JPS6332831Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、手摺り，バルコニーにおける笠木
の下端部と、前面桁および妻梁等の横桁の上端部
との間に、所定間隔で複数取付けられる格子の取
付装置に関するものである。

従来技術および問題点 従来、この種の格子の取付け装置としては、次
に述べるものが一般に知られている。

格子を上下枠間に取付け、上下枠と数本の格
子とからパネル化して格子パネルを形成する。
そしてこの格子パネルをバルコニーの笠木と前
面桁および妻梁との間に嵌込んで、上下枠と笠
木および前面桁・妻梁とをボルト・ナツト等に
より固定することで格子を取付けるもの。

笠木および前面桁・妻梁の格子取付位置に切
欠き部を設け、この切欠き部に格子を挿入す
る。そして切欠き部を塞ぎ格子を固定する固定
片を、笠木および前面桁・妻梁に取付けて格子
を固定するもの。

しかしは、格子パネルを形成するための上下
枠が必要であると共に、上下枠および前面桁等に
ボルト挿通用の透孔を押出し一体成形後に設ける
必要があるなど製作費が高価となる。またボルト
挿通用透孔へのボルト挿通時の位置合わせや、ボ
ルト・ナツト締付け作業等の組立て作業が面倒で
あり、前述した製作費と共に格子取付製品全体が
高価となる。

そしては、予め格子パネルを製作する必要は
ないが笠木および前面桁・妻梁の押出し一体成形
後に、切欠き部を設ける作業が必要である。また
格子は、切欠き部に挿入させるだけなので確実に
保持するために、格子挿入時に笠木および前面
桁・妻梁と係合するようなものを加工する必要が
ある。このようにも格子取付製品全体が高価と
なる。

さらに，とも構造が複雑になる傾向があ
り、格子１の間隔を自由に変えることができな
い。もしも間隔を変える必要がある場合は、笠
木，前面桁等を別のものに変える必要があり、事
実上不可能である。

考案の目的 この考案は、前述した事情に鑑み創案されたも
ので、その目的は簡単な構造で、容易かつ確実に
格子の取付けることができ、格子取付けが安価に
行なえる格子の取付装置を提供することにある。

考案の構成 この考案によれば格子を笠木と横桁との両対向
面間に直接取付けるものとする。そして各格子
は、両対向の格子取付位置に間隔をおいて複数個
設けた断面略コ字状の保持具と、この保持具のコ
字溝へ格子嵌合後に両対向面に取付けて格子を押
え固定する格子押えとにより取付けられるもので
ある。

実施例 以下この考案を図示する実施例によつて説明す
る。

取付装置７は、笠木３の下面と横桁の上面にそ
れぞれ間隔をおいて複数個固定した断面略コ字状
の弾発性を備えた保持具１０と、この相対向する
両保持具１０，１０のコ字状溝１０ａ，１０ａへ
上下端部の一側部を嵌入した格子１の他側部に当
接させて笠木３および横桁に固定した格子押え１
２とからなつている。

そしてこの実施例での格子１は、バルコニー２
の笠木３下端部と、横桁である前面桁４および妻
梁５上端部との両対向取付面６，６間に、複数取
付けられている。（第１図，第２図参照） またこの実施例での取付装置７は、両取付面
６，６のバルコニー外８側周縁の格子１取付位置
へビスにより相対向して固定されている両保持具
１０，１０と、両取付面６，６のバルコニー内１
１側周縁へビス９により固定された両格子押え１
２，１２とを備えている。（第２図参照） そして格子１の上下端部の一側部が両保持具１
０，１０に嵌入し、また他側部が両格子押え１
２，１２に当接している。

保持具１０は、基片１０およびこの基片１０ｂ
の両端に延設されている両支持片１０ｃ，１０ｃ
とから断面略コ字状に形成された弾発性を有する
ものである。

そしてこの保持具１０は、その両支持片１０
ｃ，１０ｃの延設方向を内周面側方向とすると共
に、その基片１０ｂを、笠木３と前面桁４および
妻梁５との長手方向に連続して押出し一体成形さ
れた螺入部１３へ螺入するビス９により、笠木３
の下面と前面桁４および妻梁５の上面とへ取付け
ることで、笠木３および横桁にそれぞれ間隔をお
いて複数個固着したものである。

またこの保持具１０のコ字状溝１０ａの開口幅
Ｄは、格子幅ｄよりやや小さく形成され、格子１
の嵌合時に押し広げられて、格子１の嵌合状態を
弾性的に保持するようになつている。（第２図、
第３図参照） 格子押え１２は、両取付面６，６からバルコニ
ー外８へ傾斜した基部１２ａと、この基部１２ａ
のバルコニー外８端に設けた格子１に当接する押
え部１２ｂとからなる長尺材である。そして両取
付面６，６の長手方向に沿つてビス９により固着
したものである。

なお妻梁５の取付面６に取付けられる格子押え
１２は、基部１２ａのバルコニー内１１端に、デ
ツキ材１４上に突出する妻梁カバー１２ｃが設け
られている（第３図，第４図参照） このような構成からなる取付装置７による格子
１の取付け作業は、まず笠木３、前面桁４・妻梁
５の両取付面６，６の格子取付位置に、螺入部１
３へ螺入するビス９により複数の保持具１０，１
０を間隔をおいて固着する。この保持具１０，１
０の固着作業は、予め工場等で行なわれ、組立て
現場に送られる。

次に格子１の上下端を保持具１０，１０へ嵌合
させて、格子１を笠木３と前面桁４および妻梁５
との間に保持する。

その後笠木３、前面桁４・妻梁５の両取付面
６，６に格子押え１２をビス９により取付けて、
格子１を固定する。この時、ビス９の螺入作業
は、傾斜した基部１２ａを利用するので容易に行
なえる。

なお保持具１０固着用ビス９が螺入する螺入部
１３は、笠木３、前面桁４・妻梁５の長手方向に
連続して一体成形されているので、保持具１０を
両取付面６，６の長手方向のどの位置にでも固着
できる。そのため格子１の間隔を適宜変えること
が可能となる。

第５図，第６図は、この考案の取付装置７の別
態様を示したものである。

この取付装置７は、格子１の断面形状が第６図
に示すものである場合に対応して、保持具１０の
断面形状を変形させたものである。このような断
面略コ字状の形状を若干変えるだけで、どのよう
な断面形状の格子１でも取付けることができる。

また第５図に示したように格子押え１２を取付
けるビス９の螺入方向を笠木３および前面桁４・
妻梁５と垂直方向とすれば、螺入部１３を笠木
３、前面桁４・妻梁５と押出し一体成形できる。

考案の効果 この考案は、以上のような構成からなり、次に
述べる効果を有する。

保持具と格子押えとを備える簡単な構造であ
り、格子を保持具へ押し込んで保持させた後、
格子押えを取付けて格子を固定する容易な作業
で格子の取付けが行なえる。そのため格子の取
付けが安価に行なえる。

格子の保持を保持具へ押し込むだけで行なえ
るので、格子に特別な加工を施す必要がなく、
笠木・前面桁・妻梁に押出し成形後に切欠き部
等を設ける作業も必要としない。そのため製作
費が安価となる。また格子は、バルコニー組立
て後に取付けられるので、作業能率が良くな
る。

保持具を笠木・前面桁・妻梁の長手方向のど
の位置にでも取付けられるようにすれば、格子
の間隔を適宜変えることができる。

格子嵌合時に格子を弾性的に保持するように
保持具を形成すれば、格子を確実に保持するこ
とができ格子の取付作業時に格子が外れるよう
なことがない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の取付装置により格子が取付
けられたバルコニーを示す斜視図、第２図は第１
図のＡ−Ａ線拡大断面図、第３図は第２図のＢ−
Ｂ線部分断面図、第４図は第１図のＣ−Ｃ線拡大
断面図、第５図はこの考案の取付装置の別態様を
示す断面図、第６図は第５図のＤ−Ｄ線部分断面
図である。 １……格子、２……バルコニー、３……笠木、
４……前面桁、５……妻梁、６……取付面、７…
…取付装置、８……バルコニー外、９……ビス、
１０……保持具、１０ａ……コ字状溝、１１……
バルコニー内、１２……格子押え、１２ａ……基
部、１２ｂ……押え部、１３……螺入部、１４…
…デツキ材、１２ｃ……妻梁カバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基片１０ｂおよびこの基片１０ｂの両端に延設
   されている両支持片１０ｃ，１０ｃとから断面略
   コ字状に形成された弾発性を有する保持具１０
   を、前記両支持片１０ｃ，１０ｃの延設方向を笠
   木３および横桁の長手方向と直行する側方とし
   て、前記基片１０ｂを前記笠木３の下面および横
   桁の上面へ取付けることで、前記笠木３の下面と
   横桁の上面とにそれぞれ間隔をおいて複数個固定
   し、この相対向する両保持具１０，１０のコ字状
   溝１０ａ，１０ａへ格子１の上下端部の一側部を
   嵌入し、該格子１の他端部にそれぞれ格子押さえ
   １２，１２を当接させて笠木３および横桁に格子
   押さえ１２を固定してなることを特徴とする格子
   の取付装置。