JPS6125568Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は液体および気体の双方を熱媒体として
使用できるように構成した太陽熱コレクターを提
供しようとするものである。

従来の太陽熱コレクターは水を加熱する温水式
のコレクターが大半で、空気加熱をする空気式の
コレクターは数が少ない。また、温水式のものは
温水のみを、空気式のものは空気のみを加熱する
ものであり、両方式の特徴を兼ねるコレクターは
いまだ開発されていない。

本考案は、このような従来の概念を打破した新
しい太陽熱コレクターに関するものである。

第１図および第２図はそれぞれ本考案の一実施
例を示す太陽熱コレクターの断面図および外観図
である。

図において、１はケース本体であり、受光面側
にはカバーを兼ねた透光ガラス２を設け、その後
背部に閉空間３を構成するようにガラス板または
フイルムよりなる透光部材４を設けている。な
お、前記透光部材４はケース本体１内における対
流による熱放出を防止する機能をもつものであ
る。ケース本体１の内底には断熱材５が設けら
れ、この断熱材５と透光部材４の間に空室６を構
成している。前記空室６内には多数の液体用集熱
パイプ７を並設している。この各液体用集熱パイ
プ７の両端はヘツダパイプ８に接続され、ヘツダ
パイプ８の端部には液体配管接続口９が設けられ
ている。前記各液体用集熱パイプ７には水平にフ
イン１０が設けられており、各フイン１０はその
端部に交互に上下に折曲した折曲部１０ａを有し
ている。この折曲部１０ａは透光部材４および断
熱材５に接し、液体用集熱パイプ７の支持を兼ね
ている。前記空室６は両端部に気体配管接続口１
１を設けてあり、空室６は気体の通路を兼ねてい
る。

本考案の太陽熱コレクターは上記のように構成
され、液体用集熱パイプ７により液体、たとえば
温水が得られ、また空室６においては加温空気が
得られる。この場合、液体用集熱パイプ７に設け
られたフイン１０は集熱板として働くとともに、
空室６における空気路を蛇行状にし、加熱路長を
大きくさせ、流通する空気を効果的に加熱でき
る。

以上のように本考案によれば、ケースの内底に
設けた断熱材と、この断熱材に対向した透光部材
とによつてその間に空室を構成し、前記空室内に
フインを有する複数の液体用集熱パイプを並設
し、前記空室に熱媒気体を流通させるように構成
しているため、一つの太陽熱コレクターにより温
水と温風を同時に取り出すことが可能となり、し
たがつて暖房給湯システムでは、熱交換器や放熱
器を使用することなく、直接温風を負荷に送るこ
とができ、その結果、システムが安価に得られる
とともに、給湯も任意にできる。またその構成
は、一般の太陽熱コレクターと同様な部材ででき
ているため、価格が高くなることもなく、しかも
前記各液体用集熱パイプのフインの端部を上下交
互に折曲させて回曲した空気通路を構成している
ため、その空気通路はきわめて長いものとなり、
その結果、空気の加熱も効果的に行え、さらに前
記フインの折曲部は透光部材および断熱材に接触
させて液体用集熱パイプの支持を兼ねているた
め、別個に液体用集熱パイプの支持部材を設ける
という必要もなく、コスト的な面ならびに組立作
業性の面でも非常に有用なものが得られるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の太陽熱コレクター
の断面図、第２図は同斜視図である。 １……ケース本体、２……透光ガラス、４……
透光部材、５……断熱材、６……空室、７……液
体用集熱パイプ、８……ヘツダパイプ、９……液
体配管接続口、１０……フイン、１０ａ……折曲
部、１１……気体配管接続口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケースの内底に設けた断熱材と、この断熱材に
   対向した透光部材とによつてその間に空室を構成
   し、前記空室内にフインを有する複数の液体用集
   熱パイプを並設し、前記空室に熱媒気体を流通さ
   せるように構成するとともに、前記各液体用集熱
   パイプのフインの端部を上下交互に折曲させて回
   曲した空気通路を構成し、さらにこのフインの折
   曲部を前記透光部材および断熱材に接触させて液
   体用集熱パイプの支持を兼ねた太陽熱コレクタ
   ー。