JPS6337634Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、集熱性能の向上及び製造コストの低
減を図つたヒートパイプ式太陽熱温水器に関す
る。

従来例の構成とその問題点 従来、実開昭57−5666号公報のように、ヒート
パイプの底部にヘツダーを設けると同時にヘツダ
ー下部に反射鏡を設けることにより、各ヒートパ
イプの液面位置を均一にするとともに沸騰を促進
し、集熱性能を向上させたヒートパイプ式太陽熱
温水器が提案されている。しかし、上記ヒートパ
イプ式太陽熱温水器においては以下の問題点を有
している。

ヘツダーを設けるため、封入する潜熱媒体の
量が著るしく増大し、コストアツプとなる。

潜熱媒体の量が多いため、集熱器の時定数が
大きくなり、日射の変動が激しい場合等は集熱
性能が低下する。

ヒートパイプの下部に強固なヘツダーが固定
される為、凝縮部を貯湯槽に挿入して組み立て
にくい。すなわち、ヒートパイプ間のピツチを
高精度に管理しなければならない。

考案の目的 本考案はかかる従来の問題点を解消するもの
で、大巾なコストアツプをすること無しに、組み
立てを容易にし、かつ集熱性能の向上を図ること
を目的とする。

考案の構成 この目的を達成するために本考案は、ヒートパ
イプの径より小さな径を有する連結管により複数
のヒートパイプの底部をたわみを持たせて互いに
連結したものである。この構成によつて、ヒート
パイプのピツチをある程度調整することが可能で
あり、潜熱媒体の封入量も大巾に増えることがな
い。また、連結管の管径が小さいため、内部の潜
熱媒体の量も少なく、温度上昇もヒートパイプ部
より速くなる。従つて、ヘツダー部において沸騰
が開始されるようになり、時定数も小さくなるた
め、日射変動に対する応答性も向上する。また連
結管はたちみを持たせてヒートパイプで底部を連
結しているため、たわみの範囲内にて、ヒートパ
イプのピツチ調整が可能である。

実施例の説明 以下、本考案の一実施例を第１図〜第３図に基
づいて説明する。

１はヒートパイプで、蒸発部２は、フイン３を
有し、集熱器４内に内設し、凝縮部５は貯湯槽６
に挿入されている。

複数のヒートパイプ１の底部は、ヒートパイプ
１の径より小さな径の連結管７でたわみを持たせ
て連結している。８は潜熱媒体の作動液、９は透
過体、１０は断熱材である。上記構成において、
集熱器４が日射を受けた場合、ヒートパイプ１の
蒸発部２内の作動液８は加熱され、ある温度に達
すると沸騰を開始し、蒸気となつて上方に移動す
る。凝縮部５内で蒸気は凝縮し、貯湯槽６に放熱
し、再び液となつて、重力により下方へ移動す
る。この時、ヒートパイプ１の底部に接続された
連結管７内の作動液８の温度上昇が最も速くなる
ため、沸騰も、連結管７の内部から始まる。即
ち、第３図に示すように、沸騰を開始する温度Ａ
が従来（ａ線）のヒートパイプ式に較べ本考案実
施例（ｂ線）は小さくなり、日射の変動に対する
応答性が改善される。

考案の効果 本考案は、複数のヒートパイプ底部に、ヒート
パイプより小径の連結管をたわみを持たせて設け
ることにより。

(1) 沸騰開始の温度差が小さくなり、日射の変動
に対する応答性が良くなるため、集熱性能が向
上する。

(2) 連結管にたわみを持たすことにより、ヒート
パイプのピツチを調整する事が出来るので、凝
縮部を貯湯槽へ挿入する際の組立てが容易にな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２
図は本考案の一実施例を示す断面図、第３図は従
来と本考案の熱搬送量を比較した特性図である。 １……ヒートパイプ、２……蒸発部、４……集
熱器、５……凝縮部、６……貯湯槽、７……連結
管、８……作動液。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部に潜熱媒体の作動液を封入した複数のヒー
   トパイプの凝縮部を貯湯槽に挿入し、蒸発部を集
   熱器に内設し、上記複数のヒートパイプの底部
   を、同ヒートパイプの径より小さな径を有する連
   結管により、たわみを持たせて連結したヒートパ
   イプ式太陽熱温水器。