JPS6334064Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は浴室等の出入口の下辺上面に設置さ
れる水切板に関するものである。

例えば浴室の出入口の下辺上面には、浴室で使
用する水がかかつたり、サツシの建具に生じた結
露水が流下したり、濡れた足で上がつたりするの
で、出入口下辺を形成する土台等の部材の防水の
ため、出入口下辺を水切板で覆うことが望まれ
る。しかし、出入口下辺の見込み幅は広狭様々で
あり、広い場合は、ここを人が踏むこともある。
従つて、水切板は出入口下辺の見込み幅に応じて
幅調整が可能であること、人が乗つても変形する
ことなく良好な排水性が維持されることが要請さ
れる。

この考案は、上記要請に応えようとするもので
ある。

次に、図面に基いてこの考案の実施例を説明す
る。

１は更衣室Ａと浴室Ｂの間に設けられた出入口
の下辺を形成する土台であり、２は前記出入口の
見込み幅の更衣室側に寄つた位置において取付け
られた建具保持枠の一構成要素である下枠であ
る。この下枠２は更衣室側の上端部に設けられた
固定縁３とその固定縁の一端部から下方に延びる
水返し壁４と水返し壁の下端からさらに下方に延
びる支持脚５と、水返し壁の下端から浴室側に下
り傾斜する上面壁６と、上面壁の浴室側端部から
前記支持脚５の下端部と共通の水平面まで下方に
延びる支持脚７と、その支持脚の高さ方向中間部
より浴室側に下り傾斜して延出する固定縁８と、
及び上面壁６から立上がるレール９とを有してい
る。

１０は前記下枠のレール９及び図示されていな
い上枠の案内溝を介して開閉自在に保持されてい
る引戸、折戸などの建具である。

１１はこの考案の一実施例である水切板であ
り、帯状の上面板１２とその上面板の浴室側端部
近傍の下面に設けられ、更衣室側に向かつて延出
する補強部を兼ねる取付板１３とを一体に有して
いる。上面板１２の浴室側端部は下方に折曲され
て水切部１４を形成している。そして、上面板１
２の下面には更衣室側端部と、その更衣室側端部
から浴室側端部に向かつて適宜隔てた複数箇所に
おいて下方に突出する支持脚１５₁，１５₂，１５
_３，１５₄が設けられている。これらの支持脚は更
衣室側端部のものから浴室側端部方向に順次突出
長さが短かくされ、かつ、各支持脚の下端部は共
通の水平面上に存する。従つて、上面板１２は更
衣室側端部から浴室側端部にわたつて緩やかに下
り傾斜している。

また、上面板の下面には更衣室側端部の支持脚
１５₁を除く他の支持脚１５₂，１５₃，１５₄の更
衣室側至近において切込み１６が形成されてい
る。

なお、上面板１２の更衣室側端部の上面から支
持脚１５₁の下端までの高さは、前記下枠の浴室
側固定縁８の先端から支持脚７の下端までの高さ
とほぼ等しい。

上記構成の水切板１１は上面板１２の更衣室側
端部を下枠の固定縁８と土台１の上面との間から
支持脚７方向に挿入して、水切板の各支持脚１５
_１〜１５₄を土台１の上面に当接させるとともに、
前記固定縁８の長手方向に隔てた複数箇所におい
てねじ１７を固定縁８及び上面板１２に貫通し、
土台１にねじ込んで下枠２及び水切板１１の一端
を固定し、かつ、取付縁１３を釘など１８で土台
１の浴室側側面に固定して取付けられている。

この状態において、水切板の上面は先端部にか
けて下り傾斜しているから、浴室で飛散した水又
は下枠上面から流下した水は円滑に浴室床部方向
へ排除される。また、上面板の下面には支持脚１
５₁〜１５₄が適宜の間隔をもつて突設されている
から、上面板を人が踏んでも上面板が凹むなどの
変形を生じないので、排水性が損われることがな
い。

上面板１２の土台１の隅角部１Ａが当接する部
分の下面に厚肉部１９を形出しておけば、上面板
の土台よりも先端部寄りの部分を踏んだ場合の体
重による上面板の折曲がより確実に防止すること
ができる。

なお、上面板１２の更衣室側端部において上方
にわずかに突出する突起２０を設けてあり、これ
により、固定縁８の先端と上面板１２の間に生じ
ることがある隙間から水が流入した場合の水返し
効果が得られる。

第１図は水切板１１が最大幅を有する状態で取
付けられた場合を示している。

土台１の見込み幅が第１図に示されたものより
狭い場合、又は下枠２の見込み幅が第１図に示さ
れたものより広い場合は、第２図に示すように前
記切込み部１６のいずれか一つにおいてその切込
み部よりも更衣室側部分の上面板を上下に反覆揺
動することにより、上面板の不要幅分を切除し
て、幅調整をすることができる。各切込み部１６
は支持脚よりも更衣室側において設けられている
ので、切除後も残存する上面板の端部に支持脚１
５₂が存することとなるため、ねじ１７のねじ込
み時又は人の荷重を受けたときの上面板端部の落
込み変形が防止される。

また、各切込み部は支持脚至近に設けてあるの
で、切除によつて生じるバリを工具を用いて除去
する場合に、支持脚が除去作業のガイド又は位置
決めの作用をするため、切除部の仕上がりを美麗
にすることができる。

なお、更衣室側端部の支持脚を除く他の支持脚
の上方においては上面板に段部２１₁，２１₂，２
１₃を形成しておけば、上述のように切込み部に
おいて切除して幅調整をした後においても、未調
整の場合の上面板の更衣室側端部における突起２
０による水返しと同様に、段部２１による水返し
効果が得られる。

上述のように、この考案による水切板は、上面
板の幅方向一端部及び該一端部から他端部方向に
適宜隔てた複数個所における下面に、前記一端部
から他端部方向に順次突出長さが短かくなり、か
つ、下端部を共通の水平面上に有する支持脚を有
しているので、取付けられた状態では、上面板が
前記一端部から他端部方向に下り傾斜するため、
前記一端部の上面にサツシの下枠の一端を延出さ
せた場合は、上面板上面に飛散した水及びサツシ
下枠から流下する水が円滑に排除される。また、
上面板の下面には複数個所において支持脚が突設
されているので、上面板に人が乗つても、上面板
が変形することがなく、排水性及び外観が損われ
ることがない。

さらに、上面板の一端部の支持脚を除く他の支
持脚の前記一端部側至近において、上面板の下面
に切込みを有しているから、出入口の下辺の見込
み幅に応じていずれかの切込み部において上面板
の一部を容易に切除して、水切板の幅調整を簡単
に行なうことができる。そして、切込み部は上面
板の一端部における支持脚の他の各支持脚の至近
に設けてあるから、必要ならば前記支持脚を切除
時に生じるバリの除去作業のガイド又は位置決め
手段として用いることができ、切除後の外観を美
麗にすることができる。しかも、切除の前・後に
拘らず、上面板の一端部下面に支持脚が設けられ
るので、上面板一端部が釘打ち又はねじ込みする
ときの力又はこれに乗つた人の体重により沈下し
て防水性が損われることもない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す断面図、第
２図は幅調整の原理を示す端面図である。 １……土台、２……下枠、１１……水切板、１
２……上面板、１３……取付板、１５₁〜１５₄…
…支持脚、１６……切込み。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 帯状上面板の幅方向一端部及び該一端部から他
   端部方向に適宜隔てた複数個所における下面に、
   前記一端部から他端部方向に順次突出長さが短か
   くなり、かつ、下端部を共通の水平面上に有する
   支持脚を突設するとともに、前記上面板の下面に
   前記一端部の支持脚を除く他の支持脚の前記一端
   部側至近において切断用切込みを形成したことを
   特徴とする水切板。