
これにより、蒸熱処理の際に、従来の如き麺線同士の
結着が生じることがないので、均一な復元が可能とな
り、従ってまた優れた食感、風味を呈する即席麺類を得
ることができるとするものである。
(発明が解決しようとする問題点) しかし、2次蒸煮処理は、麺線内部まで充分なα化を
することを目的とするものであり、2次蒸煮後の麺線は
結着し易い状態にあり、事実麺線同志が多く結着してい
る。
このままの状態で乾燥すると、湯による復元の際、当
該結着部の復元が他部より遅れるため、均一な復元が得
られず、食感、風味を損ねていた。
更に、蒸煮後の麺玉は水分を多く含んでいるため重
く、カップ上部の麺線をほぐすだけでは、カップ底部の
麺線を十分ほぐすことが出来なかった。そのため、カッ
プ底部の麺線は食感、風味が良くなく、全体として不均
一な品質の製品となっていた。
本発明は、前述した従来の問題点に鑑みなされたもの
で、蒸煮途中及び蒸煮直後に麺線表面に乳化液を付着せ
しめ、同時にほぐし、更に乾燥前にカップ上部の麺線を
ほぐした後、麺玉の上下をひっくり返して乾燥処理を行
うため、品質の均一な即席麺を製造することが出来る即
席麺類の製造法を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 上述した問題点を解決するために本発明に係る即席麺
類の製造法は、生麺を一食分単位に切断した後搬送カッ
プに収容し、次いでこの麺を蒸煮処理する際にこの蒸煮
工程を少し共2分割し、蒸煮途中及び蒸煮直後に麺の表
面に乳化液を付着せしめ、かかる乳化液の付着と同時に
圧縮空気によるほぐしを行ない、しかる後乾燥処理を順
次行なうことを特徴とする即席麺類の製造法。
又、乳化液と圧縮空気によるほぐしは、同時に行うこ
とが好ましい。
又、乾燥処理前にカップ収容麺の上下を反転させ、次
いでほぐすと麺全体の品質が均一化される。
(作用) 本発明によれば、搬送カップに定量充填した生麺線を
蒸煮処理する際にこの蒸煮工程を少し共2分割し、蒸煮
途中及び蒸煮直後に麺の表面に乳化液を付着せしめ、次
いでほぐし、しかる後乾燥処理を順次行うため、蒸煮途
中で結着した麺線をほぐし、同時に、乳化液の付着によ
り次の蒸煮工程での麺線の結着が抑制される。
更に、麺線を乾燥する前に、再度乳化液を付着し、か
かる乳化液の付着と同時に圧縮空気によるほぐしを行な
いその後でカップ収容麺の上部と下部を反転させてほぐ
すため、カップ内の麺線全体の空隙を高めて、湯もどし
を良好とし、麺玉全体を均一な状態で乾燥賦形させるこ
とが出来る。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
ここに即席麺類とは、押出成型したうどん,そば,中
華麺等の他にスパゲッティ,マカロニ等のパスタ類を包
含する。
本発明に於ては、先ず小麦粉を主体とする生地を押し
出し機によって押し出し生麺を成型する。この生麺は、
例えば強力小麦粉90重量部(以下、部という)と馬鈴薯
の澱粉10部とに食塩2部が溶解した水30部を加え、これ
をミキサーを用いて混和(混練)することにより混和物
としてのドウを作成した。そして、このドウ(水分含有
率32〜33重量%)の内から30重量%を一の混和物として
取出し、厚さ10mmになるように容器に平らに充填して、
常圧下、温度100℃の蒸気で4分間蒸煮処理としての予
備蒸煮処理を施した(この時のα化度は95%以上)。そ
して、これを40℃以下に冷却した後、残り70重量%の蒸
煮していない他の混和物としての生ドウと混合して、こ
の混合ドウを圧延ローラーを用いて成型し、幅5.0mm,厚
さ0.9mmの生麺を得る。
そして、かくして得られた生麺を適宜カット、計量、
玉どりし、カップに定量充填する。
そして、以降の蒸煮工程は第1図のように一次蒸煮
(50)後、No.1ノズル(51)により麺線(2)(以降麺
線又は麺玉と記す)に十分な水分を与えて澱粉の膨潤を
促進させ、食感を良好にさせる。
この一次蒸煮の目的は、麺線表面のみをα化して麺線
に保形性を付与するものである。
次に、No.2ノズル(52)により一次蒸煮(50)で結着
した麺線(2)をほぐし、同時に麺線(2)表面に乳化
液(21)を付着させることにより薄い油膜を作り、二次
蒸煮(54)中の麺線(2)の結着を抑制させる。
ここに乳化液としては、例えば水80〜98重量部,食用
油2〜20重量部,乳化剤0.01〜1重量部より成る組成の
ものが挙げられる。尚、ここに食用油としては例えばパ
ーム油,ヤシ硬化油,ラード,ヘッド等が、乳化剤とし
ては特にHLBが10〜16のものが好ましく、例えばモノグ
リセライド,シュガーエステル,レシチン等が挙げられ
る。
また、乳化液の付着方法としては、例えば浸漬法,シ
ャワー方式等その如何を問わない。
そして、前記No.2ノズル(52)部で過剰に与えられ、
カップ(1)底部に残った乳化液(21)を除去して二次
蒸煮(54)中の澱粉溶出による麺線(2)の結着を防止
させる。
更に、No.2ノズル(52)でほぐし切れなかった麺線
(2)をほぐす。
その後、二次蒸煮(54)を行なう。
この二次蒸煮(54)の目的は、麺線(2)内部まで充
分なα化をすることにある。
かかる二次蒸煮(54)後、No.4ノズル(55)により、
二次蒸煮(54)で結着した麺線(2)をほぐし、同時に
乳化液(21)を再度付着させることにより乾燥工程(5
8)中の麺線(2)の結着を防止させる。
そして、次に反転装置(56)により搬送カップ(1)
に収容された上部の麺(2)と下部の麺(2)をひっく
り返し、自重により密となった下部の麺(2)をNo.5ノ
ズル(57)でほぐすことにより、全ての麺線(2)間に
隙間を作り、理想的な麺形状に仕上げると同時に、湯も
どし時の復元ムラをなくすものである。
ここにNo.2(52),No.4(55)ノズルによるほぐし装
置(4)は乳化液の噴霧とエアーによるほぐしを同時に
行うもので、第2図に示すように、カップ(1)の水平
面上を円運動するロッドからなる運動部材(8)と、こ
の運動部材(8)に、リテーナーカップ(11)に固着さ
れたカップ(1)の取付け間隔に対応してカップの数だ
け固定して設けたノズル(12)と、前記連動部材(8)
をカップ(1)の内径より小さい径で同心円上を円運動
させる駆動手段とからなる。
前記ノズル(12)にはその入力側に圧縮空気(20)と
乳化液(21)の供給源がそれぞれ接続される。
又、前記駆動手段は、モータ,減速機等(図示しな
い)を経て回転駆動される回転軸(9)に回転板(10)
を軸着し、この回転板(10)の外周にピンを介して運動
部材(8)の端部が回転可能に取りつけられる。
前記回転板(10)への運動部材(8)の取付位置は、
カップ(1)の内径より小さい位置にピンを介して取付
けられるが、回転板の径方向に段階的に複数のピン穴を
あけておけば、ノズル(12)の旋回寸法を自由に変える
ことが出来る。
又、前記ノズルは、流量増巾率をさらに大きくした低
圧,高風量機器で、第3図に示すように、圧縮空気が入
口Aより入り、リング状ノズル孔をもった高圧室Bには
いる。このリング状ノズル孔は0.05mmで圧縮空気を制限
し、一次空気はノズル孔を通過する時、大気圧まで絞ら
れ、速度は音速に達し、ノズル孔から出た一次空気は、
リング状吸込口体Cにある小さなリップにより吐出口方
面に曲げられ、機器内表面に沿って流れ出る。
高速一次空気の小さな粒子は、吸込口周辺の静止した
粒子に衝突し、静止気体粒子に速度を与え、左図のよう
に増幅していくと共に減速し、Dの空気を吸引増幅し、
ノド部を通過し吐き出される。
吐出口がダクトに接続されない場合は、吐出気流が、
出口周辺の静止空気に衝突し、周囲からさらに空気を誘
引して増幅する。その時の運動エネルギーは、 運動エネルギー=1/2×流量×(速度) より一次気流を31m/secにまで減速できれば、その流量
は100倍にまで増幅できる。
すなわち、このノズルのAには圧縮空気を、Dには乳
化液を供給することにより、麺(2)のエアーさばき効
果と、乳化液の麺(2)への均一付着効果を効率よく行
なわせることが出来る。
次に、蒸煮処理の後、乾燥処理するが、この乾燥処理
は100〜130℃,5〜20分間程度熱風乾燥する一次乾燥と、
然る後40〜90℃,20〜90分間程度温風乾燥する二次乾燥
によって行なうのが有利である。尚、乾燥処理による最
終水分は13%以下とするのが好ましい。
(発明の効果) 以上詳述した様に、本発明は、搬送カップに定量充填
した生麺線を蒸煮処理するに際し、この蒸煮工程を少く
共2分割し、蒸煮途中及び蒸煮直後に麺の表面に乳化液
を付着せしめ、かかる乳化液の付着と同時に圧縮空気に
よるほぐしを行ない、しかる後乾燥処理を順次行なうた
め、蒸煮途中で結着した麺線をほぐし、同時に乳化液の
付着により次の蒸煮工程での麺線の結着が抑制される。
又、乳化液の付着と、麺のほぐしを同時に行なえば、
麺への乳化液の付着が適量でしかも均一付着となり乳化
液の過剰付着による油っこい食味が防止できる。
又、麺線を乾燥する前に、再度乳化液を付着し、ほぐ
すと共に、その後でカップに収容された麺をひっくり返
すことにより、麺の自重により密となった中底部の麺線
にも十分な隙間を作り、麺玉全体として均一な空隙をも
った理想的な麺玉形状に仕上げることが出来る。
これにより湯もどし時に均一な復元が可能となり、優
れた食感、風味を呈する即席麺類を得ることが出来る。
しかも、本発明により得られた即席麺類は、復元性が
優れているため、麺をかきまぜないでも単に湯を注ぐだ
けで極めて短時間に復元する。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例を示すもので、第1図は蒸煮工程
の概略説明図、第2図は麺への乳化液の付着及びほぐし
装置の全体斜視図を示す。 (1)……カップ、(2)……生麺線、 (4)……ほぐし装置、(50)……一次蒸煮、 (51)……No.1ノズル、(52)……No.2ノズル、 (53)……No.3ノズル、(54)……二次蒸煮、 (55)……No.4ノズル、(56)……反転装置、 (57)……No.5ノズル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−248366(JP,A) 特開 昭59−28446(JP,A) 特開 昭58−141757(JP,A) 特開 平1−191633(JP,A) 特開 昭61−128854(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生麺を一食分単位に切断した後搬送カップ
    に収容し、次いでこの麺を蒸煮処理する際にこの蒸煮工
    程を少く共2分割し、蒸煮途中及び蒸煮直後に麺の表面
    に乳化液を付着せしめ、かかる乳化液の付着と同時に圧
    縮空気によるほぐしを行ない、しかる後乾燥処理を順次
    行うことを特徴とする即席麺類の製造法。
  2. 【請求項2】乾燥処理前にカップ収容麺の上下を反転さ
    せ、次いでほぐすことを特徴とする請求項(1)記載の
    即席麺類の製造法。
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