JPS595241Y2 - フロ−テイングデイスクブレ−キ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はフローティングディスクブレーキに設けられた
ダストシールの改良に関する。

一般のフローティングディスクブレーキのキャリパは第
１図に示すごと〈構成されている。

すなわち、スライドピン２はキャリパボデー１に設けら
れた貫通溝に摺動可能に嵌入されるとともに、同スライ
ドピン２の突出端にはナックルに固定されたトルクプレ
ートド３が固着されている。

そして、制動時には、キャリパボデーに内蔵されたピス
トン７により制動パッド６がディスク９に押圧すべく固
在側に移動するとともに、キャリパボデー１はスライド
ピン２と相対的に摺動して右側に移動し、上記制動パッ
ド６に対向する制動パッド８もディスク９を押圧して制
動する。

そしてこの制動時にキャリパボデー１が受けるトルクは
上記のごとく構成された２本のスライドピン２で受けて
いる。

なお、１４は上記キャリパボテ゛−１に設けられた貫通
溝のカバーであり、スライドピン２部への泥水浸入防止
用ダストシール４はシール固定部材５によりキャリパボ
デー１に固着され、同シール４のリップ部はシール本体
より直接■状にスライドピン２方向に突出して同ピン２
に当接している。

従って、上記従来のダストシール４は後述する理由によ
りヘタリや摩耗等が発生し、そのため摺動部に泥水が浸
入し、スライドピン２とキャリパボデー１の錆付ないし
は異常摩耗が発生して著しくディスクブレーキの性能が
阻害される。

次に、ダストシール４のヘタリおよび摩耗について述べ
ると、 ダストシール４のリップ部のへタリは、ブレーキ作動時
のブレーキトルクによるスライドピン２の変位が直接ダ
ストシール４のリップ部に作用するために発生し、また
、ダストシール４のリップ部の摩耗は、トルクプレート
３とダストシール４間のスライドピン２が大気に露出し
ているためその表面に常にダスト、泥水が付着し、この
ようにダストで汚染されたスライドピン２上を車両走行
中の振動によってキャリパボデー１が微摺動することと
、制動パッド６および８の引摺り防止の面からブレーキ
作動後のキャリパボデー１の戻りを良くするため、ダス
トシール４とスライドピン２間の摺動抵抗を小さくする
必要があり同ダスＩ・シール４のリップ部の弾性変形に
よる締付力が小さくなっていることにより、ダストシー
ル４のリップ部がスライドピン２上のダストを噛込んで
発生する。

また、上記不具合を解消した従来構造のものとして例え
ば特開昭４６−４８５８号公報に記載されたものがある
。

すなわち同公報の技術はキャッパの溝部とキャリパが摺
動するスリーブの溝部とに内側ブーツを取付けて、内側
ブーツ内へのダストや泥水の浸入を防止して内側ブーツ
のへタリや摩耗等を防止したものである。

しかしながら同公報の技術ではキャリパとスリーブとが
相対移動を行う際に内側ブーツの自身の伸縮量を制限す
る手段がないため、内側ブーツに異常な伸びが作用して
しまい内側ブーツの蛇腹部が早期に破損してしまう惧れ
がある。

さらには、ブレーキ解除時に、ブレーキ作動時に生じた
内側ブーツの蛇腹部の伸びがキャリパの戻し力としで作
用するが、蛇腹部のみの復元力ではキャリパの戻し力と
しては不十分であり、ブレーキの引摺りを防止できない
という惧れがある。

本考案は上記欠点を解消するために提案されたものであ
って、ディスクの軸線方向に摺動可能にキャリパボデー
に支持され先端を上記キャリパボデー外方に延ばしたス
ライドピン、同スライドピンの先端に固定され制動パッ
ドを係止するトルクプレート、および上記キャリパボデ
ーに固定され同キャリパボテ゛−内で゛上記スライドピ
ンに当接する第１リップ部と上記キャリパボデー外方の
上記スライドピンに適度な締付力で当接する第２リップ
部と上記両リップ部を接続すると共に間両リップ部の軸
方向相対変位により伸縮する蛇腹部に自身の伸縮量を制
限するリブ部が上記軸方向に沿って延びるように設けら
れたダストシールを具備したことを特徴とするフローテ
ィングディスクブレーキを要旨とし、制動パッドの摩耗
量が小さい時のブレーキ作動時ではスライドピンの移動
量も小さいことから、第２リップ部もスライドピンに引
張られて若干の移動をし、第２リップ部の移動量を蛇腹
部及びリブ部が吸収して、ダストシールは略所定形状に
近い形状になっており、さらに制動パッドの摩耗量が増
大した時のブレーキ制動時では、スライドピンの移動量
も増大することから、第２リップ部もスライドピンの移
動に引張られて大きく移動しようとするが、リブ部によ
り蛇腹部の伸びが規制されて、第２リップ部はスライド
ピンとの間で滑りを生じ、移動前の状態に復帰しようと
するため、蛇腹部は上記リブ部により伸縮量が制限され
るので、常に所定形状に近い形状を保持しようとする力
が作用され、第２リップ部がブレーキ解除時に変形した
蛇腹部及びリブ部の復元力により移動したスライドピン
に対して戻し力を作用せしめることができ、ブレーキの
引摺りを防止できると共にダストシールの蛇腹部に異常
な伸びが作用しなくなるため、ダストシールはその耐久
性が向上されるという効果を奏する。

次に、本考案の実施例を第２図および第３図により詳細
に説明する。

なお、図中上記従来例の部材と同一部材には同一符号を
付した。

第２図において、ダストシール４′はシール固定部材５
によりキャリパボデー１に固着されるとともに、第１リ
ップ部１１はスライドピン２に当接し、また第２リップ
部１２はシール材料の弾性力によりスライドピン２を締
付けるように取付けられ、さらに、上記両リップ部１１
．１２は蛇腹部１３により連結され、同蛇腹部１３には
第３図に示すごとく蛇腹形状保持用のリブ部１０が周方
向に間隔をおいて複数個配設されている。

上記構造を有する本考案の実施例においては、ブレーキ
作動時ダストシール４′はリブ部１０により蛇腹の伸縮
方向に補強されているため蛇腹部１３はリップ部１２の
締付力による摺動抵抗とリブ部１０の伸びによる力との
バランスした変形をする。

そして、制動パッドの摩耗量が小さい時のブレーキ作動
時では、スライドピン２の移動量も小さいことから、第
２リップ部１２もスライドピン２に引張られて若干の移
動をし、第２リップ部１２の移動量を蛇腹部１３及びリ
ブ部１０が吸収して、ダストシール４′は略所定形状に
近い形状になっており、さらに制動パッドの摩耗量が増
大した時のブレーキ制動時では、スライドピン２の移動
量も増大することから、第２リップ部１２もスライドピ
ン２の移動に引張られて大きく移動しようとするが、リ
ブ部１０により蛇腹部の伸びが規制されて、第２リップ
部１２はスライドピン２との間で滑りを生じ、移動前の
状態に復帰しようとするため、ダストシール４′は蛇腹
部１３に異常な伸びが作用することが低減され、蛇腹部
１３の早期破損が防止されると共にダストシール４′の
耐久性が向上するという効果を奏する。

また、蛇腹部１３は上記リブ部１２により伸縮量が制限
されるので、常に所定形状に近い形状を保持しようとす
る力が作用され、第２リップ部１２がブレーキ解除時に
変形した蛇腹部１３及びリブ部１０の復元力により移動
したスライドピン２に対して戻し力を作用せしめること
ができ、ブレーキの引摺りを防止できるという効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のキャリパを示す概略図、第２図は本考案
の実施例を示す断面図および第３図は第２図のＡ−Ａ矢
視図である。 １・・・・・・キャリパボデー、２・・・・・・スライ
ドピン、３・・・・・・トルクプレート、４，４′・・
・・・・ダストシール、５・・・・・・シール固定部材
、６，８・・・・・・制動パッド、９・・・・・・ディ
スク、１０・・・・・・リブ部、１１．１２・・・・・
・リップ部、１３・・・・・・蛇腹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. テ゛イスクの軸線方向に摺動可能にキャリパボデーに支
   持され先端を上記キャリパボテ゛−外方に延ばしたスラ
   イドピン、同スライドピンの先端に固定され制動パッド
   を係止するトルクプレート、および上記キャリパボデー
   に固定され同キャリパボデー内で上記スライドピンに当
   接する第１リップ部と上記キャリパボテ゛−外方の上記
   スライドピンに適度な締付力で当接する第２リップ部と
   上記両リップ部を接続すると共に間両リップ部の軸方向
   相対変位により伸縮する蛇腹部を有しかつ上記蛇腹部に
   自身の伸縮量を制限するリブ部が上記軸方向に沿って延
   びるように設けられたダストシールを具備したことを特
   徴とするフローティングディスクブレーキ。