JPS6335727Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） 本案は湯沸し及び保温の両機能を有する所謂ジ
ヤーポツト等の電気湯沸器に関するものである。

（従来技術） 従来、この種の電気湯沸器、特に湯水を一旦湯
騰させた後保温する沸騰型の電気湯沸器にあつて
は、湯沸し時における内部圧力の上昇を抑制する
ために、上蓋に蒸気通路を設けて容器内部で発生
した蒸気を外方に放出するようになつている。と
ころが、このような蒸気通路は常時開放状態にあ
る為、保温性能が悪く保温電力の増大を招き、又
害虫や埃等が侵入する等の欠点があつた。

（目的） 本案はかかる点に鑑みてなされたもので、蒸気
通路に常時閉型の弁を設け、この弁を蒸気熱を利
用して開放させることにより、内部圧力の上昇を
抑制できる上に、保温性能を高め、害虫や埃等の
侵入を防止できるようになし、従前の欠点を解消
したものである。

（実施例） 以下図面に示した本案の実施例について詳細に
説明する。

１は湯水を収容する容器で、内部の湯水はヒー
タ（図示せず）により加熱昇温される。このヒー
タは温度制御装置により制御され、湯水を一旦沸
騰させた後所定の温度で保温する。２は容器１の
開口を密閉する中蓋で、上面中央に摘子３を有
し、この摘子３の中央には上下に貫通して送気通
路４を形成する。５は中蓋２の上方を開閉自在に
被う上蓋で、ベローズ７、押釦８及びスプリング
（図示せず）等よりなるエアポンプ６を内蔵する。
このエアポンプ６は押釦８によりベローズ７を圧
縮操作した時に、送気口９から送気通路４を経て
容器１内に空気を送り込み、内部の湯水を注出路
（図示せず）を経て外方に注出させるものである。
１０は上蓋５内において送気口９部より分岐して
設けた蒸気通路で、一端を送気口９及び送気通路
４を介して容器１内部に、他端を外気に夫々通じ
ており、容器１内部で発生した蒸気を外方に放出
する。１１は蒸気通路１０の途中に設けた弁で、
スプリング１２の付勢力により常時閉状態にあ
る。１３は形状記憶合金よりなる弁作動部材で、
蒸気熱を受けることにより予め記憶せられた形状
になり、この時スプリング１２に抗して弁１１を
開放動作する。１４は送気口９部に設けた切換弁
で、スプリング（図示せず）の付勢力により常時
送気口９を閉、蒸気通路１０を開の各状態におい
ており、エアポンプ６の操作によつて送気口９を
開、蒸気通路１０を閉の各状態に切換える。

上記構成において、湯沸し開始から沸騰直前ま
では、第３図に示すように弁１１が閉じ蒸気通路
１０を閉塞している。湯水の沸騰が始まり蒸気が
発生して容器１及び蒸気通路１０内に蒸気が充満
すると、弁作動部材１３は蒸気熱を受けて弁１１
を第２図に示すように開放動作させ、蒸気を蒸気
通路１０を介して外方に放出することにより、内
部圧力の上昇を抑制する。

而して、ヒータの制御により沸騰を終え、保温
状態になると、弁作動部材１３は蒸気熱を受けな
くなり、弁１１はスプリング１２の付勢力により
閉状態に復帰する。従つて、保温時蒸気通路１０
からの放熱は抑制され、保温性能が高まることに
なる。

尚、弁作動部材１３は形状記憶合金に限らず、
例えばバイメタル等を用いて同様の作用を発揮さ
せることも可能である。

（効果） 以上の如く本案の構成によれば、沸騰時におけ
る内部圧力の上昇を抑制できることは勿論、保温
時等においては蒸気通路からの放熱を抑え、保温
性能を高めることができると共に、害虫や埃等の
侵入も防止でき、実用上頗る有益な考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案湯沸器の要部を示す概略構成説明
図、第２図は同上弁の開状態を示す断面図、第３
図は同じく弁の閉状態を示す断面図である。 １：容器、５：上蓋、１０：蒸気通路、１１：
弁、１３：弁作動部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 湯水を収容する容器と、該容器内の湯水を加熱
   昇温するヒータと、一端を容器内部に、他端を外
   気に夫々通じる蒸気通路を設けた上蓋とを備え、
   容器内部で発生した蒸気を蒸気通路を介して外方
   に放出させるものにおいて、上記蒸気通路に常時
   閉型の弁を設け、かつこの弁を、蒸気熱を受ける
   ことにより強制的に開放させる弁作動部材を設け
   たことを特徴とする電気湯沸器。