JPS6332846Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、コンクリート型枠で形成された空
間内部に生コンクリートを流し込んで建築物、構
築物等を形成する場合に必要なコンクリート型枠
の組立て、及びそれを締結するのに利用されるも
のである。

従来技術 鉄パイプ材からなる横桟、支柱及び抱持金具等
を用いてコンクリート型枠を組立て締結する方法
は従来から一般に知られている。公知の方法は多
数の型枠パネルを枠組みすると型枠パネル外面に
外側から横桟を当てがつてホームタイ、連結杆及
び抱持金具等を用いて結合し、さらに支柱又は支
杆を突つ張り棒にして固定するものであつたた
め、数多くの鉄パイプ材を必要とする上に、それ
を空間が埋めつくされる程に密集して恰もジヤン
グルジムのように縦横に組立てるものであり、従
つてそのパネル及び資材の組立てに多大の労力と
時間を要し、又分解にも手間が掛るので工費が嵩
み、資材の管理等においても困難を来たしてい
た。

考案の目的 この考案は、このような従来の点に対処したも
ので、その目的は鉄パイプ等の横桟、支柱等を一
切用いないで簡単確実にコンクリートの型枠パネ
ルを組立てて緊締することのできる装置を提供す
る点にあり、その他の目的は、このような型枠パ
ネルの組立て分解等の作業を簡易迅速に且つ能率
的に行なうことができるようにして著るしく作業
性を高める点にある。

構 成 したがつて、この考案においては、左右型枠パ
ネルの接合部に両面に跨つて外側から当てがわれ
る直板又はＬ形の当て板であつて、該当て板の内
面には左右型枠パネルに突設した係止鍔と嵌合し
うる凹状縦溝又は縦孔からなる係合溝孔を左右に
相対して傾斜状に設け、且つ下端に大径部を存し
てその上部を蟻嵌合壁としてなるものである。

実施例 第１〜３図において、当て板１は縦横の一辺が
300mm程度の正方形又は横長長方形の直板体に形
成して左右型枠パネル２，３の接合部４に両面に
跨つて面接触で当てがわれるように形成する。当
て板１の面には、左右に相対して凹状縦溝又は縦
孔からなる係合溝孔５，６，７，８を傾斜状に設
ける。

第１図と第３図は左右に２組の係合溝孔を設け
た場合で、溝孔５，６と溝孔７，８とは内外面に
逆向きに設けて当て板１を両面使用可能にした。
従つて当て板１の面ａを使用するときは、溝孔
５，６を利用し、反対側の面ｂの場合は溝孔７，
８を利用する。

係合溝孔５，６，７，８は左右パネル２，３の
外面に突設した逆円錐形を呈する係止鍔９，１０
と嵌合するもので、溝孔の下端の大径部５ａ，６
ａ，７ａ，８ａより嵌入して上方へ押しやると蟻
嵌合壁５ｂ，６ｂ，７ｂ，８ｂに係止するように
なつている。

型枠パネル２，３に取付ける係止鍔９，１０は
第７図のような雌雄一対の円錐皿頭ボルトを結合
したもの、又は通常の単一円錐皿頭ボルトを利用
するが、皿頭が円錐形でパネル２，３の外表面２
ａ，３ａ側に固定して突出するようなものであれ
ば何でもよい。

このような係止鍔９，１０は予じめ型枠パネル
２，３の接合部４となる近傍において当て板１の
係合溝孔５，６又は７，８に対応する位置に取付
けておく。

又第４図に示すように、同じ向きに左右２つづ
つ溝孔５，６，５′，６′を設ける場合もあるが、
この場合は片面利用となる。

作 用 コンクリート型枠を組立て、それを締結するに
は次のようにする。

先づ、前後に間隔をおいて左右方向に多数のパ
ネル２，３を並べ、前後に対応する型枠パネル同
志の間隔を連結金具（図示省略）で保持させる。

次いで、当て板１を左右パネルの接合部４上に
当てがい、左右に対となつている係合溝孔５，６
に係止鍔９，１０を嵌入させる。この係止鍔の嵌
入は溝孔の下方の大径部５ａ，６ａ側より行い、
嵌入後に当て板１を下方へ引き下げる。すると大
径部の係止鍔は上方の傾斜した細幅部側へスライ
ド移動する為傾斜により左右型枠パネル２，３は
クサビ作用で中央の接合部へ引き寄せられる。又
この傾斜細幅部への移動によつて係止鍔は蟻嵌合
壁５ｂ，６ｂと蟻嵌合で係合する為当て板１は型
枠パネル２，３の外面に貼り付いたように固定さ
れる。

解体の場合は、当て板１を上方へ押し上げて引
き出せばよい。

型枠パネルにより所定幅の空間が形成される
と、その空間に生コンクリートを流し込めばよ
い。

考案の効果 この考案は上述の構成からなり、当て板の内面
に設けた係合溝孔と左右型枠パネルに突設した係
止鍔とを嵌合させて当て板を下方へ引き下げるだ
けでワンタツチで係合溝孔の傾斜と蟻嵌合壁によ
つて左右型枠パネルを中央に強く引き寄せた状態
にセツトできるものであり、作業が簡単且つスピ
ーデイに行ない得ると共に、従来のように多くの
資材を必要としない為工費を大幅に軽減し得るも
のであり、又構成も簡単で安価に実施できる効果
がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図
はその正面図、第２図は当て板の縦断側面図、第
３図は同横断面図、第４図は他の実施例の横断面
図、である。 １…当て板、２，３…型枠パネル、４…接合
部、５，６，５′，６′，７，８…係合溝孔、９，
１０…係止鍔、５ａ，６ａ，７ａ，８ａ…大径
部、５ｂ，６ｂ，７ｂ，８ｂ…蟻嵌合壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右型枠パネル２，３の接合部４に両面に跨つ
   て外側から当てがわれる一枚の直板からなる当て
   板１であつて、該当て板１の内面に左右型枠パネ
   ル２，３に突設した係止鍔９，１０と嵌合しうる
   凹状縦溝又は縦孔からなる係合溝孔５，６，７，
   ８を左右に相対して傾斜状に設け且つ下端に大径
   部５ａ，６ａ，７ａ，８ａを、又上部に蟻嵌合壁
   ５ｂ，６ｂ，７ｂ，８ｂを夫々形成してなること
   を特徴とするコンクリート型枠締結装置。