JPS6336177Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はデイスクの両面に対向して配置した摩
擦パツドを跨ぎ、一方の摩擦パツドの背面を押圧
する押圧手段を備えたインナ部と他方の摩擦パツ
ドの背面に当接するアウタ部とを有するキヤリパ
が、デイスク軸方向と平行に設けられたピンによ
りデイスク軸方向に移動可能に設けられ、かつピ
ンブーツの一方の端部にピン側取付部を形成して
前記ピンの摺動部に続いて外周に形成された係止
溝に係止し、他方の端部に支持腕側取付部を形成
してブラケツトまたはキヤリパに係止した車両用
デイスクブレーキにおけるピンブーツに関するも
ので、前記ピンブーツは小径のピン側取付部と支
持腕側取付部との間に大径部を形成し、該大径部
と小径のピン側取付部との間に小径のピン側取付
部方向に径が漸減する傾斜ストレート部を形成す
るとともに、該傾斜ストレート部と前記大径部と
の接続部内側にピン外周方向に向つて突出しピン
ブーツの反転を防止する周状のリブを形成したこ
とを特徴としその目的とするところは、ピンブー
ツの取付が極めて簡単かつ確実であるとともに、
ピンブーツの反転が有効に防止され反転による破
損・損傷がなくなり長期間良好に使用することが
できる前記車両用デイスクブレーキにおけるピン
ブーツを提供するにある。

以下、図面により本考案の一実施例について説
明する。

１は車輪と一体に回転するデイスク、２は車体
に固定されるブラケツトで、デイスク１の周方向
間に隔置される左右一対の支持腕３，３を有し、
これらはデイスク１の外周部を跨いでいる。４，
４はこの支持腕３，３の相対向面に突設された案
内レールで、デイスク１の両側に配置された一対
の摩擦パツド５，６の裏板５ａ，６ａの両端をそ
れぞれデイスク１の軸方向に摺動可能に支持して
いる。７はインナ部８とアウタ部９とを有するキ
ヤリパで、デイスク１とその両側に配置された両
摩擦パツド７，８を跨ぐように配置され、インナ
部８はマスタシリンダ（図示せず）に連通する液
圧シリンダ１０を備え、これにインナ側の摩擦パ
ツド５をデイスク１に対して押圧するピストン１
１を収容している。一方アウタ部９は他方の摩擦
パツド６の背面に当接している。

そして、キヤリパ７にはインナ部８のデイスク
回入側とデイスク回出側にピン取付部１２，１２
が一体に突出して形成されており、このピン取付
部１２，１２は支持腕３，３に形成された支持孔
３ａ，３ａにデイスク軸方向に摺動自在に嵌挿さ
れている摺動ピン１３，１３に締付ボルト１４，
１４により締付固定されている。

１５，１５はピンブーツで、一端の支持腕側取
付部１５ａ，１５ａは支持孔３ａ，３ａの外縁に
形成された係止溝３ｂ，３ｂに嵌合し、他端のピ
ン側取付部１５ｂ，１５ｂは摺動ピン１３，１３
に形成された係止溝１３ａ，１３ａに嵌合し取付
けられ、摺動ピン１３，１３と支持孔３ａ，３ａ
との間に塵芥、土砂、水等が侵入しないようにし
ている。

このピンブーツ１５は第２図および第３図に示
す如く、支持腕側取付部１５ａと中間部１５ｃと
ピン側取付部１５ｂとから構成されており、更に
この中間部１５ｃは支持腕側取付部１５ａ側に一
定の長さで摺動ピン１３と平行なストレート部を
有する大径部１５ｄと、この大径部１５ｄとピン
側取付部１５ｂとの間に形成されたピン側取付部
方向に径が漸減する傾斜ストレート部１５ｅと、
この大径部１５ｄと傾斜ストレート部１５ｅとの
接続部内側から摺動ピン１３の外周方向に突出
し、ピン側取付部１５ｂが当接可能なように近接
する周状のリブ１５ｆとからなつている。そし
て、支持腕側取付部１５ａには数箇所に空気抜き
孔１５ｇが形成され、一方ピン側取付部１５ｂの
内周側前部にはテーパ１５ｈが形成されている。

また、前記摺動ピン１３のピンブーツ係止溝１
３ａは大突条部１３ｂと小突条部１３ｃとにより
形成され、この小突条部１３ｃの外側にはピン側
取付部１５ｂのテーパ１５ｈに対応してテーパ１
３ｄが形成され接続部に続いている。

次にこのピンブーツ１５の組付について説明す
る。まず、ピンブーツ１５の支持腕側取付部１５
ｄを支持孔３ａの係止溝３ｂに嵌合固定し、つい
で摺動ピン１３を支持孔３ａに嵌挿すると、支持
孔３ａ内の空気は空気抜き孔１５ｇから外部に排
出される。そして、摺動ピン１３を更に深く押し
込むと、摺動ピン１３の小突条部１３ｃがピンブ
ーツ１５のピン側取付部１５ｂに当接してこれを
支持孔側へ押動する。これにより、ピンブーツ１
５の傾斜ストレート部１５ｅが外側へ屈曲してい
き、ピン側取付部１５ｂが周状のリブ１５ｆに当
接して係止されると、ピン側取付部１５ｂのテー
パ１５ｈが小突条部１３ｃのテーパ１３ｄに案内
されて上昇してピン側取付部１５ｂが小突条部１
３ｃを越えて係止溝１３ａに嵌合して取付けられ
る。このとき、ピンブーツ１５は傾斜ストレート
部１５ｅの外側への屈曲と、周状リブ１５ｆのス
トツパー作用によつて反転することなく簡単かつ
確実に取付けられる。

なお、このピンブーツはブラケツトに支持され
た支持ピンにキヤリパの腕部が摺動自在に支持さ
れるデイスクブレーキについても一端の取付部を
キヤリパの腕部に、他端の取付部を支持ピンに嵌
合固定して同様に実施することができる。

このように本考案によれば、ピンブーツの小径
のピン側取付部と支持腕側取付部との間に大径部
を形成し、該大径部と小径のピン側取付部との間
に小径のピン側取付部方向に径が漸減する傾斜ス
トレート部を形成するとともに、該傾斜ストレー
ト部と前記大径部との接続部内側にピン外周方向
に向つて突出しピンブーツの反転を防止する周状
のリブを形成したから、ピン側取付部をピンの係
止溝に係止させる際に、ピン側取付部の内側部全
周にリブが当接するので、ピン挿入が進んでもピ
ンブーツの巻込み反転が確実に阻止され、かつピ
ン側取付部の係止溝への係合を確実にガイドする
ことができ、したがつてピンブーツの取付が極め
て簡単かつ確実であるとともに、ピンブーツの反
転が有効に防止され、反転によるピンブーツの破
損・損傷がなくなり長期間良好に使用することが
できる等の効果を有している。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は一部切断平面図、第２図はピンブーツの組付状
態を示す断面図、第３図はピンブーツの一部切断
斜視図である。 ２はブラケツト、３は支持腕、３ａは支持孔、
３ｂは支持孔の係止溝、７はキヤリパ、１２はピ
ン取付部、１３は摺動ピン、１３ａは摺動ピンの
係止溝、１５はピンブーツ、１５ａは支持腕側取
付部、１５ｂはピン側取付部、１５ｃは中間部
で、１５ｄはその大径部、１５ｅはその傾斜スト
レート部、１５ｆは周状リブ、１５ｇは空気抜き
孔、１５ｈはテーパである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. デイスクの両面に対向して配置した摩擦パツド
   を跨ぎ、一方の摩擦パツドの背面を押圧する押圧
   手段を備えたインナ部と他方の摩擦パツドの背面
   に当接するアウタ部とを有するキヤリパが、デイ
   スク軸方向に平行に設けられたピンによりデイス
   ク軸方向に移動可能に設けられ、かつピンブーツ
   の一方の端部にピン側取付部を形成して前記ピン
   の摺動部に続いて外周に形成された係止溝に係止
   し、他方の端部に支持腕側取付部を形成してブラ
   ケツトまたはキヤリパに係止した車両用デイスク
   ブレーキにおいて、前記ピンブーツは小径のピン
   側取付部と支持腕側取付部との間に大径部を形成
   し、該大径部と小径のピン側取付部との間に小径
   のピン側取付部方向に径が漸減する傾斜ストレー
   ト部を形成するとともに、該傾斜ストレート部と
   前記大径部との接続部内側にピン外周方向に向つ
   て突出しピンブーツの反転を防止する周状のリブ
   を形成したことを特徴とする車両用デイスクブレ
   ーキにおけるピンブーツ。