JPS6336451Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、エレベータ式のバケツトを備えた自
動販売機に関する。

［従来の技術］ 従来この種の自動販売機は、複数段の商品収納
棚、各収納棚の下方に配置されたコンベア、エレ
ベータ式のバケツトを有し、所定の収納棚からコ
ンベアで送り出された商品が一旦バケツトに挿入
され、バケツトがこの商品を取出口まで搬送する
ようになつている。また、バケツトは、支軸に回
動可能に取付けられると共に復帰ばねによつて水
平状態を維持するように付勢されている。バケツ
ト昇降路の下方には、バケツト回動用のストツパ
が設けられており、バケツトが商品取出口付近ま
で下降すると、バケツトの端部がこのストツパに
当つて支軸を中心に回動し、中の商品が取出口へ
と落下する。

一方、収納棚上の商品をコンベアで移動させる
場合には、商品が倒れないようにかつ次の商品が
誤まつてバケツトへ落下しないようにしなければ
ならない。

このため、実公昭55−39512号の考案では、商
品収納棚を商品出口側が若干上になるように傾斜
させて次の商品が確実に停止するように構成され
ている。また、実開昭55−74969号の考案では、
収納棚を回動可能に配置して、商品収納時には収
納棚の先端を上向きに維持し、商品送り出し時に
は収納棚の先端を下げて商品が落下するようにな
つている。

［考案が解決しようとする問題点］ しかし、上記２件の従来技術をバケツト搬送式
の自動販売機に用いると、商品を受取る位置によ
つてバケツトが回動し、安定した状態でバケツト
が下降できなくなるおそれがある。また、これを
回避しようとすればバケツトの水平復帰ばねを大
型にしなければならず、大型の復帰ばねを用いる
と今度はバケツトを商品取出口で回動させる際の
負荷が増大する。

本考案は、かかる事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、大きな復帰ばねを要せずにバ
ケツトを安定状態で移動でき、衝撃があつても収
納棚の商品が落下しない自動販売機を提供するこ
とにある。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的を達成するため、本考案は、商品の出
口側を上方に傾けて設置された商品の収納棚と、
収納棚上の商品を順次送り出すコンベアと、コン
ベアで送り出された商品を受容する回動可能なバ
ケツトと、バケツトを水平位置に付勢する付勢手
段と、バケツトを商品取出口に搬送するエレベー
タと、商品取出口付近でバケツトを回動させるバ
ケツト回動手段とを有する自動販売機において、
前記各収納棚の一側に商品ストツパを設けて収納
棚全体を商品ストツパ側に傾斜させ、バケツトの
回動支点より奥側の部分を収納棚の商品出口に対
応させて配置している。

［作用］ これらの構成により、コインを入れて商品選択
ボタンが押されると、まずバケツトが水平状態の
まま指定商品のある収納棚へと移動して一旦停止
し、続いてコンベアが作動して収納棚上の商品が
所定数だけバケツトへと送り込まれる。このと
き、商品は必ずバケツトの支点よりも奥側に入る
ので、商品の荷重がバケツトを水平にする方向に
かかることになり、バケツトが回動することはな
い。

次にエレベータが作動してバケツトが揺れるこ
となく下降し、バケツトが商品取出口付近に達す
るとバケツト回動手段によりバケツトが付勢手段
に抗して回動し、中の商品が取出口に落下する。

（実施例） 第１図乃至第３図は本考案の一実施例を示すも
ので、４０は縦長で断熱材を充填した箱状の自動
販売機本体、４１は前記自動販売機本体４０の扉
体で、一側寄りには商品サンプル部４２を他側寄
りには硬貨投入口４３及び商品選択ボタン４４
を、更に下部には商品取出口４５，４６をそれぞ
れ設けている。

５０は自動販売機本体４０の内部で背板４０ａ
の上下方向に取付けられたエレベータで、エンド
レスチエーン５１、両側を開口し断面略コ字状に
形成された商品搬送用のバケツト５２及び連結杆
５３からなる。前記バケツト５２の上板及び底板
の両側寄りにはそれぞれ上下に対応させて貫通孔
５２ａが設けられている。また、前記連結杆５３
は水平状態になる如く一端を前記チエーン５１に
取付け、他端を該バケツト５２の底板下面の略中
央に回動自在に枢着すると共に同じく他端に取付
けられたバネ（図示せず）によつて該バケツト５
２の底板が連結杆５３上に水平に支持されるよう
付勢している。

６０は前記エレベータ５０の両側に複数段取付
けられた横長の商品の収納棚で、自動販売機本体
４０の背板４０ａ側の一端に断面Ｌ字状の商品ス
トツパ６２を取付け、かつ収納棚６０の商品スト
ツパ６２が設けられている一側並びに該バケツト
５２の移動路と反対側の一端がそれぞれ下側に位
置するよう傾けて取付けられている。収納棚６０
の商品送り出し側は、第３図に想像線で示すよう
にバケツト５２の回動支点よりも奥（図中右側）
にくるように配置され、バケツト５２が商品を受
容したときに回動しないようになつている。ま
た、該収納棚６０には商品を載置すると同時に商
品をエレベータ５０方向に移動させるコンベア６
１が取付けられている。

７０は最下段の前記収納棚６０の下側に取付け
られたシユートで、前記扉体４１方向の一端を低
くして傾斜させている。また、該シユート７０の
一端寄りには前記バケツト５２の底板が接したと
きエレベータ５０の作動を止める停止スイツチ７
１を、他端寄りの該バケツト５２の貫通孔５２ａ
と対応する位置には挿通孔７２をそれぞれ設けて
いる。

８０は光を射出する光源、８１は該光を受ける
受光素子で、両者は前記バケツト５２の底板が連
結杆５３に水平に当接しているとき前記射出光が
受光素子８１に到達するよう取付けられ、かつ、
該射出光が遮られた時前記コンベア６１の作動を
止めバケツト５２を下方向に動かすよう設定され
ている。

９０は前記商品取出口４５の内側に取付けられ
たシヤツター、１００は連結チエーン１０１を介
してエンドレスチエーン５１を可逆駆動させるモ
ータ、１１０は前記エンドレスチエーン５１の下
部に取付けられたカムスイツチで、カウント数に
よりバケツト５２の停止位置を検知する。１２０
は前記バケツト５２のストツパで、前記シユート
７０の他端のやや上方に内側に突出して形成して
いる。

尚、１３０はサーペンタインラツクであり、サ
ーペンタイン方式によつても商品を搬送すること
ができる。

本考案は前述の如く構成されているので、硬貨
投入口４３より硬貨を投入し商品選択ボタン４４
を押すと、モータ１００が駆動し所定位置例えば
収納棚６０ａの位置までバケツト５２が上昇して
前記カムスイツチ１１０の作用によつて停止す
る。この時、コンベア６１ａの作動スイツチ（図
示しない）が連動しコンベア６１ａが作動するの
で商品Ｄはバケツト５２の方へ移動しバケツト５
２内に収納される。このとき、商品は必ずバケツ
ト５２の奥側、即ち回動支点より右側へ挿入され
るので、バケツト５２が第３図の反時計方向に回
動したり、揺れることはない。また、バケツト５
２内の商品荷重方向は、前述の復帰ばねの付勢方
向と同じであるからばね力を大きくする必要はな
い。そして、該収納と同時に商品Ｄが前記貫通孔
５２ａ上を通ることから光源８０からの射出光が
遮られ、コンベア６１ａの作動が停止すると共に
モータ１００は逆回転してバケツト５２を降下さ
せる。このバケツト５２の降下によつて、該バケ
ツト５２の底板の一端がストツパ１２０に衝突
し、更に連結杆５３の他端を中心にバネの弾発力
に抗してバケツト５２が反時計回りに回転し前記
バケツト５２の底板が傾斜状態となつてその他端
がシユート７０に当接する。これにより、該バケ
ツト５２の中に収納された商品はシヤツター９０
側に送出され、また、該底板の先端が停止スイツ
チ７１に接することによりモータ１００の駆動も
停止する。そして、その後シヤツター９０を開い
て商品取出口４５から商品Ｄを取出すこととな
る。

このように、前記エレベータ５０に取付けられ
たバケツト５２の上下動及び前記各収納棚６０の
コンベア６１ａの駆動によつて商品Ｄの搬出を行
なうことができる。

また、前記各収納棚６０は該バケツト５２の移
動路と反対側の一端がそれぞれ下側に位置するよ
う傾斜させて取付けられていることから、コンベ
ア６１ａが作動するときも商品D1個のみがバケ
ツト５２内に収納され、後続の商品Ｅには重力に
より該バケツト５２と反対側に移動する傾向が常
に働きバケツト５２に誤つて収納されることはな
いし、また自動販売機本体４０の外部から振動等
が加わつてもバケツト５２側に商品Ｅが落下する
こともない。

更に、各収納棚６０は自動販売機本体４０の背
板４０ａ側の一端が下側に位置するよう傾斜させ
て取付けられていることから、商品は常に重力に
より自動販売機本体４０の背板４０ａ側に移動し
て商品ストツパ６２で保持され、外部から多少の
衝撃が加わつても扉体４１と収納棚６０との間か
ら落下することがなく、また、落下防止のための
スペーサ等の取付けも要しない。

尚、前記実施例はバケツト５２の貫通孔５２ａ
を４個設けた自動販売機を説明したが、前記バケ
ツト５２の貫通孔５２ａを５個以上設けると同時
に光源８０、受光素子８１及び挿通孔７２を３個
以上設け、並設した収納棚６０から搬送される商
品の収納をより適確に検知するようにしてもよ
い。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案の自動販売機で
は、各収納棚の一側に商品ストツパを設けて収納
棚全体を商品ストツパ側に傾斜させ、バケツトの
回動支点より奥側の部分を収納棚の商品出口に対
応させて配置したから、商品が必ずバケツトの奥
へ挿入されることになり、バケツトの復帰ばねを
大型化することなく安定した状態でバケツトを移
動させることができる。また、各収納棚に商品ス
トツパを設けて全体を傾斜させているので、外部
から少々の衝撃が加わつても商品の落下を防止す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の自動販売機を示す
もので、第１図はその斜視図、第２図はその内部
構造を示す正面図、第３図はその断面図である。 図中、４０……自動販売機本体、５０……エレ
ベータ、５２……バケツト、６０……収納棚、６
１……コンベア。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 商品の出口側を上方に傾けて設置された商品の
   収納棚と、収納棚上の商品を順次送り出すコンベ
   アと、コンベアで送り出された商品を受容する回
   動可能なバケツトと、バケツトを水平位置に付勢
   する付勢手段と、バケツトを商品取出口に搬送す
   るエレベータと、商品取出口付近でバケツトを回
   動させるバケツト回動手段とを有する自動販売機
   において、 前記各収納棚の一側に商品ストツパを設けて収
   納棚全体を商品ストツパ側に傾斜させ、バケツト
   の回動支点よりも奥側の部分を収納棚の商品出口
   に対応させて配置したことを特徴とする自動販売
   機。