JPS6336518Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、例えばビデオテープレコーダのビ
デオヘツドの周囲部における磁気テープの移送な
ど、移送される帯状体を案内するガイドローラに
関する。

ビデオテープレコーダにおいて、ビデオヘツド
の周囲部にはビデオヘツドに再生又は記録すべき
磁気テープを導き、或いはカセツトに案内するた
めに１又は２以上のガイドローラが設けられてい
る。このガイドローラはピンチローラ等の駆動ロ
ーラと異なり、単に磁気テープの移送を案内する
ためのものである。

従来、この種のガイドローラにはビデオテープ
レコーダの支持フレームに立設された支持軸に２
以上のラジアル軸受を取付け、このラジアル軸受
の周囲回転部分に円筒状のローラを取付け、支持
軸の周縁部において回転するように構成されてい
る。

このようなガイドローラの場合、少なくとも２
つのラジアル軸受を必要としており、その構造が
複雑化するとともに、高価なラジアル軸受を用い
るためにガイドローラそのものが高価になる欠点
がある。また、ガイドローラのがたつき等を防止
するためにラジアル軸受の内部回転部にコイルス
プリングを介在させて一方に付勢させる等の対策
が施されるが、その付勢力によつてラジアル軸受
が摩耗し、回転精度の狂いやがたつき等を発生
し、円滑な回転が妨げられる等、磁気テープを高
精度に移送することが困難になるおそれがある。

また、ガイドローラは、安定したテープ送りを
するため、懸け回される磁気テープの位置に対応
してローラの位置を調節可能にする必要がある
が、このようなラジアル軸受を用いた場合、その
調節構造が複雑化するとともに、高価になる等の
欠点がある。

そこで、この考案は、高い回転精度を得るとと
もに、ローラ位置の調節を容易にしたガイドロー
ラの提供を目的とする。

即ち、この考案のガイドローラは、支持部材
（支持フレーム）に一端が固定され他端がねじ部
とされた支持軸２にその周面を覆いかつ一端にね
じ部２０が形成されたガイド筒１２を被せるとと
もに、このガイド筒１２に円筒状を成しかつ内面
側の軸方向に離間した位置に第１及び第２の回転
支持面２８，３０を持つ回転支持体２６を内面側
に固定したローラ２４を設置し、第１の回転支持
面２８に対応する第１の回転支持環３８を固定す
るとともに、第２の回転支持面３０に対応する第
２の回転支持環３２をガイド筒１２に固定し、第
１の回転支持面２８、第１の回転支持環３８及び
ガイド筒１２によつて形成される空間、並びに、
第２の回転支持面３０、第２の回転支持環３２及
びガイド筒１２によつて形成される空間のそれぞ
れに複数のボール３４，３６を設置することによ
り、ガイド筒１２上にローラ２４を回転可能に支
持させたガイドローラにおいて、ガイド筒１２の
ねじ部２０と等しいねじ部５２を外側に形成し支
持軸２に対するローラ２４の軸方向の位置を調節
する位置調節ねじ４８を支持軸２のねじ部１０に
取付け、ガイド筒１２のねじ部２０および位置調
節ねじ４８のねじ部５０に跨がつて固定されて第
１の回転支持環３８を支持する固定鍔部４０を取
付け、この固定鍔部４０内に位置調節ねじ４８か
ら支持軸２のねじ部１０を突出させて位置調節ね
じ４８を固定する固定ねじ５４を取付けたもので
ある。

以下、この考案を図面に示した実施例を参照し
て詳細に説明する。

第１図及び第２図はこの考案のガイドローラの
実施例を示し、第１図はその分解斜視図、第２図
は組立断面図を示す。

支持軸２は、支持部材としてビデオテープレコ
ーダ等の支持部材である支持フレーム４の取付孔
６に圧入等の固定手段で固定される。支持軸２の
下端部には支持フレーム４に固定位置を決定する
径大部８が一体に形成されている。また、この支
持軸２の上端部には径小にされたねじ部１０が形
成されている。

そして、この支持軸２に被せられて固定される
ガイド筒１２には、下端部に行くに従つて径小に
なる傾斜部１４が形成され、この傾斜部１４の上
部に形成された嵌合凹部１８に支持リング１６が
固定されているとともに、上端部にねじ部２０及
び凹部２２が形成されている。

このガイド筒１２の上端部には、その外径より
大きな内径を持つローラ２４が設置され、ローラ
２４の内部には回転支持体２６が圧入等の固定手
段で固定されている。ローラ２４は、磁気テープ
への影響を避けるため、非磁性体材料で形成し、
回転支持体２６は回転精度を高めるため、耐摩耗
性の高い硬質材料で形成する。

回転支持体２６には上下方向に拡開するテーパ
面からなる第１及び第２の回転支持面２８，３０
がそれぞれ軸方向に離間した位置に形成されてい
る。ガイド筒１２には、第１の回転支持面２８に
対応する第１の回転支持環３８が固定鍔部４０に
よつて固定され、また、第２の回転支持面３０に
対する第２の回転支持環３２が支持リング１６上
に設置されている。従つて、ローラ２４は、回転
支持面３０、回転支持環３２及びガイド筒１２で
形成される空間に複数のボール３４の設置により
ガイド筒１２上に回転自在に支持されている。

そして、ガイド筒１２のねじ部２０は、固定鍔
部４０に形成された案内部４２のねじ孔４４にね
じ込まれ、ローラ２４の上端部を覆う形で固定さ
れる。この固定鍔部４０の内部透孔４６には支持
軸２のねじ部１０が位置し、このねじ部１０には
ローラ２４の位置を調節する位置調節ねじ４８が
内部に形成されたねじ部５０によつて取り付けら
れ、この位置調節ねじ４８の外周囲のねじ部５２
には、固定鍔部４０がその内部に形成されたねじ
孔４４を以て取付けられる。

また、位置調節ねじ４８の上端から露出する支
持軸２のねじ部１０には固定ねじ５４が取付けら
れる。固定鍔部４０、位置調節ねじ４８及び固定
ねじ５４には、これらを回動するための治具を挿
入する凹部５６Ａ，５６Ｂ，５６Ｃがそれぞれ形
成されている。

そして、ローラ２４の下端部にはローラ２４の
周囲部に掛け回される磁気テープを下端部におい
て案内する案内鍔部５８が取付けられている。ま
た、このローラ２４の上端には段部を設けて突部
６０が形成されている。この突部６０を覆う凹部
６２が固定鍔部４０の下端部に形成され、これら
突部６０及び凹部６２によつて防塵構造を成して
いる。

以上のように構成したので、支持リング１６が
取付けられたガイド筒１２に回転支持環３２を取
付け、ボール３４を配置した後、ローラ２４を被
せる。さらに、ボール３６を配置し、回転支持環
３８を取付けた後、ローラ２４の上端部から露出
しているガイド筒１２のねじ部２０に固定鍔部４
０を取付ける。このようにローラ２４が取付けら
れたガイド筒１２を支持軸２に被せ、固定鍔部４
０の案内部４２からそのねじ孔４４及び支持軸２
のねじ部１０に位置調節ねじ４８を取付ける。

そして、位置調節ねじ４８の外周部のねじ部５
２は案内部４２のねじ孔４４にねじ込まれ、同時
に支持軸２のねじ部１０が位置調節ねじ４８のね
じ部５０にねじ込まれることになる。即ち、位置
調節ねじ４８の回動により支持軸２に固定される
ガイド筒１２の位置が調節され、この結果、ロー
ラ２４の位置、即ちその高さが自由に設定でき
る。このようにローラ２４の位置が設定された
後、位置調節ねじ４８から突出している支持軸２
のねじ部１０の頭部に固定ねじ５４を固定し、そ
の下端面を第２図に示すように位置調節ねじ４８
の上端面に当接することによつて、位置調節ねじ
４８の移動を防止でき、精度の高い位置設定とと
もに、位置ずれを防止できる。

一方、ローラ２４は支持フレーム４に立設され
た支持軸２にガイド筒１２及びボール３４，３６
を介して回転可能に支持されることになる。この
ような回転支持構造を用いれば、極めて構造を簡
単にしてローラ２４の回転を滑らかにすることが
でき、高い回転精度を要求されるビデオテープレ
コーダの磁気テープの移送において、色ずれや音
ずれ等の不都合を生じさせること無くその磁気テ
ープを案内することができる。また、このような
構造によれば、回転精度を高度に維持できるだけ
でなく、その精度を長期に亘つて維持することが
できる。

さらに、このようなガイドローラによれば、製
造上、支持フレーム４に支持軸２を予め固定して
組立てをする必要が無く、ガイドローラ単体とし
て取扱い、製造効率を高めることができる。

以上説明したように、この考案によれば、構造
が簡単で、安定した滑らかな回転状態を得ること
ができるとともに、ローラの位置調節を容易に行
うことができ、しかもその設定位置は精密且つ安
定した状態に維持することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のガイドローラの実施例を示
す分解斜視図、第２図は第１図に示したガイドロ
ーラの組立て状態を示す縦断面図である。 ２……支持軸、４……支持フレーム（支持部
材）、１２……ガイド筒、２４……ローラ、２８
……第１の回転支持面、３０……第２の回転支持
面、３２……第２の回転支持環、３８……第１の
回転支持環、３４，３６……ボール、４８……位
置調節ねじ、５４……固定ねじ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 支持部材に一端が固定され他端がねじ部とされ
   た支持軸にその周面を覆いかつ一端にねじ部が形
   成されたガイド筒を被せるとともに、 このガイド筒に、円筒状を成しかつ内面側の軸
   方向に離間した位置に第１及び第２の回転支持面
   を持つ回転支持体を内面側に固定したローラを設
   置し、 前記第１の回転支持面に対応する第１の回転支
   持環を固定するとともに、前記第２の回転支持面
   に対応する第２の回転支持環を前記ガイド筒に固
   定し、前記第１の回転支持面、前記第１の回転支
   持環及び前記ガイド筒によつて形成される空間、
   並びに、前記第２の回転支持面、前記第２の回転
   支持環及び前記ガイド筒によつて形成される空間
   のそれぞれに複数のボールを設置することによ
   り、前記ガイド筒上に前記ローラを回転可能に支
   持させたガイドローラにおいて、 前記ガイド筒の前記ねじ部と等しいねじ部を外
   側に形成し前記支持軸に対する前記ローラの軸方
   向の位置を調節する位置調節ねじを前記支持軸の
   ねじ部に取付け、 前記円筒部をガイド筒および位置調節ねじのね
   じ部に跨がつて取付けられて前記第１の回転支持
   環を固定する固定鍔部を取付け、 前記固定鍔部内に前記位置調節ねじから前記支
   持軸のねじ部を突出させて前記位置調節ねじを固
   定する固定ねじを取付けたガイドローラ。