JPS6333358Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電磁調理器で誘導加熱される鍋等の非
加熱物の温度を検出する電磁調理器に於ける感熱
素子の取付構造に関する。

電磁調理器は、高周波インバータから加熱コイ
ルへ高周波電流を供給し加熱コイルに高周波交番
磁界を発生せしめ、この加熱コイルに近接配置さ
れた鉄系金属鍋を誘導加熱するものであり、調理
器の鍋載置面に直接手を触れても火傷等の心配が
なく安全であり、また掃除がしやすく清潔である
と云う点でガスコンロより秀れ、広く一般に利用
されつつある。ところが、このような電磁調理器
にあつては加熱状態が一見してわかりにくいため
空の鍋を調理器の鍋載置面に放置したまま、電源
を切り忘れると云う事態も発生し易い。この場合
鍋が異常高温に加熱されて危険である。このため
第１図に示す如く従来から電磁調理器の鍋１載置
面となる天板２と加熱コイル３との間隙にその端
部がこの間隙外部まで導出される状態でアルミ等
の熱伝導性良好なる物質を用いて形成された導熱
体４を設けると共にこの導熱体４端部に感熱素子
５を取り付け天板２、導熱体４を介してこの感熱
素子５に伝えられ検出される鍋１の温度により、
制御装置６が加熱コイル３の出力を制御する構成
となつていた。

ところが、このような構成にすると導熱板４や
感熱素子５は加熱コイル３冷却のための送風によ
り冷却されて感熱素子５で正確に鍋の温度検出を
することができなかつた。

本考案はこのような点に鑑みて為されたもので
あつて、鍋の温度が正確に検出できる感熱素子の
取付構造を提供するものである。

以下、図を参照しつつ本考案一実施例を詳述す
る。第２図は本考案感熱素子の取付構造を示す斜
視図であつて７は加熱コイル、８は、この加熱コ
イル７が載置された加熱コイル台、９は感熱部が
アルミ等の熱伝導性良好なる金属で形成された感
熱素子１０が取り付けられるとともに、前記加熱
コイル台８からスプリング１１の力により感熱素
子１０の温度検出部を天板（図示せず）に圧接す
るホルダを示し、本考案はこのホルダ９の構造に
特徴を有する。第３図はこのホルダ９を示し、１
２はサーモスタツト等の感熱素子１０が取り付け
られた円筒形の取付部であつて側面部に感熱素子
１０の一部を露出させるための第１の切欠１３が
設けられている。１４は前記取付部１２が回転摺
動可能な状態で嵌め込まれ、側部に第２の切欠１
５が形成された円筒形のスライダであつて、ホル
ダ９が加熱コイル台８中央において天板裏面にス
プリング１１により圧接されるときこの第２の切
欠１５は加熱コイル７冷却用の風に対向するよう
装着される。尚、ここで、ホルダ９を構成する取
付部１２及びスライダ１４は非磁性かつ耐熱性樹
脂で形成されており加熱コイル７から感熱素子１
０へ輻射熱が伝わらないようになつている。

このような感熱素子の取付構造において市販の
感熱素子１０例えばサーモスタツトでは感熱部が
アルミキヤツプで被覆されているのが通常であ
り、これを天板下面に圧接したとき加熱コイル７
によつて僅かながら誘導加熱され正確な温度検知
ができないという問題がある。

而し乍ら本考案に於ては感熱素子１０が取り付
けられたホルダ９を装着するとき取付部１２をス
ライダ１４内で回転摺動せしめ第１の切欠１３と
第２の切欠１５の重なり部分にて形成される素子
露出部の面積を調節して感熱素子１０からの放熱
量を調整している。従つてアルミ等で被覆された
感熱素子１０が加熱コイル７によつて誘導加熱さ
れてもその熱は適切に放熱され、感熱素子１０は
鍋の温度のみを検出することができる。

このように本考案は感熱素子１０の露出状態を
調節して感熱素子１０に当る風量を調節している
が、第４図に示す如く感熱素子１０の風上方向に
スポンジ等で作られた風よけ１６を適当な大きさ
で形成し感熱素子１０に当たる風量を調節するこ
とも考えられる。

以上述べた如く本考案感熱素子の取付構造は感
熱素子が鍋載置台となる天板裏面に直接圧接され
ているので鍋の温度を正確に感熱素子に伝えるこ
とができる。また感熱素子が取り付けられ側部に
少くとも感熱素子の一部が露出する第１の切欠が
形成された円筒形状の取付部と、この取付部が回
転摺動可能な状態で嵌め込まれ、側部に第２の切
欠が形成された円筒形のスライダと、から成るホ
ルダを設け取付部をスライダ内で回転摺動せしめ
て第１及び第２の切欠で形成される感熱素子露出
部の面積を送風方向に対して可変にしているの
で、この露出面積を調整することにより感熱素子
自体に誘導加熱によつて発生する熱量のみを放熱
ることができ、感熱素子は正確に鍋の温度を検出
することが可能となつて鍋の空炊き検知がより確
実に行える。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の感熱素子の取付構造を示す断面
図、第２図は本考案感熱素子の取付構造を示す分
解斜視図、第３図は、本考案構造に使用されるホ
ルダの斜視図、第４図は、本考案構造の他の実施
例を示す斜視図である。 ７……加熱コイル、８……加熱コイル台、９…
…ホルダ、１０……感熱素子、１２……取付部、
１３……第１の切欠、１４……スライダ、１５…
…第２の切欠、１６……風よけ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 加熱コイル略中央の天板裏面に感熱素子を圧接
   し、加熱コイルの冷却のために送られてくる風を
   利用して、感熱素子を冷却しつつ、この感熱素子
   を用いて天板上に載置された非加熱物の温度を検
   出する構成の電磁調理器において、前記感熱素子
   が取り付けられ、側部に少くとも感熱素子の一部
   が露出する第１の切欠が形成された円筒形状の取
   付部と、この取付部が回転摺動可能な状態で嵌め
   込まれ側部に第２の切欠が形成された円筒形のス
   ライダと、から成るホルダを設け、取付部をスラ
   イダ内で回転摺動せしめて第１及び第２の切欠で
   形成される感熱素子露出部の面積を送風方向に対
   して可変にしたことを特徴とする電磁調理器の感
   熱素子の取付構造。