JPS6336517Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、帯状体の移送、例えば、ビデオテ
ープレコーダにおけるビデオヘツドの周囲部にお
いて磁気テープの移送を案内するローラに関す
る。

ビデオテープレコーダにおいて、ビデオヘツド
の周囲部には、ビデオヘツドに再生又は記録すべ
き磁気テープを導き、或いはカセツトに案内する
ために１又は２以上のガイドローラが設けられて
いる。このガイドローラはピンチローラ等の駆動
ローラと異なり、単に磁気テープの移送を案内す
るために用いられている。

従来、この種のガイドローラはビデオヘツドに
隣接して設置され、支持フレームに垂直又は傾斜
させて立設され、その角度は映像との関係から高
い精度が要求されている。従来、ガイドローラの
支持軸は予め支持フレームに固定し、ローラの組
立ては支持フレーム上で行つている。

ローラの精度は単に支持軸の角度だけではな
く、その組立精度についても要求され、支持フレ
ーム上の狭い空間での組立ては手数を要するとと
もに、作業性が悪く、その改善を必要としてい
る。

そこで、この考案は、ガイドローラ自体を支持
フレームとは別に組立て可能にして独立したもの
とし、この組立て後、支持フレームに取付け可能
にし、組立ての容易化と、作業性の向上を図つた
ガイドローラの提供を目的とする。

即ち、この考案のガイドローラは、ローラの内
側に傾斜面を似て回転支持面を形成し、この回転
支持面、支持軸の周面及び支持軸に設けた支持環
からなる空間部に複数のボールを設置するととも
に、前記支持環と支持軸上に設けたストツパとの
間に弾性部材を設けて支持環を付勢することによ
つて、支持軸上にローラを回転自在に支持させた
ものである。

以下、この考案を図面に示した実施例を参照し
て詳細に説明する。

第１図は、この考案のガイドローラの実施例を
示す。円柱状の支持軸２の下端部には、支持フレ
ーム４に穿設された固定孔６に圧入する長さを残
し、ストツパ８が上下位置の調節を可能に固定ね
じ１０で固定されている。このストツパ８の上部
にはスプリング１２が介挿されて支持環１４が設
置され、この支持環１４の上面には複数のボール
１６が設置されている。このボール１６には耐摩
耗性を有する硬質の非磁性体で形成された円筒状
のローラ１８が支持されている。即ち、ローラ１
８の内周部にはボール１６に当接される回転支持
面２０が形成されている。この回転支持面２０は
下方に拡開するテーパ面に形成され、ローラ１８
の下部はこの回転支持面２０をボール１６に当接
させて支持軸２に支持されている。このローラ１
８の下端部には、その周面に懸け回された磁気テ
ープを支持する鍔部２２が形成されている。

また、ローラ１８の回転支持面２０から離間し
た上部内周部には、同様の回転支持面２４が形成
され、この回転支持面２４上には複数のボール２
６が設置され、回転支持面２４に対向して支持環
２８が支持軸２に取付けられるとともに、支持軸
２の上端部に形成したねじ部３０には、断面が台
形状の鍔部３２が内部に形成したねじ孔３４によ
つて取付け可能にされている。この鍔部３２の上
端面部には、着脱のために治具を挿入する凹部３
６が形成されている。

以上のように構成したので、このガイドローラ
は、支持軸２に支持フレーム４へ圧入される長さ
を下端部に取り、ストツパ８を固定ねじ１０で固
定し、このストツパ８の上面部にスプリング１２
を介挿して支持環１４を載置し、この支持環１４
の上面に複数のボール１６を支持軸２の周面に接
触させて配置するとともに、ローラ１８をその回
転支持面２０をボール１６に接触させて遊嵌さ
せ、ローラ１８の上部の回転支持面２４に複数の
ボール２６を支持軸２の周面に接触させて配置
し、このボール２６の上部に支持環２８を載置
し、この支持環２８より突出したねじ部３０に鍔
部３２を取付けることによつて組立てることがで
きる。このガイドローラは支持フレーム４とは独
立した状態で組立てる。このガイドローラは、第
２図に示すように、鍔部３２の上端開口部には、
鍔部３２の緩みを防止するため、接着剤３８を充
填した後、支持フレーム４の固定孔６に支持軸２
の下端部をストツパ８の下面部まで、第１図に示
す矢印Ａの方向に圧入等の固定手段で固定し、支
持フレーム４に立設することができる。従つて、
このガイドローラは支持フレーム等の組立て、取
付け等の作業とは別に組立てることができ、ガイ
ドローラ自体の組立精度を高めることができる。
従来のように、支持フレーム４に支持軸２を固定
した後、狭い空間での作業、複雑な作業工程を必
要とする等の不都合がなく、しかも、ガイドロー
ラ自体の不良品は固定前に除くことができる等、
製造上の歩留りを向上させることができる。

また、このような構成によれば、支持軸２の周
面に複数のボール１６，２６を配置し、このボー
ル１６，２６にローラ１８の回転支持面２０，２
４を当接させてローラ１８を支持軸２に回転可能
に支持させ、しかも、ボール１６，２６はスプリ
ング１２で常に一定の圧力で付勢されているの
で、構造が簡単であるとともに、安定した滑らか
な回転状態を長期に亘り維持することができる。

この結果、回転ヘツドの周囲部において、録画
磁気テープ又は再生するための磁気テープを磁気
ヘツドに送り、又は磁気テープからの磁気テープ
をカセツト方向に移送させる場合、変位等を生じ
させることなく、その移送状態を滑らかなものと
することができる。

以上説明したように、この考案によれば、ロー
ラの内側に傾斜面を似て回転支持面を形成し、こ
の回転支持面、支持軸の周面及び支持軸に設けた
支持環からなる空間部に複数のボールを設置する
とともに、支持環と支持軸上に設けたストツパと
の間に弾性部材を設けて支持環を付勢することに
よつて、支持軸上にローラを回転自在に支持させ
たので、ガイドローラを組み立てと、その支持軸
の他の部材に対する固定とを別個に独立して行う
ことができ、組立ての容易化とともに、その作業
性を向上させ、組立精度を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のガイドローラの実施例を示
す分解縦断面図、第２図は第１図に示したガイド
ローラの組立状態を示す縦断面図である。 ２……支持軸、８……ストツパ、１０……固定
ねじ、１２……スプリング、１６，２６……ボー
ル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ローラの内側に傾斜面を以て回転支持面を形成
   し、この回転支持面、支持軸の周面及び支持軸に
   設けた支持環からなる空間部に複数のボールを設
   置するとともに、前記支持環と支持軸上に設けた
   ストツパとの間に弾性部材を設けて支持環を付勢
   することによつて、支持軸上にローラを回転自在
   に支持させたガイドローラ。